『ホワイトアウト』 真保裕一 > 「このミス」完全読破 No.23
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.23
『ホワイトアウト』 真保裕一
「このミス」1996年版 : 1位
受賞(候補) : 「吉川英治文学新人賞」受賞
(「日本推理作家協会賞」候補)
総合ランキング : 「二十世紀傑作ミステリーベスト10」 27位
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 2位
読始:2006.8.10 ~ 読終:2006.8.23
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本 <1998年6月>
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織田裕二主演で映画化もされた、雪山冒険活劇大作です。
なので今の時期(12月)に読むのにちょうど良いのですが、これを読んだのは真夏真っ盛りの8月だったんですよね。その時の状況とは全く正反対の物語を読んでいたわけですが、これが意外と良かったりしたのです。
逆に状況的にぴったりな今の時期に読んでいたら、雪山の寒さをリアルに感じることが出来て、作品世界をより体感できるとは思うのですが、でもそうなったらなんか読んでくのが辛くなりそうですからね。“寒さを感じるのは現実世界だけで充分!!”ってな感じで。
そして肝心の内容の方ですが、やはり評判通りに手に汗握り心踊る作品でした。雪山に囲まれたダムという極限に厳しい世界で、テログループと主人公、テログループと人質、テログループと警察、そしてテログループのメンバー同士と、様々な駆け引きがスリル満点で、自分もそこにいるかのような迫力が伝わってきました。
ただですねェ、話がテログループ中心の時はすごいハラハラドキドキでパパパッと読み進めてしまうのですが、これが逃走しながら反撃を続ける主人公のパートに替わった途端に、雪山の説明とかダムの説明とかが結構長々と始まるので、そこで今まで良い感じだった流れが堰き止められてしまうのですよね。
しかもそれでも“今ダムのどこら辺にいてどこに行こうとしているのか”といったところがいまいちよく理解できなくて、ちょっとこの主人公パートになると読むテンションが一気に萎んでしまいました。
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まあとはいえ全体的にもすごい面白かったのですけどね。ただ自分的にはちょっとその部分が引っ掛かっちゃって、読んでて気になりすぎちゃったのです。
だから“完璧!!”とはいきませんでしたが、それでもやっぱり“すごい作品だなァ”と思いました。なので今度はそこのところをあまり気にしないようにしてもう一度読んでみたいですね。
それにしても、読んでるときは主人公と織田裕二が全然結びつかなかったですねェ。映画だとどんな感じになっているのでしょうか.....。
> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
【 “真保裕一” 関連記事 】
> No.552 「猫背の虎 動乱始末」
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