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2008年6月11日 (水)

『生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術』 泡坂妻夫 > 「このミス」完全読破 No.95

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.95

 『生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術』 泡坂妻夫

   「このミス」1996年版 : 17位

   受賞(候補) :

   総合ランキング : 「「このミス」20年のベスト・オブ・ベスト」 35位
              「本格ミステリ・ベスト100」 89位

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 5位

   読始:2008.5.29 ~ 読終:2008.5.30

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本 <1994年11月>

生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)
泡坂 妻夫

新潮社 1994-10-28
売り上げランキング : 121

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 この作品は、物凄く大掛かりな仕掛けが施されています。

 といっても、作中のトリックや謎が凝ってたり、真犯人が思いっきり意外な人物だったり、世界観がガラリと変わるような驚きがあったり.......、といった種類の仕掛けではないのですけどね。

 というのもこの本は、なんと驚くことに、中身は15ページごとに袋とじになっていまして、そのまま表に出ている部分だけを読んでいくと、短編小説として楽しむことができるのです。

 そしてその後に袋とじを開けた状態で読んでいくと、今度は長編小説として楽しむことができるのですが、もちろん袋とじを開ける前に短編として読んだページも長編部分に組み込まれているわけで、しかも短編で読んだ時と全く同じページであるのにも関わらず、その場所も人物も状況も、その世界そのものが全く違う意味合いを持っているのですから、これにはかなり驚きましたねェ。

 まあさすがに、短編小説として読んだ時にはページとページとの繋がりに違和感があったりもするし、ミステリとしてのストーリーやトリックとしてはそれほど驚くほどのものはないのですが、やはり本自体に施されたこの仕掛けをこうして作品として完成させてしまったことに感動してしまいますからね。ホントに素晴らしすぎでした。

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 ちなみにこの本は、やはりこれだけ凝った作りのため、小さな製本屋が手作業で作っていたそうで、したがって部数もあまり出なかったそうです。

 しかしその製本屋は今ではなくなってしまって、その他の製本屋は全て機械で綴じているそうなので、この作品は現在絶版となってしまっているのです.....。

 となると、この作品を読むことが出来るのは、古書店で見つけるか、図書館で借りるしかないのですが、どちらにしても袋とじは開けられた状態にあるのは避けられず、しかもどの部分が袋とじだったのか判別できないし書いてもいないので(親切な図書館とかっだたら書いてあるかもしれないけど)、本を手にしたとしても長編小説としてしか楽しむことが出来ないのが現状なのです。

 なので、“このページ順に読んでいけば短編小説として読むことができますよ”という「短編小説としての読み方」をここに書いておきたいと思います。


 【これが「生者と死者」の短編小説としての読み方だ!】

  *このページ順に読んでいってください(数字はページ数)

 161732334849646580819697112113
  → 128129144145160161176177192193208


 * 後日追記:2013年末にめでたく復刊となりました。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★
   熱アクション度 : ★         主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★         人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★★   読み終り爽快度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “泡坂妻夫” 関連記事 】

  > No.714 「毒薬の輪舞」
  > No.590 「泡坂妻夫引退公演」
  > No.447 「黒き舞楽」

  > No.410 「びいどろの筆」
  > No.270 「鬼女の鱗」
  > No.258 「奇跡の男」
  > No.095 「生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術」
  > No.029 「奇術探偵曾我佳城全集」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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