『誰か』 宮部みゆき > 「このミス」完全読破 No.77
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.77
『誰か』 宮部みゆき)
「このミス」2005年版 : 53位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2008.3.21 ~ 読終:2008.3.24
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2003年11月>
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「2007年版」で6位に入ったNo.83「名もなき毒」は、タイトルからして普通に読み始めてしまいそうですが、実は「誰か」に続くシリーズ2作目なんですねェ。
なので、この「誰か」は「このミス」で20位以内には入りませんでしたが、シリーズ1作目となるこちらから読んでみることにしました。
この話は、自転車によるひき逃げ事件をキッカケに始まるのですが、この「自転車のマナー」は最近自分が特に関心をもっている社会問題ということもあり、感慨深かったですね。
自転車は誰でも気軽に乗れるもので、自動車やバイクなどの“車”よりも“歩行者”に近い意識で乗っている人がほとんどだと思うのですが、法律的には“車”の仲間であるし、危険度からしたら完全に“車”寄りなわけです。
だけどその認識がないためか、歩道ではそこを通るのがあたりまえかのように我が物顔でスピードを出しながら走ったり、先を確認しにくい曲がり角でも勢いをつけたまま曲がって来たりしています。
特に酷いのが夜間で、ライトを点けずに走っている自転車は、すれ違ったのを見ている感じでは半数近くいるんじゃないですかね。もちろん無灯火運転は法律でも禁止されていることですが、そうでなくても夜間にライトを点けずに走ることは大変危険だということはわかりそうなもんですけどね。
前方にいる人に自分の存在を知らせたり、乗っている方もライトの反射によって対向者(車)の存在がわかりやすくなったりなど、事故を起こさないために大事なものですが、それによって自分の身を守ることにも繋がるわけですからね。それを、本来ならば子供たちに教えなければならない年代の人達が率先して無灯火で走っているのですからねェ。
まあ、自分も昔は戸塚から川崎や平塚辺りまで自転車で乗ってっちゃうほどの自転車好きで、今から考えると“よく事故を起こさなかったな~”と恥ずかしくなっちゃうような運転をしていたので、あんまり人のことも言えないし気持ちもわかるのですが、それでもやはり自転車というのは、一度事故を起こしてしまえば取り返しがつかなくなるくらいの大惨事になってしまう危険な乗り物なのですから、そのことは常に心掛けつつ乗ってほしいな、と思うのです。
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とまあ話が外れてしまいましたが、しかしこの作品のテーマともあながち違ってはいないですからね。
それでこの作品の主人公は、絵に描いたような“良い人”です。全然怒らないし、我が侭でもないし、周りの人に気を使いっぱなしだし。しかも奥さんもいかにも温室育ちな感じで、人の良さは主人公同様なのです。
そんな主人公が、自転車によるひき逃げ事件と関わることになったのをキッカケにして、その“良い人さ”“純粋さ”を汚されてしまいそうな毒のあるいくつかの出来事に遭遇することになります。
だけどこの主人公は、そういった出来事を全て受け入れたうえで、“良い人さ”“純粋さ”を保ち続けるのです。つまり一本筋の通った正真証明の“良い人”なのです。それを知ったうえで過去のエピソードなんかを思い返してみると、そんじょそこらの“良い人”じゃ乗り越えられないよなぁ~、とわかるんですけどね。
とにかくこの“良い人”な主人公が魅力な作品なのですが、“「名もなき毒」を読む前にまずは”って感じで読み始めたのを忘れるくらいに面白かったですね。そしてこの主人公が再び活躍するであろう「名もなき毒」の方もより一層楽しみになりました。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★ 読み終り爽快度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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