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2008年3月 3日 (月)

『イニシエーション・ラブ』 乾くるみ > 「このミス」完全読破 No.68

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.68

 『イニシエーション・ラブ』 乾くるみ

   「このミス」2005年版 : 12位

   受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)

   総合ランキング : 「本格ミステリ・ベスト・オブ・ベスト10(1997-2016)」 13位
              「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 74位

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 6位

   読始:2008.2.6 ~ 読終:2008.2.6

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2004年3月>

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乾 くるみ

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 この作品は、なるべく事前に情報を仕入れることなく読むべき本です。文庫版の帯や、裏表紙の作品説明でさえも読まない方がよいでしょう。

 なので、この作品を未読な方は、ネットで情報を仕入れようとするくらいに興味があるならば、まずは実際に読んでみることをお薦めしますね。

 ただ一応ここでは、“未読の方向け”と“すでに読んだ方向け”の両方の感想を書いてみたいと思います。


 【未読の方向けの感想】


 タイトルから推察できるように、ラブストーリーです。

 しかも、女性とあまり縁のなかった大学生が、代理出席となった合コンである女性に恋に落ちるという、なんとも微笑ましい内容です。結局付き合うことになるその彼女の方もウブな人なので、その恋愛はとっても初々しくて、読んでるこっちも照れくさいやら懐かしさを感じるやらで、なんかいいですね。

 そんな2人が愛を深めていく中、主人公の就職を期に状況が変わっていき、心も体もすれ違いが生じてきて.....、といった感じで、展開はとってもありがちなもの。驚くべき出来事も起きないし、特別な状況にも陥らないし、2人のキャラもいたって普通。

 ただそこがいいんですよね。何気ない出来事の連続ながら、初々しい2人にいつしか同調してしまい、この2人を暖かく見守っているようになって、次々とページをめくってしまうのです。

 だから後半になってすれ違いの描写が出てくると、ホントに切なくなってしまいますからね.....。


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 【すでに読んだ方向けの感想】


 自分はまあ“最後に驚く”という情報を知ったからこそ読んだのであって、文庫版の帯とか見て“最後の2行で世界が変わる”ということはわかった上で読みました。

 それでやっぱり“最後にこの作品の世界感がどう変容するのか”ってことに常に注意を向けたまま読み進めることになったのですが、でも最後に至るまでの過程も、上に書いたようにかなり楽しめました。


 そして迎えた最後の2行。

 この2行を見た時には、一瞬時間が止まってしまったような感覚になりました。

 ただ、今まで頭に描いてきた情景が全くの見当違いだったことはわかったのですが、だとして実際の情景は一体どんなだったのか?というのが全然わからなくて。読んでたのがハードカバー本だったので、この最後の2行が終わればその後に何も書かれていなくて、真相がわからないままの気持ちの悪い状態になってしまいました。

 なので急いで本屋に行き、文庫版の解説を読みました(立ち読みですみません.....)。

 その解説でも、真相に関してあからさまに説明はしていなかったのですが、作中の時代背景である80年代の用語説明と共にヒントが書いてあったので、それを読んでいって段々と真相がわかってくるにつれ、“うわぁ~こういうことだったのか!?”と本気で驚いてしまいました(一応「読んだ人向け」といえども真相の詳細は書かないでおきます)。

 だたそれでも、No.2「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午No.16「ハサミ男」殊能将之みたいに“世界観の一変を単純に驚ける”作品と比べると一枚落ちるかな、と★4つ評価にするつもりでした。

 だけど、真相を知った上で気になる部分を読み返してみたら、その両者の繋がりがボロボロと出てくるのでさらに驚いてしまいました。何気ないエピソードだと思っていたものが重要な掛け橋となっていたり、かなり意外な形で繋がっていたり.....。

 普通の“世界観が一変”小説というのは、その“世界観が一変”するシーンを頂点に置いて、それまでに伏線を所々に配置するものなのですが、この作品に至っては、全編全てが“伏線”で出来上がっている感じですから。


 それにしても、読んでいる時以上に読み終わった後に次々と衝撃を受けることになるとは、なんとも変わった作品ですね。自分の★評価も、読後の★3つから、真相がわかって★4つ、そしてその伏線の素晴らしさを知って★5つとレベルアップしてゆきましたから。

(後日追記)
 この記事を書いていた時は★5段階評価でしたが、その後に★10段階評価に変更しました。


 そしてこの作品は「必ず二度読みたくなる!」と称されているのですが、正確には「二度読まないと面白さがわからない!」ですよね。二度読むことは前提でしかありません。そして二度読む価値は間違いなくありますし、一度読めば二度目は読まずにいられないでしょう。


 ところで、真相がよくわからなかった人はもちろん、わかったという人でも、その真相について詳し過ぎるほどに詳しく考察されているこちらのブログ(謎解き『イニシエーション・ラブ』)を読んでみてください。“これほどまでに伏線があったとは!!”とかなり驚くことができるはずです。

 なので一番良い読み方は、まず1回目にあまり情報を仕入れずに読んで最後の2行に驚き、なんとなく真相がわかった状態で2回目を読んで伏線探しをし、(謎解き『イニシエーション・ラブ』)を読んで答え合わせをした上で3回目を読む、といった感じですかね。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★★★☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★★    おどろおどろ度 : ★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★★    人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★★   感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      読み終り爽快度 : ★★


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