『毒猿 新宿鮫II』 大沢在昌 > 「このミス」完全読破 No.43
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.43
『毒猿 新宿鮫II』 大沢在昌
「このミス」1992年版 : 2位
総合ランキング : 「この警察小説がすごい! ALL THE BEST」 8位
「「このミス」20年のベスト・オブ・ベスト」 10位
「二十世紀傑作ミステリーベスト10」 13位
「「このミス」が選ぶ過去10年のベスト20」 19位
「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 45位
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 1位
読始:2007.07.31 ~ 読終:2007.08.19
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <1998年8月>
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「新宿鮫」シリーズを読むのはこれで2作目ですが、去年出たのが9作目なんで、現在の流れに追いつくのはまだまだ先ですね。記念すべき“10作目”が出るまでには、リアルタイムで読めるように、旧作を全て読破しておきたいものですが。
この作品は、裏切り者を追って日本に潜入してきた台湾の殺し屋“毒猿”と、その毒猿を捕まえるために台湾から日本にやってきた刑事、そしてお馴染み鮫島刑事という、主役3人体制といった感じで進んでいきます。
この3人は、間柄としては“敵”であるものの、どことなく通じるものもあり、とても微妙な関係なのです。そしてこの3人に、毒猿が狙う台湾マフィアのボスや日本の裏社会の人間達が絡んでくるので、もうこの激し過ぎる展開にはシビレましたね。
その中でも毒猿の存在というのが秀逸です。最初は正体不明で、周囲の噂などで“とんでもない男”なんだという想像が膨らんでいくのですが(これは読者&登場人物たちの両方とも)、これが「未知の強豪」みたいでドキドキワクワクさせられるのです。それで正体を現してみたら、その期待に膨らんだ想像を超えるほどのキャラクターなのですから。
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そして主役である鮫島刑事が、他の2人と比較すると脇役的存在にあるところも面白いですね。
これに対して最初は意外に思ったのですが、読んでいくうちに、台湾からやってきた強烈なキャラクター2人を前面に出して、それに鮫島刑事が絡んでいくことで、物語に強く太い芯がしっかりとできたような感じがしました。鮫島刑事が、台湾と日本(新宿)とを繋ぐ役割となって、アグレッシブなほどに暴れまくるこの作品全体を引き締めているような。
前作(No.27 「新宿鮫」)を読んだ時には、もちろん面白かったものの、“日本の小説史上に残るほどの一大シリーズ”の第一作という大きな期待感に比べると、それほどでもなかったかな~と思ったのは正直な気持ちでした。
ただ、今作を読んでみたら、これだけ人気のシリーズであることに納得できました。いや、前作を読む前に感じていた大きすぎる期待を上回るものを感じましたね。続編を読むのも楽しみです。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
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> No.0348 「氷舞 新宿鮫VI」
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> No.0075 「屍蘭 新宿鮫III」
> No.0043 「毒猿 新宿鮫II」
> No.0027 「新宿鮫」
NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「ボトルネック」 米澤穂信
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