『新世界より』 貴志祐介 > 「このミス」完全読破 No.126
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.126
『新世界より』 貴志祐介
「このミス」2009年版 : 5位
受賞(候補) : 「日本SF大賞」受賞
(「吉川英治文学新人賞」候補)
総合ランキング : 「SUGOI JAPAN Award 2015」 2位
「ゼロ年代SFベスト30」 10位
「2014オールタイム・ベストSF(国内長編部門)」 44位
年度ランキング : 「ベストSF2008」 1位
「闘うベストテン」 3位
「本屋大賞」 6位
「週刊文春ミステリーベスト10」 9位
「ミステリが読みたい!」 12位
読始:2008.10.5 ~ 読終:2008.10.30
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本(上・下) <2008年1月>
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貴志祐介といえばやはり代表作はNo.12「黒い家」で、自分もこれしか読んでいないのですが、そのためにホラー作家としてのイメージのみがインプットされた状態です。そのくらい怖く恐ろしい作品でしたし。
そんな貴志祐介がエンターテイメント作品を手掛けて、しかも某評論家が称するに「出だしはハリポタ風」とのことなので、一体どんな作品になるのか全く予想がつきませんでした。
それでいて評判はかなり良い感じだったので、もう期待しまくりで読むのが待ち遠しくなってしまいましたねェ。とはいえ実際読むのはずいぶん経ってからになってしまいましたが。
それで実際読んでみたら、ホントに出だしは“ハリポタ風”という表現がピッタリなくらいのファンタジーでした。ただ舞台が(時代が違うとはいえ)日本で、出てくるのもみな日本人なので、「ハリーポッター」の世界よりも身近な分、物語にリアルさが加わっていたように感じました。
その後も「ハリポタ」風ファンタジーな話が進んでいくのかなと思っていたら、最初は方向性が同じだったのだけれど、徐々に自分が思い描いていた貴志祐介作品的なものが見え隠れしてくるうちに、進む向きが次第に反れていき、ファンタジーの世界なんだけれど妙に現実的というか大人的というか、華やかなファンタジーさよりも妖しいミステリアスさ&グロテスクさが少し浮き上がってきましたね。
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そんな感じで“貴志祐介的ファンタジー”をを楽しんでいたつもりだったのですが、「黒い家」を読んでからずいぶんと日が経っていたこともあってか、どうやら“貴志祐介的”というものを見誤っていたようなのです.....。
というのも、物語も終盤に入ったところで、突如とホラー的展開となってゆくのですが、これがもうハンパじゃないほどの迫力なのですねェ。
とにかく怖さ・恐ろしさというのが「黒い家」に通じるようなタイプのもので、なんか表面的でいかにもな恐怖というのではなく、心の芯まで震え上がるような、とにかく圧倒されるような恐怖なのです。
そんな恐怖に襲われ巻き込まれているのが、それまでじっくりと読んで味わってきた世界なだけに、その恐怖は我が身に降り掛かっているように感じてしまいました。
この終盤はまさに“貴志祐介の真骨頂!”って感じでしたが、そこに至るまでの展開や世界観なども、こちらの想像の枠を超えているようなものばかりなので、もう圧巻の一言でしたね。読み終えた時には「ホントにすごいものを読んでしまった.....」ってなりましたから......。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★★☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★★
熱アクション度 : ★★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.428 「ダークゾーン」
> No.361 「悪の教典」
> No.126 「新世界より」
> No.012 「黒い家」
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