週刊少年ジャンプ新連載! 「どがしかでん!」 濱田浩輔
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今クールの新連載は2作のみなのですが、一方が2週連続巻頭カラーという類をみないド派手なスタートとなった「トリコ」 島袋光年なだけに、もう一方の新連載である「どがしかでん!」は、ちょっと地味でおざなりな当て馬的存在に思ってしまいますね。
しかし、意外とそんな感じであまり期待されずに始まった作品の方が、結果的に長く連載されてしまったりするもんですからね。まあ今クールの2作に関しては、両作ともに長く続くような作品になってくれれば嬉しいのですが。
それでこの「どがしかでん!」は、タイトルからしたらどんな漫画かさっぱりわかりませんが、バスケットボールを題材としたスポーツ物なのです。
ジャンプでバスケというと、もう言うまでもなく「スラムダンク」という先駆者がいるわけで、どうしても比較対象とされてしまうのは仕方がないことなのですが、その先駆者があまりに偉大すぎる存在なために、かなりの重圧となってしまうのではないかという不安もあります。
ただ第1話を読んでみた感じでは、絵柄も雰囲気も全く別物だし、同じバスケを題材としているけれど、それほど先達と比較されたり意識されたりっていう感じではなさそうですかね。まあそこらへんは、試合が始まってみてどうなるか、でしょうか。
それにしても、「テニスの王子様」が終了した後のジャンプは、スポーツ物は「アイシールド21」しか残っておらず、まさに“スポーツ物・冬の時代”といった様相なだけに、この作品には期待が高まってしまいますね。
それで<JC1巻買い> 「K.O.SEN」 村瀬克俊でも書きましたが、失敗に終わっているスポーツ物の特徴として、「主人公はそのスポーツをやる気がない初心者で、だけどそれをやらねばならない状況になって、それでもやってみたらかなり高い素質があって、実は主人公の親はかつてその競技の実力者で、主人公はその親や過去の出来事にトラウマを持っていて....」というパターンが多いように思うのです。
ただこの「どがしかでん!」の場合は、いじめられっ子ではあるけれどトラウマ的な心の闇はないようだし、第1話の感じだと、ヒロインを中心にとにかく前向きな勢いがあって、「やりたいことをやってやる!」って情熱が伝わってくる内容だったので、その点は結構良い感じなんじゃないですかね。
あと気になったのは、主人公(一見平凡なんだけど、実はかなりの潜在能力の持ち主)とヒロイン(大金持ちの美人お嬢様で、ちょっと自己中気味)の関係が、「タカヤ-閃武学園激闘伝-」に似ているところです。
この「タカヤ」は、ラブコメなのかと思ったらいつのまにか格闘技物になって、それが一段落したと思ったら突然に異世界ファンタジー物に移行するなど、かなりの迷走っぷりを披露した作品だったので、「どがしかでん!」も二の舞になってしまわないかと心配ですね。本誌のアンケートでの、この作品に対する“今後どのような展開を望むか”の項目を見たら、余計に心配になってしまいます......。
自分としては、どのような方向に行くんであっても、“バスケ漫画”という基本軸だけはしっかりと保っていてほしいですね。そして、ジャンプのスポーツ漫画の代表格にまで成長してくれたら最高なんですが。
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