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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.88
『この闇と光』 服部まゆみ
「このミス」2000年版 : 12位
受賞(候補) : (「直木三十五賞」候補)
総合ランキング : 「厳選!バカミスベスト100」 選出
年度ランキング :
読始:2008.4.22 ~ 読終:2008.4.24
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <1998年11月>
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“「このミス」2000年版”というほどほどに前にランクインした作品で、しかも順位は12位で、さらにはこの作者が「このミス」にランクインしたのはこの作品が唯一、ということで、今の時代から思うと少々地味な印象を持ってしまいます。
ところが、この本を手にしてみればわかるのですが、カラフルな色使いをシックにまとめ、さらに左上の角を切り落とすという大胆な装丁(文庫版は違うようですが)が施された表紙なので、派手になりすぎない程度の美しい本に仕上がっているのです。
それもそのはず、この作者は元々は銅版画家で、国際的な賞をとるほどの人なのですが、自作の本の装丁も自らが手掛けているのですねェ。なので、表紙を見るだけでも価値がありますからね。
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そして内容の方は、お城のようなところに幽閉されているらしい女の子の話なのですが、その女の子というのは盲目で、しかもその女の子の目線で書かれているので、冒頭から“これは何か仕掛けがあるな”というのは凄い感じてしまいます。
だけど、その女の子の目線というのは“見えない目線”で、しかもそれは読んでいる自分の目線にもなるわけで、とても不安定な状態で読み進めることになるので、仕掛けがあるのがわかっていながらも、それを勘ぐることなどなく、この作品世界へとドップリと入り込んでゆくことになるのです。
そしてやはり驚くべき仕掛けがあり、その後の展開にも目が離せなくなるのですが、やはり女性の書いた作品だからか、この本の装丁同様に作品全体から崇高で絢爛としたものが感じられました。まさに本の中身も外見も“芸術作品”といった趣きで。
なので、アッと驚くトリックを楽しむのもよし、この妖美な作品世界を楽しむのもよし、といったところですね。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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