『辛い飴』 田中啓文 > 「このミス」完全読破 No.129
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.129
『辛い飴』 田中啓文
「このミス」2009年版 : ランク外
受賞(候補) : 「日本推理作家協会賞(短編部門)」
受賞作 『渋い夢』 収録
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 25位
読始:2008.11.5 ~ 読終:2008.11.6
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2008年8月>
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「このミス」2007年版で14位にランクインしたNo.82「落下する緑」に続くジャズ・ミステリー第2弾が、この「辛い飴」です。
その前作は、「落下する緑」「揺れる黄色」「遊泳する青」など各タイトルに色に関する名前が付いていましたが、今回は表題作「辛い飴」の他、「酸っぱい酒」「甘い土」「塩っぱい球」など味に関する名前が付いています。
ただ、作者自身があとがきで書いているように、味の種類は色に比べてずっと少ないので、中身を書くよりもタイトルを考える方が大変だったようですね。
となると、次作のタイトルには一体どんなシリーズが使われるのが気になるところです。まあ、すでに雑誌の方で連載は続いているそうなので、調べればすぐにでもわかるのですが、そこは単行本化まで楽しみに待っていたいと思います。
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内容の方は前作同様に、ジャズバンドの唐島英治&永見緋太郎コンビがジャズにまつわる謎に遭遇しジャズ風に解いていくという“日常の謎”系ミステリです。
ジャズというと、あまり関心がない人からしたら、難解で敷居が高くて地味な印象があるのではないでしょうか。でもこの作品に限っては、全然難しいことないし、敷居もちょうどいいくらいだし、なにより主人公がアホキャラでとても軽いので、ジャズのことを全く知らない人でも、知らないからこそ楽しめるのではないでしょうか。
そしてもちろんジャズ好きの方でも、必ず謎にジャズが絡んでいるし、その謎を解くのにもジャズが欠かせないので、ジャズが好きならば好きなほど面白いのではないでしょうかね。自分はジャズ初心者なので憶測になってしまいますが。
それにやはり前作同様に、ジャズの演奏シーンの迫力がまた凄いです。文章の中から音が溢れ出てくるようですから。この作品を読めば、必ずやジャズを聴きたくなってしまうでしょう。しかも生で。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.0082 「落下する緑 永見緋太郎の事件簿」
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