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2018年9月11日 (火)

『遠縁の女』 青山文平 > 「このミス」完全読破 No.1031

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1031

 『遠縁の女』 青山文平

   「このミス」2018年版 : 7位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2018年8月26日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2017年4月>

遠縁の女遠縁の女
青山 文平

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 青山文平は、松本清張賞を受賞した『白樫の樹の下で』にて2011年にデビューすると、その後も時代小説を書き続け、『鬼はもとより』で大藪春彦賞、『つまをめとらば』で直木三十五賞を受賞するなどの実績も残している人気時代小説作家の一人です。

 時代小説ながらミステリ的な演出を絡めた作品も多いとはいえ、これまではミステリランキングで名前を見掛けることはなかったのですが、2016年に発表したNo.1000「半席」は時代小説とミステリ要素(ホワイダニット)とを絡めた内容が高く評価され、「このミス」4位、「本格ミステリ・ベスト10」14位、「週刊文春ミステリーベスト10」20位と、複数のミステリランキングにランクイン。

 さらにその翌年(2017年)に発売の本作にて「このミス」で2年連続ベスト10入りを果たすなど、今では時代小説界だけでなくミステリ界でも一躍大注目の作家となっているのですね。

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 というわけで本作ですが、「機織る武家」「沼尻新田」「遠縁の女」という武家の時代を扱った三篇から成るノンシリーズの時代小説作品集です。

 「機織る武家」は、前妻と死に別れた婿の男、前妻の親であり実質一家の主でもある義母、そして男の後妻という血が繋がらず微妙な関係の家族三人による物語で、「沼尻新田」は、新田開発を持ちかけられた男が誰も手を出さない未踏の地を前に妙案を思い付く物語。

 どちらの話も、あまり上手くいっていない状況だったのが一つの契機をきっかけに好転していく展開により盛り上がりが生み出されていて、ミステリ要素は控えめではあるものの、途中で出てくる興味をかきたてられるほどの謎の存在によって物語に大きなアクセントが加えられています。

 そして表題作は、父から提案され武者修行の旅を始めた主人公が、五年が経った頃に父の訃報が届いたため故郷に帰ると、親友の身に重大な出来事が起きていて、その事情をよく知っているらしい(幼き頃から顔見知りの)女に逢いに行くところから物語は更なる動きを見せていくことに。

 前二篇よりページ数の多い中篇ということもあって、武者修行に行く前のやり取りや武者修行中の様子などの描写にも力が入っていて時代小説としての魅力がとても感じられるのですが、国元に帰って女から(主人公を責めるような)謎めいた言葉を受けてから作品の雰囲気はがらりと変わり、謎が求心力となって意識を物語の先へと引っ張っていきますし、真相が明かされた瞬間にそれまでの伏線が浮上し全体的な仕掛けも姿を現すなど、前二編と比べるとミステリ要素は濃くなっていました。

 それでも、犯行動機の真相を暴くというホワイダニットに徹していた『半席』と比べると、本作収録作はミステリ要素を前面に押し出しているようなタイプではないため、「このミス」でベスト10入りしたからといって強くてインパクトあるミステリ要素を期待してしまうと拍子抜けしてしまうかもしれません。

 とはいえ、どの話もミステリ要素が物語の中で効果的な役割を果たしていて、(分かりやすく前面には出ていないけれど)ミステリ要素が物語と一体になっていることが最後まで読めば分かりますし、なにより単純に物語としての面白さや文章力が圧倒的な面白さなので、読めばミステリ的かどうかなど関係なくなってしまうくらいに“青山文平が手掛ける時代小説の世界”の虜になってしまうのではないでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “青山文平” 関連記事 】

  > No.1031 「遠縁の女」
  > No.1000 「半席」


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