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2013年8月14日 (水)

『美人薄命』 深水黎一郎 > 「このミス」完全読破 No.673

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.673

 『美人薄命』 深水黎一郎

   「このミス」2014年版 : 12位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 17位

   読始:2013.8.1~ 読終:2013.8.7

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2013年3月>

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深水 黎一郎

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 大学生の礒田総司は、提出したレポートの評価が悪く進級が怪しくなってしまったため、フィールドワークの一環として一人暮らし老人のための弁当宅配サービスのボランティアに嫌々ながらも参加することに。

 元々やる気もなく、老人たちも一癖ある人物ばかりなので苦労するも、ボランティアスタッフにかつての片想いの相手がいたこともあり、何だかんだで宅配ボランティアを続ける総司。

 そんな中で、片目を失いながら一人暮らしをしているカエ婆さんこと内海カエとは茶飲み話をするほど仲良くなり、カエ婆さんの若き日の哀しき思い出話も聞くようになって.....。

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 深水黎一郎といえば、ミステリ的な要素を感じさせない物語やストーリーの中に、本格ミステリ的な仕掛けを目立たぬように綿密に仕込んでいる作品が多いのですが、本作もやはりそういったタイプの作品です。

 今回は日常の話として、老人の一人暮らしとそれに対するボランティアスタッフの働きを中心に描いていくので、高齢化問題など社会派な部分を多く含んでいるものの、全く堅苦しい所なく楽しい雰囲気を味わえるのは、カエ婆さん(「ジークフリートの剣」にも登場)のキャラクターにあります。

 目が不自由で生活にも困っているようでありながら、実は意表を突くタイミングで変なことを言って人を笑わすことが好きだというひょうきんな一面があって、そんなカエ婆さんと本当の祖母と孫のように遠慮なくやり合う総司との会話は笑えるほどの微笑ましい面白さで、そんなやり取りが総司の成長物語にも大きく関わっていくのです。

 そういった楽しいけれど考えさせられるような日常の物語が進んでいくと、最後の方で驚くべき事実が明らかにされ、ミステリ的な仕掛けが作中に施されていたことがわかるのですが、物語の中に自然と伏線を溶け込ませる技術が素晴らしいのはもちろんです。

 それに加えて、真相により表に出てきた作品全体のテーマ性(=作者の近作にみられるテーマ性)が、それまでに語られたいくつものエピソードや作品の外の部分にまで込められていたことに気付かされるので、そんな遊び心さえ感じさせる仕掛けは本当にお見事の一言ですね。

 そして真相により涙するほどの感動が浮かび上がってきたりもするのですが、過去の作品に比べれば読みやすくて一般向けであるとは思うも、やはり誰でも彼でも面白いと思わせ感動させるような単純な作品でもないと思うので、評判の高さに期待をも高め過ぎることなく、素直な気持ちでこの作品を楽しみ感動するのが良いのではないでしょうか。

 ちなみに、本作には太平洋戦争(特攻隊)に関する話も重要な役割を果たすのですが、今年の自分はたぶんお盆や終戦記念日を特に意識することなく迎えていたのだろうけれど、本作を読むことで戦争自体や命を散らしていった兵隊たちについて(それほど深くはないけれど)考え気持ちを引き締めることができたので、お盆&終戦記念日の直前に読むことが出来たのはタイミング的にも良かったですね。


> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★★★    鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★★      おどろおどろ度 : ★★
 熱アクション度  : ★★       主キャラ魅力度 : ★★★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★
 下ネタエッチ度 : ★★★     感涙ウルウル度 : ★★★★★
 衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “深水黎一郎” 関連記事 】

  > No.973 「ストラディヴァリウスを上手に盗む方法」
  > No.917 「倒叙の四季 破られたトリック」
  > No.837 「ミステリー・アリーナ」
  > No.725 「世界で一つだけの殺し方」
  > No.673 「美人薄命」

  > No.564 「言霊たちの夜」
  > No.488 「人間の尊厳と八〇〇メートル」
  > No.307 「五声のリチェルカーレ」
  > No.251 「花窗玻璃 シャガールの黙示」
  > No.104 「エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ」


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