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2008年1月 2日 (水)

『独白するユニバーサル横メルカトル』 平山夢明 > 「このミス」完全読破 No.47

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.47

 『独白するユニバーサル横メルカトル』 平山夢明

   「このミス」2007年版 : 1位

   受賞(候補) : 「日本推理作家協会賞(短編部門)」
               受賞作 『独白するユニバーサル横メルカトル』 収録

   総合ランキング : 「キング・オブ・キングス(「このミス」30周年企画)」 10位
              「短編SF・オールタイムベスト(国内編)」
                 50位作品 『オペラントの肖像』 収録
              「怪談短篇オールタイムベスト(国内編)」
                 68位作品 『Ωの聖餐』 収録
                 71位作品 『怪物のような顔の女と
                   溶けた時計のような頭の男』 収録                 

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 8位
              「ベストSF2006」 11位

   読始:2007.10.16 ~ 読終:2007.10.19

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2006年8月>

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平山 夢明

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 年明け早々にこの作品の感想を載せることになるとは.....。とんでもない一年になることを暗示しているのでしょうか.....。

 2007年版の1位作品ですが、この奇妙なタイトル同様に中身も奇妙な話が続く短編集です。ただ、奇妙といっても読む人を物凄く選ぶタイプの奇妙さなので、“「このミス」で1位になった”ってだけの理由で買って読んで後悔した人は数え切れないほどいるんじゃないですかね。

 拷問あり、虐待あり、人肉食あり、汚物ありと、とにかくグロテスクな内容のオンパレードなのですが、その書き方・表現方法によってか、下品な感じが全くしないんですよね。それどころか崇高ささえ感じてしまうほどですから、不思議なもんです。ただそんなふうに思えるのは少数派なのかもしれないですけど。

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 それで最初の3編くらいは物凄いインパクトのグロテスクさが溢れてしまっている話が続くのですが、それ以降はインパクト度合いが薄れた作品が並んでいます。まあグロテスクな話には変わりないですが。

 その流れで日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作がラスト前に出てきます。とても奇妙で不気味な話なのですが、やっぱり最初の方に載っていた話のインパクトに慣れてしまったためか、なんか物足りないようにも感じてしまったのですよね。ラストの話がまたインパクト絶大に戻っただけに、余計そう思ってしまいます。

 なので、これからこの本を読む場合は、まずは表題作「独白するユニバーサル横メルカトル」を読んでみて、それで“「このミス」1位作品を読んだぞ!”と満足して他の話を読むのを止めてもいいし、グロテスクさに耐えられそうだったら他の作品も読んでみる、って感じがいいんじゃないですかね。

 まあとにかく、なかなか面白かったものの、あんまり人には薦められない作品ですねェ。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


  【 “平山夢明” 関連記事 】

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  > No.441 「ダイナー」
  > No.047 「独白するユニバーサル横メルカトル」


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