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2009年11月

2009年11月30日 (月)

『さらば雑司ヶ谷』 樋口毅宏 > 「このミス」完全読破 No.253

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.253

 『さらば雑司ヶ谷』 樋口毅宏

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.11.5 ~ 読終:2009.11.5

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年8月>

さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)さらば雑司ヶ谷 (新潮文庫)
樋口 毅宏

新潮社 2012-01-28
売り上げランキング : 16385

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 作者の樋口毅宏は、「みうらじゅんマガジン」や「コリア・ムービー」などムック本系雑誌の編集長なども務めたフリー編集者で、本作にて作家デビューとなりました。

 帯の説明では、「不夜城」(馳星周)、No.135「私が殺した少女」(原尞)、そして夏目漱石の「こころ」という3作品の名前が挙がっていることからもわかるように、様々なジャンルの魅力が闇鍋のようにごった煮となった作品でしたね。

 自分としてはこの3作品の他に、No.145「バッド・チューニング」(飯野文彦)も加え入れたいところですが。

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 それで内容の方は、素人探偵によるハードボイルドが中心となってくるのですが、その素人探偵のキャラクターや行動がなかなかのイカレっぷりで、しかもこの主人公のバックグラウンドとなるものが、これがまたかなりのぶっ飛びようなのです。

 さらには、行く先々で出会う登場人物たちもとてつもなく個性的で、そのやり取りも、どす黒くありながら軽快さも持ち合わし、とにかく暴走しまくりなのですねェ。

 そんな漫画的でもある濃く無軌道な作品世界なのに、タイトルにもなっている“雑司ヶ谷”という実在する地が舞台となっていたり、所々にサブカル系の実在する固有名詞や話題が出てきたりもするので、この現実世界と非現実世界との絡み具合によっても、独特な味のある世界観が作られていました。

 まあ、エログロ度も振り切れるほどで、とにかく徹底的にC級を突き抜けた作風なので、好き嫌いははっきりと分かれるだろうし、やはりデビュー作ということもあってか完成度としてはそれほど高くはないとも思うのですが、ただそれゆえにコントロールの効かない有無を言わせぬ迫力が作り出されているので、こういうのが好きな人にはたまらないでしょうね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★★★★    主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★★   感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “樋口毅宏”関連記事 】

  > No.619 「ルック・バック・イン・アンガー」
  > No.562 「二十五の瞳」
  > No.445 「民宿雪国」
  > No.444 「雑司ヶ谷R.I.P.」
  > No.253 「さらば雑司ヶ谷」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~」 望月守宮

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月28日 (土)

「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6

 *「このミステリーがすごい!」では、1990年より翌年度表記に変更(つまり、満年齢から数え年に変更)しているので、この“2010年版”は、2009年(2008年11月~2009年10月)に発売された作品が対象となっています。

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 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想に引き続き、これまた昨年同様に“投票者なりきりベスト6”を書いてみたいと思います。


 「このミス」では、70人を超える読書家(評論家など)の投票を集計し、その結果をもとにその年のランキングが作られます。

 もう少し詳しく説明すると、投票者は1人につき6作品に投票することができ、その6作品を1位から6位まで順位付けすることで、1位に10点、2位に9点.....、といった具合にそれぞれ点数が付けられます。全投票者が投じた得点を合計し、その結果がランキングとして発表されるというわけです。


 そんな「このミス」投票者になったつもりで自分も6作品選んでみようという企画なのですが、昨年(2009年版)読んだ対象作品が37冊だったのに対し、今年(2010年版)では104冊と大幅に増えたので、この中から6冊のみを選ぶのは、昨年と比較できないくらいに困難な作業となります。

 しかも、読後にインパクトの強かった作品や、今の時点で振り返って“面白かったな~”と思う作品、多くの人に薦めたいと思う作品、もう一度読み返してみたい作品、「このミス」で上位に入ってほしい作品などなど、その選択基準によって選ぶ本も大きく変わってくることは間違いないですからね。

 なので、どうやって6作品を決めようかと悩みましたが、ここはもう単純に、今の時点で振り返って“あれは面白かったな~”と思う作品を順位付けして、そのうちの6作品を紹介していこう、ということになりました。

 ただ、6作品だけを紹介するのも、他にも面白かった作品がいくつもあったこともあって寂しいので、今回は50位からカウントダウン形式で発表していこうと思います(ただ説明を加えているのは上位の6作品のみですが)。

 ちなみに、この記事を書いている時点で読み終えていた、2010年版対象の104作品については、ここに書くとなるとかなりの長さになってしまうので、「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想および「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想にてご確認ください。

 なお、読後すぐに感じた面白さを表した★評価とはリンクしていないランキングとなっているので、その点ご了承ください。

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 * 作品名部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです

 50位 : 訪問者 / 恩田陸    <感想記事はこちら>
 49位 : バギー・イン・ザ・ドールハウス / 齊藤慶    <感想記事はこちら>
 48位 : プラ・バロック / 結城充考    <感想記事はこちら>
 47位 : 遠い旋律、草原の光 / 倉阪鬼一郎    <感想記事はこちら>
 46位 : 悼む人 / 天童荒太    <感想記事はこちら>

 45位 : アンダードッグ / 海野碧    <感想記事はこちら>
 44位 : ホペイロの憂鬱 JFL篇 / 井上尚登    <感想記事はこちら>
 43位 : 虎と月 / 柳広司    <感想記事はこちら>
 42位 : 儚い羊たちの祝宴 / 米澤穂信    <感想記事はこちら>
 41位 : たまさか人形堂物語 / 津原泰水    <感想記事はこちら>

 40位 : 無 理 / 奥田英朗    <感想記事はこちら>
 39位 : 花と流れ星 / 道尾秀介    <感想記事はこちら>
 38位 : トワイライト・ミュージアム / 初野晴    <感想記事はこちら>
 37位 : 踊るジョーカー / 北山猛邦    <感想記事はこちら>
 36位 : 逃亡者 / 折原一    <感想記事はこちら>

 35位 : 残される者たちへ / 小路幸也    <感想記事はこちら>
 34位 : 無貌伝 ~夢境ホテルの午睡~ / 望月守宮    <感想記事はこちら>
 33位 : 鬼の跫音 / 道尾秀介    <感想記事はこちら>
 32位 : 少女たちの羅針盤 / 水生大海    <感想記事はこちら>
 31位 : ダブル・ジョーカー / 柳広司    <感想記事はこちら>

 30位 : 粘膜蜥蜴 / 飴村行    <感想記事はこちら>
 29位 : 福家警部補の再訪 / 大倉崇裕    <感想記事はこちら>
 28位 : 薄 暮 / 篠田節子    <感想記事はこちら>
 27位 : 暴雪圏 / 佐々木譲    <感想記事はこちら>
 26位 : 最も遠い銀河 / 白川道    <感想記事はこちら>

 25位 : 龍神の雨 / 道尾秀介    <感想記事はこちら>
 24位 : 螻 蛄 / 黒川博行    <感想記事はこちら>
 23位 : 密室殺人ゲーム2.0 / 歌野晶午    <感想記事はこちら>
 22位 : デパートへ行こう! / 真保裕一    <感想記事はこちら>
 21位 : 1Q84 BOOK 1・2 / 村上春樹    <感想記事はこちら>

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  20位 : ハーモニー / 伊藤計劃  <感想記事はこちら>
  19位 : 追想五断章 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>
  18位 : さらば雑司ヶ谷 / 樋口毅宏  <感想記事はこちら>
  17位 : 疑心 隠蔽捜査3 / 今野敏  <感想記事はこちら>
  16位 : 乱反射 / 貫井徳郎  <感想記事はこちら>

  15位 : 無貌伝 ~双児の子ら~ / 望月守宮  <感想記事はこちら>
  14位 : 贖 罪 / 湊かなえ  <感想記事はこちら>
  13位 : オリンピックの身代金 / 奥田英朗  <感想記事はこちら>
  12位 : 同 期 / 今野敏  <感想記事はこちら>
  11位 : うまや怪談 / 愛川晶  <感想記事はこちら>

  10位 : Another / 綾辻行人  <感想記事はこちら>
  09位 : 太陽の坐る場所 / 辻村深月  <感想記事はこちら>
  08位 : ふたり狂い / 真梨幸子  <感想記事はこちら>
  07位 : 少 女 / 湊かなえ  <感想記事はこちら>

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 【 6位 : 秋期限定栗きんとん事件 / 米澤穂信 】

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

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 延期に次ぐ延期で発売されるのを待ち焦がれていた人気シリーズ第3弾ですが、まあ待ちに待っただけの内容でしたからね。

 本格ミステリ的な謎が解けると同時に、主人公2人の本性が浮かび上がってくるという作りには思わずニヤリとしてしまいますし、それがまたなんとも米澤穂信らしいイヤラシサ(といってもスケベな意味ではないです)が全開になっているので、その部分だけでも何度も読み返したくなってしまうし、最終巻となるであろう「冬期限定~事件」への期待もより高まってしまいました。


  この作品の感想記事はこちら!!
     >> No.250 『秋期限定栗きんとん事件』 米澤穂信

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 【 5位 : ジョニー・ザ・ラビット / 東山彰良 】

ジョニー・ザ・ラビットジョニー・ザ・ラビット

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 ウサギが探偵役を務めるというだけでもなかなかぶっ飛んでいるのに、そのキャラクターがまたウサギとは思えないくらいにカッコ良く魅力的で、それだけでも充分楽しめました。

 その上さらに内容の方も、主人公に負けないくらいにかなりのイカレっぷりで、この世界観はまさに最高でしたねェ。


  この作品の感想記事はこちら!!
        >> No.176 『ジョニー・ザ・ラビット』 東山彰良

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 【 4位 : 六つの手掛り / 乾くるみ 】

六つの手掛り六つの手掛り

双葉社 2009-04
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 本格ミステリとしても、最後のオチにしても、かなり地味でインパクトはなく、読者の10人中8,9人は“地味”の一言で済ませてしまうのではないかとも思うのですけどね。

 ただ、その“こういうのが好きな人にだけ楽しんでもらえればいいや”といった微妙なところを突いてくる最後のオチや、かたくなに正統派本格ミステリを貫く男気、そして目次のページにまで仕掛けを加える遊び心など、自分でもよくわからないんだけど、何故かハマってしまったのですよね。

 なので、多くの人に薦めたいとは思わないけれど、自分の中ではとても愛すべき作品となりそうです。


  この作品の感想記事はこちら!!
        >> No.185 『六つの手掛り』 乾くるみ

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 【 3位 : 仮想儀礼 / 篠田節子 】

仮想儀礼〈上〉仮想儀礼〈上〉

新潮社 2008-12
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 昨年の“投票者なりきりベスト6”における上位作品のキーワードが“圧倒され度”だったわけですが、今年読んだ作品の中で一番圧倒されまくったのがこの作品です。

 新興宗教団体を設立することで巻き起こる人間模様が描かれる序盤~中盤の展開もかなりの面白さですが、やはり圧巻なのは終盤で、怒涛の如く押し寄せてくるような狂気の世界の圧倒感には完全にヤラれてしまいましたからねェ。


  この作品の感想記事はこちら!!
         >> No.159 『仮想儀礼』 篠田節子

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 【 2位 : 新参者 / 東野圭吾 】

新参者新参者

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 人情物の本格ミステリで、自分の涙腺をちょうどいい具合に突いてくる作品そろいの連作集なので、それだけでも自分の中では高ポイントでした。

 ただ、従来の事件捜査ミステリとは一戦を画すような捻りの効いたアプローチに、長編作品として見た時の真相の浮かび上がり方の鮮やかさなど、本格ミステリ的な部分における技には、素人ながらに唸らされてしまったし、思い返す度に“あ~あれは凄かったな~”って感じでしみじみしてしまうので、読んでから時間が経つごとに自分の中での評価が上がっていくほどですからねェ。


  この作品の感想記事はこちら!!
          >> No.236 『新参者』 東野圭吾

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 【 1位 : 約束の地 / 樋口明雄 】

約束の地約束の地

光文社 2008-11-21
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 そして2010年版対象作品の中で栄えある1位に選んだのが、この「約束の地」です。

 社会派冒険サスペンスなのですが、様々なエンターテイメント的な要素が盛り込まれていますし、人間および野生動物たちの生き様というのが圧倒的な迫力でもって描かれているので、まあとにかくいろんな意味での面白さが身体全体に染み渡るように楽しめました。

 「このミス」の方では残念な結果となってしまったようですが、自分の中ではこの作品が群を抜いて断トツの1位でしたね。


  この作品の感想記事はこちら!!
         >> No.229 『約束の地』 樋口明雄

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 【「投票者なりきりベスト6」関連記事】

  > 「このミス2013年版」投票者なりきりベスト6 (12.11.21)
  > 「このミス2012年版」投票者なりきりベスト6 (11.11.19)
  > 「このミス2011年版」投票者なりきりベスト6 (10.11.24)
  > 「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6 (09.11.28)
  > 「このミス2009年版」投票者なりきりベスト6 (08.11.12)


 【「このミステリーがすごい!2010年版」関連記事】

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (09.12.13)
  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (09.12.23)
  > 「このミス2010年版」対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会> (09.12.29)

  > 「このミステリーがすごい!2010年版」 (09.12.9)
  > 「2010 本格ミステリ・ベスト10」 (10.1.22)

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 (09.11.18)
  > 「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう! (09.11.16)
  > 「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6 (09.11.28)

  > 「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想 (09.7.23)
  > 「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想 (09.9.3)

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月25日 (水)

『Another』 綾辻行人 > 「このミス」完全読破 No.252

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.252

 『Another』 綾辻行人

   「このミス」2010年版 : 3位

   受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)
            (「山田風太郎賞」候補)

   総合ランキング : 「SUGOI JAPAN Award 2015」 7位

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 1位
               「本格ミステリ・ベスト10」 3位
               「週刊文春ミステリーベスト10」 4位
               「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
                 (文庫ランキング) 14位

   読始:2009.11.3 ~ 読終:2009.11.4

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年10月>

Another(上) (角川文庫)Another(上) (角川文庫)
綾辻 行人

角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-11-25
売り上げランキング : 3873

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 「十角館の殺人」「時計館の殺人」などの“館シリーズ”で人気を博した綾辻行人ですが、ここ数年の作品はあまり評判が芳しくなく、口の悪い読者には“終わった作家”と言われたりもしていたようです。

 ところが、そんなイメージを一変させるほどの高い評価を発売直後から受け、綾辻行人復活を印象せしめたのが、この大作「Another」です。

 表紙の不気味さからもわかるようにホラー作品なのですが、恐怖を煽る演出が次々に巻き起こったりとか、スプラッター系の気持ち悪い表現が続出したりするようなタイプではなく、作中を漂う雰囲気がホラーといった感じなので、怖い話が苦手という方でもなんとか大丈夫なのではないでしょうかね。

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 そしてホラーという一面がありつつも、やはり綾辻作品だけあって、全編に渡って本格ミステリ的な仕掛けが施されています。

 この“ホラー”と“本格ミステリ”の関係というのがこれまた絶妙で、ホラー的な演出があるから本格ミステリ的な謎がより威力を発揮するし、本格ミステリ的な謎が散りばめられているからこそホラー的な部分がより不気味さを増すしで、この2つの要素が絡み合うことにより、どちらもがその秘めたる魅力を何倍にもパワーアップさせているのです。

 それに、この物語の結末が、本格ミステリ的な現実的な解決へと導かれていくのか、はたまたホラーファンタジー的な世界へと突き進んでいくのか、そこが謎なところによっても、クライマックスに向けての強烈な求心力を感じましたね(この部分に関しては、No.103「堕天使拷問刑」飛鳥部勝則と似たものを感じました)。

 そして、青春物語としてもなかなか楽しめましたし、700ページ近い分厚さ(ハードカバー版のことです)など気にならないどころかそれでも物足りないくらいの読みやすさ&面白さだったので、“館シリーズ”が好きだった人にも、“館シリーズ”を読んだことがない人にも、どちらにもオススメしたいと心から思うような作品でした。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★     おどろおどろ度 : ★★★★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 ”綾辻行人” 関連記事 】

  > No.680 「Another エピソードS」
  > No.630 「霧越邸殺人事件」
  > No.517 「奇面館の殺人」
  > No.284 「迷路館の殺人(十角館の殺人)」
  > No.252 「Another」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「さらば雑司ヶ谷」 樋口毅宏

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月23日 (月)

『花窗玻璃 シャガールの黙示(天使たちの殺意)』 深水黎一郎 > 「このミス」完全読破 No.251

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.251

 『花窗玻璃 シャガールの黙示』 深水黎一郎

   * 文庫化の際に『花窗玻璃 天使たちの殺意』に改題

   「このミス」2010年版 : 68位

   受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 21位
              「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:2009.11.2 ~ 読終:2009.11.2

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : ノベルス <2009年9月>

花窗玻璃 天使たちの殺意 (河出文庫)花窗玻璃 天使たちの殺意 (河出文庫)
深水 黎一郎

河出書房新社 2015-10-06
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 No.104「エコール・ド・パリ殺人事件」、「トスカの接吻」に続く、“芸術探偵シリーズ”の第3弾です。

 シリーズ物ということで、前2作に引き続きメインキャラクターが登場するわけですが、話が直接繋がっているわけではないし、このメインの登場人物のキャラは掴みやすいので、いきなりこの作品から読んでも問題ないのではないでしょうかね。

 ちなみに、タイトルになっている花窗玻璃(はなまど・はり)とは“ステンドグラス”のことです。

 それでは何故にこんな見たこともないような漢字表記が使われているのか?ということは、実際に読んでみればすぐにわかるでしょう。

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 というわけで、西洋美術・オペラと来て、今回のテーマはステンドグラス美術となっています。

 このステンドグラス美術に関係するような事件が、フランスのランス大聖堂などを舞台に、作中作のような形で語られていきます。

 この作中作の文章にはなかなか凝った仕掛けが施されているのですが、面白い試みながらも少々読みにくいこともあって、これに抵抗を感じる人もいるでしょうね。

 それに、このシリーズお馴染みの芸術に関する蘊蓄がこれでもかと語られるし、この文章の仕掛けに対しても蘊蓄で返されるくらいなので、好き嫌いが分かれそうな作風なのですが、でもこの厚みがある中にも軽さが感じられる雰囲気にはハマってしまう人も多いのではないかと思います。

 そして本格ミステリ部分に関してですが、これがまた一筋縄ではいかなくて、さらりと読んでしまった人にはとりたてて驚きも真新しさもない本格ミステリとしか感じられないものの、深く読んで“シャガールの黙示”という副題に込められた意味に気づいた人にだけ本来の仕掛けが明らかにされるので、読む人の評価すらも大きく分かれそうです。

 なので、読み手に本格ミステリ読解力が問われてしまうという少々怖い作品でもあるのですが、ただ自分的には、普通に見ていたら何てこともない絵が、事件の真相が明らかにされた途端に強烈な意味が込められた涙を誘う絵に変貌するという仕掛けにも、素直にシビれてしまいましたけどね。

 ちなみに、舞台になる大聖堂の写真が表紙の折り返し部分に載っているので、それを見ておいた方が作中の舞台状況が理解しやすいかもしれません。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “深水黎一郎” 関連記事 】

  > No.973 「ストラディヴァリウスを上手に盗む方法」
  > No.917 「倒叙の四季 破られたトリック」
  > No.837 「ミステリー・アリーナ」
  > No.725 「世界で一つだけの殺し方」
  > No.673 「美人薄命」

  > No.564 「言霊たちの夜」
  > No.488 「人間の尊厳と八〇〇メートル」
  > No.307 「五声のリチェルカーレ」
  > No.251 「花窗玻璃 シャガールの黙示」
  > No.104 「エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「Another」 綾辻行人

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月22日 (日)

『秋期限定栗きんとん事件』 米澤穂信 > 「このミス」完全読破 No.250

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.250

 『秋期限定栗きんとん事件』 米澤穂信

   「このミス」2010年版 : 10位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 11位
              「ミステリが読みたい!」 13位

   読始:2009.10.30 ~ 読終:2009.10.30

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 文庫本 <2009年2月>

秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)

東京創元社 2009-02
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 No.39「春期限定いちごタルト事件」No.40「夏期限定トロピカルパフェ事件」に続く、“小市民シリーズ”待望の第3弾です。

 この“待望の”というのは取って付けた表現ではありませんで、毎年のように作者が“今年こそは出る”と言っていたのですが(「このミス」の“私の隠し玉”では、「夏期限定~」がランクインした2007年版(2006年)からすでに年内の発売を示唆しています)、しかし延期に次ぐ延期で、仮タイトルだけが次々と変わっていくという状態だったのです。

 その延期となった原因の一つが、シリーズ初の上下巻というボリュームだったわけなのですが、前2作は連作集的な作りだったのが、今回は長編としての構成となっているので、これまでと比べても幾分大作的な感じがありました。

 そして、前作「夏期限定~」では新展開を感じさせるラストだったわけですが、それを受けてのストーリーが序盤から繰り広げられていることもあって、やはり今回はこれまでの2作とはちょっと趣きが違いましたかね。

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 そんな感じで、いつもとは少々違った雰囲気で青春ミステリが繰り広げられていきます。

 なので、本格ミステリ的な謎や事件も全体を通して筋が入ったものとなっているのですが、ただ、この本格ミステリ的な謎が解明された瞬間に、青春物語的な部分が鮮やかに浮かび上がってくるのですよね。

 つまり、シリーズ前作に比べて本格ミステリ色が強くなったのかと思いきや、結局それは、青春物語を盛り上げるための演出にすぎなかったことが最後に明らかになるのです。

 しかもそれは、青春物語だからといって甘く切ないというものではなく、とてもブラックでビターなために思わずゾクリとしてしまうようなものなので、これはホントに良い意味で参ってしまいましたね。

 したがって、本格ミステリ部分のみを楽しみたいという方なんかは、少々物足りなく感じてしまうかもしれないし、青春部分のみを楽しみたいという方も、ちょっと話に乗っていけなかったりするかもしれません。

 ただ、どちらの要素をも楽しめるという方ならば、この両者が自分の領域を守りながらも絶妙な融合を遂げている物語を、充分に楽しむことができるのではないでしょうか。

 そんな青春物語部分に関しては、シリーズ前作からの流れを知っていないと本当の意味での面白さはわからないと思うので、いきなり本作から読むのではなく、やはり「春期~」→「夏期~」→「秋期~」と順番に読んでいくべきでしょうね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★     人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “米澤穂信” 関連記事 】

  > No.942 「いまさら翼といわれても」
  > No.872 「真実の10メートル手前」
  > No.828 「王とサーカス」

  > No.817 「さよなら妖精」
  > No.777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
  > No.748 「満願」
  > No.622 「リカーシブル」
  > No.402 「折れた竜骨」

  > No.366 「ふたりの距離の概算」
  > No.365 「遠まわりする雛」
  > No.315 「蝦蟇倉市事件2(街角で謎が待っている)」
  > No.250 「秋期限定栗きんとん事件」
  > No.227 「追想五断章」

  > No.140 「儚い羊たちの祝宴」
  > No.076 「インシテミル」
  > No.044 「ボトルネック」
  > No.040 「夏期限定トロピカルパフェ事件」
  > No.039 「春期限定いちごタルト事件」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月21日 (土)

週刊少年ジャンプ読切! 「SWOT」 杉田尚

 週刊少年ジャンプの2009年52号に掲載された読切作品が、この「SWOT(スウォット)です。

 作者の杉田尚(すぎた・なおや)は、2006年34号から始まった「斬」で連載デビューを果たしましたが、残念ながら18週で打ち切りに(JC全2巻)。

 その後は、赤マルジャンプ2008WINTERに「唐草模様」が掲載されまして、本作にて久々のジャンプ本誌復帰となりました。


 内容の方は、不良共が抗争を繰り広げる高校に転校してきたガリ勉主人公が、勉強の邪魔をする不良とケンカしたり、一匹狼の不良女子高生に一目惚れしたり....、という学園不良バトル作品です。

 「斬」の時は、その個性的すぎる絵や破壊力抜群の台詞回しなどから、高度なネタ漫画として絶大な支持を集めていたわけですが、今回はそういったネタ的な部分では、さすがに幾分薄まった感じでしょうかね。

 ただそれでも、不良マンガなのにどことなくほのぼのとした雰囲気が漂っているという、この作者でしか描けないような独特な世界観は相変わらずだし、ツッコミ所も前ほどではないとはいえ充分豊富なので、「斬」の魅力がわかる人にとっては大変満足できる作品なのではないでしょうか。


 ちなみに、扉絵に付けられている煽り文は、

うるせえぞ不良共!! 学問道、立ち塞がるなら ブッ殺すまで!!

☆何人たりとも俺の勉強の邪魔は許さぬ!!
        史上最強学問戦士読切Cカラー47P!!

というものでした。


 

  投票受付期間:2009.11.21~12.19

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 【「杉田尚」関連記事】

  > 週刊少年ジャンプ読切! 「SWOT」 杉田尚 (09.11.21)
  > 週刊少年ジャンプ新連載! 「SWOT」 杉田尚 (10.7.5)
  > <JC1巻買い> 「SWOT」 杉田尚 (10.12.7)


 【「2009年の読切」関連記事】

  > 「SWOT」 杉田尚 (09.11.21)

 < 第5回 金未来杯 >
  > 「明治百機八匣譚DENGI」 芝田優作 (09.7.27)
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  > 「第5回 金未来杯」エントリー作品の中で
           一番面白かった作品を決める投票を実施中です (09.9.2)

 < JG1読切祭 >
  > 「ねこわっぱ!」 松本直也 (09.6.1)
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  > 「黒蜜様 参る!」 岩本直輝 (09.6.15)
  > 「ULTIMATE CHASER」 春日真 (09.6.22)
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2009年11月20日 (金)

『無理』 奥田英朗 > 「このミス」完全読破 No.249

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.249

 『無理』 奥田英朗

   「このミス」2010年版 : 19位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 6位

   読始:2009.10.29 ~ 読終:2009.10.29

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年9月>

無理 上 (文春文庫)無理 上 (文春文庫)
奥田 英朗

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 「最悪」 No.18「邪魔」に続く、人気の“漢字二文字シリーズ”の最新刊が、8年ぶりの登場となりました。

 まあ“漢字二文字シリーズ”といっても、正式なシリーズものというわけではないのですけどね。

 なので、ストーリーや舞台が繋がっていたりとか、登場人物が一緒などということはないので、前2作を読まずにいきなりこの作品を手に取っても、全く問題はありません。

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 この作品は、ある地方都市を舞台に、幾人もの登場人物たちの閉塞感漂う生活&悪い方へと転落していく様を描いた、群像劇サスペンスです。

 その登場人物というのが、前2作ではメインが共に3人だったのに対し、今回は倍増しているので、話が分散化されてしまっている分、この舞台となっている地方都市が抱える暗闇の部分が、嫌というほどに浮かび上がって感じられましたね。

 そして、読んでいて嫌~な気分になるんだけど面白い、というのは前2作同様なのですが、これからどこに転がっていくのか予測不能なストーリーの不安定さ&無軌道っぷりも相変わらずの魅力でした。

 それゆえ、強引すぎるほどにまとめあげてしまった感のあるラストには、不満を感じてしまう方も多いかと思いますが、この作品はそこに至るまでの“魅力的な無軌道っぷり”を楽しむものだと思うので、ラストはオマケ程度に考えてもいいのではないでしょうか。

 ただ、前作「邪魔」に比べると、溜めに溜めてきたものが限界を超えてブチ切れる爽快感がそれほどでもなかったので、ちょっと残念でもありましたかね。

 それではなぜにその「邪魔」よりこちらの方が★評価が少し高いのかと申しますと、「邪魔」の方は、後半のブチ切れっぷりは最高だったのだけれど、前半がホントに読むのが辛いくらいに嫌~な話だったので、全体的には評価を高くできなかったからなのです......。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “奥田英朗” 関連記事 】

  > No.798 「ナオミとカナコ」
  > No.450 「純平、考え直せ」
  > No.249 「無理」
  > No.154 「オリンピックの身代金」
  > No.018 「邪魔」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「秋期限定栗きんとん事件」 米澤穂信

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月18日 (水)

「このミス2010年版」ランキング(順位)予想

 *「このミステリーがすごい!」では、1990年より翌年度表記に変更(つまり、満年齢から数え年に変更)しているので、この“2010年版”は、2009年(2008年11月~2009年10月)に発売された作品のランキングとなっています。

 なので、2010年(2009年11月~2010年10月)に発売された作品を対象とした“2011年版”のランキング予想に関しては、「このミス2011年版(2010年)」ランキング(順位)予想の方をご覧ください。

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 初めて予想した昨年(2008年)に続いて、今年も「このミステリーがすごい!2010年版」のランキング(順位)予想をしてみたいと思います。

 以下、予想を発表する前に長々と前口上を書いているので、読むのがメンドクサイというような方は、構わずに読み飛ばしてしまってください。


 昨年の予想(「このミス2009年版」ランキング(順位)予想参照)に関しては、初めての予想だったにしてはそれなりに当たっていたのではないかと思うも、反省点も多々ありました。

 その反省点については「このミス2009年版」ランキング(順位)予想 <反省会>に詳しく書いてあるのですが、それを踏まえた上で今年の予想を行わなければなりません。

 そこで新たに考えだし実施した企画が2つほどありました。


 まず一つ目は、「月別ランクイン候補作品」。これは、「このミス」の候補作品を月ごとにまとめることで、有力作品を読み逃すどころか、チェックすらしていなかった、という最悪の事態を避けるために実施したものです(昨年はその最悪の事態になってしまったので.....)。

 そしてもう一つが、なにも年末になってから予想するのではなく、読み終わった時点でランクインする確率を予想してしまおうという、「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想および「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想

 この2つの企画を引っ提げて、準備万端で今回の予想に挑むことになったのです。

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 そして昨年との大きな違いといえば、読んだ対象作品の数の差でしょう。

 昨年は、予想を行った時点で、37の対象作品を読み終えていました。

 これでも自分の中では結構多い方と思っていたのですが、ただ、昨年の予想の結果が出た上での、今年の予想に対する一番の教訓というのが、“なるべくたくさん対象作品を読む”だったので、今年は昨年越えが目標の一つでもありました。

 そしたら驚くことに、昨年より3倍近い104もの対象作品を読んでしまったのですねェ。

 そのため、昨年よりも予想のし甲斐があるってもんですが、これまた昨年の反省(読まずにランクインと予想した作品が、一つもランクインせず)から、今年は自分が読んだ作品だけで予想したいと思います。

 まあ、まだ読んでいない中にも、もしかしたらランクインするかもしれないな~という作品がいくつもあるわけですが、でもそんな作品が入ってしまったらもうそれはしょうがない、ときっぱり諦めることにしました。

 ちなみに、この予想を行った時点で読み終えていた、2010年版対象の104作品については、ここに書くとなるとかなりの長さになってしまうので、「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想および「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想にてご確認ください。


 なお、これはあくまで素人である自分が個人的に予想しているものです。

 なので、結果が出てみたら、1位に予想した作品がランクインしていなかったりとか、全然見当違いな予想であったりする可能性もありえますので、その点をご了承した上で参考にしてみてください。

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 そして予想を書く前に、今年の「このミス」予想をする上での注意点というか特徴をまとめてみましょう。


 まずは、本格ミステリ系作品が不作であったこと。

 まあ、不作というよりは弾不足といった感じで、締め切り間際に「新参者」と「Another」という大作が出て形にはなりましたが、それまでは良作揃いではあるものの、核となるような作品がありませんでしたからね。

 だからといって、本格ミステリ系作品のランクインが少なくなるというわけではないでしょう。

 本格ミステリ系作品を特に好んでいる投票者が何人もいるので、その年のレベルに関係なく本格ミステリ系作品にある程度の票が入ると思うので、結局は全体から占める割合というのは例年と変わらないと思うのですよね。

 なので、本格ミステリ系作品に関しては、他ジャンルの作品との比較以上に、同ジャンル内での比較によりランクイン作品が決まってくるのではないでしょうか。


 そしてもう一つの大きな特徴が、「このミス」常連作家が有力候補作品を複数発表した、ということです。

 具体的に言えば、佐々木譲が4作品(そのうち「このミス」にもランクインしている人気シリーズの続編が3作)、今野敏が警察小説だけで3作品、道尾秀介と米澤穂信も3作品、東野圭吾・歌野晶午・奥田英朗・篠田節子・湊かなえが2作品など。

 その多くが、どの作品が上にくるのかすら予想が難しいような状況なので、これらの作家の作品の場合は、他作家作品との比較以上に、作家ごとの作品の順位付けが重要となってきそうです。


 というわけで、長々と書いてきたわけですが、いよいよランキング(順位)予想の発表といきましょう。

 なお、昨年初めて予想してみて、15~20位と21~30位辺りの票数の差はほんのわずかで、たった一人の投票者のさじ加減で大きく順位が変わってしまうほどだということがわかったので、今回は30位まで予想して、そのうち何作がベスト20にランクインするか、といった感じでやってみたいと思います。

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 【 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 】

    *タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです


   01位 : Another / 綾辻行人  <感想記事はこちら>

   02位 : 約束の地 / 樋口明雄  <感想記事はこちら>

   03位 : 新参者 / 東野圭吾  <感想記事はこちら>

   04位 : 仮想儀礼 / 篠田節子  <感想記事はこちら>

   05位 : 同 期 / 今野敏  <感想記事はこちら>

   06位 : ダブル・ジョーカー / 柳広司  <感想記事はこちら>

   07位 : オリンピックの身代金 / 奥田英朗  <感想記事はこちら>

   08位 : 密室殺人ゲーム2.0 / 歌野晶午  <感想記事はこちら>

   09位 : 粘膜蜥蜴 / 飴村行  <感想記事はこちら>

   10位 : 鬼の跫音 / 道尾秀介  <感想記事はこちら>

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   11位 : 乱反射 / 貫井徳郎  <感想記事はこちら>

   12位 : 龍神の雨 / 道尾秀介  <感想記事はこちら>

   13位 : 風の時/狼の時 / 天城一  <感想記事はこちら>

   14位 : 贖 罪 / 湊かなえ  <感想記事はこちら> 

   15位 : 秋期限定栗きんとん事件 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>

   16位 : ハーモニー / 伊藤計劃  <感想記事はこちら>

   17位 : 智天使の不思議 / 二階堂黎人  <感想記事はこちら>

   18位 : たまさか人形堂物語 / 津原泰水  <感想記事はこちら>

   19位 : ジョニー・ザ・ラビット / 東山彰良  <感想記事はこちら>

   20位 : 鷺と雪 / 北村薫  <感想記事はこちら>

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   21位 : 暴雪圏 / 佐々木譲  <感想記事はこちら>

   22位 : さらば雑司ヶ谷 / 樋口毅宏  <感想記事はこちら>

   23位 : 無 理 / 奥田英朗  <感想記事はこちら>

   24位 : 追想五断章 / 米澤穂信  <感想記事はこちら> 

   25位 : うまや怪談 / 愛川晶  <感想記事はこちら>

   26位 : 福家警部補の再訪 / 大倉崇裕  <感想記事はこちら>

   27位 : 疑心 隠蔽捜査3 / 今野敏  <感想記事はこちら>

   28位 : 神器 軍艦「橿原」殺人事件 / 奥泉光  <感想記事はこちら>

   29位 : 少 女 / 湊かなえ  <感想記事はこちら>

   30位 : チェーン・ポイズン / 本多孝好  <感想記事はこちら>

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 というわけで、1位に予想したのは「Another」です。

 ホラー作品としても本格ミステリ作品としても傑作ですし、なによりかつては館シリーズなどで一世を風靡したものの、最近では一部の人に“終わった作家”とも言われていた綾辻行人の、それを見返すような久々の大作で、新たな代名詞となりそうな評価を受けていますからね。

 それに、締め切りギリギリの発売ということで、勢いで上位に投票する投票者も多そうなので、こちらも勢いで1位に予想してみました。


 逆に発売から1年近く経つ2位の「約束の地」は、社会派でありながらも様々なエンターテイメントの要素が詰め込まれている傑作なのですが、一般的にはそれほど知られていないので良くても7,8位くらいかな~とも思うも、ここは個人的希望も合わせて思い切って2位に予想してみました。「このミス」では山岳小説に票が集まりやすい傾向がありますしね。

 3位の「新参者」は、本格ミステリとしても新たな試みに挑んで大成功していますし、人情ミステリとしても泣けるものなので、日本推理作家協会の理事就任に対するご祝儀的な感じでより上位に投票されるのではないということもあって、このくらいはいくのではないかと。

 4位の「仮想儀礼」は、新興宗教を舞台にした人間ドラマも、終盤における圧倒的な暴走っぷりも素晴らしいので、1位であっても全然驚かないですけどね。

 5位の「同期」は、まず今野敏の代名詞的な“隠蔽捜査シリーズ”の最新作「疑心」と比べても、サスペンス的にもミステリ的にもこちらの方が上だと思うし、他作家の警察小説と比べてもエンターテイメント度では圧倒的な1位だと思うので。

 6位の「ダブル・ジョーカー」は、昨年2位のNo.162「ジョーカー・ゲーム」の続編で、その前作の高レベルを充分保っていたと思うものの、前作を超えるほどのインパクトはなかった感じなので、順位は少し下がってしまうのではないでしょうかね。

 7位の「オリンピックの身代金」は、圧巻のサスペンス作品なので1位も狙えるのではないかと思いますが、「無理」との票割れを考えて、ここら辺に入るのではないかと。

 8位の「密室殺人ゲーム2.0」は、No.50「密室殺人ゲーム王手飛車取り」(2008年版 12位)の続編ですが、前作を超えるほどではなかったかな~と思うものの、今年の本格ミステリ系作品との比較から、順位はアップするのではないかと予想。

 9位の「粘膜蜥蜴」は、今年を代表する問題作になるだろうけれど、一部の評論家に大絶賛されている作品ですし、No.145「バッド・チューニング」(飯野文彦)が13位(2008年版)だったことを考えると、トップ10入りも充分ありえるのではないでしょうか。

 そしてかなり悩んだ末に10位に入れた「鬼の跫音」は、道尾作品内の比較としては長編の「龍神の雨」の方が票を集めやすそうではありますが、この「鬼の跫音」の収録作がいくつかの賞にノミネートするなど評価が高いし、例年 道尾作品の中で自分が好きな作品の方(今年の場合は「龍神の雨」)が「このミス」の順位は下になるので、今回もわずかに「鬼の跫音」の方が順位的には上になるかな~って感じで。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 11位の「乱反射」は、ミステリ的な作品ではないけれど、その構成が素晴らしいし、群像劇としても「無理」(奥田英朗)よりもこっちの方が上になると予想してみました。

 13位の「風の時/狼の時」は、過去のシリーズ全3作がいずれもランクインしていますし、今回もSRの会を中心に上位票が確定していると思うので。

 15位の「ハーモニー」は、本格的なSF作品ではあるものの、デビュー作「虐殺器官」が21位(2008年版)に入っていますし、残念ながら本作が遺作となってしまったこともあって、ぜひともランクインしてほしいのですけどね。

 19位の「ジョニー・ザ・ラビット」は、思い切ってランクインすると予想してみましたが、バカミスとしても票を集めるのならば充分可能だと思うのです。

 21~30位は、ホントはランクインさせたかった作品ばかりだし、10位内に予想する可能性だって充分ある作品が揃っているのですよねェ。

 特に「暴雪圏」とか「無理」なんかは、ランク外に予想するのはかなりの思い切りが必要だったのですが、でも「このミス」ではこういった実績ある作家の大作ばかりがランクインするということにはなりませんからね。

 そして30位以下と予想した作品も、ホントは30位以内に入れたかったのだけど、泣く泣く外したものばかりなのです。

 昨年より多くの対象作品を読んだので予想も楽になるのかと思っていたのですが、20位以内に予想したい作品が多くなりすぎちゃって、より予想が難しくなってしまいました。

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 というわけで、「このミステリーがすごい!2010年版」の予想を行ってみましたが、いかがでしたでしょうか。

 ランキングが発表された後には、予想の結果や反省を行う<反省会>をアップする予定なので、そちらもどうぞお楽しみに(後日追記:アップしました > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>)。

 あとは昨年同様に、“自分がもし「このミス」投票者だったら?”ってことで個人的なベスト6を発表する「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6も更新しているので、もしよかったらそちらもぜひご覧になってみてください。

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 【「このミステリーがすごい!2010年版」関連記事】

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (09.12.13)
  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (09.12.23)
  > 「このミス2010年版」対象作品を事前に読んでしまおう!<反省会> (09.12.29)

  > 「このミステリーがすごい!2010年版」 (09.12.9)

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 (09.11.18)
  > 「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう! (09.11.16)
  > 「このミス2010年版」投票者なりきりベスト6 (09.11.28)

  > 「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想 (09.7.23)
  > 「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想 (09.9.3)


 【“「このミス」予想”関連記事】

  > 「このミス2012年版」上半期のランクイン候補作品 (10.12.1)


  > 「このミス2011年版」上半期のランクイン作品仮予想 (10.1.17)
  > 「このミス2011年版」下半期のランクイン作品仮予想 (10.6.14)

  > 「このミステリーがすごい!2011年版」ランキング(順位)予想 (10.11.3)
  > 「このミス2011年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (10.11.1)

  > 「このミス2011年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (10.12.10)
  > 「このミス2011年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (10.12.22)


  > 「このミス2010年版」上半期終了時のランクイン作品予想 (09.7.23)
  > 「このミス2010年版」下半期のランクイン作品予想 (09.9.3)

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 (09.11.18)
  > 「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう! (09.11.16)

  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (09.12.13)
  > 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (09.12.23)


  > 「このミス2009年版」ランキング(順位)予想 (08.11.13)
  > 「このミス2009年版」ランキング(順位)予想 <反省会> (08.12.8)

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月16日 (月)

「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう!

 「このミステリーがすごい!2010年版」の発売、そしてランキングの発表まで1ヶ月を切ったということで、昨年に引き続き今年もランキングの予想を行ったのですが(「このミス2010年版」ランキング(順位)予想)、ただ自分だけが予想するだけなのもなんとも味気ないので、多くの人が投票という形で気軽に予想できる企画を考えてみました。

 その名も、“「このミス」2010年版のベスト10作品をみんなで予想しよう!”


 これは、投票専用ページを作りまして、そこには対象作品の中から100作を激選したリストがあるので、10位以内にランクインするだろうと予想する10作品にチェックを入れていくだけという、非常に簡単なものです。

 そして、その結果(どの作品に何票入ったのか)や途中経過、さらには一番多くの作品を当てた方の発表などを、この記事内でやっていく予定です。

 まあ、「このミス」の予想をしてみよう!と思うような人はそう多くはなさそうなので、4,5人ほどでも参加してもらえたらいいかな、と考えているのですが、なるべく多くの方に参加してもらった方が面白いので、ぜひとも気軽に参加してみてください。

 なお、投票期間は11月30日(月)までの予定ですが、その前にネット上で本物のランキングが流出したような場合は、その時点で終了といたします。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【 ベスト10予想・最終結果発表 】

 某所に本バレらしい情報が出ましたので、“11月28日(土) 8:00”をもって投票を締め切ることにいたしました。

 まあ、偽バレという可能性もないことはないとも思いますが、もしそうだったとしても、当初設定していた締め切り日時まであとわずかだったし、ここ数日は投票が全くなかったので、少し早めに締め切りに。

 総投票数は“11票”となりました。そのうち、10作品に投票した方が9名、11作品に投票した方が1名、1作品に投票した方が1名、といった内訳でした。

 正式なランキングが出ましたら、10作品に投票した9名を対象に、成績優秀者の発表をしてみたいと思うので、こうご期待です。

  * 2票以上入った作品のみ掲載 (1票のみ・・・・25作品)
  * 作品部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです
  * ()内は、「このミス」の順位結果です


 > 8票   Another / 綾辻行人  <感想記事はこちら> (3位)
         オリンピックの身代金 / 奥田英朗  <感想記事はこちら> (21位)

 > 7票   新参者 / 東野圭吾  <感想記事はこちら> (1位)
         ダブル・ジョーカー / 柳広司  <感想記事はこちら> (2位)

 > 6票   龍神の雨 / 道尾秀介  <感想記事はこちら> (9位)

 > 5票   無 理 / 奥田英朗  <感想記事はこちら> (19位)
         仮想儀礼 / 篠田節子  <感想記事はこちら> (7位)

 > 4票   同 期 / 今野敏  <感想記事はこちら> (14位)
         鬼の跫音 / 道尾秀介  <感想記事はこちら> (15位)

 > 3票   粘膜蜥蜴 / 飴村行  <感想記事はこちら> (6位)
         密室殺人ゲーム2.0 / 歌野晶午  <感想記事はこちら> (18位)
         贖 罪 / 湊かなえ  <感想記事はこちら> (45位)

 > 2票   絶望ノート / 歌野晶午  <感想記事はこちら> (43位)
         暴雪圏 / 佐々木譲  <感想記事はこちら> (8位)
         太陽を曳く馬 / 高村薫  <感想記事はこちら> (51位)
         乱反射 / 貫井徳郎  <感想記事はこちら> (68位以下)
         ここに死体を捨てないでください! / 東川篤哉 (68位以下)
         少女たちの羅針盤 / 水生大海  <感想記事はこちら> (投票数0)
         秋期限定栗きんとん事件 / 米澤穂信  <感想記事はこちら> (10位)

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 【 成績優秀者発表 】


 まず、10作品に投票した9名の成績内訳(的中数)は、以下のようになりました。

  > 6作品 : 2人、5作品 : 1人、4作品 : 2人、3作品 : 3人、2作品 : 1人


 というわけで、arbanreinさんと名無しの新しい城さんの2名が、見事に6作品を当てて1位となりました!おめでとうございます!

 ちなみに企画者である自分自身は、5作品的中で惜しくも1位に届かず.....。

 そしてお二人の予想は、こんな感じでした(並び順は予想順位ではなく、順不同です)。


  【arbanreinさん】

 × 密室殺人ゲーム2.0 / 歌野晶午  (18位)
 ○ Another / 綾辻行人
 × オリンピックの身代金 / 奥田英朗  (21位)
 × 同 期 / 今野敏  (14位)
 ○ 暴雪圏 / 佐々木譲
 ○ 仮想儀礼 / 篠田節子
 × チェーン・ポイズン / 本多孝好  (68位以下)
 ○ 新参者 / 東野圭吾
 ○ ダブル・ジョーカー / 柳広司
 ○ 龍神の雨 / 道尾秀介


  【名無しの新しい城さん】

 × 少女探偵は帝都を駆ける / 芦辺拓  (45位)
 ○ 粘膜蜥蜴 / 飴村行
 ○ Another / 綾辻行人
 × オリンピックの身代金 / 奥田英朗  (21位)
 × 無 理 / 奥田英朗  (19位)
 ○ 暴雪圏 / 佐々木譲
 ○ 新参者 / 東野圭吾
 ○ ダブル・ジョーカー / 柳広司
 ○ 龍神の雨 / 道尾秀介
 × 三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人 / 倉阪鬼一郎  (39位)

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週刊少年ジャンプ新連載! 「新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ」 麻生周一

新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ 1 (ジャンプコミックス)新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ 1 (ジャンプコミックス)

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 2009年11月に投入された新連載第2弾が、51号から始まった「新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ」です。

 作者の麻生周一(あそう・しゅういち)は、初連載作品である「ぼくのわたしの勇者学」が、2007年24号から2008年35号まで約1年続きました(JC全6巻)。

 その後は、2008年50号に「劇団!インプロビゼーション」、赤マルジャンプ2009WINTERに「三上少年探偵ファイル」と、読切作品が2本掲載されています。

 ただそれ以外にも、2009年14号の「いぬまるだしっ」「ぼくのわたしの勇者学」のキャラクターである“ギロチンのまさゆき”がゲスト出演したり、2009年37・38合併号で行われた「わっしょい!ギャグマニア」という企画(ジャンプを代表するギャグ漫画家7人と「わっしょい!わじマニア」の作者・わじまさとしがテーマごとに1対1で対決するもの)に、その時点で連載を持っていなかったのに参加したりと、なにかと本誌でも見かける機会がありました。

 それゆえに、2度目の連載も近いのではないか思わずにいられなかったのですが、やはり予想通り間を置かずに、本作にて連載スタートとなりました。


 内容の方ですが、男性アイドル・蒼希彼方(あおき・かなた)が主人公の、芸能界を舞台にしたギャグ漫画です。

 その主人公・蒼希彼方は、類稀なるルックスによりデビューからわずか3ヶ月ながらも大人気となったのですが、しかし本人はヨゴレ系のお笑い芸人を目指しているため、その行動は変態的なのです。

 そんな彼方を国民的アイドルとして育てようとしているのがマネージャーの田中でして、彼方の奇怪な行動に対し本気のツッコミをし続けていきます。

 芸能界が舞台というのはジャンプではとても珍しく、アイドルというキャラクターも、脇役として出てくる作品はいくつかあったものの、ここまで主人公としてメインに扱われるのはジャンプではあまりなかったですね。

 なので、そういった芸能界やアイドルといった素材をジャンプ的にアレンジするというのは、いわば未開のジャンルともいえると思うので、題材的には料理しやすく他漫画との差異も作りやすいのではないでしょうか。

 するとあとは肝心のギャグがどうなるか、といったところが重要となってくるわけですが、この第1話では成功していたとは必ずしも言えないのではないかと思うものの、前作「ぼくのわたしの勇者学」では主人公よりもむしろ脇役たちの方が面白く魅力的だったので、これからどれだけ魅力的なキャラクターを出して、それをどのようにギャグに繋げていくのかが、今後に向けての楽しみでもあるし、早期打ち切りを回避できるかどうかの鍵にもなりそうですかね。

 個人的には、題材が題材なので、ギャグで押していくよりもコメディ色を強めて、ストーリー的にも楽しめるような感じにした方が面白くなるのではないかな~とも思います。


  

  投票受付期間:2009.11.16~11.30

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 【「麻生周一」関連記事】

  > 「斉木楠雄のΨ難(ジャンプGIGA2018SUMMERvol.1版)」 麻生周一
     > ジャンプGIGA 2018 SUMMER vol.1 (18.5.15)

  > 「青少年有害環境規制法」 麻生周一 > 週刊少年ジャンプ読切! (17.7.31)

  > 「斉木楠雄のΨ難」 麻生周一 <JC1巻買い> (12.9.5)
  > 「斉木楠雄のψ難」 麻生周一 > 週刊少年ジャンプ新連載!  (12.5.12)

  > 週刊少年ジャンプ読切!
      「超能力者斉木楠雄のψ難(本誌50号版)」 麻生周一 (11.11.21)
      「超能力者斉木楠雄のψ難(本誌43号版)」 麻生周一 (11.10.2)
      「超能力者斉木楠雄のψ難(本誌42号版)」 麻生周一 (11.9.24)
      「超能力者斉木楠雄のψ難(本誌33号版)」 麻生周一 (11.7.24)
      「超能力者斉木楠雄のψ難(本誌29号版)」 麻生周一 (11.6.26)
      「超能力者斉木楠雄のψ難(本誌27号版)」 麻生周一 (11.6.12)
      「超能力者斉木楠雄のψ難(本誌22号版)」 麻生周一 (11.5.8)

  > 「お前んち、お化け屋敷」 麻生周一 > 週刊少年ジャンプ読切!  (11.1.5)

  > 「超能力者 斉木楠雄のψ難」(ジャンプNEXT! 2010SUMMER) (10.8.16)

  > 「新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ」 麻生周一 <JC1巻買い> (10.6.4)
  > 「新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ」 麻生周一
      > 週刊少年ジャンプ新連載! (09.11.16)


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2009年11月14日 (土)

『デパートへ行こう!』 真保裕一 > 「このミス」完全読破 No.248

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.248

 『デパートへ行こう!』 真保裕一

   「このミス」2010年版 : 59位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.10.28 ~ 読終:2009.10.28

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年8月>

デパートへ行こう! (講談社文庫)デパートへ行こう! (講談社文庫)
真保 裕一

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 この子供向け漫画のようなタイトルで、作者があの真保裕一の作品ということで、一体どんな内容の作品なのか興味津々で読んでみました。

 そしたら、デパートへ行くまでの話ではなくて、真夜中のデパートを舞台に大騒動が起こるという、エンターテイメント性溢れる作品でした。

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 その真夜中のデパートに集まってくる、というか無断で侵入している人々や、デパートの警備員、さらにはこのデパートの社員や社長など、多くの人物の視点でもって語られていきます。

 その視点の切り替わりというのが結構激しくて、最初は話に付いていくのがやっとなのですが、ただそれによって真夜中のデパートにおける慌ただしさや緊迫感がリアルに感じられるし、多くの視点によって物語を眺めることで“真夜中のデパート”という舞台がより象徴的なものに見えてきましたからね。

 そしてそんな舞台で繰り広げられるドタバタ劇というのが、各人の思惑が入り乱れてハチャメチャなのですが、それでも自分に課せられた使命感とそれを実行する行動力が漲っているので、デパートを舞台にしているというのにNo.23「ホワイトアウト」No.69「奪取」と同じような魅力が感じられたのには驚きました。

 まあ、無関係かに見えたいくつもの糸が、話が進むにつれて見事なまでに絡まり合ってくるので、そういったご都合主義的な作品がダメな方にはあまり評価が高くないかも知れません。

 ただ、あくまでエンターテイメントに徹したフィクション作品ですし、楽しいだけでなくデパートに対する熱い想いに涙してしまうような場面もあるので、子供の頃にデパートに連れて行ってもらった時のワクワクした気持ちを思い出しつつ、この一夜の夢のような物語を楽しんでみてはいかがでしょうか。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★
   熱アクション度 : ★★★★     主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “真保裕一” 関連記事 】

  > No.944 「脇坂副署長の長い一日」

  > No.552 「猫背の虎 動乱始末」
  > No.385 「ブルー・ゴールド」
  > No.248 「デパートへ行こう!」
  > No.069 「奪取」
  > No.023 「ホワイトアウト」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「無理」 奥田英朗

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月13日 (金)

『殺人者』 深谷忠記 > 「このミス」完全読破 No.247

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.247

 『殺人者』 深谷忠記

   「このミス」2010年版 : 83位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.10.27 ~ 読終:2009.10.28

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年8月>

殺人者(ソウル・マダー) (【徳間文庫】)殺人者(ソウル・マダー) (【徳間文庫】)
深谷忠記

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 児童虐待をテーマにした、社会派ミステリ作品です。

 となると、テーマがテーマだけに重く痛々しい話が続きそうにも思いますが、ただこういったテーマが掲げられているもののあくまでエンターテイメントに徹して描かれているので、全く気負う必要なく楽しむことができると思います。

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 主な舞台は、児童虐待を受けている子供なども保護している児童養護施設で、その関係者が殺害される事件が起こります。

 しかも、その殺害現場には、“殺人者には死を!”というメッセージが残されていたのです。

 そして、その後も関連した事件が次々に起きていき.....、といった感じで、全体的な構成としてはオーソドックスな事件捜査サスペンス&ミステリーですね。

 ところが、真相がだんだんと明らかになってくるにつれ、この作品のテーマが痛いほどに伝わってくるのですが、この“捜査ミステリ”と“児童虐待というテーマ”との絡み具合が絶妙で、しかも驚きな展開が待ち受けていたりもするので、ストーリーを楽しみながらもこのテーマについて考えさせられる作品でした。

 ちなみに、これを書いている時点(2009年11月)の情報なのですが、Googleで「殺人者 深谷忠記」と検索すると、ネタバレ部分が見事に表示されてしまっているサイトが上位に出てくるので、未読の方はご注意を。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「デパートへ行こう!」 真保裕一

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月11日 (水)

『リバース』 北國浩二 > 「このミス」完全読破 No.246

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.246

 『リバース』 北國浩二

   「このミス」2010年版 : 51位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 9位

   読始:2009.10.27 ~ 読終:2009.10.28

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年6月>

リバース (PHP文芸文庫)リバース (PHP文芸文庫)
北國 浩二

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 プロのバンド・ミュージシャンを目指す主人公が、愛する彼女の危機を知り、なんとか助けようと奮闘する、純愛青春ミステリ作品です。

 ホントはこのくらいの情報のみ仕入れた状態で読んでもらいたいですけどね。

 でもまあ別にネタバレとなるわけではないので、もう少し詳しく説明してみましょう。

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 主人公の行動は確かに純愛ではあるのですが、とても独りよがりで、周りの人たちに迷惑掛けまくりという、かなり行き過ぎた純愛なのです。

 ただ元からこんな人間というわけではなくて、こういった行動をとるに至った原因というか理由がちゃんとあるのです。でも、それがまた普通の人に理解してもらうのが大変難しいような種類のものなので、ますます孤立化・変人化していくのですねェ。

 そんなはた迷惑な行動の中で、意外な真実が次々に判明していくのですが、主人公がこんな状態なこともあって、その真実も本当の真実なのか怪しくなり、一体何が真実なのか、誰を信用していいのか、何もかもが疑わしく思えてしまうのです。

 この“?”が頭の中を回り続けている感じがこの作品の一番の魅力なのではないでしょうか。だけど、帯に乾くるみの絶賛コメントがあるからといって、いわゆる“乾くるみ的”なラストが待ち受けているわけではないので、そういったタイプのものは期待せずに読んだ方が良いでしょう。

 それに、この主人公のストーカーまがいの行動に本気で嫌悪感を抱いてしまうと、この作品自体も嫌いになってしまいそうなので、そこら辺はそんなに本気にならずに楽しみつつ読んでほしいですね。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★        鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★★    人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★     気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「殺人者」 深谷忠記

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月10日 (火)

『智天使の不思議』 二階堂黎人 > 「このミス」完全読破 No.245

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.245

 『智天使(ケルビム)の不思議』 二階堂黎人

   「このミス」2010年版 : 83位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 24位

   読始:2009.10.27 ~ 読終:2009.10.27

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年6月>

智天使の不思議 (光文社文庫)智天使の不思議 (光文社文庫)
二階堂 黎人

光文社 2012-03-13
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 作者の代名詞的な“二階堂蘭子シリーズ”と並ぶ人気シリーズである“水乃サトルシリーズ”の一作ですが、その“大学生編”としては「奇跡島の不思議」「宇宙神の不思議」「稀覯人の不思議」に続く4作目となります。

 シリーズ物とはいえ、事件自体は独立したものなので、シリーズ前作を読んでいなくても問題なく楽しむことができるのではないでしょうか。

 自分はこのシリーズどころか二階堂作品自体も初めてだったのですが、この表紙にこのタイトルなので(後日追記:ハードカバー版のことです)、読む前はダークファンタジー・ミステリーなのかな~と思っていました。

 ただ読んでみたら、化け物も悪魔も出てこない、現実的な作品世界でしたね。ただ、戦後すぐに起きた殺人事件の謎を数十年後の現代にて解く、といった形式からか、異なる世界観の雰囲気が出ていましたけど。

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 この作品は、物語の冒頭に犯人とその犯行が書かれ、それを探偵役がどう解いていくのかを楽しむ、倒叙形式のミステリーです。

 なので、真相がわかった上で読んでいくことになるのですが、そのうちの一部分が隠されていたことが明らかになり、それゆえに本当の真相がわからなくなってくるので、ただの倒叙ミステリではない捻りの効いた作品でしたね。

 そしてやはり二階堂黎人といえば、No.45「容疑者Xの献身」東野圭吾を巡る“本格論争”において否定派の急先鋒だったわけですが、実はこの作品、その「容疑者Xの献身」をかなり意識した作品でもあるのです。

 なので、両者を比較しつつ読むのも面白そうですが、ただそれによって読む前の時点からある程度の偏見を持ってしまうよりは、まっさらな心持ちで読んだ方が楽しめるのではないかとも思いますけどね。

 ちなみに、「東京ブギウギ」(笠置シヅ子)を一度も聴いたことがないというような方は、本作を読む前にまずこの歌を聴いておいた方が良いですよ。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「リバース」 北國浩二

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月 9日 (月)

週刊少年ジャンプ新連載! 「ねこわっぱ!」 松本直也

ねこわっぱ!  1 (ジャンプコミックス)ねこわっぱ! 1 (ジャンプコミックス)

集英社 2010-03-04
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 2009年11月に投入された新連載第1弾が、50号から始まった「ねこわっぱ!」です。

 作者の松本直也(まつもと・なおや)は、2005年に「ネコロマンサー」で“ジャンプ十二傑新人漫画賞”の十二傑賞を受賞し、同作品にて赤マルジャンプ2006WINTERでデビュー。

 その後は、赤マルジャンプ2006SUMMERに「ROOM STRANGER」が、赤マルジャンプ2007SPRINGに「魔女になった少年」が掲載されました。

 そして、今年の春に行われた“JG1読切祭”のトップバッターとして「ねこわっぱ!」が掲載されて本誌デビューを飾り(「週刊少年ジャンプ読切! 「ねこわっぱ!」 松本直也」参照)、その同名リニューアル版で今回初の連載となりました。


 内容の方ですが、猫の神さまに育てられた人間の女の子・タマが、自らも立派な神さまになるため、たくさんの人たちの願いを叶えようと超人的な身体能力で暴れまわる、ドタバタコメディです。

 この主人公・タマや、育ての親である猫の神さま一家(父・母・じじ)などの主要キャラクターは、その容姿も性格も読切版と全く一緒でした。

 ただ、“立派な神さまになる”という主人公の目的や、猫以外の神さまの存在など、今後に広げることのできる連載ならではの設定が組み込まれていましたね。

 あと読切版との比較では、読切版ではタマと共に猫神一家も一緒に行動していて、特に父がコミカルに大活躍していたこともあり、ホントにドタバタコメディといった感じでした。

 それに対してこの連載第1話では、猫神一家の出番が読切版よりもかなり少なくて、タマの活躍を中心に描かれていたので、ドタバタコメディというよりもアクションコメディ的な雰囲気になっていたのではないでしょうか。

 そのため、タマのキャラクターに対して常に焦点が当てられていたこともあって、読切版以上に「Dr.スランプ」のアラレちゃんのキャラに似ていたような気もしましたかね。読んでいる途中から自然とアニメ版アラレちゃんの声(初期の方)に脳内変換していましたし。

 とはいえ、こういった“ほのぼの系”コメディ作品はジャンプではかなりの久々となりますし、「賢い犬リリエンタール」のリリエンタールと共にマスコット的なキャラクターとしての活躍も期待されるので、第2話以降も注目ですね。


  

  投票受付期間:2009.11.9~11.23

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 【「松本直也」関連記事】

  > 「ポチ・クロ」(ジャンプNEXT! 2013 AUTUMN) (13.9.16)

  > 「四海演武」(ジャンプNEXT! 2012SPRING) (12.4.28)

  > 「ねこわっぱ!」 松本直也 > 週刊少年ジャンプ読切! (09.6.1)
  > 「ねこわっぱ!」 松本直也 > 週刊少年ジャンプ新連載! (09.11.9)
  > 「ねこわっぱ!」 松本直也 <JC1巻買い> (10.3.5)


 【「2009年の新連載」関連記事】

  > 「新世紀アイドル伝説 彼方セブンチェンジ」 麻生周一 (09.11.16)
  > 「ねこわっぱ!」 松本直也 (09.11.9)

  > 「賢い犬リリエンタール」 葦原大介 (09.9.14)
  > 「保健室の死神」 藍本松 (09.9.7)

  > 「わっしょい!わじマニア」 わじまさとし (09.7.18)
  > 「鍵人-カギジン-」 田中靖規 (09.7.14)
  > 「あねどきっ」 河下水希 (09.7.6)

  > 「AKABOSHI -異聞水滸伝-」 天野洋一 (09.5.18)
  > 「めだかボックス」 西尾維新 暁月あきら (09.5.11)

  > 「フープメン」 川口幸範 (09.3.3)
  > 「べるぜバブ」 田村隆平 (09.2.23)

  > 「ぼっけさん」 西義之 (08.12.16)
  > 「黒子のバスケ」 藤巻忠俊 (08.12.9)
  > 「マイスター」 加地君也 (08.12.2)

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  >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2009年11月 8日 (日)

「このミス2011年版」月別ランクイン候補作品(2009年11月)

 昨年(2010年版)から始めたこの“月別ランクイン候補作品”ですが、「このミステリーがすごい!2011年版」対象作品についても引き続き実施していこうと思います。

 この“月別ランクイン候補作品”とは、自分は日頃から“どんな作品が「このミス」にランクインしそうかな?”と色々とチェックしているので、どうせならそれを発売された月別にまとめてしまおう!ということで始めた企画です。

 ここでは、とりあえず「このミス」の対象になりそうな作品をピックアップして、“作者の過去実績”や“なんとなくの前評判”を元に、推測されるランクインの可能性ごとに3段階に分けて並べています。

 ちなみに、これを書いている時点では作品をまだ読んでいない状況になると思うので、この3段階の分類は、作品を読んだ上で決めたものではありませんので、その点ご了承ください。

 なお、読んだ上でのランクイン予想に関しましては、「このミス2011年版」上半期のランクイン作品予想の方をご覧ください。

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 >> 2009年11月発売の最有力候補っぽい作品 <<


 【 SOSの猿 / 伊坂幸太郎 】

SOSの猿SOSの猿

中央公論新社 2009-11-26
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  > ひきこもりの青年の「悪魔祓い」を依頼された男と、
  > 一瞬にして300億円を損失した
  > 株誤発注事故の原因を調査する男。
  > そして、斉天大聖・孫悟空ーー。
  > 物語は、彼らがつくる。
  > 伊坂幸太郎最新長編小説。


 No.125「ゴールデンスランバー」で「このミス」2009年版の1位に輝いた伊坂幸太郎の新作です。

 まずはその内容が「このミス」的であるのかどうかが重要になってくるわけですが、もし「このミス」的であるならば、いきなりの有力候補となる可能性は高いのではないでしょうかね。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
              >> No.289 『SOSの猿』 伊坂幸太郎


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「ラッシュライフ」  2003年版 11位
   > 「陽気なギャングが地球を回す」  2004年版 6位
   > 「重力ピエロ」  2004年版 3位
   > 「アヒルと鴨のコインロッカー」  2005年版 2位
   > 「チルドレン」  2005年版 16位
   > 「グラスホッパー」  2005年版 18位
   > 「死神の精度」  2006年版 12位
   > 「ゴールデンスランバー」  2009年版 1位

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 【 球体の蛇 / 道尾秀介 】

球体の蛇球体の蛇

角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-11-19
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  > あの頃、幼なじみの死の秘密を抱えた17歳の私は、
  > ある女性に夢中だった・・・・・・。
  > 狡い噓、幼い偽善、
  > 決して取り返すことのできないあやまち。
  > 矛盾と葛藤を抱えて生きる人間の悔恨と痛みを描く、
  > 人生の真実の物語。


 「このミス」の常連である道尾秀介の新作が、早くも登場。

 作者本人は、この作品は“ミステリーではない”と断言しているので、そうなると今回は「このミス」とは関係ないタイプの作品になりそうなのですが、ただこの作品を読んだ評論家は“ミステリーだ”と言っているそうなので、やはりチェックは必須のようです。


 [ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
              >> No.294 『球体の蛇』 道尾秀介


 【 「このミス」20位以内ランクイン実績 】
   * タイトル部分のリンク先は、当ブログの感想ページです

   > 「向日葵の咲かない夏」  2007年版 17位
   > 「シャドウ」  2007年版 3位
   > 「片眼の猿」  2008年版 19位
   > 「ラットマン」  2009年版 10位
   > 「カラスの親指」  2009年版 6位
   > 「鬼の跫音」  2010年版 15位
   > 「龍神の雨」  2010年版 9位

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 >> 2009年11月発売の有力候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   丸太町ルヴォワール / 円居挽  <感想記事はこちら>
   武家屋敷の殺人 / 小島正樹  <感想記事はこちら>

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 >> 2009年11月発売の候補っぽい作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」20位以内ランクイン作品数


   敗者復活 / 藤田宜永 (5作)  <感想記事はこちら>
   扉 守 / 光原百合 (3作)
   ビッチマグネット / 舞城王太郎 (2作)  <感想記事はこちら>
   静人日記 / 天童荒太 (2作)
   旧友は春に帰る / 東直己 (2作)  <感想記事はこちら>
   天地明察 / 冲方丁 (2作)  <感想記事はこちら>
   未踏峰 / 笹本稜平 (1作)  <感想記事はこちら>
   いつか響く足音 / 柴田よしき (1作)
   影 姫 / 飯野文彦 (1作)
   タイムスリップ忠臣蔵 / 鯨統一郎 (1作)
   山内一豊の妻の推理帖 / 鯨統一郎 (1作)
   堕ちてゆく / 岩井志麻子 (1作)
   レクイエム 私立探偵・桐山真紀子 / 二階堂黎人・千澤のり子
   空色メモリ / 越谷オサム  <感想記事はこちら>
   増大派に告ぐ / 小田雅久仁  <感想記事はこちら>
   罪と罰の果てに / 永瀬隼介  <感想記事はこちら>
   田舎の刑事の闘病記 / 滝田務雄
   狸汁 銀次と町子の人情艶話 / 柴田哲孝
   1gの巨人 / 大山尚利
   ひまわり事件 / 荻原浩
   赤の女王の名の下に THANATOS / 汀こるもの
   夢魘祓い ―錆域の少女 / 牧野修
   テロルの地平 / 鳴海章
   姫の竹、月の草―吉井堂謎解き暦 / 浮穴みみ
   遥かなる水の音 / 村山由佳
   インビジブルレイン / 誉田哲也
   輪廻転殺 記憶のゆくえ / 聖神吾
   隠密捜査官 / 冬野秀俊
   名無しの十字架 / 郷一郎
   カトレア「青い鳥」のゆくえ / 岡田弘
   犬はいつも足元にいて / 大森兄弟
   カメラ / 松元千春

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  「このミス2010年版」月別ランクイン候補作品(2009年10月) <<<

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 「月別ランクイン候補作品」の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。

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2009年11月 7日 (土)

『身代わり』 西澤保彦 > 「このミス」完全読破 No.244

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.244

 『身代わり』 西澤保彦

   「このミス」2010年版 : 26位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 2位

   読始:2009.10.26 ~ 読終:2009.10.26

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2012年9月>

身代わり (幻冬舎文庫)身代わり (幻冬舎文庫)
西澤 保彦

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 “匠千暁シリーズ(タック&タカチシリーズ)”の長編6作目で、短編も合わせれば9作目の作品となります。

 そしてこの作品は、長編5作目の「依存」(「このミス」2001年版 8位)の後日談的な内容なので、あらかじめ「依存」を読んでおいた方が良いでしょう。

 あと作者があとがきに書いているのですが、「麦酒の家の冒険」(長編2作目)と「仔羊たちの聖夜」(長編3作目)も出来れば読んでおいた方が良いそうです。

 ちなみに、自分はそのことを知っていながらも、それらの作品を読まずにいきなり本作を手にしてみたのですが、一応事件としては独立したものだったので、事件を中心とした読み方としてならば問題なく楽しむことができました。

 ただやっぱり、このシリーズのレギュラーメンバーたちにも目を向けるのならば、前作「依存」から来る影響というのはかなりの大きさなので、まずは「依存」から読むべきでしょうね。

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 内容の方ですが、主人公の身近に起こった事件を調べていくうちに、全く関係ないかに見えたある殺人事件と結び付いていく、といった感じです。

 そしてその全ての真相が明らかにされると、このタイトルが意味するものがいくつも浮き上がってくるので、この事件全体の構図には芸術的な感覚にもなりましたね。

 ただやっぱり、この作品の一番の魅力というのは、お酒を飲みながら事件の謎について時にグダグダ時に鋭く推理し合う場面でしょう。

 まあ、これだけ続いている人気シリーズなので、主要キャラクターたちとそのやり取りに魅力があるというのは当然なのですが、でも実際に体感してみると、納得するしかないくらいの面白さでしたからね。

 なので、事件を中心とした外枠のみを楽しむだけなのはもったいないと思うので、過去のシリーズ作品を事前に読んでおくべきでしょうねェ。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “西澤保彦” 関連記事 】

  > No.950 「悪魔を憐れむ」
  > No.244 「身代わり」


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『ダブル・ジョーカー』 柳広司 > 「このミス」完全読破 No.243

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.243

 『ダブル・ジョーカー』 柳広司

   「このミス」2010年版 : 2位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 2位
               「ミステリが読みたい!」 2位
               「本格ミステリ・ベスト10」 7位
               「キノベス」 17位

   読始:2009.10.24 ~ 読終:2009.10.25

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年8月>

ダブル・ジョーカー (角川文庫)ダブル・ジョーカー (角川文庫)
柳 広司

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 昨年(2009年版)の「このミス」で2位に入るほどの高評価だったNo.162「ジョーカー・ゲーム」の待望の続編が、前作から1年足らずという短い期間での登場となりました。

 今作も前作と同様に短編集となっているので、前作を読んでいなくても楽しむことができると思いますが、ただ、話の中心となるD機関の設立過程やその本質、そしてそれを率いる結城中佐について、あらかじめ知っていた方がより楽しめるのは間違いないでしょう。

 それに、最初に収録されている表題作が、D機関のライバルが登場する話となっているのですが、これはD機関自体を知っていなければ、両者のライバル関係の面白さなどわからないだろうから、やはり前作から順に読んでいくことをお勧めします。

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 というわけで、今回も玄人好みながらも読みやすく切れ味鋭いスパイ小説が収録されているのですが、インターバルを開けたわけでもないのに前作の高いレベルを保っているのはさすがです。

 それに本作には、謎のベールに包まれた結城中佐の過去について触れられた話もあったりするので、(自分も含めた)このシリーズのファンにとっては堪らない演出ですよねェ。

 そして、それぞれは独立した話であるものの、全体を貫く時間の流れもあって、ラストでは大きなターニングポイントにたどり着くので、次作があるなら一体どのような展開になっていくのか注目だし、すごく楽しみですね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★          人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★        気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “柳広司” 関連記事 】

  > No.806 「ラスト・ワルツ」
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  > No.679 「楽園の蝶」
  > No.532 「パラダイス・ロスト」
  > No.520 「怪談」

  > No.463 「ロマンス」
  > No.339 「キング&クイーン」
  > No.243 「ダブル・ジョーカー」
  > No.172 「虎と月」
  > No.162 「ジョーカー・ゲーム」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「身代わり」 西澤保彦

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2009年11月 6日 (金)

『少女たちの羅針盤』 水生大海 > 「このミス」完全読破 No.242

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.242

 『少女たちの羅針盤』 水生大海

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) : 「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞(優秀作)」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 24位

   読始:2009.10.22 ~ 読終:2009.10.22

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年7月>

少女たちの羅針盤 (光文社文庫)少女たちの羅針盤 (光文社文庫)
水生 大海

光文社 2012-09-12
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 「第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の優秀賞を受賞した作品です。

 ちなみに、この時に大賞(的なもの)を受賞したのがNo.179「玻璃の家」松本寛大だったのですが、その「玻璃の家」が海外を舞台にした硬派な本格ミステリ作品だったのとは対称的に、本作は女子高生たちが主人公の青春ミステリ作品となっています。

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 冒頭で、あるアイドル女優が、かつて知る人ぞ知る伝説的な人気を誇った女子高生自主制作劇団のメンバーだったことがわかるのですが、実はその今は無き劇団内で、人知れず殺人事件が起こっていたのです。

 その犯人というのがこのアイドル女優だということも冒頭から提示されているのですが、一体この犯人というのは劇団内の誰なのか?そして殺されたのは?どのような流れ(理由)でそんな事態になっちゃったの?といった謎が、アイドル女優が真相を知っているのであろう何者かにおびえる現在の話と、女子高生自主制作劇団の活動を追う過去の話によって、次第に真相へと導かれていきます。

 こういった、最初に謎がわかりやすい形で提示され、その謎の真相が披露されるのを今か今かと待ち焦がれながら読んでいく、といった構成からして、もう面白くならないわけがないって感じですね。

 しかもその焦らしっぷりが心憎いほどで、現在の話でこれでもかと謎について煽ってくるのに、それに直接的に関わってくるのであろう過去の話では、謎の存在などないかのように、それでいて密かに匂わすように話が進んでいくのですから。

 まあ、話の中心となるのは女子高生たちの青春物語でして、そういったミステリとは離れた部分を楽しむことができるかどうかでこの作品に対する評価も変わってくるのではないかと思うのですが、ただそんな青春物語を楽しめるならば、本格ミステリ作品としてもかなり楽しむことができるのではないでしょうか。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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2009年11月 5日 (木)

『プリズン・トリック』 遠藤武文 > 「このミス」完全読破 No.241

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.241

 『プリズン・トリック』 遠藤武文

   「このミス」2010年版 : 121位

   受賞(候補) : 「江戸川乱歩賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.10.21 ~ 読終:2009.10.21

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年8月>

プリズン・トリック (講談社文庫)プリズン・トリック (講談社文庫)
遠藤 武文

講談社 2012-01-17
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 この作品は、2009年の江戸川乱歩賞受賞作(受賞時のタイトルは「三十九条の過失」)で、もちろん作者のデビュー作でもあります。

 アメリカの人気ドラマ『プリズン・ブレイク』を思わせるようなタイトルですが、後半部分が“トリック”となっていることが示すように、刑務所からの脱獄は脱獄でも、密室殺人を伴った脱獄劇を起点として物語は進んでいくのです。

 なので、こんなタイトルでも別に全編に渡って牢獄が舞台となっているわけではないのですが、ただ冒頭における刑務所での描写というのがなかなか興味深くて、それを経た上での密室殺人への繋がり、そしてその直後の騒動など、なかなかシビれるものがありました。

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 そしてその後は、この事件に関わる多くの人物の視点によって事件の核心部分へと導かれていく、サスペンス的な展開となっていきます。

 そんな展開の中で、冒頭の密室殺人に端を発した本格ミステリ的な謎が心憎いばかりに注入されていくので、先が凄い気になってしまって、予定外に一気に読み終えてしまったほどでしたからね。

 ただこの作品、読んだ人の酷評がかなり目立つ作品でもあるのです。

 自分はそれを事前に知っていまして、それで実際に読んでみたらその理由がとてもよく理解できたのですが、ただこれがデビュー作であること、しかも初投稿作品であり長編小説処女作であったことを考えれば、マイナス面よりも魅力的だった部分を評価したいし、今後書き慣れていくことによる成長具合にも期待したくなりましたね。

 そんなわけで、帯の煽りなどを見るとかなり完成された大傑作のように期待させられてしまうと思うので、そんな高い期待など持たず、あくまで新人によるデビュー作だとの認識の上で読んでみれば、充分に楽しむことができるのではないでしょうか。


  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★      主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月 3日 (火)

『粘膜蜥蜴』 飴村行 > 「このミス」完全読破 No.240

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.240

 『粘膜蜥蜴』 飴村行

   「このミス」2010年版 : 6位

   受賞(候補) : 「日本推理作家協会賞」受賞
            (「世界バカミス☆アワード」最終候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 7位
               「ミステリが読みたい!」 9位
               「ベストSF2009」 13位

   読始:2009.10.20 ~ 読終:2009.10.21

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 文庫本 <2009年8月>

粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)粘膜蜥蜴 (角川ホラー文庫)

角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-08-25
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 日本ホラー小説大賞長編賞を「粘膜人間」(受賞時のタイトルは「粘膜人間の見る夢」)で受賞した飴村行の、デビュー2作目です。

 一応タイトルが似通っているので、シリーズ物になるのかもしれませんが、作品の時代設定は共通しているものの、ストーリーが繋がっていたり登場人物が一緒だったりということはないので、この作品から読んでも全く問題はないでしょう。

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 時代は太平洋戦争前の軍国主義の日本なのですが、のっけから、権力と財力をまとう傍若無人な小学生がいたり、死体が眠る病院の地下施設が出てきたり、爬虫類人間が普通に人間世界に溶け込んでいたりと、かなりの怪しさです。

 ところが話が進むにつれて、残虐非道でエログロ満載で暴力全開でと、怪しいどころの話ではない方向にぶっ飛んでいくので、驚くと同時に、自分がどんな世界に連れていかれてしまうのかとドキドキ状態でした。

 ただし、そういったグロい系のホラー的要素で覆われながらも、その中では驚くほどエンターテイメント性に溢れる話が展開しているので、読んでてイヤ~な気持ちにもなるものの、どこか爽快感というか、ワクワク感なんかがあったりもするのですよね。

 それに、小説を読んでいて本気で笑えたのは初めてなんじゃないか、っていうぐらいに笑える場面もあったし、ミステリ的な驚きなどもあったりで、まあもうちょっとブチ切れるくらいに狂いまくってくれた方が大傑作になっていたとは思うものの、凄く面白くて一気読みしてしまいました。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★★★★
   熱アクション度 : ★★★★★    主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★    感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★★    気軽に読める度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “飴村行”関連記事 】

   > No.525 「粘膜戦士」
   > No.452 「爛れた闇の帝国」
   > No.332 「粘膜兄弟」
   > No.240 「粘膜蜥蜴」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「プリズン・トリック」 遠藤武文

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

『福家警部補の再訪』 大倉崇裕 > 「このミス」完全読破 No.239

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.239

 『福家警部補の再訪』 大倉崇裕

   「このミス」2010年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 10位
               「本格ミステリ・ベスト10」 15位

   読始:2009.10.18 ~ 読終:2009.10.19

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年5月>

福家警部補の再訪 (創元推理文庫)福家警部補の再訪 (創元推理文庫)
大倉 崇裕

東京創元社 2013-07-20
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 「福家警部補の挨拶」に続く、シリーズ2作目の短編集です。

 このシリーズの特徴としましては、倒叙形式のミステリである、ということですね。

 この“倒叙ミステリ”とは、まず頭に犯人による犯行過程が描かれ、それを探偵役がどのように犯行を見抜いて犯人を追いつめていくのかを楽しむような作品のことで、有名な例では、どちらもテレビドラマではありますが「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」などがあります。

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 というわけで、本作はそういった倒叙ミステリなのですが、そのミステリ部分に関しては、とても硬派といいますか、きっちりとした本格ミステリとなっていました。

 しかしその分、主人公である福家警部補のキャラクターというのが個性的でとても面白く魅力的なこともあり、本格的な本格ミステリを読んでいるのに軟らかで楽しい印象となっているので、この両者のバランスがとても秀逸でしたね。

 そんな、主人公のキャラがとても立っていて、本格ミステリ部分もしっかりしている、といったところからも、「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」のような王道的な作風だったように思います。

 ちなみに、自分はシリーズ前作を読まずに本作を手にしたのですが、やはり“福家警部補”という名前からして、コロンボや古畑のようなオジサン刑事をイメージしていたのですが、読んでみたら全く正反対ともいうべきキャラクターだったので、主人公が最初に出てくる場面ではかなり驚いてしまいました。

 そして、倒叙物だと、どうしても犯人を応援する気持ちになって、それを追いつめる主人公を悪役のように思ってしまうのですが、本作の場合は主人公のキャラがキャラだったので、そういった感じにはなりませんでしたね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★    鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★          人間味ドラマ度 : ★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “大倉崇裕” 関連記事 】

  > No.683 「福家警部補の報告」
  > No.429 「白虹」
  > No.239 「福家警部補の再訪」
  > No.111 「聖域」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「粘膜蜥蜴」 飴村行

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月 2日 (月)

『太陽を曳く馬』 髙村薫 > 「このミス」完全読破 No.238

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.238

 『太陽を曳く馬』 髙村薫

   「このミス」2010年版 : 51位

   受賞(候補) : 「読売文学賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.10.14 ~ 読終:2009.10.16

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本(上・下) <2009年7月>

太陽を曳く馬〈上〉太陽を曳く馬〈上〉

新潮社 2009-07
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 「晴子情歌」「新リア王」に続く、“福澤彰之シリーズ”の3作目です。

 さらには、No.8「マークスの山」「照柿」「レディ・ジョーカー」に続く、“合田雄一郎シリーズ”の4作目でもあります。

 つまり、2つの人気シリーズが合わさった豪華な作品というわけなのです。

 自分は、この中では「マークスの山」しか読んでいなかったので、その他の作品を読んだ上で本作を手にしたかったのですが、読みたい「このミス」2010年版対象作品がたまりまくっていたことや、「晴子情歌」も「新リア王」も「レディ・ジョーカー」もいずれも分厚い2巻組(「照柿」は分厚い1巻組)だったこともあり、無茶は承知でいきなり本作を読んでしまいました。

 そうしたら、一応合田刑事が中心となっていることもあって、思ったよりすんなりと話に入っていけたのですが、ただやっぱり福澤彰之側のバックグラウンドが掴めなくて深くまでは入っていけなかったので、やはり「晴子情歌」「新リア王」を読んでから本作を手にした方が良さそうです。

 あと、合田刑事のことも全く知らずに読むとなると、これはもうさすがに入口で呆けてしまうのではないかと思うので、せめて「マークスの山」だけでも読んでおくべきでしょうね。

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 そして内容の方なのですが、合田刑事が関わった過去の事件、そして現在捜査中の事件を中心に話が進んでいきます。

 しかし、そういった事件の捜査場面以上に、芸術論や宗教論がこれでもかと語られるのです。

 一応密室的な謎なんかもあったりするのですが、小説を読んでいるというよりは、芸術や宗教の専門書を読んでいるような感覚に陥ってしまうほどでしたからね。

 ただ、その語られる内容というのは、とても小難しいのだけれど、まあとにかく読んでいて圧倒されるほどのスケールというかパワーがあるので、理解するのが大変なんだけれどそれが苦痛というわけではありませんでした。

 そして、ここに至るまでの福澤彰之の生き様というのが凄く気になったので、「晴子情歌」「新リア王」を読み、そして再び本作を手にしてみたいですね。


  > 個人的評価 : ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★          人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “髙村薫” 関連記事 】

  > No.613 「冷血」
  > No.238 「太陽を曳く馬」
  > No.008 「マークスの山」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「福家警部補の再訪」 大倉崇裕

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2009年11月 1日 (日)

『乱反射』 貫井徳郎 > 「このミス」完全読破 No.237

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.237

 『乱反射』 貫井徳郎

   「このミス」2010年版 : 121位

   受賞(候補) : 「日本推理作家協会賞」受賞
            (「直木三十五賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2009.10.13 ~ 読終:2009.10.13

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年2月>

乱反射 (朝日文庫)乱反射 (朝日文庫)
貫井徳郎

朝日新聞出版 2011-11-04
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 この作品は、とても多くの人物の目線で語られていきます。

 ただ、それらの人物は、近い場所に生活しているという共通点はあるものの、お互いの存在を全く知らない赤の他人なのです。

 なので、語られる話というのもそれぞれ個人的なもので、関連性などないように思えるのですが、各章の頭で行われるカウントダウンが進んでいくごとに、奇跡的に思うほどに偶然が重なって、ある一点へと導かれていくのです......。

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 カウントがゼロになる地点では、作品の冒頭で触れられる事件というか事故が起こるのですが、何気ない事故のように思えたものが、それが起こるまでに至る経緯を知ることにより、ゾクッとするほどの圧倒感が押し寄せてくるのですねェ。

 まあ、事故が起きた時点から話を進めて、段々とその全貌が表れてくる、といった構成の方がミステリ小説的な感じになったと思うのですが、その前の状況を綿密に描くことによって、人間ドラマとしてはかなり深く壮絶になり、この作品のテーマが明確に提示されたのではないでしょうか。

 あとこの作品を読んでいて最も怖いことは、作中における加害者に、誰もが簡単になれてしまうということでしょう。

 “ホントに悪いヤツだな~”なんて読みながら思っていても、見る人からしたら自分も同じようなことを、これからではなく今すでにやっている可能性もあるわけですからね。無自覚であるゆえに、気づいた時の罪悪感や羞恥心は、とんでもない恐怖へと繋がりそうです。

 というわけで、普段の生活において誰にでも当てはまる社会問題について、かなりリアルに深く考えさせられる作品なのですが、それでいてエンターテイメント作品としての完成度もかなりのものとなっているので、ぜひとも多くの人に読んでほしいですね。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★         鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★        人間味ドラマ度 : ★★★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★

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『新参者』 東野圭吾 > 「このミス」完全読破 No.236

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.236

 『新参者』 東野圭吾

   「このミス」2010年版 : 1位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 1位
              「本格ミステリ・ベスト10」 5位
              「ミステリが読みたい!」 5位
              「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
                 (文庫ランキング) 7位
              「本屋大賞」 9位

   読始:2009.10.3 ~ 読終:2009.10.12

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2009年9月>

新参者 (講談社文庫)新参者 (講談社文庫)
東野 圭吾

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売り上げランキング : 218

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 人気の“加賀恭一郎シリーズ”の8作目にして、シリーズ初の連作集です。

 まあシリーズ物といっても、今回の作品は全くの独立した作品として読むことが普通に可能だし、これまでの作品を読んでいなくても問題なく楽しむことができるのではないでしょうか。

 今回の舞台は日本橋の人形町で、この江戸の香りを残した老舗の店が連なる町に着任したばかりの刑事・加賀恭一郎が、そこで起こったある殺人事件の捜査を行っていきます。

 その過程で、事件と関わりのあった人や物事を調査するために老舗の店を訪れていきまして、そこでのやり取りがそれぞれの短編となっているのです。

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 その調査、というか捜査は、事件と直接関係するというよりは、間接的な関わりといった感じなのですが、この間接具合というのがこれまた絶妙で、まあここでは詳しく書きませんが、こういった捜査物の定番に面白く捻りが加えられていましたね。

 そんな捜査における加賀恭一郎の鋭い推理によって導き出される真相というのが、これがもう人情味あふれる微笑ましい感動を呼ぶのです。

 まあ涙腺の緩み具合というのは人によって違うと思いますが、自分がこういった話にはすごい弱いので、各話を読み終えるごとに涙をこらえるのに必死になってしまいました.....。

 そして本作に収録されている作品というのは、元々は普通の短編として連載されていたそうです。それが、こうして1冊の本になってみると、長編作品として完成されたものになっているのですからね。

 それに、日常の謎的なミステリと殺人事件の捜査としてのミステリを同時に楽しむことができるなどのミステリ的な構成も面白いし、それがまた人情話にも上手い具合に絡んでくるので、ちょっと変わっているけれどとても心温まるミステリ作品でした。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★★☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★     鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★       おどろおどろ度 : ★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★       人間味ドラマ度 : ★★★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      気軽に読める度 : ★★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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