「 そんな一日 」
寒い夜をまじまじと見つめ、大きな群青色の朝陽を身体に浴び、刹那さの雄たけびを喜びの中に感じる。
右の視線を気にすると、価値観の実体が、埋もれてしまった涙の通り道を鈍く浮かび上げ、感極まった表情を作り、光影を振り返る。
見つめる先は、遥か遠く離れた場所ではあるが、考えようによっては焦点が合わないくらいに近過ぎる場所。
妄想のベンチで居眠りするかのように、未だ来ぬ感動を口笛を吹きながら待ち侘びれば、深い闇の中に潜り込んで掴み取った現実は、緩やかでありながら淀みないものとなる。
偽ることなく最初の心を解き放つと、とても小さな七色の香りが鼓膜に吹き込まれ、過去に見過ごしてきたトラウマを綺麗に彩り始める。
全てを包み込んだまま、ゆっくりとゆっくりと空に舞い上って行くと、そこに見えるのは、優雅なる時の流れに身を任せ泳いでいる自分の姿。
そんな一日。