『クラリネット症候群』 乾くるみ > 「このミス」完全読破 No.105
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.105
『クラリネット症候群』 乾くるみ
「このミス」2009年版 : ランク外
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2008.6.16 ~ 読終:2008.6.24
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 文庫本 <2008年4月>
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No.68「イニシエーション・ラブ」で有名な乾くるみの新作ですが、これはちょっと変わっていまして、以前に発表済みの「マリオネット症候群」と、今回書き下ろしとなった「クラリネット症候群」という、新旧2つの中篇が収録されているのです。
まず「マリオネット症候群」の方は、朝起きてみたら自分の身体を見知らぬ誰かに乗っ取られていた女子高生の話で、これはSFなんかでよくあるパターンですよね。
だけど、その女子高生がどうやって自分の身体を取り戻すのか、というのとは別の方向に話が進んでいって、ちょっとミステリっぽい展開になっていくので、なかなか捻りが加えられているようです。
そしてラストに至る終盤の展開なんかは、中学生の頃に好きで読んでいた火浦功の作品のようなハチャメチャぶりで、懐かしい感じもして凄い楽しめました。このバカバカしさは好きですね。
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続く「クラリネット症候群」というのは、タイトルは似ているけれど「マリオネット症候群」とは全く別の話となっています。
こちらは変わって男子高校生が主人公となるのですが、あることをキッカケにして“クラリネット症候群”という病気に掛かってしまいます。これなんかも現実には有り得ないタイプの病気なんで、やはりSF的ですね。
この“クラリネット症候群”という病気は、掛かった主人公はもちろんのこと、読んでいるこちらにまで被害が被るという、なんとも厄介な病気なのです。
そのために、この病気の症状が出ている間は読み続けることが困難になる人も多くいそうな感じですが、自分的には、読み辛いながらも楽しめましたけどね。こういうアイデアは好きなんで。
というわけで、「イニシエーション・ラブ」のような大掛かりな仕掛けなどないですが、気軽に楽しんで読めるのは変わらないので(ただ「クラリネット症候群」に限っては別の意味でそうでもないかもしれないけれど)、大作を続けて読んだ後などに気分転換に読んでみるのもいいかもしれないですね。
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> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 読み終り爽快度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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