『中庭の出来事』 恩田陸 > 「このミス」完全読破 No.65
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.65
『中庭の出来事』 恩田陸
「このミス」2008年版 : 19位
受賞(候補) : 「山本周五郎賞」受賞
総合ランキング :
年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 13位
読始:2008.1.25 ~ 読終:2008.1.29
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2009年8月>
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“「このミス」完全読破”のナンバリングからすると、恩田陸作品を2冊続けて読んだように見えますが、実際にはその間に別の2冊の本が挟まっています。
ただ、その2冊とも読み終わる前に図書館の返却期限が来てしまい(もっと詳しく説明すると、最初に読んでいた本がなかなか読み進められなくて“こりゃ返却期限までに読み終われないな”と思い、比較的読み進めやすそうなもう1冊の本を読み始めたのですが、結局こちらも読み終える前に返却期限が来てしまたのです)、それでその未完読の2冊を新たに借り直す前に、この「中庭の出来事」を読み終えてしまったのです。
なので、自分の中では恩田陸作品を続けて読んだ感じは全くないのですが、“「このミス」完全読破”的には続けて読んだようになるのです。ってこれは、ややこしいうえに不必要な説明か。でもなんとなく書いてみました。
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それで中身の方ですが、なんとも不思議な話ですねェ。
主な登場人物は舞台演劇に関係した人たちなのですが、話が進むにつれて、今展開されている話が舞台上の創作話なのか現実に起きた話なのかがわからなくなるのです。
さらに、同じようなシーンが少しアレンジを加えながら何度も何度も出てくるので、濃い霧に囲まれて周りが見えない状態で歩いているような(この場面は作中に出てきます)、不安定な感覚で読み進めることになるのです。
そういったものが最後にすっきりと霧が晴れたかのように解明するのを期待したいところですが、そこはこの作者のNo.64「Q&A」を読んでいたこともあり、“そういった本格推理小説的なものを期待するよりも、作品全体の雰囲気を楽しむものなんだ”ということがわかっていたので、霧が晴れることは期待しないで読んでました。それでも充分に面白かったし。
ところが最後に来て、それまで出てきた謎の答えが全てすっきりとわかるんですねェ。これは期待していなかっただけに驚きました。さらにそこに“オマケ”まで付いてくるサービスぶりですから。
元々の“不思議に絡み合った芸術的ともいうべき作品全体の雰囲気”だけでもかなり楽しめたのに、最後に見事に霧を晴らしてくれたのですから、これはホントに面白かったです。
それにこの作品は、この作者にしか書けない世界観でしょうね。こういう世界観は大好きです。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
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> No.0065 「中庭の出来事」
> No.0064 「Q&A」
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