『ベルカ、吠えないのか?』 古川日出男 > 「このミス」完全読破 No.87
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.87
『ベルカ、吠えないのか?』 古川日出男
「このミス」2006年版 : 7位
受賞(候補) : (「直木三十五賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング : 「キノベス」 6位
「本屋大賞」 8位
「ベストSF2005」 11位
読始:2008.4.14 ~ 読終:2008.4.19
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2005年4月>
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この、疑問形でこちらに訴えかけてくるようなタイトルに、犬が牙を剥いて噛み付いてくる瞬間の表紙。これだけでもかなりのインパクトがありますね(個人的には、最近発売された文庫版の表紙も変わらぬままだったのは嬉しかったです)。
そして中身の方も、「お前(たち)」という二人称を用いて、まるで神の目線に立っているかのように犬たちに語りかける文体で歴史的規模の壮大なストーリーが記されているので、他に類をみないインパクトある作品に仕上がっていました。
もう少し詳しく内容を説明しますと、太平洋戦争時に米軍に捕らえられた日本の軍用犬4頭を始めとし、その後何代にも渡って世界各国あらゆる所で様々な冒険や闘争を行っていく犬たちの、壮大で濃密な年代記です。とにかくそのスケールの大きさには圧倒させられてしまいます。
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ただ、結構人を選ぶ作品かもしれませんね。
というのも、第2次世界大戦以降の、米ソによる東西冷戦を中心とした世界史の中に、犬たちの年代記が組み込まれているのですが、この国家レベルでの紛争について事細かに描写されているので、まるで世界史の勉強をしているかのようにも感じられてしまうのです。
しかし、そのために、これらの時代で歴史に残るほどの重要な事件や出来事に、先に挙げた4頭の犬たちの子孫が絡み合うかのように関わっていく様が、とてもリアルに感じられるのですよね。そして作品全体に偽りではない迫力や凄みが溢れているのです。
それにこれはホントに世界史の勉強にもなりますからね。軽い気持ちで読むことは出来なそうだけど、その分読み応えは充分過ぎるほどにあると思います。
それから、読んでいて「犬たちの系図が載っていればもっと話が解かりやすくなるのにな~」と思っていたのですが、つい最近出たばかりの文庫版の方には巻頭に犬たちの系図が載っていたので、文庫版の方が読み進めやすいかもしれませんね。
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> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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