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2009年1月

2009年1月30日 (金)

「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(09年1月)

 「2009年版」に引き続いて、「このミステリーがすごい!2010年版」でも“ランキング発表前に対象作品を読んでしまおう!”というのをやってみようと思います。

 それで、日頃から“どんな作品がランクインしそうかな?”って色々とチェックしているので、どうせならそれを発売された月別にまとめてしまおう!ということで始めたのがこの「月別ランクイン候補作品」です。

 ここでは、とりあえず「このミス」の対象になりそうな作品をピックアップして、“作者の過去実績”や“なんとなくの前評判”を元に、推測されるランクインの可能性ごとに3段階に分けて並べています。

 なお、これを書いている時点では作品をまだ読んでいない状況になると思うので、この3段階の分類は、作品を読んだ上で決めたものではありませんので、その点ご了承ください。 

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 >> 2009年1月発売の最有力候補っぽい作品 <<


 【 鬼の跫音 / 道尾秀介 】

鬼の跫音鬼の跫音
道尾 秀介

角川グループパブリッシング 2009-01-30
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  > 鈴虫だけが知っている、過去の完全犯罪。
  > 蝶に導かれて赴いた村で起きた猟奇殺人事件。
  > いま最も注目を集める新鋭・道尾秀介が満を持して送り出す、
  > 初の連作短編集!


 「2007年版」から3年連続でランクインしているだけでなく、「2007年版」と「2009年版」では2作同時ランクイン、さらには記憶に新しい「2009年版」ではベスト10に2作品もランクインさせるなど、とにかく「このミス」ランクイン作品を事前に読もうとするならチェックしないわけにはいかない道尾秀介の新作です。

 ただ、この作品はこれまでとは違って連作短編集なので、その点でどうなるのでしょうかね。それに、今年はさらに長編と短編集も発売される予定のようなので、それらの作品との兼ね合いも影響してきそうです。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
       >> No.169 『鬼の跫音』 道尾秀介


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「向日葵の咲かない夏」  2007年版 17位
   > 「シャドウ」  2007年版 3位
   > 「片眼の猿」  2008年版 19位
   > 「ラットマン」  2009年版 10位
   > 「カラスの親指」  2009年版 6位


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 【 少女 / 湊かなえ 】

少女少女
湊 かなえ

早川書房 2009-01-23
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  > 高2の夏休み前、
  > 由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。
  > 彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。
  > その告白に魅せられたふたりの胸に、ある思いが…。
  > ベストセラー『告白』に続く衝撃作。


 昨年のデビュー作「告白」が瞬く間に大ヒットし、年末の各ランキングでも上位に入り、「このミス」でも新人ながら4位と高位置にランクインした湊かなえの、待望のデビュー第二作目です。

 デビュー作があれだけのフィーバーぶりだったので、今作にも期待が高まってしまいますが、前作の評価が高かった分、今作ではある程度厳しい目で見られてしまうと思うのですよね。

 果たしてそれでもなお評価されるような作品であるのでしょうか。読むのが楽しみです。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
       >> No.165 『少女』 湊かなえ


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「告白」  2009年版 4位

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 【 煙霞 / 黒川博行 】

煙霞煙霞
黒川 博行

文藝春秋 2009-01
売り上げランキング : 3125

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  > 高校講師の熊谷は、
  > 学校を私物化する理事長から金を奪う計画に巻き込まれる。
  > 計画の首謀者は誰なのか、奪った金塊の行方は…。
  > 悪党達が駆け回るノンストップ騙しあい小説。


 No.133「悪果」が2008年版の14位にランクインした黒川博行の最新作です。

 その「悪果」とは違って警察小説ではないのですが、今回は騙し合いのコンゲームとのことなので、充分「このミス」の範囲内ですからね。

 それに、No.69「奪取」 真保裕一が「1997年版」の2位にランクインしたように、当たればデカいジャンルでもあるので、期待して読みたいと思います。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
       >> No.164 『煙霞』 黒川博行


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「疫病神」  1998年版 13位
   > 「悪果」  2008年版 14位

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 【 ブラザー・サン シスター・ムーン / 恩田陸 】

ブラザー・サン シスター・ムーンブラザー・サン シスター・ムーン
恩田 陸

河出書房新社 2009-01-23
売り上げランキング : 1240

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  > ねえ、覚えてる?
  > 空から蛇が落ちてきたあの夏の日のことを――
  > 本と映画と音楽……
  > それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。
  > 『夜のピクニック』から4年、恩田陸が贈る、
  > 青春小説の新たなスタンダードナンバー誕生。


 「このミス」にはこれまで8作もランクインさせていて、現在2年連続ランクイン中の恩田陸の最新作です。

 ちなみに、2年連続でランクイン中の作家は、恩田陸・道尾秀介・三津田信三の3人だけです。

 ただ、昨年のNo.131「きのうの世界」が歴としたミステリ作品だったのに対して、今作はスタンダードな青春小説のようなので、ジャンル的にもちょっと「このミス」的には厳しいかな~って感じでしょうかね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
       >> No.161 『ブラザー・サン シスター・ムーン』 恩田陸


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「三月は深き紅の淵を」  1998年版 9位、20年ベスト 19位
   > 「象と耳鳴り」  2001年版 6位
   > 「月の裏側」  2001年版 11位
   > 「ドミノ」  2002年版 12位
   > 「黒と茶の幻想」  2003年版 14位
   > 「Q&A」  2005年版 15位
   > 「中庭の出来事」  2008年版 20位
   > 「きのうの世界」  2009年版 14位

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 >> 2009年1月発売の有力候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数

  
   無貌伝 ~双児の子ら~ / 望月守宮  <感想記事はこちら>
   神器―軍艦「橿原」殺人事件 / 奥泉光 (2作)
   風花病棟 / 帚木蓬生 (2作)

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 >> 2009年1月発売の候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   たまさか人形堂物語 / 津原泰水 (1作)  <感想記事はこちら>
   ひとり / 新津きよみ
   五月の独房にて / 岩井志麻子 (1作)
   この胸に深々と突き刺さる矢を抜け / 白石一文
   女優仕掛人 / 新堂冬樹
   カンナ 天草の神兵 / 高田崇史
   黒影の館 建築探偵桜井京介の事件簿 / 篠田真由美
   シカゴファイル2012 / 中村靖彦
   人外境の殺人 / 早見江堂

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  「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(08年12月) <<<

  >>> 「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(09年2月)


 「月別ランクイン候補作品」の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年1月27日 (火)

『警官の紋章』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.152

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.152

 『警官の紋章』 佐々木譲

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.1.16 ~ 読終:2009.1.18

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年12月>

警官の紋章 (ハルキ文庫)警官の紋章 (ハルキ文庫)
佐々木 譲

角川春樹事務所 2010-05
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 この作品は、No.138「うたう警官 (笑う警官)」 No.151「警察庁から来た男」に続く「道警シリーズ」の第3弾です。

 前2作との繋がりに関してですが、まず2作目の「警察庁から来た男」とは、シリーズ的な繋がりはあるものの、それほど大きな繋がりでもないので、続けて読んだ方が楽しめることはもちろんですが、仕方なしに飛ばして本作を読んだとしても致命的な問題はないでしょう。

 しかし、1作目の「うたう警官(笑う警官)」とは話が進むにつれて大きな繋がりが出てきまして、一応作中で説明はなされるものの、実際に1作目を読んでいないことには付いていけないんじゃないかと思うほどに、細かな内容にも係わってくるので、本作を読む前に「うたう警官(笑う警官)」は必読でしょうね。

 それに、「警察庁から来た男」と本作のあらすじや説明を読んだだけでも、「うたう警官(笑う警官)」のネタバレ的になってしまうので、やはりこのシリーズは順番に読んでいくのが一番でしょう。

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 そして内容の方は、このシリーズの主要キャラクターが別々の任務を遂行していくと、いつしか同じ終着地へと絡み合っていく、といった感じで、「警察庁から来た男」の方に近い構成となっています。

 その別々の任務の中の一つが「うたう警官(笑う警官)」と大きく関係してくるわけですが、やはり前の作品の内容に関することのために説明的な文章が多くなるので、ストーリー的に勢いがつきそうになっても、説明的な部分に入るとそこで勢いが停止してしまうような感じになってしまいました。

 それに、前2作は話の核となるもの(主人公達の行動目的)がはっきりとした形で提示されていたのに対し、本作は軸が一つに定まっていないようで、しかもそのうちの一つは1作目に出てくる内容が中心となるため、前2作ほどはクライマックスに向けての求心力は感じられませんでしたかね。

 読後しばらく経ってから思い返してみても、第1・2作目は大まかな話の流れがすぐに思い浮かぶものの、本作の場合は一番読んでから日が浅いにも関わらず、改めてあらすじを読まないと思い出せなかったし。

 とまあちょっと苦言的なことを書いてしまいましたが、それはこのシリーズに対しての期待がどうしても高くなってしまうからなのです。もちろんつまらなかったわけではなく、このシリーズを通してのテーマにはブレがないし、クライマックスに向けて全ての謎が一つに集約されていく迫力は前作にも劣らないものでしたからね。

 なので、前2作を読んでこのシリーズのファンになった方なら、本作も充分に楽しむことが出来るでしょう。

 ちなみに、「このミス2008年版」(07年12月発売)の「私の隠し玉」の中で作者が、本作のことを“北海道警察本部三部作の第三部完結編”と称しているのですが、本作が発売された際には“完結編”という言葉は見当たりませんでした。

 なので、第4弾も期待していてもよいのでしょうかね?その方が断然嬉しいですが(後日追記:めでたくシリーズ第4弾No.282「巡査の休日」が発売になりました)。
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  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       読み終り爽快度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  > No.505 「密売人」

  > No.485 「警官の条件」
  > No.424 「婢伝五稜郭」
  > No.423 「五稜郭残党伝」
  > No.401 「エトロフ発緊急電」
  > No.344 「ベルリン飛行指令」

  > No.298 「北帰行」
  > No.282 「巡査の休日」
  > No.230 「廃墟に乞う」
  > No.200 「警官の血」
  > No.175 「暴雪圏」

  > No.152 「警官の紋章」
  > No.151 「警察庁から来た男」
  > No.138 「うたう警官 (笑う警官)」
  > No.048 「制服捜査」
  > No.024 「ストックホルムの密使」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「倒錯の死角」 折原一

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年1月26日 (月)

『警察庁から来た男』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.151

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.151

 『警察庁から来た男』 佐々木譲

   「このミス」2008年版 : 51位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.1.14 ~ 読終:2009.1.15

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2006年12月>

警察庁から来た男 (ハルキ文庫)警察庁から来た男 (ハルキ文庫)
佐々木 譲

角川春樹事務所 2008-05-15
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 この作品は、No.138「うたう警官 (笑う警官)」から続く、そしてNo.152「警官の紋章」へと続く(2009年1月時点)、「道警シリーズ」の第2作に当たります。

 シリーズ2作目といえども、前作からストーリーが完全に繋がっているわけではないので、この作品を単体で楽しむことも充分可能でしょう。

 ただし、時間の流れや主要人物や舞台・背景というのは繋がっています。それに、作中に前作の内容に関する話題が度々出てくるだけでなく、前作のネタバレ的な部分もあるくらいなのですよね。しかも、文庫版の紹介文を読んだだけでもネタバレになってしまうくらいで。

 その部分は、まあ作品の中の核心部分というわけではないのですが、でもそこを知らずに前作を読んだ方がより楽しめることは確かなので、“自分は「うたう警官(笑う警官)」を今後絶対に読まない!”と心に誓っている人以外は、この作品(およびシリーズ第3弾「警官の紋章」)の情報を目にする前に、まずはシリーズ第1作「うたう警官(笑う警官)」から読むことをお薦めします。

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 そして内容の方ですが、前作のように力を一つに集結して巨大な敵に向かっていく、といった構成ではなくて、逆に別々の捜査でもって進んでいくと、いつしか同じ終着地へと絡み合っていく、といった感じでしょうか。

 なので、前作とは構成的な部分では楽しみ所が違っていると思うのですが、やはり相手となるのが身内でもある道警で、つまりは主人公達にとっては大きすぎる敵であるので、そういったところは前作と共通したテーマとなっています。

 それに、この堅守なまでに強固な道警の黒い部分を様々な方法を屈指して探ろうとするところで、“正体不明の謎”と“その謎に到達するまでの道筋”といったミステリ的な面白さを楽しむことが出来るのですが、これも前作同様ですね。

 そして、様々な事件や人が一つに集約されるクライマックスのシーンが、とても映画的な迫力で、これが前作にはない今作の魅力となっていました。なんか「笑う警官」に続いてこの作品の映画化もすでに目論んでいるかのようでしたねェ。

 ちなみに、前作「うたう警官」は“タイトルがわかりにくい”という理由で文庫化の際に「笑う警官」に改題されたわけですが、その影響からか本作はこれ以上ないくらいにわかりやすいタイトルとなりましたね。ただ、その分面白味がないようにも感じてしまいますが.....。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★       読み終り爽快度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  > No.505 「密売人」

  > No.485 「警官の条件」
  > No.424 「婢伝五稜郭」
  > No.423 「五稜郭残党伝」
  > No.401 「エトロフ発緊急電」
  > No.344 「ベルリン飛行指令」

  > No.298 「北帰行」
  > No.282 「巡査の休日」
  > No.230 「廃墟に乞う」
  > No.200 「警官の血」
  > No.175 「暴雪圏」

  > No.152 「警官の紋章」
  > No.151 「警察庁から来た男」
  > No.138 「うたう警官 (笑う警官)」
  > No.048 「制服捜査」
  > No.024 「ストックホルムの密使」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年1月25日 (日)

『ファミリーポートレイト』 桜庭一樹 > 「このミス」完全読破 No.150

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.150

 『ファミリーポートレイト』 桜庭一樹

   「このミス」2010年版 : 51位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.1.7 ~ 読終:2009.1.13

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年11月>

ファミリーポートレイト (講談社文庫)ファミリーポートレイト (講談社文庫)
桜庭 一樹

講談社 2011-11-15
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 No.73「赤朽葉家の伝説」で日本推理作家協会賞、そして「私の男」で直木賞を受賞し、一躍人気作家の仲間入りを果たした桜庭一樹ですが、その直木賞受賞後の記念すべき第一作となったのが、この「ファミリーポートレイト」です。

 物語は大きく2つに分かれていまして、前半は若い母と幼い娘との逃避行劇が描かれています。

 その逃避行にて様々な場所に立ち寄ることとなるのですが、それぞれの区切りがハッキリしているので、連作集を読んでいるようでもありましたね。

 そしてそれぞれの場所やそこで起きる出来事というのが、まるで別世界のように様相を変えていって、しかもどことなく幻想的な雰囲気を漂わせているので、こういった部分がなんとなく「赤朽葉家の伝説」に似た空気を感じました。

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 そして後半ではその後の話が描かれるのですが、ストーリー展開を軸にしたような前半に対して、後半に入ると主人公の心情や精神的な成長などが中心となり話が進められるため、どちらかというと純文学的になってきます。

 なので、前後半で受ける印象は結構違って、境目が流れ的にもハッキリとした形で感じられるのですが、前半か後半かで読む人の好みが別れそうな感じでしょうか。

 ただ後半も、場面によって雰囲気がかなり変わったり突拍子もない出来事が起きたりと、ストーリー的にも惹かれるものがありますし、自分的にはそれぞれの魅力も、共通した面白さも堪能することができました。

 だけど、どちらかというならば、ずぶずぶと物語の中の世界に入り込んでしまい、読後にしばらくその余韻が残るくらいに影響を受けてしまった後半の方が、より楽しむことができましたかね。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★         鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★★   感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       読み終り爽快度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “桜庭一樹”関連記事 】

  > No.473 「ばらばら死体の夜」
  > No.412 「伏 贋作・里見八犬伝」
  > No.265 「製鉄天使」
  > No.150 「ファミリーポートレイト」
  > No.073 「赤朽葉家の伝説」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「警察庁から来た男」 佐々木譲

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年1月23日 (金)

『チェーン・ポイズン』 本多孝好 > 「このミス」完全読破 No148

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.148

 『チェーン・ポイズン』 本多孝好

   「このミス」2010年版 : 104位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.1.1 ~ 読終:2009.1.3

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年11月>

チェーン・ポイズン (講談社文庫)チェーン・ポイズン (講談社文庫)
本多 孝好

講談社 2012-01-17
売り上げランキング : 11073

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 講談社創業100周年を記念して「書き下ろし100冊」というシリーズが2008年11月から始まったのですが、吉田修一のNo.195「元職員」と共にその第1弾に選ばれたのがこの作品です。

 人生に絶望し死を考えるようになった女性の元に謎の人物が現れ、「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか? 1年頑張ったご褒美を差し上げます」と提案する場面からこの話は始まっていきます。

 ここで“1年後には何が待ち受けているのか?” “それまでの1年の間にどんな出来事が起こるのか?”といった感じで、この作品を読む上で興味を持つべき点や注目するべき点がハッキリとした形で提示され、それがとても気になるぐらいに魅力的なので、読む前の期待度はとても高かったですね。

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 そして主人公の興味深き1年間の物語が始まっていくわけですが、この1年後というのが、主人公と同様に読んでいる自分にもとっても大きな到達点に感じられてきます。そのため、そこに至るまでに起こる数々のエピソードが単なる場面で終わらず、1年後にどのように影響していくのか?といった興味が加わるので、ちょっとした出来事であっても大きな意味を持ちそうに思えてくるのですよね。

 そしてそこに、その大きな到達点である1年後の話として、この女性の死に関連する出来事について独自に調査する雑誌記者を主人公とした話が並行する形で書かれるのですが、1年後に向けて進む話(女性が主人公)と、1年後の時点から過去へと掘り下げていく話(雑誌記者が主人公)が交互に出てくることで、一つ一つの出来事が持つ意味が過去・現在・未来と時空を超えるほどに興味深くなるので、この構成は“上手いな~”と唸ってしまいました。

 ただ、その内容の方は、社会問題とか人生訓的なものが感じられて、それはこの作品のテーマとしても素晴らしいものだとは思うのですが、自分としてはエンターテイメントに徹した面白さを期待していたのですよね。なので、そういった部分で話に乗りきれずに一歩引いてしまったりもしたので、終盤を迎える頃までは、このままなら★2つくらいかな、と思ってました。

 しかし、クライマックスへと到達したならば、これがもうかなり驚かされてしまったのです。全く予期していなかっただけに、唖然呆然としながらも、なんだか嬉しくなっちゃいましたね。

 そんなわけで、終盤までが★2つ、クライマックスが★4つで、総合的には間をとって★3つってところでしょうか。

 自分的にはそんな感じでしたが、読む人によっては逆転しそう(終盤までが★4つ、クライマックスが★2つ)ですかね。「このミス」的には自分の評価に近くなるんじゃないかと思うのですが、どうでしょう。

(後日追記)
 この記事を書いていた時は★5段階評価でしたが、その後に★10段階評価に変更しました。
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  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★       読み終り爽快度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「黒い仏」 殊能将之

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年1月22日 (木)

〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 3位⇒1位

>> 「MDB的ミュージックアウォード2008」について <<

   *対象 : 2007年12月~2008年11月に発売された曲

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【 3位 : もっと遠くへ / レミオロメン 】


もっと遠くへ/オーケストラもっと遠くへ/オーケストラ
レミオロメン 藤巻亮太 小林武史

ビクターエンタテインメント 2008-07-30
オリコン年間ランキング : 136位

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 オリンピックのテーマ曲として流れていた歌ですが、テレビで聴いていた時にはあまりピンときていませんでした。

 ところがCDで聴いてみたら、これがまた素晴らしい名曲でした。何故テレビで聴いた時にはこの歌の良さがわからなかったのでしょうか。BGM的じゃないってことなのかも。

 オリンピックのテーマ曲だけあって応援歌なのですが、上辺だけの押しつけがましいような応援ではなく、心にど~んと響いてくるのですよね。どこか切なさというか、悲壮感が漂っているような感じもあるので、スポーツ選手向けの応援歌というよりは、人生の応援歌の方が合っているかもしれません

 Aメロから始まってBメロ→サビと徐々に盛り上がっていくのも心を沸き立たせるし、2番のサビの後に間奏を入れずに一気に大サビへと突入していくのも、聴いていて圧倒されてしまうほどですからね。

 自分はバラード曲をそれほど好きにはならないのですが、前年には「茜空」が6位でしたし、自分の中ではかなりレベルの高い今回のランキングでも3位なので、どうやらレミオロメンのバラードだけは例外のようです。

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【 2位 : Dream Fighter / Perfume 】


Dream Fighter(初回限定盤)Dream Fighter(初回限定盤)
Perfume 中田ヤスタカ

Tokuma Japan Communications =music= 2008-11-19
オリコン年間ランキング : 80位

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 6位にランクインした「love the world」の時に、「“まさにこれを求めていたんだ!”とガッツポーズをしたくなってしまうくらいに、自分好みの歌だった」と書きました。ホントに理想が現実になったような感じですかね。

 そしてその「love the world」の次のシングルとして発売されたのがこの「Dream Fighter」なのですが、この歌の場合は、自分の理想だとか想像出来るような域を遥かに越えるくらいの歌だったのですねェ。

 まあとにかく全編に渡って音が溢れかえっていて、有り触れた言い方をすれば“音の洪水”のようです。まるで音がたくさんの流星になって自分に向かって降り注いでくるようだし、逆に自分が音が無数に漂っている場所に突っ込んでいくような、そんな感覚に陥ってしまいます。

 そしてボーカルまでもがその音の一部のようになっているので、これはもうPerfumeの作品というよりは中田ヤスタカの作品って感じですからね。

 ただそんな中でも、あくまでポップス作品に仕上げているし、あくまでPerfumeの作品に仕上がっているので、そこがやはり凄いですし、この歌の魅力でもあると思うのです。どちらか一方に寄りすぎていなくて、絶妙なバランスを保っているからこそなのでしょう。

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【 1位 : ヒトヒラのハナビラ / ステレオポニー 】


ヒトヒラのハナビラヒトヒラのハナビラ
ステレオポニー AIMI

ソニー・ミュージックレコーズ 2008-11-05
オリコン年間ランキング : -位

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 そして自分の中ではかなり高レベルとなった2008年の1位に輝いたのが、ステレオポニーの「ヒトヒラのハナビラ」です。

 まだ10代の女の子バンドのデビュー曲なのですが、そう説明されないとわからないくらいにカッコ良すぎる歌なのですねェ。

 まず音が、そう見せないんだけどよ~く聴いてみるとかなり凝っているのです。普通に流し聴きしてしまいそうな部分でもつい聴き入ってしまって、しかもサビではノリ良いリズムを叩き込みながらも思いっきり爆発しているしで、まあすごい聴かせてくれるのですよね。

 そしてそのサビなのですが、カッコ良いながらもなんか聴いてて不思議な感じがするので、なんなんだろうな~と思っていたら、リズムは普通に4拍子なのに、歌のメロディー部分は3拍子だったのです。この4拍子と3拍子が重なり合っていることで、聴いていて良い意味での引っ掛かりを感じさせるので、この歌に惹き付けられるのでしょう。

 このように音やリズムがかなり凝っているのに、イントロやアウトロ、そして大サビなんかも、妙にあっさりしていて、しつこさがないどころか物足りなささえ感じるほどなのですが、それでまた何度でも聴いてしまうのですよね。イントロ・アウトロや大サビなんて、とにかく盛り上げるために作るのに必要以上に力が入ってしまいそうですが、それをここまであっさりとさせてしまうこの潔さが、この若さからしても凄いなと思ってしまいます。

 あと、ボーカルがクールでたんたんと歌う感じ(ビーイング系のボーカルっぽい?)なのですが、これがまたこのバンドの音に合っていて良いです。

 ちなみに、この歌はASIAN KUNG-FU GENERATIONの「君という花」に似すぎていると言われているようです。自分はこの「君という花」はかなり好きな歌(ASIAN KUNG-FU GENERATIONを最初に知った歌ですし)なのですが、たしかに曲調や雰囲気など似ているものの、そんなにケチつけるほどのものではないと思うのですけどね。


 というわけで、「MDB的ミュージックアウォード2008」はこのような結果となりました。

 自分は男ボーカルの歌の方が圧倒的に好きで、過去のランキングでもそれが結果に繁栄されていたのですが、2008年はベスト10内に男ボーカル曲がわずか3曲だけだったので、この結果は少々意外で驚いてしまいました。

 2009年も、自分的にレベルが高くて順位付けに頭を悩ますくらいに素晴らしい歌と出会うことが出来たら嬉しいですね。

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 〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 6位 ⇒ 4位 <<< PREV

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 MDB的ミュージックアウォード2008

 ・〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 20位 ⇒16位
 ・〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 15位 ⇒11位
 ・〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 10位 ⇒ 7位
 ・〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 6位 ⇒ 4位
 ・〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 3位 ⇒ 1位

2009年1月21日 (水)

「もやしもん」(7) / 石川雅之

もやしもん 7―TALES OF AGRICULTURE (7) (イブニングKC)もやしもん 7―TALES OF AGRICULTURE (7) (イブニングKC)
石川 雅之

講談社 2008-12-22
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 前巻でフランス編が終わり、今巻はまたいつものように大学が舞台に戻ったのですが、やはりメンバー全員揃った方が面白いですね。まあ長谷川さんの存在感が異様に薄れていたけど。

 その代わりに今巻で大活躍するのが、これまで何かと影に隠れがちだった及川葉月。前巻が男と男っぽい女の人ばっかりだったこともあって、女子メインだとかなり新鮮な感じがしました。

 それで改めてこの漫画の魅力として、“ロマンスに発展しそうな雰囲気を醸し出しつつもほとんど発展しない男女関係”というのもあるのかな、とちょっと思いました。純情でモテない男共とモテモテながらあまりそっちの方には興味がない女性陣との関係性が絶妙でよいのかも。

 この「もやしもん」は、現在読んでいる漫画の中でもかなり好きな方なのですが、それでも自分がこの作品のどこに魅力を感じているのかがイマイチ見えてこないので、読み返しながら考えたりしているのですが、上に書いたのもあくまで魅力の一つかな、といった程度で、まだ“これだ!”ってほどのものではないのです。

 いずれ“これだ!”っていう要素を見つけて、このブログに書ける日がくればいいのですけどね。まあ見つからなくても別に困らないので、どっちでもいいのですが。

 ちなみに、今回も限定版は買いませんでした。


もやしもん 7  限定版  ~nano~もやしもん 7 限定版 ~nano~
石川 雅之

講談社 2008-12-22
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 【「もやしもん」関連記事】

  > 「もやしもん」(7) / 石川雅之 (09.1.21)
  > 「もやしもん」(6) 石川雅之 (08.3.4)
  > アニメ「もやしもん」 (07.10.27)

2009年1月20日 (火)

『カカオ80%の夏』 永井するみ> 「このミス」完全読破 No.142

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.142

 『カカオ80%の夏』 永井するみ

   「このミス」2008年版 : 29位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2008.12.19 ~ 読終:2008.12.19

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2007年4月>

(P[な]3-1)カカオ80%の夏 (ポプラ文庫ピュアフル)(P[な]3-1)カカオ80%の夏 (ポプラ文庫ピュアフル)
永井 するみ

ポプラ社 2016-06-03
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 この作品は、「このミス」の20位以内には残念ながらランクインしませんでした。

 しかし、29位と惜しいところまでいっていたし、近年の女性作家によるハードボイルド作品では宮部みゆきのNo.77「誰か」と並ぶ重要作品だという評価もあるくらいなのですよね。

 それに、「2010年版」対象作品として、この作品の続編となる「レッド・マスカラの秋」が発売されたので、それを読む前に、このシリーズ第1作の「カカオ80%の夏」から読んでみたのです。

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 内容は、主人公である女子高生が、突如姿を消した同級生の友達を探すうちに、その裏に潜む大きな謎に入り込んでゆく.....、といった感じです。

 上に書いたような評判を聞いてから読んだからかわかりませんが、やはり「誰か」以外も含めた宮部みゆきのハードボイルド要素の入った作品の面白い部分と共通したものが感じられました。得体の知れない謎に立ち向かっていく勇気、とでもいいましょうか。

 それで自分は、“そっちの方に向かっていくと危ない目に合いそうだ”とわかりきっている場面でもそちらの方に勇猛果敢に突き進んでいこうとするような話がとても苦手で、宮部みゆき作品を読んでいるとそんなシーンが結構あるのですが、この作品もやっぱりそんな所がありましたね。

 ただ、主人公が女子高生だからか、それとも主人公の性格からか、それほど深入りすることはなかったので、ホッとしつつ先を楽しんだりもしました。

 まあ、周りの人達がことごとく主人公に対して積極的に手助けする部分にちょっと違和感があったものの、まだ若い主人公が、今の自分が出来ることから一歩ずつ進んでいって、友達の元へと辿り着こうとするその姿、そして辿る上での紆余曲折ある物語を、とても面白く読むことができました。

 なので、この「ミステリーYA!」の対象となる世代(この作品の主人公と同世代)の方はもちろん、それより上の方でも充分に楽しむことが出来る作品だと思いますね。もちろん男女問わず。
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  > 個人的評価 : ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       読み終り爽快度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “永井するみ”関連記事 】

  > No.182 「レッド・マスカラの秋」
  > No.142 「カカオ80%の夏」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「十八の夏」 光原百合

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年1月19日 (月)

「聖☆おにいさん」 中村光 (1)(2)

聖☆おにいさん 1 (1) (モーニングKC)聖☆おにいさん 1 (1) (モーニングKC)
中村 光

講談社 2008-01-23
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 自分は普段漫画は「週刊少年ジャンプ」オンリーで、他誌の漫画に関しては全くといっていいほど知識がないのですが、でもたまにジャンプ以外の漫画も読んでみたくなるのです。

 そんな時に役立たせてもらっているのが、「このミス」と同様に毎年発売されている「このマンガがすごい!」。

 かつてもこの本から、「もやしもん」「へうげもの」「よつばと!」など自分好みの漫画と出会うことが出来たのです。3作とも平仮名だけのタイトルなのは偶然ですが。

 そして昨年末に発売された「このマンガがすごい!2009」を見て面白そうだと思い読んでみたのが、1位にも輝いていたこの「聖☆おにいさん」です。今回は平仮名だけのタイトルではないのですが、6文字中5文字が平仮名なんで、傾向は同じですかね?

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 それでこの作品は、イエスとブッダの聖人2人が何故か東京・立川の安アパートで休暇を取っていて、様々な庶民の遊び場へ行っては2人で楽しんでいる、というとても変わった作品です。

 というわけで主役はイエスとブッダなのですが、とはいえ別に宗教的な内容ではなくて、この2人のゆるゆるな会話を中心としたほのぼのコメディなのです。

 なので、特別変わった行動をとるのではなく、逆に凡人的なことしかしていないので、初読時には「それほど面白くないかな?」と思っていたのですが、これが何回読んでも面白く楽しめてしまうというタイプの作品でした。そういった意味では、「デトロイト・メタル・シティ」とは正反対な感じでしょうか。

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 まあ、宗教的な内容ではないとはいえ、細かなギャグにはキリスト教・仏教の宗教的な話が絡んでくるのですけどね。ただ堅苦しいことはないし、やっぱりゆるゆるギャグに仕上がっているのですが。

 そして、宗教的なネタがあったとしても、宗教に関する知識がなくても充分楽しめる内容となっています。だけどまあ、知っていれば知っているほど面白さはアップするのですけどね。

 自分の場合は、かつて友達が通っていたキリスト教系の教会に遊びに行っていたことがあるので、キリスト教に関する知識はそれなりにあるし、仏教にかんしては、「ぶっせん」という漫画(これも平仮名だけのタイトルですね)を読んでいたので、その程度の知識は持ち合わせていたので、結構細かいところまで楽しめました。

 ただ、あまりに知識が豊富な人、つまりそれぞれの信者の方が読んだならば、あまり良い反応ではないかもしれませんね。宗教的にブラックなネタなんかもあるし。だけど教会の人なんかはそういった所で懐の深い人も多そうなので、意外とより面白がって読んでそうな感じも。今度友達に貸して感想を聞いてみましょうか。

 それにしても、この作品は結構ネタ作りが楽そうな気がするのですけど、どうなのでしょう。とりあえずイエスとブッダの2人がどこかに出掛けていったシーンを思い浮かべれば、それだけでネタがいくつも出て来そうですから。自分もテレビなどを観ていて「もしここにイエスとブッダが行ったらどうなるだろう.....」って想像するだけで楽しめちゃいますからね。

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 あと、なんといっても忘れてはならない個人的に好きなところがありまして、それは作中のイエスとブッダの性格ですね。

 とにかく子供のように様々なものに興味を持って、力いっぱい楽しんでいるのですが、その全力で未知のものに挑戦し楽しむ姿が、すごい自分の理想の姿なのですよね。特にイエスの性格がまさに理想そのもので。

 なので、この作品を読んでから、街中を歩いていても、ちょっとだけ周囲の様々な物事に対する見方が変わってきたように感じますからね。端から拒否したり引いてしまったりするのではなく、積極的に前に出て楽しんでみよう、と。そんな前向きな気持ちに自然となることができました。

 そういえば、教会に遊びに行っていた時に、説教の中でよく「イエスのようになりなさい」という言葉が出てきましたが、この漫画におけるイエスだったなら、ホントに“イエスのようになりたい”と思ってしまいますねェ。


聖(セイント)☆おにいさん (2) (モーニングKC (1720))聖(セイント)☆おにいさん (2) (モーニングKC (1720))
中村 光

講談社 2008-07-23
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2009年1月18日 (日)

『踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿』 北山猛邦 > 「このミス」完全読破 No.141

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.141

 『踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿』 北山猛邦

   「このミス」2010年版 : 121位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 26位

   読始:2008.12.17 ~ 読終:2008.12.18

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年11月>

踊るジョーカー (名探偵音野順の事件簿 ) (創元推理文庫)踊るジョーカー (名探偵音野順の事件簿 ) (創元推理文庫)
北山 猛邦

東京創元社 2011-06-29
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 探偵とそれを助けるワトソン役のコンビというのは、大昔から洋邦問わず書かれてきた探偵ミステリの定番です。

 そんな数多くある中で、新たに書こうとするならば、探偵が解決する事件や謎に独自の面白さを加えるのか、はたまた探偵とワトソン役のキャラクターに一工夫加えるのか。

 この作品の場合は後者に当たりまして、主人公は“引きこもり探偵”なのです。

 とても面倒くさがりで、外に出ることさえも嫌がるほどで、探偵を演じるのも謎を解くのも全くやる気がないのですが、いざ謎を解き始めると.......。といった感じです(ちなみにこの作品は短編集です)。

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 まあ、“引きこもり探偵”というキャラクターは、ありがちと言えばありがちなんですけどね。

 ただ、この引きこもり探偵と、全く逆の性格でなんとか主人公を名探偵に仕立てようと面倒を見るワトソン役の推理作家、そして事件の現場で度々出くわす豪快な性格の刑事、この3人のやり取りが、定番的であるもののとても微笑ましいほどに面白くて、自分的には“掴みはOK”でしたね。

 そしてこの2人が解く謎というのが、結構ちゃんとした本格ミステリ的トリックなのです。

 自分は、“「このミス」完全読破”をミステリ素人状態から始めたのですが、今まで150冊近く読んできたことで、本格ミステリ的トリックに対しても耐性というか免疫がある程度出来てきました。

 なので、そうトリック自体に驚いたり感心したりということもなくなっていたのですが、でもこの作品では、謎が提示されると“ホントにこれを解決できるの~?”と本気で疑い、それが実際に解決されると“これはすごい!”と驚き感心してしまったのです。

 まあ、自分が読んでも理解しやすいようなトリックや書き方だったからなのだろうし、そのトリック自体もかなりぶっ飛んだバカミス的なものが多いのですけどね。それでも、というかだからこそ、キャラクター的にもトリック的にもかなり自分好みでしたね。

 ほのぼのとしながらもある程度しっかりした本格ミステリを読みたいな~なんて時は、この作品がお薦めです。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★    読み終り爽快度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “北山猛邦” 関連記事 】

  > No.1056 「千年図書館」
  > No.0799 「オルゴーリェンヌ」
  > No.0758 「少年検閲官」

  > No.0688 「猫柳十一弦の失敗 探偵助手五箇条」
  > No.0530 「猫柳十一弦の後悔 不可能犯罪定数」
  > No.0451 「私たちが星座を盗んだ理由」
  > No.0315 「蝦蟇倉市事件 2」
  > No.0141 「踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「カカオ80%の夏」 永井するみ

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年1月17日 (土)

モヤモヤさまぁ~ず2 > 大江アナ・MDB的名場面ベスト10(08年下半期) 候補リスト

 「モヤモヤさまぁ~ず2」のアイドル・大江麻理子アナウンサーの、個人的にビビビッと来たシーンを集めてランキングにしてみました。

 今回は「2008年下半期」ということで、2008年7月~12月に放送された以下の回が対象となっています(6~7月をまたいで放送された「谷根千」は、まとめて下半期の対象としました)。

 > 「谷根千」 「ハワイ2」 「日暮里・舎人ライナー」 「幡ヶ谷・初台リベンジ」
 > 「モヤモヤ抽選会」 「都立大学・祐天寺」 「経堂・千歳船橋」
 > 「板橋区大山・常盤台」 「重大発表&未公開特集」 「ミニモヤさま」 「北海道」
 > 「蒲田」 「六本木」 「クリスマス大抽選会」


 ちなみに、前回(2008年上半期)は「ベスト10」と「ベスト10から惜しくも漏れた大江アナ名場面集」を同時に掲載しましたが、そうしたら記事が物凄く長くなってしまったので、今回はまず「候補リスト」を掲載して、後日改めてその候補リストの中からベスト10を発表することにいたしました。

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<< 大江アナ・MDB的名場面ベスト10(08年下半期) 候補リスト >>


 【 谷根千 】

  ・「実はサボテンおじさんのチャックが開いていた」と聞いて
                  わざわざ戻って見に行こうとする大江アナ (1)
  ・大竹のパンツをレポートする大江アナ (1)

  ・腕から強烈な体臭を発散する大江アナ (2)
  ・落とした乳首を三村・大竹と共に探す大江アナ (2)

  ・路上キャッチボールで左手で見事に
              ど真ん中ストライクを投げる大江アナ (3)
  ・キャッチボールを見ながら野球の応援歌を口ずさむ大江アナ (3)


 【 ハワイ2 】

  ・挨拶しながら店を出ようとして
     出入口に立て掛けてある看板に背中からぶつかる大江アナ (1)
  ・しゃがんだ三村・大竹を馬跳びする大江アナ (1)

  ・機内でのメガネ姿がケロロ軍曹に似ていた
                と言われ渋々認める大江アナ (90分SP)
  ・顔面をアリが這い回る大江アナ (90分SP)
  ・かき氷の小豆をスズメに盗られる大江アナ (90分SP)
  ・ホテルの前でサイコロを振る段取りなのに
              普通に部屋に入ろうとする大江アナ (90分SP)
  ・カンガルーの真似もドイヒーな大江アナ (90分SP)
  ・打ち上げ時のカジュアルな普段着の大江アナ (90分SP)


 【 日暮里・舎人ライナー 】

  ・リアルなカブトムシのリュックを背負う大江アナ (60分SP)
  ・ノリノリで「伊勢佐木町ブルース」を歌う大江アナ (60分SP)

  ・冷し中華を冷ます大江アナ (3)
  ・冷し中華を食べる口元をドアップで撮られる大江アナ (3)
  ・街の人に「舎人ライナーの美味しい店探し?」と聞かれて
       「舎人ライナーのモヤモヤした....」と正直に答える大江アナ (3)


 【 幡ヶ谷・初台リベンジ】

  ・ワキ汗の心配をする大江アナ (1)
  ・ふかし芋を3人分も買ったことを責められしょんぼりする大江アナ (1)
  ・店で様々な種類のシャボン玉を見つけ大興奮する大江アナ (1)
  ・「ちかん・暴力ゆるしません」の看板の前で
               シャボン玉をしようとする大江アナ (1)

  ・子供用のスーパーマンスーツを着用する大江アナ (2)
  ・福山雅治のモノマネを披露する大江アナ (2)


 【 都立大学・祐天寺 】

  ・ワキ汗対策バッチリの大江アナ (1)
  ・冷しスイカ争奪ジャンケン大会で負けて
            一人だけぬるいスイカを食べる大江アナ (1)
  ・悔しさのあまり車が横を通っているにも関わらず
             スイカにかぶりついてしまう大江アナ (1)
  ・スイカ汁が垂れる口元をドアップで撮られる大江アナ (1)
  ・八百屋さんが飼っているウナギのエサの
             ドジョウを躊躇なく手掴みする大江アナ (1)
  ・公園の3人乗りの前後に揺れる乗り物に3人で乗って
             大竹の背中に頭を何度もぶつける大江アナ (1)

  ・細長い風船の先っちょを触る大江アナ (2)
  ・全身びしょ濡れになりながら我を忘れて
                水風船遊びに興じる大江アナ (2)
  ・洋服屋でデカパンを手に取る大江アナ (2)
  ・マーボー好きを再認識する大江アナ (2)
  ・マーボー豆腐を食べて体を振るわせる大江アナ (2)

  ・つぶつぶ缶ジュースを早飲みする大江アナ (3)
  ・焼鳥屋さんとのジャンケン対決で当然のように負ける大江アナ (3)
  ・オリンピックの名言予想で「僕は魚になった」と答える大江アナ (3)


 【 経堂・千歳船橋 】

  ・おもちゃ屋で小便小僧のプラモが気になる大江アナ (1)

  ・座礁したラジコン船を救出するために噴水の中に突入する大江アナ (2)
  ・「はるばるてい」という店の名前を
          「いてるばるは」と逆に読んでしまう大江アナ (2)
  ・「モヤさま」通算3回目のマーボーを注文する大江アナ (2)
  ・ラーメンを取り分ける時に
     レンゲなどが乗って混み合っている器から入れてしまう大江アナ (2)

  ・衝撃を与えると爆発するおもちゃを
          実行する人決めジャンケンでまたもや負ける大江アナ (3)
  ・「カブト~ムシ~ クワガタ~ムシ~」と歌いながら歩く大江アナ (3)
  ・ヘラクレスオオカブトを手に乗せることができると聞いて
                さっと腕を差し出すやりたがりの大江アナ (3)
  ・そのカブトムシが腕を登り始め、思わずうめき悶える大江アナ (3)
  ・カブトムシの交尾を見てドン引きする大江アナ (3)
  ・シャクレる大江アナ (3)


 【 板橋区大山・常盤台 】

  ・プロレスショップで買ったバギーパンツの匂いを嗅いで
                      「イカの匂い?」と言う大江アナ (1)

  ・結びにくい所にあるおみくじの木に結んでいたら
    その姿を見ていた三村・大竹から変態扱いされる大江アナ (2)
  ・日常的にコインパーキングで
       リンボーダンスをやっていることを告白する大江アナ (2)
  ・タオルをふんどしにしてスベリ台をスベる大江アナ (2)
  ・カメラに向けてお尻をパサパサとはたく大江アナ (2)
  ・得意と豪語するリンボーダンスを失敗して
            パンツをカメラに撮られてしまう大江アナ (2)

  ・ソフトクリームを作るおもちゃの部品が飛んで顔に直撃する大江アナ (3)


 【 北海道 】

  ・今夜のみどころをグダグダに紹介する大江アナ (営業風SP)
  ・三村・大竹に横向きに抱えられて
      外国人スタッフの前に落とされる大江アナ (営業風SP)
  ・サイコロの目“コント「スバル車」”を
        “コント「ズルイ車」”と読み間違える大江アナ (営業風SP)
  ・サイコロの目「本当は興味がない体で」を
               忠実に実行する大江アナ (営業風SP)
  ・だけど、本物のラリーカーに乗ることが出来る場面でも
          乗せてもらえずに本気で悔しがる大江アナ (営業風SP)
  ・サイコロの目「キャイ~ン天野の好きな所を10コ言え」で
         6コ目以降を次に会った時に考えると言う大江アナ (営業風SP)

  ・三村・大竹に不意打ちでスベリ台から落とされて
                       砂まみれの大江アナ (営業風SP)
  ・青木カメラマンに「あ~ん」と言いながら
                ホッケを食べさせる大江アナ (営業風SP)
  ・「最初はグー」を言う前に「せ~の!」と言ってしまい
                三村・大竹から責められる大江アナ (営業風SP)
  ・自腹で木彫りの熊を買う人決めジャンケンで
                 やっぱり負けてしまう大江アナ (営業風SP)
  ・大倉山ジャンプ台の上からサイコロを放り投げる大江主任 (営業風SP)

  ・サイコロの目「北海道ダジャレ」で「いかにもそうですイカそうめん」
               と言って三村・大竹をあ然とさせる大江アナ (B面)
  ・さらに「イカにもソーメンって....」「時計台はほっとけーだい!」
                と言って三村・大竹に失笑される大江アナ (B面)
  ・顔出し記念写真パネルで頭まで出したり手をはみ出したりして
                    理解力の弱さを指摘される大江アナ (B面)
  ・スピードスケート擬似体験コーナーで
     ヒドいフォームながら一生懸命さが伝わってくる大江アナ (B面)


 【 蒲 田 】

  ・全身マッサージベッド使用中に
         「(胸が)なくなった」と言われショックを受ける大江アナ (1)
  ・写真屋で笑いかけの顔を写真に撮られる大江アナ (1)

  ・いつも通りにジャンケンで負けて歩くような速さで動く
         動物の乗り物にまたがりながら歌う大江アナ (2)

  ・ヘリウムガスを吸ったらアニメ声になった大江アナ (3)
  ・UFOのラジコンを飛ばして三村の顔面に直撃させる大江アナ (3)
  ・ヒレカツを三村・大竹にあげたため白米だけを食べ続ける大江アナ (3)
  ・三村がお尻を触るふりをするも
       全く避ける気がなくて本当に触られてしまう大江アナ (3)
  ・そして大竹のお尻よりも固いと言われる大江アナ (3)


 【 六本木 】

  ・三村がスベリ台のスベる所から登る時に
             「よ~いしょ!」と声援を送る大江アナ (1)
  ・スベリ台をやんちゃに登りスベリする大江アナ (1)
  ・サイコロがお腹に何度も直撃する大江アナ (1)

  ・ミッキー料理三品(ラーメン・ヤキソバ・ライス)の
     どれを食べるか決めるジャンケンでもちろん負ける大江アナ (2)


 【 クリスマス大抽選会 】

  ・三村・大竹と共にキャイ~ンポーズをする大江アナ

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 さてさて、これらの大江アナの名場面の中から、一体どのシーンがベスト10に入り、そしてどのシーンが1位に輝いたのでしょうか!?

 ランクインした名場面に関しては、詳しくというほどではないけれど説明や感想を添えていますので、まずは10位 → 6位からご覧ください!!


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2009年1月16日 (金)

『うたう警官(笑う警官)』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.138

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.138

 『うたう警官』 佐々木譲

   * 文庫化の際に「笑う警官」に改題

   「このミス」2006年版 : 10位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2008.12.2 ~ 読終:2008.12.11

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本 <2007年5月>

笑う警官 (ハルキ文庫)笑う警官 (ハルキ文庫)
佐々木 譲

角川春樹事務所 2007-05
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 この作品は、No.151「警察庁から来た男」No.152「警官の紋章」へと続く(2009年1月時点)、「道警シリーズ」の記念すべき第1作に当たります。

 それでこのタイトルなのですが、最初にハードカバーで発売された時のタイトルは「うたう警官」で、「このミス」にランクインした時もこちらのタイトルでした。

 しかし、この「うたう警官」というタイトルは意味がわかりにくいと言われていたそうで、さらに映画化が決まった際に角川春樹顧問から改題を提案されたことから、文庫版では「笑う警官」と改題されたわけなのです。

 「笑う警官」というタイトルは、海外作品のマルティン・ベック・シリーズにも同じものがあるのだそうですが、元々はこのシリーズのオマージュ的な感じで書かれたので、あえて同じ「笑う警官」としたとのことです。

 ただ、「うたう警官」というタイトルはやはりわかりにくいけれど、実際に読んでみれば“なるほどな”と思ったのに対し、「笑う警官」というタイトルは読み終わった後でもあまりピンと来なかったので、自分的には「うたう警官」の方が良かったな~って思っちゃいますけどね。

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 それで内容の方ですが、警察官である主人公が、かつて共に死線を潜り抜けてきた同僚が命を狙われていることを知り、なんとか救い出そうと奮闘する話です。

 しかしその同僚の命を狙う相手というのが、実は主人公たちが所属する北海道警で、しかもそれは公然とした職務の一環として行われているのです。

 となると、同僚に手助けすることは警察官としては反逆的なことなので、大っぴらには助けたり事件の謎を捜査したりは出来ないわけですが、そこで主人公がとった作戦とは......。

 この作戦が明らかにされる場面というのが、これがまるでスーパーヒーローもののような盛り上がりで、このカッコ良さには参っちゃいましたねェ。表層的には警察官として職務に反することを行おうとしているのだけれど、その奥には正義の心が溢れている.....、ってとこもヒーローものっぽいですしね。

 そしてタイムリミットが迫る中、大きすぎる敵や謎に対して悪戦苦闘しながらも迫っていくのですが、手に汗握るクライマックスに至るまでのこのサスペンス風味溢れる展開にはハラハラドキドキしっぱなしでした。

 ただ、そんなハラハラドキドキするような場面も、シリーズ続編の「警察庁から来た男」「警官の紋章」のちょっとした説明を先に読んでしまうだけでも台無しになってしまうので、まずはなるべく情報を仕入れない状態でこの作品を読んでみて下さい。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★     感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★       読み終り爽快度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  > No.401 「エトロフ発緊急電」
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  > No.152 「警官の紋章」
  > No.151 「警察庁から来た男」
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  > No.048 「制服捜査」
  > No.024 「ストックホルムの密使」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年1月15日 (木)

ミニミニさまぁ~ず2009

 昨年(2007~2008)に引き続いて今年(2008~2009)も、年末年始の8日間に「ミニミニさまぁ~ず」が放送されました。

 この「ミニミニさまぁ~ず」というのは、「モヤモヤさまぁ~ず2」から派生した感じの番組で、「ミニ枠」という”番組と番組の間に放送している2~3分くらいのの短い番組(局は違うけど「世界の車窓から」とか「食いしん坊バンザイ」とか)”の時間帯を使って、昨年末の12月27日から明けて1月3日までの8日間で17本放送されたものなのです。

 12月に入った頃に、前回がなかなか面白かったので今年もやらないのかな~と思っていたのですが、今年の宣伝が「モヤさま」の08年最後の放送の1回だけで、自分はこれを録画しただけでしばらく観ていなかったので、もうすっかり「ミニさま」のことは忘れていました。

 そんなある時、このブログのアクセス解析を見ていたら、何故か昨年書いた「ミニさま」記事のアクセスがいつもより多めだったのです。なんでだろ?とちょっと調べてみましたら、今年も「ミニさま」を実施するということを知って、第1回がすでに終わっていたりなんかしないよね!?と焦りながら見てみましたら、ちょうどその日の夜から放送開始だったのです(「ミニさま」実施を知ったのはお昼頃)。

 なので、もしもこのブログをやっていなかったら、そしてあのタイミングでアクセス解析を見ていなかったら、完全に第1回の放送は見逃していたわけなんですねェ。危なかった.....。

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 それで公式サイトを見ながら録画予約をしていったら、ちょうど運良く他の録りたい番組とは重ならなかったので、2年連続コンプリート達成は間違いないと思っていました。

 ところがどっこい、早くも第3回で録画を失敗してしまうのでした.....。

 公式サイトでは、放送時間を「夜8時55分~」とか「午前10時25分~」とか「昼12時25分~」とかの表記で書いてあったのですが、その問題の第3回は「夜11時54分~」と書いてあったところを、午前の11時54分から録画していたのですねェ。

 これはもう自分の不注意なミスなのですが、元々予約作業している時に“この書き方だと間違えやすそうだな~”と思っていたし、24時間表記で書いてあれば間違うことはなかっただろうから、これは残念でなりませんでしたね。

 それで失敗したことに気づいた時には、これで早くも2年連続コンプリートできないのかぁと、まるでこの世が終わってしまったかのようにガッカリしてしまったのですが、でも少し時間が経ったら全く気にならなくなってしまったのだから不思議なもんです。

 その見逃した第3回というのが、昨年から引き続いての企画である「さまぁ~ずのぶらり3分下車の旅」だったのですが、最後に放送された総集編でも全く触れられなかったので、どんな内容だったのかさっぱりわからず残念でした。でもそれも一瞬で、実際にはそれほどガッカリしませんでしたけど。

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 全体的な内容の方は、一つ一つを観ていても、声を上げて笑えるような面白さではないし、アッという間に終わってしまうので見応えもそれほどないのですが、でもなんかこのダラダラしててバカバカしい感じが病み付きになってしまうのです。

 それに、この番組の性質上、ただ適当にテレビを付けていても全て観れるというものではなく、自分から積極的に観よう!と思わなければ観れないわけで、それでも録画失敗して見逃してしまう場合もあるほどなので、こういったこの番組を観るための姿勢そのものが、この「ミニさま」の大きな魅力なのかもしれませんね。

 なので、来年もまた楽しみにしたいと思うのですが、次回こそは大江アナにも活躍してもらいたいものです。前回は1回分だけとはいえ出演してしたのに、今回は全くのゼロでしたからねェ。

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        MDB的名場面ベスト10(08年下半期) 10位 → 6位 (09.2.12)
        MDB的名場面ベスト10(08年下半期) 5位 → 1位 (09.4.10)

        MDB的名場面ベスト10(08年上半期) 10位 → 6位 (08.10.1)
        MDB的名場面ベスト10(08年上半期) 5位 → 1位 (08.10.9)

  > モヤモヤさまぁ~ず2(モヤモヤ大江麻理子アナウンサー) (08.7.23)

  > クイック・ジャパン(QJ) Vol.80 > 「モヤモヤさまぁ~ず2」特集 (08.11.20)

2009年1月14日 (水)

『造花の蜜』 連城三紀彦> 「このミス」完全読破 No136

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.136

 『造花の蜜』 連城三紀彦

   「このミス」2009年版 : 32位

   受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 1位
               「闘うベストテン」 2位

   読始:2008.11.28 ~ 読終:2008.12.1

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年10月>

造花の蜜〈上〉 (ハルキ文庫)造花の蜜〈上〉 (ハルキ文庫)
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 「このミス2009年版」が発売される前に、“どうやら10月末日発行の作品がランクインするようだ”という情報を知って、“それは10月31日発行のこの作品に違いない!”ってことで早速読んでみました。

 しかし、ランキングが発表されてみたら、この作品は20位以内に入っていなかったんですねェ。

 まあ、10月31日発行になっていたとはいえ、実際に書店に並んだのは11月になってからだったようだし、それでも32位に入っているってことだけでもすごいことなんですけどね。

 それに、読んでみたらこれがまた物凄く面白かったので、早とちりして読んでおいて良かった、って感じでした。

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 とても奇妙な誘拐事件から物語の幕が切って落とされるのですが、この普通でない誘拐事件を辿っていくと、アッと驚くどんでん返しが待ち受けているのです。

 ただ、それが起こるのが物語のクライマックスではなく、まだ早い段階でのどんでん返しなので、意表を付かれた分、その衝撃度もかなりのものでした。

 まあ、登場人物やら起こる事件やらがみなことごとく怪しくて、何かあるなと思わずにはいられなかったこともあり、そこで見事にどんでん返しされたので、もう気持ち良く騙されてしまいましたね。

 そしてそのどんでん返しは単発では終わらず、とにかく自分の思い描いていた世界がことごとく偽者であるかのように、見事なまでに覆されていって、もう頭の中はでんぐり返しをし続けている感じになってしまいました。

 しかも、普通のどんでん返しなら、二次元の平面上で引っくり返るだけなのですが、この作品の場合は、途中からどんでん返しが立体化して、三次元の空間世界で物語がひっくり返され続けているような感覚に陥るほどですからね。

 もうこんな体験は初めてで、ホントに面白く読みました。

 なので、「このミス」にランクインしなかったけれども読んで大正解だったわけですが、ただやっぱり発売時期を前や後にズラしていれば、ランクインは確実だったのになぁ.....、と残念に思ってしまいますねェ。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★★    おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★       読み終り爽快度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “連城三紀彦”関連記事 】

  > No.795 「女王」
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  > No.167 「人間動物園」
  > No.136 「造花の蜜」
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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年1月10日 (土)

「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(08年12月)

 「2009年版」に引き続いて、「このミステリーがすごい!2010年版」でも“ランキング発表前に対象作品を読んでしまおう!”というのをやってみようと思います。

 それで、日頃から“どんな作品がランクインしそうかな?”って色々とチェックしているので、どうせならそれを発売された月別にまとめてしまおう!ということで始めたのがこの「月別ランクイン候補作品」です。

 ここでは、とりあえず「このミス」の対象になりそうな作品をピックアップして、“作者の過去実績”や“なんとなくの前評判”を元に、推測されるランクインの可能性ごとに3段階に分けて並べています。

 なお、これを書いている時点では作品をまだ読んでいない状況になると思うので、この3段階の分類は、作品を読んだ上で決めたものではありませんので、その点ご了承ください。 

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 >> 2008年12月発売の最有力候補っぽい作品 <<


 【 警官の紋章 / 佐々木譲 】

警官の紋章警官の紋章
佐々木 譲

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  > 拳銃を所持した警官の失踪、覚醒剤密輸入事件の偽装疑惑…。
  > 佐伯刑事たちは、それぞれの任務のため、
  > 警官としての信念と誇りをかけて疾駆する。
  > 「笑う警官」「警察庁から来た男」に続く、
  > 北海道警察シリーズ第3弾。


 上に書いてあるように、No.138「うたう警官(文庫化の際に「笑う警官」に改題)」 No.151「警察庁から来た男」に続く北海道警察シリーズの3作目に当たります。

 「うたう警官」が2006年版の10位にランクインているのですが、2作目の「警察庁から来た男」の方は残念ながらランクインしなかったので、果たしてこの作品はどうなるのでしょうか。

 ただ、この「警察庁から来た男」は、「このミス」で1位に輝いた「警官の血」と同じ年(対象期間)に発売されたため、票をそちらに奪われる形となった可能性もあるので、やはり今作も有力候補であることには変わりないのではないですかね。

 なお、本作にはシリーズ第1作「うたう警官(笑う警官)」の内容が大きく関わってくるので、本作を読む前に「うたう警官(笑う警官)」は必読といえるでしょう。

 また、「警察庁から来た男」および本作のあらすじや説明を読んだだけでも、「うたう警官(笑う警官)」のネタバレ的になってしまうので(上に書いてある説明は大丈夫ですが)、シリーズ2・3作目の情報を得る前にまずは「うたう警官(笑う警官)」を読むべきですね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
       >> No.152 『警官の紋章』 佐々木譲


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「ベルリン飛行指令」  1988年 4位
   > 「エトロフ発緊急電」  1989年 4位、10年ベスト 11位、20年ベスト 13位
   > 「五稜郭残党伝」  1992年版 15位
   > 「ストックホルムの密使」  1995年版 2位
   > 「昭南島に蘭ありや」  1996年版 20位
   > 「うたう警官 (笑う警官)」  2006年版 10位
   > 「制服捜査」  2007年版 2位
   > 「警官の血」  2008年版 1位、20年ベスト 30位


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 【 仮想儀礼 / 篠田節子 】

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篠田 節子

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  > すべてを失った男二人が始めた金儲けのための新興宗教。
  > 信者たちの抱える闇は、彼らの想像をはるかに超えて深く、
  > 教団は狂気に蝕まれてゆく…。
  > 人間の弱さとたくましさを描き切る、
  > 現代の黙示録的長編サスペンス。


 上下巻の大作なのですが、この説明を読んだだけでもかなり面白そうに感じるのですよね。

 内容的には「このミス」的のようなので、そういった意味でも読むのが楽しむです。果たして10年ぶりのランクインはあるのでしょうか?


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
       >> No.159 『仮想儀礼』 篠田節子


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】

   > 「聖域」  1995年版 12位
   > 「夏の災厄」  1996年版 12位
   > 「ゴサインタン」  1997年版 19位
   > 「弥勒」  1999年版 17位

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 【 エッジ / 鈴木光司 】

エッジ 上エッジ 上
鈴木 光司

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  > 全世界で相次ぐ失踪事件。
  > 調査を始めたフリーライターの冴子は
  > 未曾有の世界的異変を嗅ぎとる。
  > 彼女の父も18年前に行方不明になっていた…。
  > 「リング」シリーズ以来10年ぶりに解かれた封印。
  > 超野心的ホラー小説。


 小説だけでなく映像化でも大ヒットを記録することになった「リング」シリーズですが、その最終作「ループ」を書き上げた後に、作者はホラー封印宣言をしていたそうです。

 その封印を10年ぶりに解いてまで発表された作品なのですから、これはもう期待しないわけにはいきません。

 上下巻の大作でもあるので、読み応えがありそうですね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
       >> No.191 『エッジ』 鈴木光司


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「リング」  1992年版 14位、20年ベスト 30位
   > 「らせん」  1996年版 12位

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 【 殺人鬼フジコの衝動 / 真梨幸子 】

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真梨 幸子

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  > またひとり、彼女は人を殺す。
  > 一家惨殺殺人事件のただひとりの生き残りとして、
  > 新たな人生を歩み始めた少女は、なぜ罪を犯したのか…。
  > ラストで恐るべきどんでん返しが待ち受ける戦慄のミステリ。


 まだランクイン実績のない作家ですが、この説明にある「ラストで恐るべきどんでん返しが待ち受ける.....」というのがホントに看板に偽りのないものであるならば、これは結構面白い存在になるのでは。

 それに、実際読んだ人の感想は、人を選ぶタイプのようだけれどもなかなかの高評価を得ているようなので、これは期待が持てそうな感じです。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
       >> No.158 『殺人鬼フジコの衝動』 真梨幸子

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 【 幻影城の時代 完全版 / 本多正一・編 】

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  > 伝説の探偵専門小説誌「幻影城」、30年ぶりに再結成。
  > 多くの出身作家、関係者の協力のもと、
  > 2006年刊行の同人誌版に大幅増補を施し、
  > 満を持して贈るスペシャルプレゼント。
  > ミステリ愛好家必読必携の1冊。


 「幻影城」とは、1975年から1979年までの間に発行された探偵小説専門雑誌でして、2007年にはこの雑誌の回顧や資料がまとめられた「幻影城の時代」という同人誌が発売されています。

 そして今回出たのは、「幻影城の時代」にさらに連城三紀彦、泡坂妻夫ら「幻影城」出身作家の新作などが加えられボリュームアップした「完全版」なのです。

 「幻影城の時代」は同人誌のため「このミス」の対象にはならないことはわかるのですが、今回の「完全版」は対象になるのでしょうかね?かつてアンソロジーでは、鮎川哲也・編の「硝子の家」(1998年 17位)と、ミステリー文学資料館・編の「「密室」傑作選」(2004年版 12位)がランクインしていますが、どうなのでしょうか。

 もし対象となるのならば、豪華な内容やこの本に対する盛り上がりから、ベスト10入りまであるかもしれませんよね。

 果たしてこの作品がどのように扱われるのかも、「2010年版」発売の楽しみの一つになりそうです。

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 >> 2008年12月発売の有力候補っぽい作品 <<

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 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数

  
   レッド・マスカラの秋 / 永井するみ  <感想記事はこちら>
   ハーモニー / 伊藤計劃
   エクステンド / 鏑木蓮  <感想記事はこちら>
   ジョニー・ザ・ラビット / 東山彰良  <感想記事はこちら>

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 >> 2008年12月発売の候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   GOTH モリノヨル / 乙 一 (3作)
   プラスマイナスゼロ / 若竹七海 (2作)
   東京スタンピード / 森達也
   渇いた夏 / 柴田哲孝
   ウェルカム トゥ パールハーバー / 西木正明
   森に眠る魚 / 角田光代
   太陽の坐る場所 / 辻村深月
   残される者たちへ / 小路幸也  <感想記事はこちら>
   判決の誤差 / 戸梶圭太
   短劇 / 坂木司
   断絶 / 堂場瞬一
   感染列島 パンデミック・イブ / 吉村達也
   逆転ペスカトーレ / 仙川環

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  「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(08年11月) <<<

  >>> 「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(09年1月)


 「月別ランクイン候補作品」の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年1月 8日 (木)

『私が殺した少女』 原尞(りょう) > 「このミス」完全読破 No.135

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.135

 『私が殺した少女』 原尞(りょう)

   「このミス」1989年 : 1位

   受賞(候補) : 「直木三十五賞」受賞
            「ファルコン賞」受賞
            (「日本推理作家協会賞」候補)

   総合ランキング : 「「このミス」20年のベスト・オブ・ベスト」 3位
              「「このミス」が選ぶ過去10年のベスト20」 4位
              「キング・オブ・キングス(「このミス」30周年企画)」 6位
              「二十世紀傑作ミステリーベスト10」 14位
              「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 26位

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 2位

   読始:2008.11.23 ~ 読終:2008.11.27

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本 <1996年4月>

私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)
原 りょう

早川書房 1996-04
売り上げランキング : 8968

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 この作品は、「このミス」1989年の1位に輝いただけでなく、1998年版で行われた「「このミス」が選ぶ過去10年のベスト20」で4位、「もっとすごい!このミステリーがすごい!」で発表された「20年のベスト・オブ・ベスト」では3位ににランクインするなど、長きに渡って評価されている作品で、まさに「このミス」を語る上で避けることの出来ない名作なのです。

 それは何もこの作品だけに言えることではなく、この探偵沢崎シリーズの第1作にして作者のデビュー作でもあるNo.11「そして夜は甦る」の1988年2位を始め、短編集も含めてシリーズ5作が全て5位以内にランクインしているので、まさに「このミス」を語る上で避けることの出来ない名シリーズなのです。

 ちなみに、待望のシリーズ最新作は、ほぼ完成しているものの色々あって長引いているそうなので、発売される前に旧作を読んでしまいたいものです。

 そんな人気シリーズの第1作「そして夜は甦る」は、感想を読んでいただければわかるように、読んでからわずか1週間ほどしか経ってない時点で、内容をほとんど憶えていなかったんですねェ。

 まあ、これを読んだ頃は“「このミス」完全読破”を始めたばかりの頃で、当時はこういった玄人受けする作品の楽しみ方がわかるレベルにまでは達していなかったので、致し方ないのかもしれませんが。

 それだけに、今現在の自分がこの“探偵沢崎シリーズ”を読んでどれだけ楽しむことが出来るのか、といったところも個人的に注目点でしたね。

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 そして内容の方ですが、物語の冒頭で身に憶えのない誘拐事件に巻き込まれ、その後に探偵自らが誘拐事件に秘められた謎を追っていく、といったものです。

 古風なまでに典型的なハードボイルド探偵ですし、誘拐劇やその後の謎に迫る展開がサスペンス的で、その中に謎解きミステリがふんだんに入っているので、ハードボイルド&サスペンス&ミステリと全ての要素が引き込まれるように面白く、これだけ「このミス」で評価されている所以が難なくわかりましたね。

 それで「そして夜は甦る」でも書きましたが、連絡手段が携帯電話はおろか留守電さえもない時代なので、そこら辺でどうしても時代を感じてしまい、今の時代に読むとリアリティが薄れてしまいそうですが、その点を目をつぶれば、今読んでもそれほど古臭さを感じないだろうし、面白さは色褪せていないのではないでしょうか。

 それに、冒頭の数ページを読みさえすれば、後は主人公と一緒になって謎多き事件へと巻き込まれ、解決するまで抜け出せなくなると思うので、作品の古さで読まず嫌いになっている方は、とりあえず数ページだけでも読み始めてみることをお薦めします。

 ちなみに、前作「そして夜は甦る」を読まずにいきなり本作から入っても全然大丈夫です。前作の内容をすっかり忘れている自分が読んでも大丈夫でしたからね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★       読み終り爽快度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “原尞(りょう)”関連記事 】

  > No.1009 「それまでの明日」
  > No.0777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」

  > No.0351 「愚か者死すべし」
  > No.0321 「さらば長き眠り」
  > No.0260 「天使たちの探偵」
  > No.0135 「私が殺した少女」
  > No.0011 「そして夜は甦る」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「造花の蜜」 連城三紀彦

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年1月 7日 (水)

<JC1巻買い> 「バクマン。」 大場つぐみ 小畑健

バクマン。 1 (1) (ジャンプコミックス)バクマン。 1 (1) (ジャンプコミックス)
小畑 健

集英社 2009-01-05
売り上げランキング :

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 今月に発売されたJC(ジャンプコミックス)1巻は、「バクマン。」です。

 ちなみに、同時期新連載の「いぬまるだしっ」の1巻は、来月に発売される予定です。

 発売日当日にこの本を買おうと本屋に行ったのですが、他のジャンプの新刊はたくさん並んでいたのにこの「バクマン。」だけ見当たらなかったので、“これは1巻難民状態になってしまうのか!?”とかなり焦ってしまいました。

 ただそれは、自分が頭の中で自然と思い浮かべていたのとは全くといっていいほど印象の違う表紙だったのと、タイトルが英字表記だったために見逃していただけのようで、他の本屋に行ったら大量に山積みされていたし、しばらく後で最初の本屋に行ったら普通に置いてありました......。


 実写映画化されるほどの大ヒット漫画「デスノート」の原作&漫画コンビの新作ということもあって期待度は高かったですが、現在のところ人気の方も好調のようで、「ラルグラド」の二の舞は避けることが出来たようですね。この1巻の売り上げも楽しみです。

 今回の作品は、主人公2人組が漫画家を目指すという“漫画の漫画”で、このテーマだと一見地味そうにも思うのですが、主人公が中学生(すぐに高校生になるけど)だったり、その時期特有の青春話も絡んできたりするので、ジャンプの主ターゲットである中高生の心を掴むといった部分でも成功している感じですかね。

 ただ、第1話はすごく面白かったのだけれど、第2話以降は、主人公2人の間での、同級生や世間を見下しつつ自分たちのことは過大評価するという、この年代に特有の井の中の蛙的な会話が目立つようになったので、これはこの先大丈夫かな?と心配になってしまいました。

 しかし、ジャンプ編集部に持ち込みをしてからは、徐々に成り上がっていったり挫折したりという成長物語に、漫画家と編集との関係などの舞台裏や、アンケートシステムや連載決定方法など今まで大っぴらに表に出てこなかったような裏話、ジャンプや集英社の自虐ネタや他誌・他の紙媒体に対するブラックなネタなんかも絡んで、期待以上の面白さとなりましたね。

 だけど、この1巻に収録されているのは、ジャンプ編集部に持ち込む直前の場面までなので、ちょうどこれから面白くなるってところで終わってしまうのです。

 なので、ジャンプ本誌で読んでいなかったという方なんかは、2巻の発売まで待って、2巻分を一気にまとめ読みするのをお薦めしますね。1巻だけ読んで“なんだこんなもんか”と評価を決定付けてしまうのはもったいないと思うので。

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 単行本ならではの特典ですが、まず帯の表には、「少年達は 漫画の底知れぬ可能性に 気付いた。」と書かれています。表紙同様にシックな帯ですね。

 裏帯の方は、1/10に発売される「赤丸ジャンプ2009WINTER」に作中キャラの漫画家・新妻エイジが描いた扉絵ポスターが付くという宣伝と、JC「デスノート」の紹介、そして「ヒカルの碁」完全版が2月から毎月刊行されるという予告が書いてあります。

 あと、ジャンプの単行本では表紙の折り返し部分に作者コメントがあるのが定番ですが、この「バクマン。」の場合は、表表紙側に大場つぐみのコメントが、裏表紙側に小畑健のコメントが、共に4ヶ国語で載っています。したがって、裏表紙の折り返しに必ず書かれていた「ジャンプ・コミックス一覧」はありません(ただ確認してみたら、昨年の11月に発売された「トリコ」「どがしかでん」の1巻にも「ジャンプ・コミックス一覧」はありませんでした。そこから方向転換?)。


 そして中身の方ですが、さすがに“漫画の漫画”だけあって、「原稿が出来るまで」という、ネーム(コマ割りやセリフなどを簡単に描いた下描きのようなもの)と完成形を見比べることの出来るコーナーが、各話の間と最終ページの計7ページにも渡って掲載されています。

 そしてこの作品は、作品内の主人公たちと同様に原作者と漫画家に分かれているので、大場ネームと小畑ネームの両方が載っています(つまり、大場ネーム→小畑ネーム→完成形という流れを見比べることが出来るのです)。

 ちなみに、この原作者の大場つぐみというのは、実は「とっても!ラッキーマン」の作者・ガモウひろしであると周知の事実のように語られていたのですが、あくまで“噂や憶測”の域を出るものではありませんでした。

 しかし、今回掲載された大場ネームを見てみれば、これはどう見てもガモウひろしとしか思えない絵なのです。なので、このネーム絵を載せたということで、公式に発表されたわけではないものの、半ばカミングアウトしたも同然ってことですね。

 個人的には、大場ネームから小畑ネームを介さないで完成させたバージョンも読んでみたいですねェ。内容は同じでも、また違った面白さが出そうな感じが。

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 【「小畑健」関連記事】

  > 「バクマン。age14」 大場つぐみ 小畑健 > 週刊少年ジャンプ読切! (15.9.23)
  > 「バクマン。age13」 大場つぐみ 小畑健 > 週刊少年ジャンプ読切! (15.9.14)

  > 「学糾法廷」 榎伸晃 小畑健 > 週刊少年ジャンプ新連載! (14.11.10)

  > 「バクマン。」 大場つぐみ 小畑健 > 週刊少年ジャンプ新連載!  (08.8.12)
  > 「バクマン。」 大場つぐみ 小畑健 <JC1巻買い> (09.1.7)


 >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2009年1月 5日 (月)

〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 6位⇒4位

>> 「MDB的ミュージックアウォード2008」について <<

   *対象 : 2007年12月~2008年11月に発売された曲

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【 6位 : love the world / Perfume 】


love the world(初回限定盤)(DVD付)love the world(初回限定盤)(DVD付)
Perfume 中田ヤスタカ

Tokuma Japan Communications CO.,LTD(TK)(M) 2008-07-09
オリコン年間ランキング : 47位

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 2007年の終わり頃に初めて「ポリリズム」を聴いて、かつてテクノポップが好きだった自分は“まさにこういった曲を待っていたんだ!”って嬉しくなってしまいました。

 そして2008年の頭に出た「Baby cruising Love」もすごい良かったのですが、ただ自分が好きなタイプのテクノポップとはちょっと違ってまして、ちょっと歌部分のメロディーにクセが出すぎているように感じたのですね。

 別にメロディにクセが出るのは悪いことではなく、むしろ歓迎されるべきことなのですが、でもテクノポップの場合は“ポップソング”の部分よりも“テクノ”の方をより強調してほしいため、メロディはなるべくクセがなくさっぱりとした感じの方が好みなのです。

 なので、テクノポップというところはとても嬉しく聴いていても、まだまだ物足りなさがありました。

 しかし夏に発売されたこの「love the world」を聴いたら、“まさにこれを求めていたんだ!”とガッツポーズをしたくなってしまうくらいに、自分好みの歌だったのです。

 メロディーに中毒性のあるクセは感じられませんが、そこは音で補っていて、このポップソングとテクノのバランスが絶妙に良いですね。ホントに自分の理想のテクノポップを目の当たりにしたようでした。

 特に、2番のサビからブリッジ部分へ繋がる部分(「喜びの中まだ~」の辺り)の、リズムが少し変わって大サビに向けての気持ちをさらに加速させるようなアレンジがとても好きですねェ。


 [ この歌の感想記事は、こちらもどうぞ ]
   >> 「love the world / Perfume」 & 「爪爪爪 / マキシマム ザ ホルモン」

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【 5位 : 爪爪爪 / マキシマム ザ ホルモン 】


爪爪爪/「F」爪爪爪/「F」
マキシマム ザ ホルモン マキシマムザ亮君

VAP,INC(VAP)(M) 2008-07-09
オリコン年間ランキング : 44位

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 かつてのマキシマム ザ ホルモンの歌を聴いていると、“これはとてつもなくカッコイイぞ!”と思うも、ただ最高に突き抜けるまでには何か少しだけ足りないように感じて、しかしその少しのものがとても大事なものであるため、なんか寸止めを食らわされたようなモヤモヤ感がありました。

 しかし、一昨年に出たアルバム「ぶっ生き返す」を去年になってやっと聴いてみたら、少しだけ足りないと思っていた部分が見事に補充されていて、もうすっかり虜になってしまいました。

 それなので、この久々の新曲にも期待がかなり高まっていたのですが、でも最初に聴いた時は、なんか掴み所がない感じがして、もうちょっと派手なのを期待していただけにちょっとイマイチかな?と思ってしまったのですよね。

 だけど何度も聴いていたら、これがもう熱く激しく自分の心を突き抜けてくるほどに気に入ってしまったのです。

 掴み所がないと思っていたのも、聴き慣れてみれば怒涛のように入れ替るリズムの変化にシビレまくり、その得体の知れないパワーにただただ圧倒されますからね。

 そしてこの遊び心というのが、これだけ激しく濃厚なロックであってもこんなに売れてしまう所以なのかもしれません(今をトキメクPerfumeにも売り上げで勝ってしまうのですから驚きです)。


 [ この歌の感想記事は、こちらもどうぞ ]
   >> 「love the world / Perfume」 & 「爪爪爪 / マキシマム ザ ホルモン」

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【 4位 : NEW LOCK / 安室奈美恵 】


60s 70s 80s(DVD付)60s 70s 80s(DVD付)
安室奈美恵 Michico T.KURA

エイベックス・エンタテインメント 2008-03-12
オリコン年間ランキング : 18位

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 一昨年くらいから復活の兆しは表れていましたが、それが世間一般にまで知れ渡るほどに爆発するキッカケになったのが、3曲入りマキシシングルの「60s 70s 80s」です。

 その3曲ともに素晴らしくて、どれか1曲を選ぶことが出来ずにいまだにiPodの中に3曲とも入っているのですが、でもやっぱりダントツで好きなのがこの1曲目の「NEW LOCK」ですね。

 日本のヒットチャートにランクインするような歌というのは、それがロックであれポップスであれヒップホップであれR&Bであれ、基本となる部分は全て同じで、それをどのようなアプローチで表現するかの違いなのではないかと思います。

 そしてそれは今の時代のヒットソングだけの話ではなく、80年代や90年代から今に至るまでずっと継承されてきた、いわば日本人好みのツボの部分なのではないでしょうか。

 しかしこの歌は、そういった流れに沿った歌とは全然別の世界から突然生まれ出したかのような、とても異質でしかし魅力的な歌のように感じるのです。

 それはメロディーであったり、とても独特な歌詞であったりするのですが、この規格外な魅力というのがとても不思議なんですよねェ。狙ってなど作れない、奇跡ようような歌、とまで表現するのは言い過ぎでしょうか。

 まあとにかくこの歌の魅力を伝えようとしてもなかなか良い言葉が浮かんで来ないのですが、それだけかなりの衝撃を受けたのだけは確かです。

 なので、もうこの歌を聴くたびに“自分の中での2008年No.1ソングはこの歌でしかありえない!過去10年でも1位なんじゃないか!?”と思うほどなのですが、結果的にはこのランキングのベスト3にも入っていないのです。それだけこの2008年は、自分の中ではとんでもなくハイレベルな歌揃いだったってことなんですね。

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 〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 10位 ⇒ 7位 <<< PREV

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 MDB的ミュージックアウォード2008

 ・〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 20位 ⇒16位
 ・〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 15位 ⇒11位
 ・〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 10位 ⇒ 7位
 ・〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 6位 ⇒ 4位
 ・〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 3位 ⇒ 1位

2009年1月 3日 (土)

『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信 > 「このミス」完全読破 No.140

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.140

 『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信

   「このミス」2010年版 : 17位

   受賞(候補) :

   総合ランキング : 「短編ミステリ・オールタイムベスト(国内編)」
                20位作品 『玉野五十鈴の誉れ』 収録
                100位作品 『身内に不幸がありまして』 収録

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 7位

   読始:2008.12.16 ~ 読終:2008.12.17

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年11月>

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)
米澤 穂信

新潮社 2011-06-26
売り上げランキング : 1612

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 「このミス2010年版」対象作品最初の読破がこの作品となりました。しかし、これを読んでいたのはまだ2008年だったのにそれが「2010年版」対象作品だというのも、あまりピンと来ませんでしたですけどね。

 それでこの作品は、「あらゆる予想は、最後の最後でくつがえされる。すべての作品でラスト1行のどんでん返しにこだわり抜いた、高濃度の暗黒連作ミステリ」といった説明が帯などでされています。

 となると、No.2「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午No.68「イニシエーション・ラブ」乾くるみ級の強烈などんでん返しが何作も収録されているのか!と期待してしまいます。

 ただ実際には、最後の1行で天地が引っくり返るような驚きがあるようなタイプの作品ではないので、そこを期待して読んでしまうと、もうガッカリしまくりとなってしまうでしょう。

 幸いにも自分はその情報だけは仕入れた状態で読んだので良かったのですが、もしこのことを知らずに読んでいたら、この作品に対する評価や印象は、今とは全く違うものになっていたでしょうね.....。

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 米澤穂信の作品といえば、現代的な舞台で、青春物で、持ち味でもあるキャラや作風の軽さなどが共通した特徴だと思っているのですが、この作品は“米澤穂信の作品”を読んでいるということをすっかり忘れてしまうくらいにガラリと印象が変わっていました。

 まずは、時代設定が一昔前であること。そして、主人公は他の作品と同じように学生なのですが、それでも立場や口調や人間関係なんかにその時代的な古い感じが垣間見えるので、これまでの作品とは全く違う雰囲気をまとっているのです。

 そんな中で謎めいた事件が起き、“最後の1行で驚愕のどんでん返し”は大袈裟とはいえ、驚くべき仕掛けが用意されているし、それに伴ってしっかりとしたオチが出来上がっているので、なんか自分には暗黒風御伽噺を読んでいるような感じで楽しみました。

 あと、それぞれの話が独立した短篇集のようなのですが、しかしある一点で話の繋がりが出来ていまして、これが最後に素晴らしいスパイスとして効いているので、この何気ない繋がりが上手いなと思いましたね。

 というわけで、“「ラスト1行のどんでん返し」に期待をせずに読む”という条件付きながら、これまでの米澤穂信の作品好きの方にも、まだ1冊も読んだことがない方にもお薦めです。そして、これまでの作品がちょっと苦手だったという人も、この作品で再挑戦してみてはいかがでしょうか。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★      おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★         人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★        読み終り爽快度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “米澤穂信” 関連記事 】

  > No.1123 「巴里マカロンの謎」
  > No.1099 「Iの悲劇」(後日更新予定)

  > No.1050 「本と鍵の季節」
  > No.0961 「犬はどこだ」(後日更新予定)
  > No.0942 「いまさら翼といわれても」
  > No.0872 「真実の10メートル手前」
  > No.0828 「王とサーカス」

  > No.0817 「さよなら妖精」
  > No.0777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
  > No.0748 「満願」
  > No.0622 「リカーシブル」
  > No.0402 「折れた竜骨」

  > No.0366 「ふたりの距離の概算」
  > No.0365 「遠まわりする雛」
  > No.0315 「蝦蟇倉市事件2(街角で謎が待っている)」
  > No.0250 「秋期限定栗きんとん事件」
  > No.0227 「追想五断章」

  > No.0140 「儚い羊たちの祝宴」
  > No.0076 「インシテミル」
  > No.0044 「ボトルネック」
  > No.0040 「夏期限定トロピカルパフェ事件」
  > No.0039 「春期限定いちごタルト事件」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「踊るジョーカー」 北山猛邦

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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