『悪果』 黒川博行 > 「このミス」完全読破 No.133
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.133
『悪果』 黒川博行
「このミス」2008年版 : 14位
受賞(候補) : (「直木三十五賞」候補)
総合ランキング : 「この警察小説がすごい! ALL THE BEST」 12位
年度ランキング :
読始:2008.11.16 ~ 読終:2008.11.18
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2007年9月>
悪果 (角川文庫) 黒川 博行 角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-09-25 売り上げランキング : 107631 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2008年(「このミス」でいうと2009年版)は警察小説がイマイチ盛り上がりに欠けた印象があるのですが、それもこれも、前年の2007年(「このミス」でいうと2008年版)であまりにも警察小説が盛り上がったからではないでしょうか。
具体的に作品名を挙げれば、「このミス」で1位になったNo.200「警官の血」佐々木譲を始め、No.72「果断 隠蔽捜査2」今野敏、No.301「越境捜査」笹本稜平、「沈底魚」(曽根圭介)、「ビター・ブラッド」(雫井脩介)などなど.......。
そしてひとえに警察小説といっても、部署など活躍するスポットの当て方や、その描き方・構成、ミステリ寄りかハードボイルド寄りか犯罪小説寄りか大河小説寄りかなど、一つのジャンルと見られながらもその内容は十人十色というところも面白いですね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そんな2007年の豊作警察小説の中の一作がこの「悪果」。この作品の主人公は、暴力団担当の仕事を受け持っています。となると、悪い極道たちが大暴れしそうな感じですが、どちらかといえば大暴れするのは主人公と相棒の刑事コンビの方なんですねェ。
極道以上に悪い刑事といえば、No.33「禿鷹の夜」逢坂剛を思い浮かべますが、その作品の主人公ほど根っからの悪ではなく、一応きちんと捜査をして優秀な成績を残しているものの、そこから悪巧みを企てる.....といった感じなので、ホントにいそうな悪刑事として書かれています。
そしてこの刑事コンビのキャラクターがとても魅力的で、その行動や関西弁を使った会話なども小気味良く、悪いことをしているというのにいつしかこの二人に加担して物語を追ってしまうくらいです。
そんな二人のキャラクターを存分に楽しむことが出来る、日常的な活躍が描かれている前半に対し、後半になると手に汗握る捜査劇へと形を変えるので、このストーリーが加速していくような感じが最高でした。
なんとも苦味のあるラストといい、ギトギト・ギラギラした中に強烈な渋みが効いた作品でしたね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “黒川博行” 関連記事 】
> No.1005 「後妻業」
> No.0966 「果鋭」(後日更新予定)
> No.0943 「喧嘩」
> No.0834 「勁草」
> No.0745 「破門」
> No.0645 「落英」
> No.0620 「繚乱」
> No.0220 「螻蛄」
> No.0164 「煙霞」
> No.0133 「悪果」
NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「第三の時効」 横山秀夫
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
>>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<
« >>MDB的コンピCD-14<< 「冬 -Winter Song 2008-」 | トップページ | 〔MDB的ミュージックアウォード2008〕 15位⇒11位 »
「01.「このミス」完全読破(ミステリ小説)」カテゴリの記事
- 「このミステリーがすごい!2022年版」ランキング(順位)予想(2021.02.03)
- 「このミス2022年版」月別ランクイン候補作品(2021年2月)(2021.01.31)
- 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2021年1月)(2021.01.21)
- 「このミス2022年版」月別ランクイン候補作品(2021年1月)(2021.01.09)
- 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2020年12月)(2020.12.20)