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2008年7月 4日 (金)

「本格!!ベスト5」 > 「このミス」完全読破・100冊突破記念企画

「このミス」完全読破 100冊突破記念企画 第3弾


   >> 「 本格!!ベスト5」 <<

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 「このミス」完全読破がついに100冊を突破したということで、それを祝う意味合いも込めて、その100冊の中から個人的嗜好に基づいて、項目別にベスト5を発表していきたいと思います。

 ちなみに、対象となる100冊について、および“「このミス」完全読破とは一体何なんだ?”といった基本的な部分については、 まとめページである「このミス」完全読破 読破本リストをご覧ください。

 さてさて第3弾は、そもそもこれがなくてはミステリが始まらないだろう、という「本格!!ベスト5」。つまりは、密室殺人やアリバイトリックなどの要素を含んだ本格ミステリ作品の個人的ランキングです。

 この本格ミステリというのは、いまだに評論家や作家の間で“本格ミステリか否か”といった論争が長きに渡り勃発するほどに曖昧なジャンルの様ですが、ここではもうそんな難しく考えずに、大雑把な意味での本格ミステリ作品の中から自分の判断で選んでみました(でも、アッと驚く系の本格ミステリ作品なんかは「驚いた!!ベスト5」の方に回しました)。

 ちなみに、「このミス」完全読破を始めた当初は完全なる“ミステリ初心者”だったため、読んだ時期によって理解度や好み、個人的評価の基準などが大きく変わってしまっていると思います。特に今回の“本格ミステリ”に関しては、始めた当初は全くと言っていいほどに面白さが理解できなかったのですが、今では本格要素のある作品ほど好んでしまうくらいに変貌を遂げてしまいました。

 なので、このジャンルにおける読んだ時期による評価の高低はかなり激しくなっていますね。したがって、ナンバリング(No.)が重い作品のみがランクインすることになりました。

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 【 5位 : 君の望む死に方 / 石持浅海 】

 

君の望む死に方 (祥伝社文庫)君の望む死に方 (祥伝社文庫)
石持 浅海

祥伝社 2011-09-01
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 毎年のように「このミス」や「本ミス」の上位に名を連ね、まさに“現代本格ミステリ作家”の旗手的存在の石持浅海ですが、自分的には、この人の作品に対する評価によって、本格ミステリの理解度が計れる感じです。

 最初に読んだNo.37「扉は閉ざされたまま」は「このミス」2006年版で2位に入るほどに評価の高い作品でしたが、本格ミステリ的な面白さはイマイチ感じられずじまいでした。

 その後に2冊ほど読みましたが、ついに今作に至って“おぉ、これは面白い!!”となったのですねェ。この作者の作品は設定などに捻くれたところがあるので、その面白さが解かるまではちょっと時間が掛かってしまいましたが、やっとそこまで到達できたのは嬉しい限りです.....。


  [ この作品の感想記事はこちら!!]
    >> No.91 『君の望む死に方』 石持浅海

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 【 4位 : 生者と死者 / 泡坂妻夫 】

 

生者と死者生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)
泡坂 妻夫

新潮社 1994-10
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 まあとにかくこの作品は、本の中身がどうこうと言う前に、本の外側からしてすでに“ミステリ作品”を形作っているのですから、驚いてしまいます。

 というのも、中身は15ページごとの袋とじになっていまして、それを開けずに読めば短編小説として、開けて読めば長編小説として読むことができるのです。

 そのため、短編小説として読んでいたページが長編小説に組み込まれているのですが、同じページなのに場面設定や人物関係などの世界観が一変してしまっているところなどはもう神業です。

 残念ながら袋とじされた状態の本作を今現在に入手するのはかなり困難だと思うのですが、“このページ順に読めば短編小説として楽しめる”というのを感想記事に書いていますので、それを参考に読んで驚いてみてください。


  [ この作品の感想記事はこちら!!]
    >> No.95 『生者と死者』 泡坂妻夫

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 【 3位 : 双頭の悪魔 / 有栖川有栖 】

 

双頭の悪魔 (創元推理文庫)双頭の悪魔 (創元推理文庫)
有栖川 有栖

東京創元社 1999-04
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 “まさに本格ミステリ”という教科書的な作品を書くのが有栖川有栖ですが、その代表作である“探偵江神シリーズ”(または“学生アリスシリーズ”)の中にあって、最も世間一般の評価も個人的評価も高いのが今作です。

 シリーズ前2作と同様に「読者への挑戦」が用意されているので、読みながらフェアーな形で推理できるのですが、これなんかも前2作に比べて遥かにパワーアップしているし、それ以外のドラマチックな場面やアクション場面など、本格ミステリ要素以外の部分も凄く面白くなっているので、もう至れり尽せり状態ですからね。

 やはり本格ミステリといえば、この作品、そしてこのシリーズは欠かせない存在でしょう。


  [ この作品の感想記事はこちら!!]
    >> No.81 『双頭の悪魔』 有栖川有栖

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 【 2位 : 首無の如き祟るもの / 三津田信三 】

 

首無の如き祟るもの (講談社文庫)首無の如き祟るもの (講談社文庫)
三津田 信三

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 「本格ミステリ」の面白さが解かるキッカケとなったのが、No.51『生ける屍の死』山口雅也であり、今作なのです。

 特に今作は、一つのピースをはめ込むだけで全ての謎を鮮やかなまでに解いてしまったりとか、その後の天地逆転するほどの怒涛の展開など、本格要素の部分に対して初めてこんなに衝撃を受けましたからね。

 ホントに今作を読んでいなかったならば、未だに本格ミステリの面白さを味わうことが出来ていなかっただろう、ってくらいに自分にとっては最重要な作品なんですねェ。


  [ この作品の感想記事はこちら!!]
    >> No.55 『首無の如き祟るもの』 三津田信三

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 【 1位 : 離れた家 / 山沢晴雄 】

 

離れた家―山沢晴雄傑作集 日下三蔵セレクション離れた家―山沢晴雄傑作集 日下三蔵セレクション
日下 三蔵

日本評論社 2007-06
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 無駄な贅肉を削ぎ落とし、本格要素のみの身体を作り上げたような、“これぞ本格ミステリ中の本格ミステリ”ともいうべき作品です。

 それゆえに敷居はかなり高く、この作者およびこの作品を語る上では“難解”という文字は欠かせないくらいのものなのですねェ。

 そんな難解さを楽しむことができ、この作品を面白く読めたってことで、“本格ミステリの面白さ”を理解できるようになったんだな、と認識することができたわけです。

 そういった意味でも、とても印象深い作品ですね。


  [ この作品の感想記事はこちら!!]
    >> No.63 『離れた家』 山沢晴雄

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 【 100冊突破記念企画 】

  > 「驚いた!!ベスト5」 (08.6.26)
  > 「怖い!!ベスト5」 (08.6.29)
  > 「本格!!ベスト5」 (08.7.4)
  > 「熱い!!ベスト5」 (08.7.12)
  > 「とんでもない!!ベスト5」 (08.7.26)
  > 「作家!!ベスト5」 (08.8.13)
  > 「アクセス数!!ベスト5」 (08.9.2)

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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