『果断 隠蔽捜査2』 今野敏 > 「このミス」完全読破 No.72
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.72
『果断 隠蔽捜査2』 今野敏
「このミス」2008年版 : 4位
受賞(候補) : 「日本推理作家協会賞」受賞
「山本周五郎賞」受賞
総合ランキング : 「この警察小説がすごい! ALL THE BEST」 7位
年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 6位
「週刊文春ミステリーベスト10」 9位
読始:2008.2.15 ~ 読終:2008.2.18
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2007年4月>
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シリーズ1作目となるNo.57「隠蔽捜査」が「このミス2006年版」の20位で、シリーズ2作目となる今作が「2008年版」の4位。
となるとやっぱり今作の方が手に取りやすいとは思うし、いきなり今作を読んだとしても充分楽しめるとは思うのですが、やっぱり「隠蔽捜査」を読んだ上で今作を読んだ方が段違いで面白いのは間違いないです。
逆に今作を読んでから「隠蔽捜査」を読んだとしたら確実に面白さは半減以下になるだろうことからも、まずはシリーズ1作目の「隠蔽捜査」を読んでから今作を楽しむことをお薦めします。
というわけで、「隠蔽捜査」の方を読んでいない人にとっては以下“ちょっとネタバレあり”となっていますので、ご注意を。
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いわゆる“警察小説”というのは、どうしても主人公が窮地に追い込まれたり、反りの合わない相手とのいざこざが起こったり、といった展開になりがちなので、読む前は結構思い切りが必要になるのですが、この作品に限ってはそんなもの必要ありませんでした。
それはやっぱり前作「隠蔽捜査」を読んで、どんな自体に陥っても自分の信念を決して曲げずに突き進んでいく主人公であることを知っているからなのです。
だから逆に、この主人公が苦境になればなるほど“どのようにしてこれを乗り越えてゆくのか?”と楽しみになっちゃうくらいですからね。
そんな風にとても個性的で魅力的な主人公を見てるだけで面白いのですが、その周りにいる同僚達も、前作のエリート官僚から最前線で駆け回る現場の警察官に変わったので、そのクセの強い面々と主人公との絡みというのがまたなんとも面白いのですよねェ。
“全く別世界の住民”のようだった関係が次第に分かり合っていく様は、なんか読んでてジーンときてしまいました。
それから変わったのは周りの面々だけではありません。前作の感想で主人公のことを“漫画「天才柳沢教授の生活」の柳沢教授に似ているけれど、決定的に違う部分がある”といった感じで書きましたが、今作ではその部分でも柳沢教授に近づくような場面があるのですよね。
そういった性格面での成長なんかを感じられることからも、やっぱり前作を読んでいることは必須です。
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それでこういったジャンルの作品だと、特別驚くような出来事が起こったり、ビックリするような結末が待っているような種類のものじゃないので、どうしても★4つや5つは付けにくいのです。だから読む前にすでに“最高で★3つ”と決まっちゃっている感じ(横山秀夫作品は例外ですが)。
ただ今作は、そういった意味での★3つの最高点はもちろんですが、“シリーズ通しての評価点”も加えて★4つ評価にしたいですね。それだけこのシリーズ(というかこの主人公)は気に入っているし、次回作も凄い楽しみなのです。
ちなみに前作に比べてミステリ的要素が増大していたので、“20位 → 4位”というジャンプアップは充分納得できました。
(後日追記)
この記事を書いていた時は★5段階評価でしたが、その後に★10段階評価に変更しました。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★ 人間味ドラマ度 : ★★★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★★
衝撃バカミス度 : ★ 読み終り爽快度 : ★★★★★
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