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2012年9月18日 (火)

『屍者の帝国』 伊藤計劃×円城塔 > 「このミス」完全読破 No.579

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.579

 『屍者の帝国』 伊藤計劃×円城塔

   「このミス」2013年版 : 11位

   受賞(候補) : 「日本SF大賞(特別賞)」受賞
            「星雲賞・日本長編部門」受賞

   総合ランキング : 「SUGOI JAPAN Award 2016」 1位
              「2014オールタイム・ベストSF(国内長編部門)」 23位

   年度ランキング : 「ベストSF2012」 1位
               「AXNミステリー 闘うベストテン」 2位
               「大学読書人大賞」 2位
               「週刊文春ミステリーベスト10」 4位
               「ミステリが読みたい!」 7位
              「キノベス!」 8位
               「dacapo BOOK OF THE YEAR」 9位
               「本屋大賞」 10位
               「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
                 (小説ランキング) 29位

   読始:2012.9.7 ~ 読終:2012.9.10

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2012年8月>

屍者の帝国 (河出文庫)屍者の帝国 (河出文庫)
伊藤 計劃 円城 塔

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 伊藤計劃は、2009年に癌のため34歳という若さで逝去されました。

 その短い作家生活の中で発表されたオリジナル長編小説は「虐殺器官」とNo.198「ハーモニー」の2作だけであるものの、どちらも「SFが読みたい! 」で1位に輝いているだけでなく、「ハーモニー」で星雲賞&日本SF大賞&フィリップ・K・ディック記念賞特別賞を受賞するなど、生前だけでなく死後にもSF作家として大きな評価を受け続けています。

 ちなみに、「このミス」においても「虐殺器官」が21位、「ハーモニー」が45位と、ランクインこそならなかったものの多くの票を稼いでいたので、そんな所からもジャンルを超えた評価を得ていたことが窺い知れます。

 そんな伊藤計劃による第3の長編として予定されていた作品こそがこの「屍者の帝国」なのですが、冒頭部分が書かれたのみで未完の遺作となってしまいました。

 そんな遺作を、“第7回小松左京賞で最終候補 → 落選作が2007年春にハヤカワSFシリーズJコレクションから発売されてデビュー → デビュー作がその年の「SFが読みたい! 」で1・2位(伊藤が1位、円城が2位)”と、まるでシンクロするかのようなデビュー前後の経緯を辿り、それが縁で親交を深めていた盟友・円城塔が引き継いで長編作品として作り上げたのが、本作というわけなのですね。

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 死体から新たな生命“屍者”を生み出す技術が浸透した、19世紀末の世界。

 ロンドン大学の医学生であるジョン・H・ワトソンは、その有能さを評価され政府の諜報機関のエージェントとなり、屍者が絡んだ極秘指令をこなすため世界各地を旅することに.....。

 というわけで、死者(屍者)が甦る設定で19世紀末の世界を描いた、いわゆる歴史改変ものなのですが、この屍者の謎を巡って主人公が世界各地を飛び回りますし、そこで激しいアクションシーンが繰り広げられたりもして、そんな物語に様々な古典文学が絡んでくるなど、SFといえどもエンタメ的な要素がてんこ盛り状態です。

 ただ、自分は伊藤作品は「ハーモニー」を読んだだけで、円城作品に至っては1作も読んでいないので、推論的になってしまうのですが、伊藤計劃が視覚的想像力を掻き立てるようなエンタメ要素の表現を駆使していたのに比べると、本作の円城塔パートは動きのあるエンタメ要素よりもSF的な考察や討論的なやり取りの方を中心に描いているように感じました。

 なので、SFエンタメとして昨年(2012年版)の「このミス」で1位となったNo.459「ジェノサイド」高野和明とは違って、SFの専門的な知識が盛り沢山で観念的な部分も多いので、SF作品を読み慣れていないとかなり難解な読み応えになると思うし、エンタメ要素を期待してしまうと少々物足りなさを感じてしまうかもしれません。

 そのため、やはりどうしても“伊藤計劃が全てを書いていたらどんな作品になっていたのかな~”思ってしまったりもするのですが、ただ本作は“伊藤計劃が遺した未完の原稿を円城塔が引き継ぎ完成させた”ということに一番の意味があるのだろうし、最後まで読んでみたら、(どちらか一方のみではなく)この2人の共著だからこそ創ることの出来た物語であり作品なんだということが、感動と共に実感できましたからね。

 自分的にも、あらすじなどからエンタメ的な魅力に期待しすぎてしまった分、なかなか物語世界に入っていくことが出来なかったので、今度はSF作品として再読してみるつもりですし、その際には個人的評価もグッと高くなっているでしょう。


  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度  : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度  : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度  : ★★★      主キャラ魅力 度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “伊藤計劃”関連記事 】

  > No.579 「屍者の帝国」
  > No.198 「ハーモニー」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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