『燃える地の果てに』 逢坂剛 > 「このミス」完全読破 No.05
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.05
『燃える地の果てに』 逢坂剛
「このミス」1999年版 : 2位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 6位
読始:2006.3.10 ~ 読終:2006.3.27
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 文庫本(上・下) <2001年11月>
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ここまで読んできた作品は、たまたまなのですが全て「このミス」年度1位の作品だったので、今回はあえて1位以外の作品を選んでみました。
読んでみたら、どうも外国が舞台で、しかも歴史関係の内容みたいだったので、少々抵抗感があったのですが(なんとなく現代日本の話の方が読みやすそうだったので)、気合入れて読み始めてみたら、もうすぐに話にのめり込むことができましたね。かえって“外国物”“歴史物”の方が良いかな~なんて思ったりなんかして。
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この作品は、構成的には、“1965年頃のスペインが舞台の話”と“1995年頃の日本が舞台の話”が交互に展開されていくのですが、最初は共通するキーワードは僅かしかなかったのに、話が進むにつれて様々な事物がリンクしてゆき、次第に全貌が明らかになってゆく.......、といった感じなのです。
こういう構成ってなんか好きなんですよね。村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』もそうだし。まあでもこの作品は、60年代話が主で、90年代話は補佐的役割なんですけど。
そして両話がぴったりと合わさるラスト近辺では、“これぞミステリ!”って感じの“衝撃の種明かし”がしっかりとありました。もう核心部分が出たときは「え?これはどういうことだ????」って軽く混乱してしまいましたからねェ。
しかもすぐに説明が始まるのではなくて、年代が変わっての話が進むことでインターバルが出来るので、この“衝撃の種明かし”の余韻を長く楽しむことができて、そこがまた“憎い演出だな~”と思いました。
別に“衝撃の種明かし”がなくても、小説としてずいぶん楽しめたんですけどね。“ミステリというジャンルはホントにサービス精神旺盛だな~”とつくづく思いました。
でも作品的な評価は、★3つを超えるまではいかないかな~ってとこで。★4つ以上は滅多に出さないようにしてます。
(後日追記)
この時は★5段階評価でしたが、その後に★10段階評価に変更しました。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
【 “逢坂剛” 関連記事 】
> No.414 「十字路に立つ女」
> No.314 「兇 弾」
> No.279 「さまよえる脳髄」
> No.033 「禿鷹の夜」
> No.005 「燃える地の果てに」
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