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2007年11月14日 (水)

『神様ゲーム』 麻耶雄嵩 > 「このミス」完全読破 No.38

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.38

 『神様ゲーム』 麻耶雄嵩

   「このミス」2006年版 : 5位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 5位

   読始:2007.06.06 ~ 読終:2007.06.06

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本(ミステリーランド) <2005年7月>

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 「かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド」というシリーズの中の一冊なのですが、やはりそのテーマ通り、装丁も、挿絵も、字の大きさも、子供向けに作られています。

 ただ、この作品の評価を読んでみると、「子供が読んだらマズイだろう」という、このシリーズのテーマに相反するものだったので、一体どんな内容なのかかなり気になり、期待して手に取ってみました。

 まあ内容の方も、主人公である小学生の男の子の言葉で書かれ、小学生の男の子の目線で語られているので、子供にも読みやすそうだし、自分も子供時代に戻ったような感じで楽しむことができました。

 が、ある時を境に、“なんじゃこりゃ~!!”的展開になってゆくんですよね.....。

 まあそれまでも、殺人事件が起こったり、“自分は神だ”と名乗る同級生が現れたりと、どことなく不気味な雰囲気は漂っているのですが、まあ後半は嫌な感じで衝撃的な展開が続くのです。

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 その衝撃は、子供の語り口の中で発せられるからこそより衝撃的になるんだと思うんですよね。そして、子供目線で話を追うからこそ、衝撃度合いも増すのではないかと。だから結局は「かつて子どもだったあなたと少年少女のため~」というテーマのシリーズだからこその本でもあるんじゃないですかね。

 それに、なんとも後味の悪い展開が続くわけですが、これがなぜか一方では爽快に感じられたりもするのです。“後味の悪い”と“爽快さ”という矛盾する言葉の両方の感情が同居するという、なんとも不思議な作品でした。これはもう、実際に読んでもらわなければこの気持ちはわかってもらえないでしょうね。

 そしてやっぱり、この作品はまさしく、「子供には読ませたくない子供向け本」でした。


(後日追記)
 当初は★4つ評価にしていましたが、その後のこの作品に対する再評価によって、★5つの満点評価に変更しました。

(さらに後日追記)
 この記事を書いていた時は★5段階評価でしたが、その後に★10段階評価に変更したので、それに伴い満点評価ではなくなりました。

(またもや後日追記)
 2012年5月に発売された“ノベルス版”では子供向けの体裁ではなくなっているのですが、本作の衝撃は字体や挿絵など子供向けの体裁があってこそなのではないかと思うので、出来るだけ最初は“ミステリーランド版”で読むことをオススメしますね。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★★★☆


  【 “麻耶雄嵩”関連記事 】

  > No.825 「あぶない叔父さん」
  > No.793 「化石少女」
  > No.765 「さよなら神様」
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  > No.113 「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」
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  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「春期限定いちごタルト事件」 米澤穂信

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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