『死の泉』 皆川博子 > 「このミス」完全読破 No.07
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.07
『死の泉』 皆川博子
「このミス」1998年版 : 3位
受賞(候補) : 「吉川英治文学賞」受賞
総合ランキング : 「二十世紀傑作ミステリーベスト10」 21位
「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 44位
年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 1位
読始:06.4.3 ~ 読終:06.4.7
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <1997年10月>
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そもそも“ミステリ小説”を読み始めたキッカケは、敬遠気味だった小説を読むにあたって“取っ掛かりが全くなくて、何を読んで良いのやら.......”だったので、一つのジャンルに絞ってみよう、というものでした。
そしたら、前回のNo.06「名探偵の掟」東野圭吾から今回の「死の泉」と、全く趣きの違う小説ですからね。一口に“ミステリ”といっても、こんな内容も形態も様々な作品があるなんて知らなかったので、“小説を読むキッカケ”としては、“ミステリ”というジャンルを選んでいてホント正解でした。
そしてこの作品は、第2次大戦時のドイツの戦中・戦後の2部構成になっているのですが、その戦中を扱った1部は、“不老不死”や“人体実験”なんかのキーワードが散りばめられていることもあって、ホントおどろおどろしい世界が広がっています。
それでもやはり女性作家ということもあってか、“崇高なる美”のようなものを感じることができて、物語の世界にどっぷり浸かることができました。
どっちかといえば、“時の動き”が主軸となる1部よりも、“人の動き”が主軸となる2部の方が楽しめたかな、って感じなのですが、でもやっぱり読後にすごく印象に残るのは、圧倒的に1部ですね。
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その1部は、“ミステリ”ということを全く感じさせなくて、“重厚な海外小説”のようなのですが、2部も終わりに近づくと、驚くほど“ミステリ作品”に変貌しましたね。
ただ、この“ラストのどんでん返し”が難解すぎてあまり理解できなくて.......。
元々“曖昧なエンディング”に寛容な方であるばかりか、あんまりキッチリ締められているよりは曖昧な方が好きだったりするのですが、それでもやっぱり今回のは、頭に“?????”が残ったままで、すっきりしなくて......。
ちゃんとした“正解”があるのかわかりませんが、理解できなかった自分の“知力”が乏しかったような感覚になってしまったので、なんか悔しさの残る読後となってしまいました。
でもこれでかえってこの作品の“怪しさ・妖しさ”が引き立ったとも思うので、それが狙いだったりして.....?
> 個人的評価 : ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆
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