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2008年8月 9日 (土)

<JC1巻買い> 「ダブルアーツ」 古味直志

ダブルアーツ 1 (1) (ジャンプコミックス)ダブルアーツ 1 (1) (ジャンプコミックス)
古味 直志

集英社 2008-08-04
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  今月に発売されたJC(ジャンプコミックス)1巻の3冊目は、「ダブルアーツ」です。

 “週刊少年ジャンプ40周年”ということで年明けから大々的に始まった新連載4作(「PSYREN-サイレン-」「K.O.SEN」「MUDDY」「私立ポセイドン学園高等部」)は、うち3作が早々に打ち切りになってしまうなど期待外れに終わりましたが、続いて3月に投入されたこの「ダブルアーツ」を含む3作(他は「ぬらりひょんの孫」「バリハケン」)は、いずれも1巻が発売される今の段階でも脱落者が出ることなく連載が続いているので、大豊作とまではまだ言えないまでも、それなりに豊作なクールだったのではないでしょうかね。

 そして同期のこの3作は、ジャンプ本誌でも似たような掲載順にいるため(「ぬらりひょんの孫」だけ頭一つ抜け出している感じ?)、この1巻の売り上げによってそれぞれの人気のほどが計れそうなので、ランキングが今から楽しみですねェ。

 (ここまでは基本的に「ぬらりひょんの孫」「バリハケン」と同じ文章です。でもここからは全然別物です)

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 そしてこの「ダブルアーツ」ですが、第1話を見た感じでは、ジャンル的にも絵的にも一般受けしそうで、これは結構人気作になる可能性も高いんじゃないかと期待させられました(「週刊少年ジャンプ新連載! 「ダブルアーツ」 古味直志」参照)。

 そしてそれを裏付けるかのように、連載デビュー作だというのに異例の早さでの2度目の表紙をゲットするなど、人気面での好調さが目に見えてわかったのですが、その後はジリジリと掲載順を下げていって、今では巻末付近に来ることも珍しくなくなってしまいました.....。


 その要因を自分なりに考えてみましたが、やはりストーリー的にあまり進まず、展開が遅く感じられたことがマイナスになったのではないでしょうかね。

 1話の感想を改めて見てみたら、「シスター協会本部に行く」ことを“短期的目的”と書いていましたが、これなんか今からすれば明らかに“長期的目的”ですもんね。なんせ、シスター協会本部に近づくどころか、いまだに隣町にいるのですから。

 自分的には、とりあえず最初の町はさっさと出てって、シスター協会本部に着くまでに立ち寄る町村やその道中で、様々なエピソードがあったり、仲間が出来たり、敵と戦ったりと、テンポ良くストーリーが進んだ方が面白いんじゃないかと思いましたね。

 それで、ストーリーが進む中で、作品世界の設定だったり、主人公たちの能力だったり、敵集団の全貌だったり、といった情報を徐々に出していって、次第に全体像が判明してくる、といった形をとった方が、この漫画的には良かったんじゃないかな~なんて思います。「ワンピース」にしても「ハンターハンター」にしても、とりあえず第1話ですでに自分の村を出ていますからねェ。

 ただ最近になって、具体的な地図が出てシスター協会本部と現在地との位置関係がわかったり、作中に初めてタイトルである「ダブルアーツ(双戦舞)」という言葉が出てその意味するものが説明されたりしているので、いよいよこれからストーリー的にも大きく動き出す予感がしてきました。

 ということで、これからの展開次第でこの漫画の運命が決まってしまうほどに大事になってくると思うので、もう一度期待してみたいですね。

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 単行本ならではの特典ですが、まず帯の表には「この手を離すと、彼女が死ぬ!?」という煽り文句が斜めに大きく書かれています。裏には、上半分が1コマ付きのこの漫画の説明で、下半分がこの1巻に収録されている読み切り作品「island」の説明となっています。

 そして背表紙がとても変わっていまして、表紙と完全に繋がった絵となっています。大体ジャンプコミックスの背表紙というのは、上にタイトル、真ん中に主人公(2巻以降は他の登場人物)の絵、下に作者名というのがほとんどで、主人公の絵が描かれていないだけでも、2001年以降では「サクラテツ対話篇」(藤崎竜)と「ラルグラド」(鷹野常雄、小畑健)の2作しかなく、表紙と絵が繋がっているのは2001年以降ではこの「ダブルアーツ」のみになります。あと主人公の絵は描かれていないですが、小さいけどキリとエルーのシルエット絵は描かれていますね。

 カバーを取った表紙は、カバー表紙絵(キリ&エルー)と同じポージングをしたキリの父母の絵(タイトルは「ダブルスーツ」)。裏表紙は、キリの父母の初登場シーンが描かれています。ちなみに、カバーを取った部分でも表紙と背表紙の絵が繋がっているのですが、そこに描かれているキリとエルーのシルエット絵には、ちょっとした細工が仕込まれています。

 各話の間には、ストーリーの流れに沿った1コマ漫画や4コマ漫画が描かれています。

 本編のラストには、キリの父母の出会いを描いた2ページ漫画「ダブルスーツ」が。これを読めば、何故にキリ父母の話のタイトルが「ダブルスーツ」なのかがわかります。ちなみに、「第1話“運命の人”」とあるので、2巻以降も続きが読めるようですね。

 その後には、3ページに渡って次巻の予告が。2巻は、10月に発売予定とのことです。

 そして巻末には、帯で“幻のデビュー作”と称されている、昨年の赤マルジャンプ冬号に掲載された読み切り作品「island」が掲載されています。

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