<JC1巻買い> 「トリコ」 島袋光年
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今月に発売されたJC(ジャンプコミックス)1巻の1冊目は、「トリコ」です。
2週連続表紙&巻頭カラーというジャンプでは前代未聞の華々しいスタートを切り、その後もすでに準看板作品かのように本誌の前の方に掲載され続けるなど、とにかく近年稀に見るほどのプッシュぶりで編集陣の期待の高さが窺えた作品です。
ただ、連載開始から半年近く経った今でも掲載順を下げることなく、すっかり準看板の位置にいるのが当たり前の様になっているので、読者人気もかなりのものがありそうですね。
それでは実際に人気のほどはどのくらいのものなのか?というのを計るために重要なアイテムとなる単行本がいよいよ発売されたのですが、前代未聞の連載スタートとなっただけあって、やはり単行本の方も普通には出さず、なんと1&2巻同時発売というのですから驚きです。
そしてなにやら噂では、発売から数日は売り切れ店続出で単行本難民が久々に出たようですね(発売から1週間くらい後に戸塚周辺の本屋を見て回ってみたら、ホントにどこも売り切れ状態で、「予約受付中」の紙が貼ってありました)。これは売り上げの方も期待できそうです。
改めて1巻を読んでみて、やっぱり面白くて一気に読んでしまったのですが、その面白さは一体どこから来ているのか?と考えてみると、これが具体的に“これだ!”というのが思い浮かばないのですよね。
強いて言えば、曖昧な表現だけど“シンプルさ”でしょうか。
キャラクターなどの絵も、豪快でマッチョで荒々しいものの、無駄な描写をなるべく省いているためにとても見やすいし、ストーリーも、1巻収録分を改めて読んでみてもこれといって特別なことをしているわけでもないし、主人公や動物達の技・武器・特性なども、ちゃんと説明はされているものの、別にそれを読まなくても絵を目で追うだけで充分伝わるし。それにタイトルもとてもシンプルですからね。
最近は妙に小難しい漫画が増えてきているように感じるので、こういった頭を空っぽにした状態で読み始めても面白さが存分に伝わるという、単純明快でスカッとする漫画が受けるのは当たり前なのかも。
ただ、そんだけシンプルでありながらも面白いものを作るというのは、並大抵のことではないのですけどね。それをやってのけているってことは、凄いことですよねェ。
後は、読者と同じ目線でバケモノ級の主人公や動物達を見ていて、それでいて読者が親しみやすく尊敬する対象にも成り得る、小松というキャラクターがとても秀逸ですよね。このキャラがいるのといないのとでは、面白さの度合いが全く変わっていたと思うのです。
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単行本ならではの特典ですが、まず帯の表には「いただきます」というシンプルで目立つ煽り文句が斜めに大きく書かれています。裏には、トリコがガララワニとの戦いで見せた「フォーク」という技を使った場面が2コマ分使われています。
カバーを取った表紙絵も背表紙絵裏表紙絵も、カバーと全く同じ。
中身の方は、単行本ならではの特典というのはほとんどなくて、各話の間には登場人物や動物や植物のカット絵(具体的には「ガララワニ」「トリコ」「トロルコング」「バナナきゅうり」「虹の実」)があるだけだし、作者によるコメントなんかは見返し部分に書いてあるのだけだし。単行本用の企画などはこれからじっくりと練り上げていくのでしょうかね。
そして唯一の特典といえるのが、巻末に掲載されている番外編2作。ただこれは書き下ろしではなく、ジャンプ本誌と赤マルジャンプに載ったものなのですが。
内容の方は、本編では控え目になっているギャグ要素が満載の1ページ&2ページ漫画なのですが、やはり元々本職ということもあってか、単なるやっつけのオマケ漫画ではなく、センスあるとこを見せてくれています。これを読むとこの作者のギャグ漫画も読みたくなってしまいますが、まあ「トリコ」は当分終わりそうもないですからねェ。
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