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2006年3月

2006年3月13日 (月)

『生首に聞いてみろ』 法月綸太郎 > 「このミス」完全読破 No.04

このミステリーがすごい!」完全読破 No.04

 『生首に聞いてみろ』 法月綸太郎

   「このミス」2005年版 : 1位

   受賞(候補) : 「本格ミステリ大賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 1位
              「週刊文春ミステリーベスト10」 2位

   読始:2006.2.27 ~ 読終:2006.3.3

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2004年9月>

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法月 綸太郎

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 「探偵」「殺人事件」「容疑者」「トリック」など、初心者ながら“これぞミステリー!!”と思うキーワードが溢れている作品がやっと出てきました。

 タイトルの印象からすると鬼畜系のおどろおどろしい感じがしますが、中身は全然そんなんじゃなくて、かなり直球な探偵ものなんじゃないですかね。だからタイトルだけ見て敬遠するのはもったいないですよ。ただやっぱり、図書館でこの本を一番上にして借りるのは気が引けてしまいますが.......。


 主人公の探偵が、謎の真相に近づいていくと、また新たな謎が現れて、その謎の真相に近づいていくと、またまた新たな謎が現れて......。といった感じで、読んでいる自分もこの“謎が蠢く世界”に入り込んでしまったかのような感覚になってしまいました。なので、やはりこの作品も、中盤からは一気に読まずにはいられなくなってしまいましたね。

 ただ、まだ“ミステリ作品”を読み始めたばかりの自分にとっては、最後にそれまでの世界観が一変してしまうような“落ち”を期待してしまうんですよね。理論的に“あ~なるほど~”と感心するよりは、“なんじゃこりゃ!”って体全体で衝撃を受けるような.........。

 この作品の評価をいくつか読んでみても、散りばめられた伏線が全て見事に回収されて、これぞ“ミステリーの教科書(ちょっとニュアンス違うかもしれないけど、今は適した言葉が出て来ない......)”といった感じでしたが、こういった“職人的”な作品の素晴らしさをちゃんと理解するには、今の自分にはちょっと早過ぎたかな、と思いますね。だからもっと色々なミステリ作品を読んだ末に、再度読み返してみたいです。

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 でもやっぱり作品としてホントに面白かったので、評価は平均点ですかね。★3つだと大したことないようですが、“面白い”中での“平均点”ですから。今のところは“ラストの衝撃度”的な評価になってしまいがちですかねェ....。

(後日追記)
 その後に★評価の基準が整理され、“「面白い!」の中での平均点”は★2つとなったため、この作品も★2つに変更となりました。

(さらに後日追記)
 この時は★5段階評価でしたが、その後に★10段階評価に変更しました。


 ちなみに、この作品は初版本を図書館で借りて読んだのですが、主人公の身内の名前が書かれているべき所で、容疑者の名前が書かれているという、物凄い誤植を見つけちゃいました。結構こういった誤植を見つけると、嬉しいもんですよね。


  > 個人的評価 : ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆


  【 “法月綸太郎” 関連記事 】

  > No.1117 「赤い部屋異聞」
  > No.1100 「法月綸太郎の消息」(後日更新予定)

  > No.0924 「挑戦者たち」
  > No.0843 「怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関」
  > No.0659 「ノックス・マシン」
  > No.0644 「犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題」
  > No.0542 「頼子のために」

  > No.0511 「キングを探せ」
  > No.0281 「密閉教室」
  > No.0096 「犯罪ホロスコープI 六人の女王の問題」
  > No.0042 「怪盗グリフィン、絶体絶命」
  > No.0004 「生首に聞いてみろ」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「燃える地の果てに」 逢坂剛

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2006年3月 7日 (火)

『半落ち』 横山秀夫 > 「このミス」完全読破 No.03

このミステリーがすごい!」完全読破 No.03

 『半落ち』 横山秀夫

   「このミス」2003年版 : 1位

   受賞(候補) : (「直木三十五賞」候補)

   総合ランキング : 「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 54位

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 1位

   読始:2006.2.23 ~ 読終:2006.2.23

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2002年9月>

半落ち (講談社文庫)半落ち (講談社文庫)
横山 秀夫

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 かなり売れた作品であることと、映画化もされた、ということぐらいの知識で読み始めました。そしたらなんか警察官僚の堅苦しい話なのかな~、と少々不安になりましたが、読み進めていくうちに、そんなのはいらない危惧だったのだとすぐにわかりましたね。

 この作者は元々は短編小説家だったそうですが、今作も、長編でありながら短編の連作のような形をとっています。詳しく言うと、章ごとに主人公が変わっていくのですが、時間軸はそのままに、“空白の二日間”という共通のキーワードを中心に話が進んでいく、というものです。

 これがまた読み応えある構成になってるんですよねェ。同じ事件を扱っているのに、章ごとに視点が変わっていくのですが、その視点というのが、それぞれ独自のバックグラウンドを持っているのです。

 なので、章が変わるごとに全く別の短編を読んでいるようでもあるのですが、それでもしっかり共通の謎である“空白の二日間”の真相に徐々に近づいていく、っていう書き方が、ホントにもう上手いですよねェ。

 それに、この“前の章で主人公だった人物が、次の章では脇役に......”を繰り返してく感じが、映画『パルプ・フィクション』のようでとても楽しめましたね。

 あと、本来であれば“ネタばれ”ではないと思うのですが、自分としてはこれは立派な“ネタばれ”だと思う話があるので、以下ご注意を.......。
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 いや~泣けましたねェ。最初に言ったとおり、ほとんど前情報なく読み始めたので、最後に感動があるなんて知りませんでしたからね。ラスト2ページまで普通に来てたんで、このまま終わるもんだとばかり思ってたので、この“不意の感動”にはホント驚きました。

 そこで思ったのです。“ラストに感動して泣ける話”というのは普通に宣伝文句として使われていると思うのですが、これを知ってから読むのと、知らずに読むのとでは、反応が大きく違うだろうと。

 自分もこのことを事前に知っていれば、“最後にどう感動するのか”というのを常に頭に置きながら読み進めて、それで最後に来て“なんだこんなもんか~”と思ったかもしれません。

 でも実際には、全く知らずに読み進めて、そして最後に“不意の感動”を受けたことで、それが衝撃となったわけです。そして、その“ラストの衝撃”というのが、ミステリーにとって一番大事なんじゃないかな、と初心者ながら思うのです。

 なので、これから読み人には、この“最後に感動の涙”というのは知らずに読んでほしいし、そこでこの作品に対する感想も大きく違って来てしまうと思うので、やっぱりこの話は“ネタばれ”であると思うのです。“空白の二日間”自体の“ラストの落ち”がそれほどでもないだけにね。
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 というわけで、一日で一気に読ませてしまうこの上手い構成と、上に書いたラストの衝撃、読破後に“あ~この作品を読んで良かったな~”と素直に思うことが出来たので、これはもう満点評価を与えてしまっても問題ないでしょう!!またしばらくしたら読み返してみたいですね。

(後日追記)
 この時は★5段階評価での満点評価でしたが、その後に★10段階評価に変更したので、それに伴い満点評価ではなくなりました。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★★☆☆☆


  【 “横山秀夫”関連記事 】

  > No.1058 「ノースライト」
  > No.0594 「64(ロクヨン)」
  > No.0134 「第三の時効」
  > No.0025 「動機」
  > No.0003 「半落ち」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「生首に聞いてみろ」 法月綸太郎

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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