『君の望む死に方』 石持浅海 > 「このミス」完全読破 No.91
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.91
『君の望む死に方』 石持浅海
「このミス」2009年版 : 42位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 13位
読始:2008.5.8 ~ 読終:2008.5.9
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : ノベルス <2008年3月>
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“「このミス」2009年版”対象作品を読むのもこれで4作目。順調に読み進めているのですが、果たして読んだうちのどれだけの本がベスト20にランクインするのか、かなり気になってしまいます。
ただこの作品に限っては、ランクインする可能性は結構高いんじゃないですかね。というのも、「このミス」2006年版の2位となったNo.37「扉は閉ざされたまま」の続編に当たる作品だからなのです。(後日追記 : 結果は残念ながらランクインせず.....)
続編といっても、主人公は前作と共通しているものの、舞台も主要人物も全く違うので(中には引き続き出演している人物も一応いるけど)、前作を読んでいなくとも楽しめると思います。
だけど、前作と関連した話題ややり取りもないことはないし、実は核心部分においてちょっと触れられたりもするので、前作を読んでいた方がより楽しめるのは間違いありません。ってかまあその前作は2位にランクインするほどに評価された作品なので、まずはそちらから読むべきだとは思うのですが。
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そしてこの作者特有の“捻くれた設定”は相変わらずで、今回は、犯罪が起こる前の段階での、犯人や探偵役やその場に関わっている人たちについて描かれているのです。
しかもその犯罪というのも、“相手に自分を殺させようとする計画”なので、被害者(予定)が加害者(予定)のためにトリックを用意していたり、犯行を行いやすくするための仕掛けを作っていたりするので、この設定にしても捻くれまくっていますからね。
だけど、終着点(犯罪を起こす瞬間)が予めはっきりと定められているので、そこに至るまでにどのような経緯を辿っていくのか、という興味の軸はわかりやすくしっかりとしているので、全く興味を失うことなく読み進めることができました。
それに、犯罪が起こるまでの犯人や探偵役の心理というのが事細かに描かれているので、まさに自分が犯人役・探偵役になっているかのようなリアルさがありましたね。
そしてやはり、犯罪が行われる前にいかにしてその犯罪を見抜くのか。これも非常に興味深かったし、実際の見抜き方も素晴らしかったです。
ただ、この作品は“本格ミステリ”を少しはかじった人じゃないと本当の面白さはわかりにくいかもしれません。自分は最近になって“本格ミステリ”の面白さがわかったので、この作品も充分楽しめましたが。
一方、まだ“本格ミステリ”の面白さに気付いていなかった頃に読んだ前作「扉は閉ざされたまま」の感想記事を改めて読んでみたら、この作品の面白いところを上手いこと書いてあったものの、やはりホントの意味での面白さは感じることが出来ていなかったのだろうし、それは★2つと評価があまり高くなかったことからもわかります(まあ★2つでも“面白い!”という評価ではあるのですが)。
だけど今この作品を読めば、前に読んだ時には気づくことが出来なかった面白さがわかるはずだと確信できますからね。つまりは、読むタイミングというのが大事ということです。
だからといって避けて通っていてはいつまでたっても面白さを理解できないままになってしまうので、あんまりそういったことは気にせずに、とにかく読まず嫌いをなくして偏りなく読んでいくのが一番良いのかも。ってどんなジャンルであっても問題なくOK!となった今の自分にはあまり関係ないことではありますが。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “石持浅海” 関連記事 】
> No.869 「罪人よやすらかに眠れ」
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> No.350 「この国。」
> No.297 「リスの窒息」
> No.293 「君がいなくても平気」
> No.112 「耳をふさいで夜を走る」
> No.091 「君の望む死に方」
> No.089 「心臓と左手 座間味くんの推理」
> No.070 「月の扉」
> No.037 「扉は閉ざされたまま」
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「舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵」 歌野晶午
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