『第三の時効』 横山秀夫 > 「このミス」完全読破 No.134
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.134
『第三の時効』 横山秀夫
「このミス」2004年版 : 4位
受賞(候補) : (「山本周五郎賞」候補)
総合ランキング : 「この警察小説がすごい! ALL THE BEST」 1位
「オールタイム・ベスト国内短編ミステリーベストテン」
9位作品 『第三の時効』 収録
「短編ミステリ・オールタイムベスト(国内編)」
21位作品 『第三の時効』 収録
「1996-2005オールベスト「本格」ランキング」 22位
「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 52位
「本格ミステリ・オールタイムベストアンケート」 94位
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 6位
「本格ミステリ・ベスト10」 12位
読始:2008.11.20 ~ 読終:2008.11.23
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <2006年3月>
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警察小説の第一人者ともいうべき横山秀夫の作品ですが、今回はF県警の強行犯係を舞台とした連作短篇集です。
この強行犯係というのは、事件が起きれば真っ先に駆けつけてその場を仕切るという、エリートのみが集まった刑事の中でも花形の存在なので、あまり警察小説では書かれないような部署に脚光を当てて評価されてきた横山秀夫としては、思いきり直球な警察小説なのですね。
その強行犯係というのは一班から三班まで分かれているのですが、それぞれ別働隊として動いているので、お互い協力し合うなんてことはなく、逆に敵対視するまでのライバル関係となっているのです。
そしてそれぞれの班を取り仕切る班長というのがいずれもかなりの切れ者で、エリートの上に立っているだけのことはあるのですが、3人ともに性格的に癖がありすぎるくらいなので、かなりの魅力的なキャラクターとなっています。
この三つの班によるいわば縄張り争いのような競い合いや、強行犯係をまとめる上司との軋轢、そしてもちろん犯人など事件にかかわる人々とのやり取りなど、とにかくストーリー以外の面が物凄く面白く、そして熱くなってしまいましたね。
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だからといってストーリー面ではイマイチというわけでは全然ありません。
まずは、とてもキャラの濃い面々が揃っているわけですが、話によって主人公(視点)が変わるところがまた面白いですね。主役が脇役に、脇役が主役に、と入れ替わることで、よりそれぞれのキャラクターを知ることが出来るし、よりその魅力にやられてしまいますからね。
そして各ストーリーも、警察小説にしてはミステリ度が結構高いのです。だから、普通に警察小説として楽しんでいると、終盤に来て“まさかそんな!”ってな展開になって、かなり驚かされてしまいました。
そんな感じで、それぞれの話を別個で読んでも楽しめますが、それでもやっぱり全部をひっくるめて一つの作品として読んだ方が面白いのは間違いないですね。それだけ一つの熱い塊のようなものが作品全体から感じられました。
となると、このF県強行班シリーズの続編をぜひとも読みたいもんですが、いつ単行本化されてもいいような状態なのに、なかなか発売には至っていないようですね。まあ楽しみに待っていましょう。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★ 人間味ドラマ度 : ★★★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.0003 「半落ち」
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