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2011年5月25日 (水)

『密約幻書』 多島斗志之 > 「このミス」完全読破 No.427

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.427

 『密約幻書』 多島斗志之

   「このミス」1989年 : 20位

   受賞(候補) : (「直木三十五賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2011.2.6 ~ 読終:2011.2.6

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本 <1992年7月>

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 あるミステリ作家が、自宅を引き払い家財を処分したうえで失踪。

 家族宛に届けられた手紙には、両目失明が近いうちに自身に起きるだろうという判断から、視力が完全に失われる前に自分の人生を終わらせることにしたという決意と、いつか来るこの日のために以前から準備を整えていたこと、うまくいけば誰にも発見されないような場所で最期を迎えることなどが書かれていました。

 その手紙を受け取った家族は、失踪後の足取りを探ったり、過去に発表した作品の内容をヒントにするなどして、ミステリ作家の行方を追うことに.....。

 このように書くと、これは本作の内容説明だと思われる方もいらっしゃるでしょうが、これは現実に起きた話なのですね。

 詳しくは御家族の方が立ち上げたブログ「父、多島斗志之を探しています。」をご覧になってほしいのですが、本作の作者である多島斗志之は、遺書めいた手紙を残すなどして2009年12月に失踪し、1年半ほど経つ現在でも消息不明のままなのです。

 個人的にはもちろんですが、なによりも御家族のことを思うと、一刻も早く生存確認されることを強く望むものの、本人はこのまま人知れず最期を迎えることを強く希望していることを考えると、なんとも複雑な心境になってしまいます.....。

 ただやっぱり、今回の大震災におけるニュースなどで、2か月以上が経つ今もまだ行方が分からない身内や友人を持つ方々の苦んでいる姿を目にすると、多島さんの御家族や周囲の方々の精神的な苦しみが想像できるので、生死はどうあれ(出来ることなら生きて)身元が発見されることを切に願いますね。

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 そして本作ですが、「このミス」初ランクイン作品であり、直木賞の候補に選出されてもいます。

 探していた“亡命ロシア人が残した古い黒鞄”が日本に存在することを知ったイギリスの大富豪が、莫大なお礼と共に使いの者を日本へ向かわせたところから、物語は始まっていきます。

 “英国大富豪”と“使いの日本人”と“鞄の現持ち主”という3人の黒鞄を巡る駆け引き、そしてこの黒鞄に秘められた謎と真相を中心にして、いくつもの国を股にかけた国際謀略的な展開となっていくのですね。

 謀略サスペンス的でありながら、エンタメ小説的な盛り上げ方が心憎いですし、最後まで読めば紛れもない本格ミステリであることがわかるので、作者の魅力であるジャンル分け不能な作風が見事に表れている作品といえるのではないでしょうか。

 それに、これはNo.190「黒百合」を読んだ時にも思ったのですが、クライマックスへ向けての盛り上がり方などが基本とは違っていて、淡々とした感じで読んでいると、いつの間にか物語の大きなうねりに飲み込まれ、そしてその流れに身をまかせながら終着点に到達するかのようなので、この不思議な読み応えは作者独特のものだな~と思いましたね。

 あと黒鞄の謎に関しては、だんだんと歴史的な深みを見せてくるため、作品全体に壮大な雰囲気が感じられるのですが、現実世界における歴史的エピソードとも結びついて、それが終盤でアッと驚く真相へと繋がったりもするので、そういった壮大なる遊び心や仕掛けもかなり楽しませてもらいました。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度  : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “多島斗志之” 関連記事 】

  > No.427 「密約幻書」
  > No.190 「黒百合」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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