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2015年7月 3日 (金)

『EPITAPH東京』 恩田陸 > 「このミス」完全読破 No.814

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.814

 『EPITAPH東京』 恩田陸

   「このミス」2016年版 : 120位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2015.5.1~ 読終:2015.5.7

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2015年3月>

EPITAPH東京EPITAPH東京
恩田 陸

朝日新聞出版 2015-03-06
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 恩田陸は、00年代には多くの作品が「このミス」にランクインし、特に00年代前半にはほぼ毎年ランクイン(2001年版では2作同時ベスト20入り)するなど、「このミス」の常連作家でした。

 しかし10年代に入った途端にランクインすることはなくなり、最高でもNo.508「夢違」の41位と、一転して「このミス」のランキングで名前を見ない作家となってしまったのです。

 ただこれは、以前ほどミステリ/エンタメ的に直球な(「このミス」向きの)内容ではなくなったり、装丁に力を入れるなど紙の本だからこその工夫を施したりといった、作風の変化が大きく影響しているようですね。

 そして本作もやはり、ミステリ要素の薄い「このミス」向きではないタイプの作品でした。

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 物語は、劇作家のKが“東京”をテーマとした戯曲を書くため、東京中を歩き回って取材したり普段の生活の中から着想を得たりするシーンが中心となっています。

 様々な“東京”の姿(イメージ)を感じられるエピソードが並べられているため連作集のような形式なのですが、特に事件性や謎めいた出来事が起きるわけではなく、何気ない日常や場面が描かれていくため、小説というよりはエッセイ集を読んでいるようでした。

 ただそんな中に、自分のことを吸血鬼だと称し東京の至る所で偶然に主人公と遭遇する謎の人物が度々登場したり、主人公が書くミステリ戯曲「エピタフ東京」が時々挿入されるなど、小説的な演出も所々に垣間見れるので、それらによってはっきりとした手応えを掴みにくいのだけれど不思議と魅かれてしまうような味わい深い作品世界が生み出されていたように思います。

 しかも、(本作の大部分を占める)主人公のエピソードが描かれる「piece」、吸血鬼を自称する男・吉屋の目線で語られる「drawing」、主人公によって書かれた戯曲である作中作「エピタフ東京」という3つのパートごとにページの色が変えられているなど、装丁にも視覚的効果を楽しめるような工夫が凝らしてあるので、ミステリ/エンタメ的なガッツリとした読み応えやスッキリとした結末を期待してしまうと物足りなく感じるかもしれませんが、この作風が合うのであれば作品世界に心地良く浸れるのではないでしょうか。

 なお、昨年(2014年)には同じく“東京”をテーマとした奥泉光のNo.766「東京自叙伝」が発売されましたが、そちらが東京の歴史を辿っていくことで東京の姿を浮かび上げていく“東京を縦軸として描いた作品”だとすれば、こちらは現在の東京の様々な町の日常や風景を見ていくことで東京の姿を浮かび上げていく“東京を横軸として描いた作品”ともいえるので、両書を読むことで東京の姿がより感じられるのかもしれませんね。

 そして両書を読んだ後で、著者二人による対談が掲載された小説トリッパー 2015 春季号(「Amazon.co.jp」へのリンク)を読めばまた一段と両書から放たれる東京のイメージを重ね合わせつつ堪能できるのではないでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★        鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★       おどろおどろ度 : ★★
 熱アクション度  : ★        主キャラ魅力度 : ★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★
 下ネタエッチ度 : ★★      感涙ウルウル度 : ★★
 衝撃バカミス度 : ★★      気軽に読める度 : ★★★

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
  <個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “恩田陸” 関連記事 】

  > No.953 「七月に流れる花」

  > No.814 「EPITAPH東京」
  > No.719 「雪月花黙示録」
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  > No.508 「夢違」
  > No.317 「私の家では何も起こらない」

  > No.209 「訪問者」
  > No.161 「ブラザー・サン シスター・ムーン」
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  > No.065 「中庭の出来事」
  > No.064 「Q&A」


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