サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

にほんブログ村2

« 「痛天街SCRAP」 臼井彰一 > 週刊少年ジャンプ読切! | トップページ | ◎川崎記念(2016年)穴馬予想&結果 »

2016年1月26日 (火)

『その可能性はすでに考えた』 井上真偽 > 「このミス」完全読破 No.864

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.864

 『その可能性はすでに考えた』 井上真偽

   「このミス」2016年版 : 14位

   受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 5位
              「ミステリが読みたい!」 5位
              「週刊文春ミステリーベスト10」 15位
              「キノベス!」 28位
              「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:2015.12.11~ 読終:2015.12.15

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : ノベルス <2015年9月>

その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス)その可能性はすでに考えた (講談社ノベルス)
井上 真偽

講談社 2015-09-10
売り上げランキング : 40106

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 井上真偽は、メフィスト賞を受賞した『恋と禁忌の述語論理』で昨年(2015年)にデビュー。

 そして早くも同年に発売されたデビュー2作目となる本作では“多重解決ミステリ”に挑戦しているのですが、(発売当初から好評を得て年末のミステリランキングでは「本ミス」1位を始めとして軒並み上位に入った)No.837「ミステリー・アリーナ」深水黎一郎を筆頭にこの年は不思議と“多重解決ミステリ”の刊行が多かっため、まだデビューしたての新人ということもありこの状況は不運でしかないと(個人的に)思っていました。

 ところがしかし、そんな状況の中にあってしても、「本ミス」「早ミス」でベスト5入りし、「このミス」「文春」にもランクイン、さらに「黄金の本格ミステリー」にも選出されるなど、新人としては破格の高評価を受けることになったのですね。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 10数年前に新宗教団体の村で集団自殺事件が起き、事件当時は少女であった渡良瀬莉世が唯一の生き残りとなったものの、事件の核心部分の記憶を失っていたため、(自分が殺したのではないかという不安もあり)莉世は事件の調査(事件の謎の推理)を探偵・上苙丞に依頼。

 これを受けて調査を終えた上苙は、この事件は誰もが犯人とは成り得ない“奇蹟”であると断言。

 そこに突然、上苙を常々詐欺師呼ばわりしている元検察の老人・大門が現れ苦言を呈し始めたところ、上苙は“(それがどんなに荒唐無稽で馬鹿馬鹿しいトリックであっても)全ての可能性を否定してみせる!”と強気の姿勢を崩さなかったため、3日後に“奇蹟の証明”を巡る対決が行われることに。

 その対決というのが、探偵の敵役(大門)が事件の謎を推理してトリックを解き明かし、探偵(上苙)がそれを否定していくというものでして、この探偵の役割が普通ではない設定により歪で捻くれた企みに満ちた(王道ミステリでは味わうことの出来ない)本格ミステリの面白さが生み出されてように思います。

 ただそれだけでなく、敵役は(それが真相ではなくても可能性さえ示せればいいので)かなり大胆で奇抜な推理を披露し、探偵はそれを論理的に繊細に否定していくので、両極端ともいえる推理を一度に楽しめますし、終盤ではそれまで繰り広げてきた推理劇を基にして驚くべき展開を作り上げてしまうなど、直球の本格ミステリ的な面白さも贅沢なほどに詰め込まれていました。

 そこにさらに、上苙やその相棒的役割のフーリンを始めとした登場人物たちはいずれもが(良い意味で)漫画的なキャラクターなのでインパクトや(読者に対する)求心力がありますし、要所要所でバトル系少年漫画のようにドキドキワクワクさせられてしまうような演出や展開で物語を盛り上げたりもするので、そんなエンタメ的な魅力があったからこそ(作品の軸的には狭義のミステリでありながら)広義のミステリが対象の「このミス」「文春」「早ミス」でも評価が高かったのかもしれませんね。

 なので、本格ミステリ好きな人にオススメなのはもちろんですが、ガッチリとした本格ミステリはなかなか手を出しにくいというようなミステリ好きの人でも、王道ミステリと変化球ミステリとエンタメ要素とが絶妙に掛け合わされたこの奇蹟的な推理劇を純粋に堪能できるのではないでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


 ★★★★★ : 本格ミステリ度
 ☆☆★★★ : ビックリ驚愕度
 ☆☆☆★★ : 熱アクション度
 ☆☆☆★★ : 鬼畜グログロ度
 ★★★★ : 主キャラ魅力度
 ☆☆☆★★ : 人間味ドラマ度
 ☆☆☆★★ : 感涙ウルウル度
 ☆☆☆★★ : 下ネタエッチ度
 ☆☆★★★ : 衝撃バカミス度
 ☆☆★★★ : 気軽に読める度

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  <個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “井上真偽” 関連記事 】

  > No.932 「聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた」
  > No.864 「その可能性はすでに考えた」


 「死と砂時計」鳥飼否宇 <<< PREV
         NEXT >>> 「陽気なギャングが地球を回す」伊坂幸太郎

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

« 「痛天街SCRAP」 臼井彰一 > 週刊少年ジャンプ読切! | トップページ | ◎川崎記念(2016年)穴馬予想&結果 »

01.「このミス」完全読破(ミステリ小説)」カテゴリの記事

Google AdSense

楽天市場

「このミス」完全読破:次に感想を書く予定の本

「このミス」完全読破:現在読書中の本

「このミス」完全読破:最近読み終えた本

無料ブログはココログ