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2019年1月17日 (木)

『昨日がなければ明日もない』 宮部みゆき > 「このミス」完全読破 No.1049


「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1049

 『昨日がなければ明日もない』 宮部みゆき

   「このミス」2020年版 : ?位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2018年12月11日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2018年11月>


昨日がなければ明日もない

宮部みゆき

文藝春秋 2018-11-29

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 No.077「誰か」No.083「名もなき毒」No.715「ペテロの葬列」、『希望荘』に続く“杉村三郎シリーズ”の5作目です。

 意外にも3作以上続くシリーズ物がほとんどない宮部みゆきの現代サスペンス作品群(ファンタジー系は除く)の中にあって現時点(2019年1月)で唯一の例外なのがこのシリーズですが、内容的にも本作から読んでも問題なく楽しむことが出来ると思います。

 ただ前作『希望荘』から主人公が私立探偵にジョブチェンジして新章に突入しているので、“過去作全てを読む(時間的)余裕はないけれど何作かはあらかじめ読んでおきたいかな”と考えている場合はまず前作から手にしてみては。

 とはいえしかし、前作や本作を先に読んでしまうと3作目『ペテロの葬列』のクライマックスにおける衝撃的な展開のネタバレになってしまいますし、それを先に知ってしまうと1・2作目を普通の状態では読めなくなってしまうと思うので、“今後このシリーズの過去作を読むことは絶対にない!”と心に誓っている人以外は1作目から順に読んでいくことを強くお薦めします。

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 というわけで本作は、「絶対零度」「華燭」「昨日がなければ明日もない」の中篇三作から成る連作集です。

 内容を簡単に説明しますと、まず「絶対零度」は“娘が自殺未遂して入院したものの、娘婿から面会も連絡も拒絶されている”という件で相談を受けた主人公が調査を行っていく話で、「華燭」は主人公が訳ありの結婚式に付き添いとして出席した際に遭遇した騒動の話。

 表題作は自己中な言動によりトラブルメーカーとなっている女性からの“子供の命がかかっている”らしい依頼の話で、いずれの話もこのシリーズの特徴である“身近な人間から吐き出される毒(悪意)”がかなり強烈な印象となっていて、その読む人にまで襲いかかって来るかのような猛毒には過去作にも負けず劣らずの迫力があり、それにより読めば圧倒されるほどの読み応えと後味の悪さを強く噛み締めることになると思います。

 ただそういった内容でもこのシリーズがいわゆる“イヤミス”とは呼ばれていないことにふと気付いたのですが、それはかなりのお人好しだけれどしっかりとした芯も持っている主人公が、毒に対して翻弄されるだけではなく、敵対心全開になるのでもなく、正面から向き合ったうえで事件解決への道を探っていくことによって、イヤミス的な要素のみが強調されることなく物語が作られているからなのかもしれません。

 そしてこのシリーズの柱の一つである主人公自身の物語(人間ドラマ)ですが、前作である程度落ち着きをみせたこともあって本作では(前作までほどは)焦点が当てられていないため、そこを楽しみにしていた人には少々物足りないかもしれないものの、その分、依頼された事件や騒動が中心となった私立探偵ミステリとしての読み味がこのシリーズの新たな魅力となっていますし、そんな中から垣間見える主人公自身の物語にも味わい深きものが感じられました。

 というわけで、シリーズ5作目にしてようやく主人公が私立探偵として本格的に動き出したのですが、前作までに描かれてきたこのシリーズだからこその魅力が本作でも健在であるのはもちろん、そこに新たに“私立探偵ミステリ”としての魅力が加わっているので、今までは興味があまりなかったという探偵小説好きな方にも自信を持ってお薦めできるシリーズとなりましたね。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “宮部みゆき” 関連記事 】

  > No.0998 「この世の春」(後日更新予定)
  > No.0906 「希望荘」(後日更新予定)
  > No.0715 「ペテロの葬列」

  > No.0638 「桜ほうさら」
  > No.0589 「ソロモンの偽証」
  > No.0500 「魔術はささやく」
  > No.0356 「小暮写眞館」
  > No.0174 「英雄の書」

  > No.0100 「火車」
  > No.0083 「名もなき毒」
  > No.0077 「誰か」
  > No.0035 「龍は眠る」
  > No.0001 「模倣犯」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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