<JC1巻買い> 「ぬらりひょんの孫」 椎橋寛
ぬらりひょんの孫 1 (1) (ジャンプコミックス) 椎橋 寛 集英社 2008-08-04 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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今月に発売されたJC(ジャンプコミックス)1巻の1冊目は、「ぬらりひょんの孫」です。
“週刊少年ジャンプ40周年”ということで年明けから大々的に始まった新連載4作(「PSYREN-サイレン-」「K.O.SEN」「MUDDY」「私立ポセイドン学園高等部」)は、うち3作が早々に打ち切りになってしまうなど期待外れに終わりましたが、続いて3月に投入されたこの「ぬらりひょんの孫」を含む3作(他は「バリハケン」と「ダブルアーツ」)は、いずれも1巻が発売される今の段階でも脱落者が出ることなく連載が続いているので、大豊作とまではまだ言えないまでも、それなりに豊作なクールだったのではないでしょうかね。
そして同期のこの3作は、ジャンプ本誌でも似たような掲載順にいるため(「ぬらりひょんの孫」だけ頭一つ抜け出している感じ?)、この1巻の売り上げによってそれぞれの人気のほどが計れそうなので、ランキングが今から楽しみですねェ。
(ここまでは基本的に「バリハケン」「ダブルアーツ」と同じ文章です。でもここからは全然別物です)
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さてさてこの「ぬらりひょんの孫」は、タイトルからわかるように妖怪ものです。
個人的には、一般社会の中に妖怪とか幽霊とか魔物とかが関わってくるタイプのジャンプ漫画って、「DEATH NOTE」や初期の「BLEACH」など当たればデカイけど、弾数の割には外れ(早期打ち切り)がとても多い印象があったので、この漫画にもちょっと心配なところがありました。
ところが蓋を開けてみたら、連載開始から半年近く経った今でも好評のようで、要らぬ心配でしたね。ということは、今後次第でデカイ当たりになる可能性も大いにあり?
それでは何故にこの漫画は、数多くあった妖怪・幽霊漫画の失敗パターンに当てはまらなかったのか、ちょっと自分なりに考えてみました。それは、改めてこの1巻を読んでみて思ったのですが、ストーリー的に大して進んでいないことがかえって良かったのではないでしょうか。
最初の頃は、妖怪になった主人公が3代目を継ぐと宣言したと思いきや、人間に戻った主人公がそれを撤回する.....、といったパターンが決まっていて、新キャラが少しずつ増えながらもこのパターンが基本で変わらず進んでいたように思います。
ここで新しい設定や展開などを盛り込まなかったことで、普通ならそれがマイナス要因になってしまいそうなところを、この漫画に関しては逆に利点になったんじゃないですかね。いつ読んでも基本パターン(最低限抑えておくべき設定)は同じなので、途中で付いてこれなくなることもなく、続けて読んでもらえたんじゃないかな~と思うのです。
元々、連載当初には長期的にも短期的にも目標設定がない(3代目を継ぐというのは目標設定とはちょっと違う感じ?)漫画なので、ストーリー的にあまり動かないことでどうなるかな、という心配がありました。ただ、妖怪・幽霊ものというのはただでさえ特殊な舞台設定なため、そこでいかにその作品世界を理解してもらえるかが重要になってくるので、その作品世界を始めから広げ過ぎて“一見様お断り”状態にならなかったことで、かえって良い結果になったのではないでしょうか。
あとはやっぱり、別にコメディ漫画という印象はないのだけれど、主人公の側近の妖怪たちとのやり取りや、同級生たちとのやり取りが、それなりのコメディになっていて、だけどあからさまなコメディ漫画ではないから笑いの質について厳しくチェックされることもないので、その“コメディ漫画じゃないけどコメディ的表現が豊富”というバランスが絶妙で良い味になっているような感じもしますね。
それと、ジャンプ本誌で読んでいる時に気になったのですが、所々のページやコマが、ジョジョっぽい絵に見えることがありました(1巻内でいうと、第六幕の3頁目やラスト、第七幕の8頁目の1コマ目とか)。
そしたらやっぱりこの作者は、ジョジョのアシスタントをやっていたんですねェ。どうりで似てるはずだ.....。「瞳のカトブレパス」(田中靖規)もそうだけど、ジョジョのアシをやっていた人は、ジョジョの影響が作品に充分に反映されるようで。
ジョジョは現在ウルジャンでの連載となっていますが、ジャンプ本誌にも確実にジョジョの遺伝子が残っていっているようで、なんだか嬉しいですね。
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単行本ならではの特典ですが、まず帯の表には「今夜は何だか…血があついなぁ…」というセリフの煽り文句が大きく書かれています。裏には、ケーター少年ジャンプサイトで配信されている待ち受け画像の紹介が載っています。“異例のDL数!”という文字もあるし、帯で紹介されているくらいなので、かなりの好評なんでしょうね。
カバーを取った表紙には、リクオとつららの1コマ漫画が、裏表紙にはその2人に青田坊を加えた3人の1コマ漫画が、コミカルに書かれています。背表紙部分は、何故か納豆小僧の絵ですね。
そして各話の間には、前半はよくあるストーリーの流れに沿った一コマ漫画(主人公・奴良(ぬら)リクオの名前は、“ぬらりひょんのクオーター(4分の1だけ妖怪の血が入っている)”が名前の由来である、という裏話なんかもあったり)。
後半は、「実録!!ある日の清十字団会議~島くんの憂鬱編~」 「実録!!奴良家の人々~夜明けの妖怪談義編~」 「実録!!ある日の清十字団会議~花開院ゆらの鬱憤~」という、台本形式でのコメディ話が。
そして巻末には、「『ぬらりひょんの孫』番外編 実録奴良組史 本家抗争編」という4ページ漫画が掲載されています。この漫画やカバー裏などのおまけをみても、側近の一人である雪女のつららが人気あるんだな~ってことがわかりますねェ。
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