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2019年5月28日 (火)

『魔眼の匣の殺人』 今村昌弘 > 「このミス」完全読破 No.1067

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1067

 『魔眼の匣の殺人』 今村昌弘

   「このミス」2020年版 : ?位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2019年5月22日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2019年2月>


魔眼の匣の殺人

今村 昌弘

東京創元社 2019.02.20

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 著者の今村昌弘は、鮎川哲也賞を受賞したNo.990「屍人荘の殺人」で2017年にデビューすると、発売直後から話題を集め、(新人作家の作品がランクインするだけでも大変なことなのに)1997年版の『不夜城』(馳星周)以来史上二作目となる“デビュー作での「このミス」1位”に輝くことに。

 さらには、「本格ミステリ・ベスト10(本ミス)」と「週刊文春ミステリーベスト10(文春)」でも1位となったため(発売時期のために翌年度対象となった「ミステリが読みたい!」は2位)、ベテラン作家でもほとんど達成出来ていない“ミステリランキング三冠”をデビュー作で為し遂げるというとんでもない偉業を果たしてしまいました(ちなみに三冠達成は東野圭吾No.45「容疑者Xの献身」、米澤穂信No.748「満願」No.828「王とサーカス」に次ぐ三人目/四作目で、「このミス」「本ミス」「文春」での三冠達成は東野圭吾『容疑者Xの献身』に次いで二作目)。

 それでも勢いはまだまだ止まらず、本格ミステリ大賞を受賞し、本格ミステリ系作品に票が集まりにくい傾向の「本屋大賞」でも3位に入り、実写映画化&漫画化も決まるなど、近年のミステリ界では稀に見るほどのフィーバー状態となったのですね。

 そんな2010年代のミステリ小説を代表する一冊となった作品に続く待望のデビューニ作目にしてシリーズニ作目が本作なのですが、前作の超重要部分のネタバレは上手いこと避けられているので本作から読んでも問題なく楽しめるものの、やはり連続殺人が起きるシリーズということもあって生存確認的ネタバレにはなってしまうので、出来るだけ前作から読むことをお薦めします。

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 神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子は、二人と因縁深いものの存在自体が謎に包まれている“班目機関”の実験施設であるらしい場所の情報を得たため、W県の山奥にある好見地区に向かったところ、そこは入口がフェンスで塞がれているうえに中に入ると住民が一人も見当たらないという異様な状況。

 そのため、二人と同じタイミングで偶然または目的があって好見にやって来た男女数名と、川向こうの真雁という地区に建つ通称“魔眼の匣”を訪ねたところ、そこに住む未来を見通す予言者であるサキミが「これから二日の間に真雁で男女が二人ずつ、四人死ぬ」と予言し、しかもその直後に好見へ戻るための唯一の行路であった木橋が燃え落ちてしまって....。

 というわけで前作と同様に外界から孤立した地(クローズド・サークル)で連続殺人事件が起きるという本格ミステリの定番中の定番的な展開が繰り広げられていくのですが、今回は本物らしい予言者が二人登場するという特殊な状況にあるため、その予言が物語に大きく影響していき、単なる殺人事件に終わらないサスペンス的な盛り上がりを生み出しています。

 しかも、終盤に入り探偵役による推理披露シーンになると、予言が事件の核心に驚くほど深く侵食していたことが明かされまして、推理内容も予言の要素が様々な場面で重要な鍵となり、いくつもの伏線を回収してそれらの鍵を解いていくことにより狂気の真相が浮かび上がってくるなど、予言という特殊設定を見事なまでに活かした凄みのある本格ミステリ作品となっているのですよね。

 ただやはり前作ほどの分かりやすいインパクトはないので、前作のド派手な部分に面白さを感じた人だと今回は少々物足りなく感じてしまうかもしれません。

 とはいえ、前作が高く評価されたのは(ド派手な部分だけでなく)根幹となる本格ミステリ要素の土台がしっかりとしているうえに高レベルであったからで、本作ではそれがフロックではなく著者の実力であることを証明するほどの内容となっていますし、それでいて予言という変化球の要素を巧妙に組み込むことで本作ならではのミステリ的魅力を何十倍にも膨れ上げさせているので、本格ミステリ好きな人であれば“前作が凄すぎたからさすがに今回はどうだろうか....”という不安など瞬く間に吹き飛んでしまうくらいの面白さや本格ミステリ的刺激を堪能できるのではないでしょうか。


 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “今村昌弘”関連記事 】

  > No.1067 「魔眼の匣の殺人」
  > No.0990 「屍人荘の殺人」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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