『鏡の中は日曜日』 殊能将之 > 「このミス」完全読破 No54
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.54
『鏡の中は日曜日』 殊能将之
「このミス」2003年版 : 15位
受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)
総合ランキング : 「本格ミステリ・オールタイムベストアンケート」 54位
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 4位
読始:2007.11.20 ~ 読終:2007.11.24
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : ノベルス <2001年12月>
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この作者の作品はNo.16「ハサミ男」に次いで2作目となるので、この「ハサミ男」同様の驚きを期待して読んでみました。
まず第一章では、明らかに大人であろう人物が子供のような行動をする話が、その人物目線で書かれているので、最初からとても奇妙な感じがあるのですが、その話の所々に、まるで小説のような文章が割り込まれているのです。
この人物の話だけでもなんだかよくわからないのに、それとは関係ない文章が紛れ込んでいるため、一体これはどんな話なんだ、と不安な気持ちになってしまいます。
続く第二章では普通の小説になるのですが、現実の話と小説の中の話が交互に出てくるのです。その二つの話は関連性が大きいのですが、互いが互いを補完していく感じがなかなか面白いですね。そして両話共にだんだんと核心に近づいていくのがわかるので、2倍に得した気になってしまいます。
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そして最後となる第三章では、待ってました!!の驚くべき事実判明が出てきます。こういった“これまでの世界観がガラリと変わる驚き”は久々だったので、なかなか気持ちが良かったですねェ。
それに、驚きの事実が判明してから、その説明があって全貌が掴めるようになるまでの間の、あの頭にいくつもの“?”がうごめいている感じというのは、ホントに何度体験しても素晴らしいもんです。それにその後のスッキリ感というのも、この手の小説を読まないと味わえないですからね。
「ハサミ男」に比べると“単純明快な驚き”という点で劣るかもしれませんが、この作品もやっぱり、楽しい驚きで楽しませてもらいました。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
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