『GOTH リストカット事件(夜の章、僕の章)』 乙一 > 「このミス」完全読破 No.09
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『GOTH リストカット事件』 乙一
* 文庫化の際に分冊して『GOTH 夜の章』 『GOTH 僕の章』に改題
「このミス」2003年版 : 2位
受賞(候補) : 「本格ミステリ大賞」受賞
(「大藪春彦賞」候補)
(「日本推理作家協会賞〈短編部門〉」
候補作 『犬』 収録)
総合ランキング : 「1996-2005オールベスト「本格」ランキング」 16位
「2001-2010新世紀「本格短編」ミステリオールベスト」
14位作品 『リストカット事件』 収録
「本格ミステリ・オールタイムベストアンケート」 44位
「短編ミステリ・オールタイムベスト(国内編)」
63位作品 『犬』 収録
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 5位
「週刊文春ミステリーベスト10」 7位
読始:2006.4.17 ~ 読終:2006.4.17
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2002年7月>
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この作者は、もう自分が15年以上も愛読している漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の小説版を執筆する、ということでかなり前から存じていました。しかしその『小説版ジョジョ』は、一向に発売される気配もないまま、もう何年も経過しているのです.....。
なので、“乙一”という作家は前から馴染みあるものだったのに、作品自体を読むのは、今回が初めてだったのです。なんか変な感じでしたね。
それにしても、前回のNo.08「マークスの山」高山薫に比べると、登場人物もそうだし、文体や話の内容など、全てにおいて冷めた印象がありますね。でもその“冷めた感じ”というのが、この作品のイメージを上手い具合に引き立てていて、“冷静なる狂気”がビュンビュンと飛んでくるようでした。
まあ読んでいる側としても、良い意味で“冷めた感じ”で読み進めていくことになるのですが、それでもなぜか、いつのまにか物語の中に入り込んでいる自分がいたりなんかするのです。そして“冷”という文字が似合う主人公2人にも、物語が進むにつれて、だんだんと愛着が湧いてくるのが不思議でしたね。
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そんなこんなで、終わりが近づくにつれて“あ~もっとこの世界観を読んでいたいな~”となるのですが、その最後の章が、そんな思いもぶっ飛んでしまうほどの問題作だったのです。
なのでその最終章を読みながら“これは★4つにも★2つにも、どちらにも成りえるな~”と考えていたのですが、最後まで読み終えた結果、打って変わって“満点評価”を下すこととなりました。
まあこの作品のタイトルや装丁からしてちょっと手を伸ばし辛い方もいらっしゃいそうですが(後日追記:ここでいうタイトルや装丁は、ハードカバー本の方のことを言っています)、これはホントにお勧めですね。軽い気持ちで読み始めたら、いつしか“乙一の世界”にどっぷり浸かっている自分に気付くことでしょう......。
でもこれで『小説版ジョジョ』への期待もよりいっそう高まってしまいましたねェ。ホントに出るのでしょうか.......?GUNS N' ROSESのアルバムとどちらが早いかなぁ。
(後日追記)
この記事を書いていた時は★5段階評価でしたが、その後に★10段階評価に変更したので、それに伴い満点評価ではなくなりました。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★★☆☆
【 “乙一”関連記事 】
> No.056 「The Book-jojo's bizarre adventure 4th another day-」
> No.052 「銃とチョコレート」
> No.009 「GOTH リストカット事件(夜の章、僕の章)」
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