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2008年9月 4日 (木)

『耳をふさいで夜を走る』 石持浅海 > 「このミス」完全読破 No.112

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.112

 『耳をふさいで夜を走る』 石持浅海

   「このミス」2009年版 : 54位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2008.7.29 ~ 読終:2008.8.3

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2008年6月>

耳をふさいで夜を走る (徳間文庫)耳をふさいで夜を走る (徳間文庫)
石持浅海

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 石持浅海といえば、ハードカバー本に比べて小さめのノベルスが多く、作風は、現実的でありながら幻想的な趣きもあって“鮮麗された崇高なる美”といった印象を持っていました。

 ところがこの作品は、ドシリとした重厚さが感じられるハードカバー本だし、全編に渡って下ネタ(エロ表現)のオンパレードといった内容になっているので、これには驚かされました。

 だけど、読んでみれば“間違いなく石持浅海”な作品だし、下ネタ満載でも全く下品な印象はなく、逆に神秘的にも感じてしまうほどなので、“さすがだな石持浅海だな”と唸らざるをえません。

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 そして、この作品を読んでみて、石持浅海の小説が好きな理由がわかったような気がします。

 それは、登場人物が現在の状況を“ああでもないこうでもない”と考察し、結論が出たと思っても“いや、見方を変えると.....”って感じでさらに考えたり妄想したりして、もう頭の中の空想世界だけで話があっちこっちに進んでしまっているけど、現実世界ではまだ何も進展していない、といった描写のところです。

 この作品は、とにかく主人公が頭の中でなんだかんだと考えていることが大半なので、読み進め辛くて嫌になっちゃう人もいそうですが、自分的にはこういった作風は好きなのですね。思えば、自分が遊びで書いているMDB的短編小説も大半がこの形式だし。

 まあ、この主人公が頭の中で考えていることは、作者自身も言っているようにとても自己中なもので、それに伴う行動も、そして自らの行動に対する言い訳なんかも全て自己中なものなので、読んでいて嫌悪感を抱いてしまう人もいるかもしれません。

 だけど、“石持浅海らしくない”ながらも“石持浅海らしい”という、とても貴重な作品だと思うので、読んでみる価値はありますね。
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  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★★   感涙ウルウル度 : ★
   衝撃バカミス度 : ★★★      読み終り爽快度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “石持浅海” 関連記事 】

  > No.869 「罪人よやすらかに眠れ」
  > No.755 「二歩前を歩く」
  > No.687 「三階に止まる」
  > No.634 「フライ・バイ・ワイヤ」

  > No.558 「トラップ・ハウス」
  > No.544 「玩具店の英雄 座間味くんの推理」
  > No.509 「彼女が追ってくる」
  > No.484 「人面屋敷の惨劇」
  > No.465 「ブック・ジャングル」

  > No.389 「撹乱者」
  > No.383 「見えない復讐」
  > No.350 「この国。」
  > No.297 「リスの窒息」
  > No.293 「君がいなくても平気」

  > No.112 「耳をふさいで夜を走る」
  > No.091 「君の望む死に方」
  > No.089 「心臓と左手 座間味くんの推理」
  > No.070 「月の扉」
  > No.037 「扉は閉ざされたまま」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「翼ある闇」 麻耶雄嵩

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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