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2018年9月22日 (土)

『雪割草』 横溝正史 > 「このミス」完全読破 No.1034

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1034

 『雪割草』 横溝正史

   「このミス」2019年版 : ?位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2018年9月7日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2018年3月>

雪割草雪割草
横溝正史

戎光祥出版 2018-03-08
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 横溝正史といえば、説明するまでもないとは思いますが、『八つ墓村』『犬神家の一族』などの“金田一耕助シリーズ”を始めとした数々の名作を世に送り出した、日本を代表する探偵小説・推理小説作家です。

 そんな横溝正史による、何に掲載されたのか分からず、これまでに単行本化された様子もない小説の草稿(下書き原稿)11枚が2010年に二松學舍大学所蔵の資料の中から見つかったため、この作品について調査したところ、戦時中である1941年に新潟の地方新聞で連載されていたことが判明。

 しかも、国会図書館と新潟県立図書館でマイクロフィルムにて保存されていた誌面は、最終回の一部に欠損箇所があったものの全掲載回の閲覧が可能な状態だったため、今ではその存在すら知られていなかった本作が新聞連載から実に77年ぶりに日の目を見て、もうあり得ないと思われていた“横溝正史の新刊”として発売となったのですね。

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 主人公は信州に住む緒方有爲子で、地元の実力者の息子に見初められて婚約することになったものの、式の直前になって有爲子の出生の秘密が明らかになり、それを理由に婚約は破棄されてしまうことに。

 一方的な縁談取り消しに怒った有爲子の(実は血の繋がっていなかった)育ての父親は直後に倒れたまま亡くなり、この騒動により地元に居辛くなったこともあって、本当の父親について知っているらしい人物を訪ねて東京へと向かった有爲子は、そこから激動の日々を送ることになって....。

 この作品が連載されていたのは、探偵小説の発行が禁止され、捕物帳でさえ規制されていた戦時中ということもあり、本作は探偵小説家としての印象が強い横溝正史にしては珍しい、というか生涯唯一となる通俗小説(家庭小説)となっています。

 そのため、探偵は出てこないし連続殺人も猟奇殺人も起こらないので、“横溝正史の幻の作品”だからといってそういった横溝作品の代名詞的な要素を期待しながら読むとガッカリしてしまうかもしれません。

 とはいえ、主人公が幸せの絶頂から一瞬にして哀しみの底へと落ちてしまう導入部分から始まり、主人公の味方であったり敵であったりする様々な人物たちとの運命的な出逢いやすれ違い、主人公を襲う試練の数々、過去から続く忌まわしき因縁、次々に巻き起こる劇的な展開などなど、ストーリーが強く惹き込まれてしまうほどに面白く、今の時代に“NHK連続テレビ小説”でドラマ化しても結構いけるのではないかと思ってしまうほどでした。

 さらには、“くちゃくちゃになったお釜帽、もじゃもじゃとした蓬髪、よれよれの袴”という風貌の、後に発表する作品群で活躍する名探偵・金田一耕介のモデル(原型)であろう人物が登場したり、戦時下において戦場へ行かず家に籠り療養生活を送りながら創作活動を行うという当時の作者自身の苦悩や葛藤をその人物のセリフとして吐き出すなど、横溝作品の歴史として見ても注目すべきポイントがいくつもあります。

 それに、発見時には一般のニュースでも紹介され話題になったほどに、平成も終わろうかという時期に発見・刊行されたこと自体が事件であり快挙である“幻の作品”なので、そんな歴史的背景も味わいつつ、そういった前情報などなくとも文句なしに楽しむことの出来るこの壮大なるメロドラマを堪能してみてはいかがでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


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