『ソロモンの犬』 道尾秀介 > 「このミス」完全読破 No.97
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.97
『ソロモンの犬』 道尾秀介
「このミス」2008年版 : 35位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 13位
読始:2008.6.3 ~ 読終:2008.6.3
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2007年8月>
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道尾秀介作品は、最初に読んだNo.41「向日葵の咲かない夏」は凄い面白かったんだけど、続いて読んだNo.49「シャドウ」とNo.58「片眼の猿」は面白かったとはいえちょっと期待外れで、特に「片眼の猿」なんかは“「このミス」完全読破”の中で唯一の★1つ評価だったりするのです(これを書いている時点で)。
とはいえ、★評価とその作家が好きかどうかというのは、そのままイコールになるほど単純なものでもないのですよね。この道尾秀介作品にしても、アッと驚く仕掛けが自分的に爆発するか不発弾に終わるか、という部分での楽しみもあって、当たり外れはあるけどトータルで見るとやっぱり好きな作家の一人なのです。
なので、残念ながら「このミス」にランクインしませんでしたが、それとは関係なくこの「ソロモンの犬」を読んでみたわけです。
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そして内容の方は、大学生の男女4人組を中心とした青春ミステリで、ある事故をキッカケにしてそれまでの様々な関係が形を変えていき、そうした中で驚くべき真相へと近づいていくのですが、やはりラスト前には読み手をアッと驚かすような仕掛けが施されていました。
それで今回は素直に驚くことができ、作品全体としても「向日葵の咲かない夏」とは違った種類での面白さを感じたのですが、それではちょっとイマイチに感じた「片眼の猿」と今作とでは何が違かったのか?ということを考えてみました。
それはたぶん、この“仕掛けとその伏線”以外の部分でどれだけ楽しめたか、にあるんだと思うのです。「片眼の猿」の場合はその部分がそんなに惹かれるほどではなかったため、仕掛けの部分が強調されて目に映ったために、そこにあざとさを感じてしまったのではないかと。
そして今回の「ソロモンの犬」の方は、仕掛け以外の部分がとても面白かったので、仕掛けをそんなに気にすることなく読み進めることができ、よって仕掛けに素直に驚くことができて、全体的にも面白く感じたのでしょう。
というわけで、やっぱり「このミス」にランクインしたかどうかと、自分が好きな作品かどうかというのは、そのままイコールになるほど単純なものでもないってことですね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.0097 「ソロモンの犬」
> No.0058 「片眼の猿」
> No.0049 「シャドウ」
> No.0041 「向日葵の咲かない夏」
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