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2008年4月16日 (水)

『インシテミル』 米澤穂信 > 「このミス」完全読破 No.76

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.76

 『インシテミル』 米澤穂信

   「このミス」2008年版 : 10位

   受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 4位
              「大学読書人大賞」 6位
              「週刊文春ミステリーベスト10」 7位
              「ミステリが読みたい!」 13位
              「キノベス」 17位
              「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:2008.3.18 ~ 読終:2008.3.19

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2007年8月>

インシテミル (文春文庫)インシテミル (文春文庫)
米澤 穂信

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 このカラフルで可愛らしい表紙に(後日追記:ハードカバー版の表紙のことです→)、この意味深なタイトルから、ポップでオシャレで明るい話を想像していました。

 ところが実際に読んでみたら、外界と遮断された変な形の館に(まあ正確には館ではないけど)、初顔合わせとなる人達が集まり、そこで連続殺人事件が起き、いざ犯人探しへ!!という、バリバリの本格ミステリなんですねェ。

 ただそこでは、登場人物たちにゲーム性のあるルールが施されているため、自然と疑心暗鬼に陥ることになり、そのうちに激しい心理戦が繰り広げられてきます。

 そしてこの作者の良くも悪くもの特徴でもある“キャラの軽さ”もそのままなので、古臭いわけではなくむしろ現代的な本格ミステリですね。

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 その作中に出てくるルールなどで、古典的な本格ミステリ作品がオマージュとして使われています。これが謎を解くヒントに繋がってきたりもするため、そういった古典的本格ミステリに精通している人が読むとより楽しめるでしょう。

 たけど、古典的本格ミステリに疎い人でも充分楽しめると思います。自分がまさにそうなので、これは実証済みなのです。

 ただやっぱり、古典的なものじゃなくても、ある程度の本格ミステリを読んでいないと本来の面白さがわからないかもしれませんね。というのも、読んでいくとわかるのですが、この作品はどうもひねくれているのです。よくある本格ミステリの流れに行きそうになっても、ことごとくスカされるような感じで。

 このマトモじゃない“ひねくれ精神”が、気の利いたスパイスとなって、作品全体に独特な味を加えているのです。ただこのスパイスは、何となく気になる程度のさり気ないものなので、本格ミステリをある程度読んでいないとその味の違いに気付かないんじゃないかと思うのですよね。


 と、ここで最初の話に戻りますが、果たしてこの表紙(後日追記:ハードカバー版の表紙のことです)は正解だったのでしょうか。

 ある程度の本格ミステリ読みにこそ読んでもらいたいタイプの内容だけど、そういった人はこういう表紙の本には手が伸びにくいようなイメージが。

 逆に、この表紙を見て「面白そうだ!!」と思うような人は、こういう本格ミステリは好みでないようなイメージが。

 まあ自分はずいぶん前から本屋でこの表紙が気になっていたし、実際に読んでも凄く面白かったので、全く問題なかったのですけどね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★         人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★        読み終り爽快度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  > No.0365 「遠まわりする雛」
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  > No.0250 「秋期限定栗きんとん事件」
  > No.0227 「追想五断章」

  > No.0140 「儚い羊たちの祝宴」
  > No.0076 「インシテミル」
  > No.0044 「ボトルネック」
  > No.0040 「夏期限定トロピカルパフェ事件」
  > No.0039 「春期限定いちごタルト事件」


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