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2008年10月 8日 (水)

『東京島』 桐野夏生 > 「このミス」完全読破 No.120

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.120

 『東京島』 桐野夏生

   「このミス」2009年版 : 38位

   受賞(候補) : 「谷崎潤一郎賞」受賞

   総合ランキング : 「SUGOI JAPAN Award 2015」 ノミネート

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 12位

   読始:2008.9.20 ~ 読終:2008.9.21

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年5月>

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桐野 夏生

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 帯にも書かれた「無人島に 漂着した 31人の男と 1人の女」という設定を読んだだけでも、なにやらとんでもない話が繰り広げられ、面白い作品になりそうな期待をしてしまいます。

 しかもそれを書くのがNo.34「OUT」の桐野夏生ということで、人間性のどす黒い部分まで遠慮なく書いてくれることは確実なので、余計に期待が高まってしまいましたね。

 ただ、その期待は見事に裏切られた感じでした。まあ“良い意味で”と付けてよいと思いますが。

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 まず良い意味で裏切られたと思ったのは、この話の中でとても重要な役割を務めることになる女性のキャラクター設定。“島で唯一の女性”という役柄から思い浮かぶイメージとは真逆な感じなのですからね。

 なので、話の序盤からすでにこちらの想像を超えた話が展開されていって、もうこの物語に身を委ねるしかありませんでしたから。

 そして読む前の印象(予想)と大きく違ったのは、無人島という極限状態における人間同士のぶつかり合いの部分でした。

 やはりこういった舞台設定であるし、「OUT」の作者ということもあって、もっと感情や欲情剥き出しのドロドロねちねちとした人間関係が描かれるのかな~と期待していたのですが、その部分は意外とあっさりとしました。そっちの方向ではなくて、もっと別の方向に突き進んでゆく話だったのです。

 だけど、あんまりドロドロねちねちした話だと読み進め辛くなりそうだな~とも思っていたので、かえって読み進めやすくなってて良かったですね。だからといって人間ドラマの部分が希薄だったということでもなかったし。

 というわけで、読む前に思い描いていたのとは全然違う話が繰り広げられることになったわけですが、それが逆にこちらを良い意味で裏切り続け、予測不能の作品となりました。なので、次にどんな展開が待ち受けているのか想像できず、途中で読むのを止められなくなっちゃいましたねェ。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★        鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★★  感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★      読み終り爽快度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “桐野夏生” 関連記事 】

  > No.887 「バラカ」
  > No.313 「ナニカアル」
  > No.202 「IN」
  > No.120 「東京島」
  > No.034 「OUT」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「ラットマン」 道尾秀介

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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