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2013年10月23日 (水)

『ブラックボックス』 篠田節子 > 「このミス」完全読破 No.693

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.693

 『ブラックボックス』 篠田節子

   「このミス」2014年版 : 116位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2013.10.10~ 読終:2013.10.14

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2013年1月>

ブラックボックス (朝日文庫)ブラックボックス (朝日文庫)
篠田節子

朝日新聞出版 2016-09-07
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 東京の投資顧問会社で広告塔として活躍し、美人アナリストと称されメディアで持て囃されていた加藤栄実は、社長が脱税とインサイダー取引の疑いで逮捕された影響で一転して激しいバッシングに合ったため、会社を辞めて騒動から逃れるように帰郷。

 自分の過去を詮索されずにこれからの生活費を稼ぐには深夜の工場勤務しかないということで、コーヒーショップなどで売られているカップサラダを作る工場でパートとして働くことに。

 外国人留学生がほとんどの従業員に、低温度に設定された凍えるような寒さの仕事場、休憩時間の少ない長時間の立ち仕事という、東京時代とは全く違う過酷な労働環境に対し、苦労しながらも徐々に慣れていったものの、(節約のため)工場で作られた食品で三食全て賄っていた同僚の外国人従業員たちの身体に、次々と異変が現れ出して.....。

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 というわけで本作は、現代社会に対して問題提起を行う社会派サスペンス作品です。

 取り上げられる社会問題は“食の安全”で、安全で安くて長持ちして手軽に食べられる調理済食品(カットサラダ等)やハイテク農場で作られる作物などの危険性について、サラダ工場に務める栄実、ハイテク農場を管理する野菜生産者・剛、学校給食の栄養士・聖子という元同級生3人を中心に語られていきます。

 “食”ということで誰もが身近な問題だと思うのですが、食の基本となる作物や加工食品を生成する現場を通して、生成過程におけるちょっとした不具合の連鎖により、消費者に対し脅威を与える食品が出来上がってしまうまでの過程が、ノンフィクションであるかのようなリアルさで迫力満点に描かれていくのですね。

 しかも、ただ危険性を訴えて恐怖心をあおるだけではなく、便利な食品の利点やそれを求めざるをえない消費者の生活環境、それらのニーズに応えるために安全性を強調し徹底管理された食物生産・加工食品を生み出そうとする企業側の理念も同時に提示されているので、この問題について一方に寄り過ぎるのではなく多面的に深く考えることが出来るのです。

 それに、さすがは篠田作品だけあって、問題提起サスペンスとしてだけでなく、思わずゾクゾクッとしてしまうようなサスペンスホラー的演出があるなどエンタメ的な読み応えも感じられるので、読み進めるごとにグイグイと惹き付けられてしまうような“物語”としての魅力も楽しむことのできる作品でした。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★        鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★       おどろおどろ度 : ★★★
 熱アクション度  : ★★       主キャラ魅力度 : ★★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★       人間味ドラマ度 : ★★★★
 下ネタエッチ度 : ★★★     感涙ウルウル度 : ★★
 衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “篠田節子” 関連記事 】

  > No.896 「竜と流木」

  > No.836 「インドクリスタル」
  > No.693 「ブラックボックス」
  > No.409 「廃院のミカエル」
  > No.213 「薄暮(沈黙の画布)」
  > No.159 「仮想儀礼」


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