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2017年2月 9日 (木)

『おやすみ人面瘡』 白井智之 > 「このミス」完全読破 No.946

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.946

 『おやすみ人面瘡』 白井智之

   「このミス」2017年版 : 8位

   受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 5位
              「エアミス研ミステリランキング」 5位
              「bookaholic認定国内ミステリーベスト10」 8位

   読始:2017.1.23 ~ 読終:2017.1.27

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2016年9月>

おやすみ人面瘡おやすみ人面瘡
白井 智之

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 白井智之は、横溝正史ミステリ大賞の最終候補作『人間の顔は食べづらい』で2014年にデビューすると、翌年発売の『東京結合人間』は「このミス」で16位、「本格ミステリ・ベスト10(本ミス)」では8位にランクイン。

 さらに1年後に発売された本作は「このミス」8位、「本ミス」5位と、2年連続でランクインしただけでなく順位を上げるなど、デビューから3年&3作で早くもランキングの常連となっている注目のミステリ作家です。

 なお、単行本の帯などに書かれている粗筋にはクライマックス場面に関する部分があり、別にネタバレとまでは言えないのかもしれないけれど、その場面に至った際の驚きは失われてしまうので、なるべくなら粗筋を目にする前に本文を読んでしまった方がよいのではないですかね(これより下の文章ではその場面について触れていないのでご安心を)。

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 白井作品の一番の特徴としては、デビュー作が“食用クローン人間が生産される世界”、2作目が“男女が生殖のために結合人間となる世界”、といったかなり異常で悪趣味な特殊設定世界が作られていることなのですが、本作でも“人の顔をした瘤が全身に発症する奇病が蔓延した世界”というとんでもない特殊設定を基にしています。

 前半は、人瘤病に感染した女性が風俗嬢を務めるヘルス店の店員(男)を主人公に、そんな特殊設定世界ならではの(主に視覚的に)グロテスクで気色悪い物語が繰り広げられ、それと並行して語られる中学生を中心とした学園ドラマでは読む人の精神を蝕むタイプのグロテスクな演出で毒々しく彩られているなど、(「このミス」実績のある作家でいえば)平山夢明や飴村行の作品を思わすような鬼畜系バイオレンス・ノワール・ホラー的作風です。

 そして後半に入ると本格ミステリ劇が展開されていくのですが、これが殺害現場の見取り図やアリバイ調査など定番のミステリガジェットが登場し、この世界ならではの特殊設定もトリック(謎解き)に深く関わり、近年流行りの“多重解決ミステリ”で盛り上げ、伏線回収やどんでん返しも見事に炸裂するなど、王道とも言うべき本格ミステリ要素がこれでもかと詰め込まれているのですね。

 そもそもグロテスクな世界観は読む人を激しく分けますし、そんな世界観に抵抗なかったとしても前半の鬼畜ノワールから後半の本格ミステリへとガラリと切り替わる歪な展開を受け入れられないという人も多そうなので、ミステリランキングにおける評価の高さから(普通のミステリ小説の傑作として)期待も高めて読んでしまうと消化不良感や嫌悪感を抱いてしまうかもしれません。

 とはいえ、気味の悪い特殊設定、鬼畜グログロな演出、高レベルな本格ミステリ要素が、一見まとまりないように混沌として絡み合いながらも物語として奇蹟的に成立しているという前衛芸術作品のような作風はこの著者にしか描くことの出来ない唯一無二のものなので、(人を選ぶ作品ではあるけれど)この作風にハマれる人ならばミステリ脳をビリビリと震わせるほどの刺激を堪能できるのではないでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “白井智之” 関連記事 】

  > No.1006 「少女を殺す100の方法」
  > No.0946 「おやすみ人面瘡」


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