『エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ』 深水黎一郎 > 「このミス」完全読破 No.104
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.104
『エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ』 深水黎一郎
「このミス」2009年版 : 49位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 9位
読始:2008.6.16 ~ 読終:2008.6.24
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : ノベルス <2008年2月>
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タイトルを見てわかる通り、美術ミステリです。
....といっても、よっぽど美術関係に詳しい人じゃないとわからないですよね。自分もさっぱりでした。
この“エコール・ド・パリ(パリ派)”というのは、モディリアーニやスーチンなど、1910~20年頃にパリを中心として活躍した芸術家の一派のことをいうのだそうです。
“一派”といっても、似たような作風の人が集まっているのではなく、共通するのは活躍した時代や場所のみで、一人一派ともいうべき個性溢れる面々の集まりだったようですね。
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そんなエコール・ド・パリを中心とした美術論的薀蓄を挟みながら、現代で起こった殺人事件の謎解きが行われるのですが、これがかなり硬派な本格ミステリ作品に仕上がっていました。
見方によっては地味ともいえますが(一人だけ派手なキャラクターが出てはきますが)、それゆえかじっくりと読ませてくれるのです。特に驚くような出来事もないので、ドラマ性の富んだ大掛かりな作品が目当てのような人なら途中で飽きてしまうかもしれませんが、端正な本格ミステリが好きな人なら気に入るはずです。
それから作中作のような形でエコール・ド・パリの芸術家について語られるのですが、これだけでも読む価値ありですね。先に述べたように個性的な芸術家ばかりなので、あまり美術に興味がなくても、紹介される数々のエピソードを楽しめるに違いありません。読んだ後は、実際にこれらの芸術家の作品を観たくなること間違いなしです。
そして事件の謎の解決にもちゃんと美術・芸術的なものが絡んでくるので、まさに美術ミステリといった感じでした。
> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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