『密室キングダム』 柄刀一 > 「このミス」完全読破 No.74
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.74
『密室キングダム』 柄刀一
「このミス」2008年版 : 16位
受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)
(「本格ミステリ大賞」候補)
総合ランキング : 「本格ミステリ・ベスト・オブ・ベスト10(1997-2016)」 11位
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 3位
「ミステリが読みたい!」 9位
「週刊文春ミステリーベスト10」 10位
「黄金の本格ミステリー」 選出
読始:2008.2.18 ~ 読終:2008.3.13
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2007年7月>
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この仰々しいタイトルに、絢爛で妖美な表紙、そして片手で持つのも辛いくらいの分厚さ。
なので気にはなっていてもなかなか手を出しにくい外見なのですが、一度読み始めてしまえばそれらは全く関係なくなり、楽しんで読み進めることができました。
まあそれでも、読んでも読んでもまだまだページが残っているので、その分厚さは常に意識せざるをえなかったのですが。だから図書館で借りて一回延長しても読み終わらず、一度返却した上ですぐに借り直しましたからね。
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それでタイトルから予測できる様に「密室!密室!また密室!!」という展開で、しかも一つの密室に何重ものトリックが覆い被されていたり、また密室の種類も豊富なので、まさに“密室王国”の名に恥じない内容でした。
さらに、これは全ての謎が解ける時にわかるのですが、密室を仕掛けるに至った理由にも、様々な心理的・状況的要因が絡み合っているので、ホントに一つ一つの密室における濃密さが尋常じゃないです。
ただまあ、“密室トリック”というのは、論理的思考によって理詰めで謎を解いていくもので、したがって作品全体がこの“論理的思考”に満ち溢れています。なので、ストーリーやキャラクター、ドラマ性なんかを楽しみに本を読むような方には、そのページ数の多さもあいまって、この作品を完読することは苦痛どころか拷問にも近いかもしれませんね。
自分の場合も、ちょっと前だったなら読んでいてかなり辛かっただろうと思います。ただ今はこういった“本格ミステリ物”はかなり好きになっているので、辛いどころか逆にかなり楽しめたわけですけれど。だから読むタイミングってのはホントに大事なんですねェ
でも、探偵役の主人公が病弱な青年だったり、あと作品全体の印象としては“重厚”というよりはむしろ“軽快”な空気感があったりもするので、そんなに敷居が高いわけでもないです。だから意外とこういう“密室物”の入門編に最適かもしれません。
ただそれだとやっぱりこの分厚さがネックになるか.....。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 読み終り爽快度 : ★★★
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> No.1082 「或るエジプト十字架の謎」
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> No.0074 「密室キングダム」
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