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2008年3月

2008年3月30日 (日)

『月の扉』 石持浅海 > 「このミス」完全読破 No.70

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.70

 『月の扉』 石持浅海

   「このミス」2004年版 : 8位

   受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 3位

   読始:2008.2.9 ~ 読終:2008.2.12

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本 <2006年4月>

月の扉 (光文社文庫)月の扉 (光文社文庫)
石持 浅海

光文社 2006-04-12
売り上げランキング : 131341

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 「このミス2008年版」の18位にランクインしたNo.89「心臓と左手」を読もうとしたら、この作品は「月の扉」の主人公が再度登場する作品とのことだったので、まずはこの「月の扉」から読んでみました。

 まあこういう時って、シリーズ1作目がランク外か順位が低く、次の続編で順位がぐーんと上がる、というパターンがほとんどだったのですが、今回に限ってはシリーズ1作目の方が順位が高いのですよね。だから“読むよいキッカケになった”ってとこでしょうか。

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  それにしても、石持浅海作品はNo.37「扉は閉ざされたまま」以来2作目なのですが、なんとも不思議な作風ですね。

 どちらの作品も内容は生真面目さが感じられるガチガチの本格ミステリなのですが、その本格としての存在感を柔らかく洗礼されたベールで包み込んでいるようで、なんか独特の不思議な雰囲気が漂っているのです。

 それは、作者本人も意識して書いているそうなんですが、よくある本格小説とは目線をずらしているところから来ているのかもしれません。といっても、主人公の目線をずらすのではなく、作者自身の目線をずらしているって感じですかね。

 「扉は閉ざされたまま」では、普通なら密室の扉が開いた時点から推理が始まるところを、扉が閉ざされたままの状況で推理が行われるし。そして今作は、普通なら敵役・悪役・犯人役を勤めるであろうハイジャック犯が、いつの間にか推理する側に身を置いているし。

 こういった“定石から外れた状況”が作られることで、この作者ならではの雰囲気が作り出されていると思うのですが、今作の場合はそこにさらに幻想的な趣向が施されているので、現実と仮想の間の心地よい浮遊感を味わうこともできるのです。

 ドロドロしたところのない高貴ささえ感じられる文章に、その幻想性が相俟って、評判通りのなんとも美しい作品でした。
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  > 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★★★   鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★      おどろおどろ度 : ★★
   熱アクション度 : ★★★       主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★         人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      読み終り爽快度 : ★★★


  【 “石持浅海” 関連記事 】

  > No.869 「罪人よやすらかに眠れ」
  > No.755 「二歩前を歩く」
  > No.687 「三階に止まる」
  > No.634 「フライ・バイ・ワイヤ」

  > No.558 「トラップ・ハウス」
  > No.544 「玩具店の英雄 座間味くんの推理」
  > No.509 「彼女が追ってくる」
  > No.484 「人面屋敷の惨劇」
  > No.465 「ブック・ジャングル」

  > No.389 「撹乱者」
  > No.383 「見えない復讐」
  > No.350 「この国。」
  > No.297 「リスの窒息」
  > No.293 「君がいなくても平気」

  > No.112 「耳をふさいで夜を走る」
  > No.091 「君の望む死に方」
  > No.089 「心臓と左手 座間味くんの推理」
  > No.070 「月の扉」
  > No.037 「扉は閉ざされたまま」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「煙か土か食い物」 舞城王太郎

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2008年3月28日 (金)

>>MDB的コンピCD-06<< 「桜・さくら・サクラ -1998~2007-」

>> MDB的コンピCD <<


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 「桜・さくら・サクラ」


  01 : / コブクロ  (2005年)

  02 : 桜の時 / aiko  (2000年)

   03 : 桜色舞うころ / 中島美嘉  (2005年)

  04 : さくら / ケツメイシ  (2005年)

  05 : / 河口恭吾  (2003年)

  06 : SAKURAドロップス / 宇多田ヒカル  (2002年)

  07 : 桜 坂 / 福山雅治  (2000年)

  08 : Lovin’Life / FUNKY MONKEY BABYS  (2007年)

  09 : サクラ色 / アンジェラ・アキ  (2007年)

  10 : ソメイヨシノ / ENDLICHERI☆ENDLICHERI  (2006年)

  11 : / 川本真琴  (1998年)

  12 : SAKURA / いきものがかり  (2006年)

  13 : サクラ咲ケ / 嵐  (2005年)

  14 : さくら(独唱) / 森山直太郎  (2003年)

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 ホントは開花宣言の前に書きたかったのですが、油断していたら咲き始めちゃいました。

 まあ“満開”になるのはもうちょっとだけ先になりそうなので、ギリギリセーフってとこでしょうか。


 それで発売年を眺めてみればわかりますが、それまではヒットした「桜ソング」はほとんどなかったのが、2000年に福山雅治「桜坂」が特大ヒットとなった影響から、その後は毎年のように「桜」のヒット曲が生まれ続けているんですねェ。

 そして「桜」といえば“華やか”なイメージがあるものですが、こうして「桜ソング」を並べて聴いてみると、しんみりとした曲が多い、というかほとんどなのが面白いところです。

 これはやはり、“華やかに花開くのは、1年の中でわずかな時間のみ”というところから来てるのかもしれませんね。

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 【「“桜・さくら・サクラ”コンピCD」関連記事】

  > 「桜・さくら・サクラ -2011-」 (11.3.30)
  > 「桜・さくら・サクラ -2010-」 (10.2.19)
  > 「桜・さくら・サクラ -2009-」 (09.2.18)
  > 「桜・さくら・サクラ -1998~2007-」 (08.3.28)

2008年3月26日 (水)

『奪取』 真保裕一 > 「このミス」完全読破 No.69

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.69

 『奪取』 真保裕一

   「このミス」1997年版 : 2位

   受賞(候補) : 「日本推理作家協会賞」受賞
            「山本周五郎賞」受賞

   総合ランキング : 「「このミス」20年のベスト・オブ・ベスト」 25位
              「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 61位

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 4位

   読始:2007.8.25 ~ 読終:2008.2.8

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本(上・下) <1999年5月>

奪取〈上〉 (講談社文庫)奪取〈上〉 (講談社文庫)
真保 裕一

講談社 1999-05
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 “読始~読終”期間を見てもらってわかるように、実に半年かけて読み終えた作品です。といっても半年間ずっと読み続けていたわけではもちろんありません。

 これを読んでいる途中で、図書館で予約していた本が自分の順番になったため、一旦読むのをやめてそっちの本に取り掛かったのですが、なんかこの時期に予約本が自分の番になることが頻繁にあったため、この「奪取」が中途半端な状態で別の本を読み始めることが多かったのです。

 そのうち予約本が自分の番になるまで間隔が開くようになっても、なんか今までの流れからこの本を一気に読み切る気にならなくて、“次に読む本が見つかるまでの合間に読む本”的存在となってしまったのです。

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 それで真保裕一作品は以前にNo.23「ホワイトアウト」を読んだのですが、その時には、アクションシーンは凄い面白かったものの、ダムや雪山の説明に入るとそれが長い上につまらなく感じたので、自分的にはそこがもったいないな~と思ったものです。

 そして今作「奪取」にも、偽札作りに関する薀蓄話(印刷技術や、紙の材質や、紙幣を認証するコンピューターや.....)が“これでもか!”といわんばかりに詰め込まれているんですねェ。

 これも“ある程度”くらいなら楽しめるのですが、「これは自分にも偽札を作れと言っているのか!?」と思わず錯覚してしまうくらいに、必要以上に細かく詳しく、しかも長々と書かれているのです。

 一方その薀蓄以外の部分は物凄いスピード感で面白く、特に後に主人公と行動を共にすることになる奇天烈なキャラが出て以降はもう半端ないくらいの面白さなんですよね。だから「ホワイトアウト」同様に、薀蓄部分がもったいなく感じちゃって.....。

 ただ、「ホワイトアウト」はその薀蓄部分がマイナスになって★3つ評価止まりとなったわけですが、今回の「奪取」は、薀蓄部分のマイナス点を加えた上でも、★5つ満点に限りなく近い★4つ評価となりました。

 というのも、やっぱり薀蓄以外の部分がホントに面白過ぎなんですよね。特にクライマックスの辺りなんかは、合間に読むどころじゃないくらいにのめり込んでしまったし、読後の心地よさもスッキリさわやかでしたし。さらにラストには心憎いオマケネタも付いているので、もう言うことなしです。

 だからそれだけに余計に薀蓄部分がもうちょっと少なければ.....。自分は読み辛い部分でも絶対に読み飛ばさない主義なので、やっぱりこの部分を読んでいる時は辛かった....。でも、これがあったから主人公たちの苦労を身をもって味わうことが出来たし、ラストの爽快感に繋がったのかもしれないですね。

(後日追記)
 この記事を書いていた時は★5段階評価でしたが、その後に★10段階評価に変更しました。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★          鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★
   熱アクション度 : ★★★★★    主キャラ魅力度 : ★★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★         人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★        感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      読み終り爽快度 : ★★★★★


  【 “真保裕一” 関連記事 】

  > No.944 「脇坂副署長の長い一日」

  > No.552 「猫背の虎 動乱始末」
  > No.385 「ブルー・ゴールド」
  > No.248 「デパートへ行こう!」
  > No.069 「奪取」
  > No.023 「ホワイトアウト」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「月の扉」 石持浅海

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2008年3月24日 (月)

週刊少年ジャンプ新連載! 「ダブルアーツ」 古味直志

ダブルアーツ 1 (ジャンプコミックス)ダブルアーツ 1 (ジャンプコミックス)

集英社 2008-08-04
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 新連載「バリハケン」の感想を先週書いたので(週刊少年ジャンプ新連載! 「バリハケン」 鈴木信也)、せっかくだからシリーズ化してみようかと思いましたので、今日発売の週刊少年ジャンプから連載開始となった「ダブルアーツ」の感想も簡単に書いてみます。


 ジャンルとしてはファンタジーになりそうですが、絵的には、それほどクセがないけれど、印象に残らない無個性というわけじゃないし、読みやすくて良さそうですね。一般受けしそうな感じだし。

 あと、最近の新連載では、“主人公が一体何を目指しているのか?”という“具体的な目標・目的設定”が明確になっていなくて、物語の方向性が拡散化・曖昧化している感じで、ストーリー面での求心力が希薄な漫画が多かったように思います。短期打ち切りとなった漫画が特に。

 その点でこの「ダブルアーツ」は、初回から「シスター協会本部に行く」という短期的目標がすでに設定されているので、この心配は大丈夫そうですかね。あとはONE PIECEでいう「海賊王になる!!」みたいな長期的目標もあれば言うことなしですが。

 ただ、10週突き抜けになった場合に上手くたたみやすそうでもあるのですよね。とりあえず「シスター協会本部」に到着しさえすれば終わり方はなんとでもなりそうですから。

 まあ短期打ち切りを逃れたとしても、どちらにしろ「シスター協会本部」に着くまでにどれだけ盛り上げ人気を得るかが勝負になりそうです。大化けしそうな予感もするので、個人的にも期待したいですね。


 この作品で今回の新連載3作が揃ったわけですが、今期のサバイバルレースはかなりの混戦となりそうですねェ。

 新連載陣は、明かに突き抜け臭が漂っているような漫画は今のところない感じだし、現連載陣も、ある程度続いていて“ここで終わるのももったいない”って漫画ばかりだし。

 漫画の内容以上に、掲載順の方が楽しみになってしまいそうな感じです。

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 【「古味直志」関連記事】

  > 「eの原典」 古味直志 > 週刊少年ジャンプ読切! (17.12.25)

  > 「みんなのこち亀」 古味直志 > 週刊少年ジャンプ読切! (16.10.31)

  > 「刻どキ」 古味直志 > ジャンプGIGA vol.4 (16.10.11)

  > 「俺コイ!! ニセコイ×俺物語!! ~Boys side~」
       古味直志×アルコ×河原和音 > 週刊少年ジャンプ読切! (13.8.30)

  > 「ニセコイ」 古味直志 <JC1巻買い> (12.6.15)
  > 「ニセコイ」 古味直志 > 週刊少年ジャンプ新連載! (11.11.6)
  > 「ニセコイ」(ジャンプNEXT! 2011WINTER) (11.1.9)

  > 「ダブルアーツ」 古味直志 <JC1巻買い> (08.8.9)
  > 「ダブルアーツ」 古味直志 > 週刊少年ジャンプ新連載!  (08.3.24)


 >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2008年3月23日 (日)

『姑獲鳥の夏』 京極夏彦 > 「このミス」完全読破 No.66

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.66

 『姑獲鳥の夏』 京極夏彦

   「このミス」1995年版 : 7位

   受賞(候補) :

   総合ランキング : 「本格ミステリ・ベスト100」 2位
              「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 23位
              「「このミス」20年のベスト・オブ・ベスト」 24位
              「本格ミステリ・オールタイムベストアンケート」 46位

   年度ランキング :

   読始:2008.1.11 ~ 読終:2008.2.2

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本 <1998年9月>

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)
京極 夏彦

講談社 1998-09
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 「このミス2007年版」で行われた「ベスト・オブ・ベスト 座談会」において、“この十八年間は大沢オフィスの時代だった”と書かれています。

 この“大沢オフィス”に所属している作家というのは、大沢在昌・京極夏彦・宮部みゆきの3人なのですが、大沢在昌と宮部みゆきの作品はすでに何冊か読んでいるものの、京極夏彦だけはまだ1冊も読んでいなかったのです。

 別に避けていたわけではなく、単にタイミングが合わなかっただけなのですが、今回ようやくそのタイミングが合ったので、いよいよ読んでみることにしました。

 それでまず最初にどの本を読んでみるのか、といった問題があったわけですが、どうやらNo.94「魍魎の匣」と「絡新婦の理」の2作が、「このミス」で5位以内に入っているし、「20年のベスト・オブ・ベスト」でもそれぞれ3位・17位にランクインするほど高い評価を得ているようでした。

 ただこの2作は「京極堂シリーズ」(または「妖怪シリーズ」)の作品で、その第一作というのが今回紹介する「姑獲鳥の夏」だったので、この作品から読んでみることにしました。まあこの作品も、このミスで10位以内、「20年のベスト・オブ・ベスト」でも40位以内に入るほどの高い評価なのですが。

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 というわけで期待して読み始めたのですが、しかしそれからしばらくもしないうちに挫折を味わってしまうのでした.....。

 物語の始めの方は、哲学的・科学的・土俗的薀蓄が結構長く語られるのですが、これがもうキツくてキツくて。

 というのも、この本は主に電車の中で読んでいまして、この薀蓄部分を読んでいると、いつの間にやら目蓋が落っこちてしまって、ハッと気づいた時には全くページが進んでいないのです。

 こりゃいけない!と思って、気合を入れて読み直すのですが、それでもいつの間にやら目蓋が落っこちてしまって、ハッと気づいた時には全くページが進んでいないのです....。

 こりゃいけない!と思って、気合を入れて読み直すのですが、またもやいつの間にか目蓋が落っこちてしまって、ハッと気づいた時には全くページが進んでいないのです....。

 こりゃいけない!と思って、気合を入れて読み直すのですが、.....(以下しばらく繰り返し)


 だけどその薀蓄部分が終わって話が進むようになると、もう作品世界にグイグイと惹き込まれていきました。

 とにかく主要キャラクター達が個性的でクセありすぎで面白いですからね。このシリーズがこれだけ人気なのも頷けます。

 あと作品全体を覆っているおどろおどろしい雰囲気や、その土俗的な異様さと密接に結びついている驚愕のトリックなど、もうとにかく読んでいて圧倒されましたね。ホントに妖怪世界に紛れ込まれてしまったかのようで。それでいて現実的な基盤からは離れていないってとこも凄すぎです。

 なので“これは★5つか!?”とも思ったのですが、続くシリーズ2作目「魍魎の匣」が“シリーズ最高傑作”、それどころか“この作者の最高傑作”であるようなので、この作品に対する期待も込めて、ここは★4つにしておきました。


<ここからは後日追加文>

 それでこの感想を書いた2ヶ月ほど後に「魍魎の匣」も読み終えたのですが、確かに全体的なまとまりやら驚くべきトリックやら、作品全体としてとても素晴らしく、これだけ評価されるのも頷ける出来でした。

 ただ、荒削りではあるけれど有無をいわせぬほどに迫力ある怒涛の展開が繰り広げられるこの「姑獲鳥の夏」の方が自分好みだったのですよね。トリックも、キッチリとしているより、この作品のように“なんじゃこりゃ~”な方が魅力を感じるし。

 なので、薀蓄部分には引っ掛かるものがあるものの、そこは後半の怒涛の展開でその分のマイナスはカバーできるということで、★5つの満点評価に変更することにいたしました。

(さらに後日追記)
 この記事を書いていた時は★5段階評価でしたが、その後に★10段階評価に変更しました。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★★☆☆


  【 “京極夏彦” 関連記事 】

  > No.716 「書楼弔堂 破暁」
  > No.354 「死ねばいいのに」
  > No.300 「数えずの井戸」
  > No.094 「魍魎の匣」
  > No.066 「姑獲獲の夏」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「孤島パズル」 有栖川有栖

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2008年3月21日 (金)

>>MDB的コンピCD-05<< 「この邦楽シングルを聴け!1991年<通常版>」

>> MDB的コンピCD <<


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 「この邦楽シングルを聴け!1991年 <通常版>」


 01 : 「愛は勝つ」 / KAN  (1990年).

 02 : 「どんなときも。」 / 槇原敬之  (1991年)

 03 : 「少年時代」 / 井上陽水  (1990年)

 04 : 「あなたに会えてよかった」 / 小泉今日子  (1991年)

 05 : 「SAY YES」 / CHAGE & ASKA  (1991年)

 06 : 「情けねえ」 / とんねるず  (1991年)

 07 : 「遠い街のどこかで…」 / 中山美穂  (1991年)

 08 : 「LADY NAVIGATION」 / B'z  (1991年)

 09 : 「ジュリアン」 / プリンセス・プリンセス  (1990年)

 10 : 「ラブ・ストーリーは突然に」 / 小田和正  (1991年)

 11 : 「会いたい」 / 沢田知可子  (1990年)

 12 : 「しゃぼん玉」 / 長渕剛  (1991年)

 13 : 「はじまりはいつも雨」 / ASKA  (1991年)

 14 : 「Eyes to me」 / Dreams Come True  (1991年)

 15 : 「PIECE OF MY WISH」 / 今井美樹  (1991年)

 16 : 「WON'T BE LONG」 / バブルガム・ブラザーズ  (1990年)


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 1991年のオリコン年間ランキングを元に、1991年を代表する楽曲を、独自の判断でCD1枚分選んでみました。

 邦楽シングルチャートにおける1991年というのは、前年のミリオンセラー曲が複数出るようになった流れを受け、ドラマやCMのタイアップという大きな影響もあり、爆発的なヒット曲が連発することとなった年で、まさに“J-POP革命元年”といったところでしょうか。


 そんな年の代表曲を集めてみたわけですが、20年近く前だというのに、今聴いても遜色ないくらいに名曲揃いとなっています。

 特にCHAGE & ASKAは、コブクロEXILEなどがヒットしている今の時代なら、再評価されてもおかしくない、というか再評価されるべきアーティストなんじゃないですかね。ここに収録されている「SAY YES」なんかも、今改めて聴くと新鮮な感じで曲の良さを味わえますから。


 その他にも「ラブ・ストーリーは突然に」「愛は勝つ」「どんなときも。」など大ヒットした名曲がたくさん出たわけですが、そんな年のレコード大賞受賞曲がとんねるず「情けねえ」だったことからも、ヒット曲のヴァリエーションの豊富さが窺い知れます。

 ただ多くの曲に共通しているのが“ポップさ”ですかね。現在のヒットチャートでは様々なジャンルが乱雑していますが、この頃はまだ1つのジャンルの中でひしめき合っている感じでしょうか。それでいながら個性豊かなので聴いてて面白いです。


 あと、この頃のヒット曲は“=ロングヒット”となっていたので、年またぎヒットとなった曲も多かったのです。だから1991年のランキングでも1990年発売の曲が上位に結構たくさん入っているんですね。

 それで今回収録した「遠い街のどこかで…」「PIECE OF MY WISH」はまさに1991-1992の2年越しのヒット曲で、「PIECE OF MY WISH」に関しては1992年の集計期間だけでミリオンセラーになっているのですが、両年の候補曲のバランスを考慮して1991年に収録することになりました。


 というわけで、1991年のヒット曲を1枚のCDに収まるように選曲してみたのですが、同一アーティストによる複数のヒット曲や、今回収録できなかったけど忘れてはならないヒット曲などを網羅した、CD2枚組+αの「この邦楽シングルを聴け!1991年版<完全版>」を近々発表する予定なので、こちらもこうご期待。

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【 オリコン年間ランキング1991 】

  *売り上げ枚数は、集計期間のみの枚数です

 01位 : 254.1万枚  OH!YEAR / ラブ・ストーリーは突然に / 小田和正
 02位 : 250.4万枚  SAY YES / CHAGE & ASKA
 03位 : 186.3万枚  愛は勝つ / KAN
 04位 : 116.4万枚  どんなときも。 / 槇原敬之
 05位 : 107.0万枚  はじまりはいつも雨 / ASKA

 06位 : 100.6万枚  あなたに会えてよかった / 小泉今日子
 07位 : 100.4万枚  LADY NAVIGATION / B'z
 08位 : *75.8万枚  しゃぼん玉 / 長渕剛
 09位 : *68.6万枚  Eyes to me / Dreams Come True
 10位 : *68.5万枚  ALONE / B'z

 11位 : *67.8万枚  会いたい / 沢田知可子
 12位 : *61.9万枚  サイレント・イヴ / 辛島美登里
 13位 : *58.7万枚  ジュリアン / プリンセス・プリンセス
 14位 : *57.4万枚  歌えなかったラブ・ソング / 織田裕二
 15位 : *55.5万枚  さよならイエスタデイ / TUBE

 16位 : *54.6万枚  WON'T BE LONG / バブルガム・ブラザーズ
 17位 : *53.3万枚  LOVE TRAIN / TMN
 18位 : *51.8万枚  とどかぬ想い / ビリー・ヒューズ
 19位 : *50.2万枚  格好悪いふられ方 / 大江千里
 20位 : *49.8万枚  情けねえ / とんねるず


  ⇒⇒⇒ 「この邦楽シングルを聴け!1991年<完全版>」

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 【「この邦楽シングルを聴け!」関連記事】

  > 「この邦楽シングルを聴け!2011年<通常版>」 (11.12.20)
  > 「この邦楽シングルを聴け!2011年<完全版>」 (12.1.14)

  > 「この邦楽シングルを聴け!2010年<通常版>」 (10.12.21)
  > 「この邦楽シングルを聴け!2010年<完全版>」 (11.1.3)

  > 「この邦楽シングルを聴け!2009年<通常版>」 (10.1.14)
  > 「この邦楽シングルを聴け!2009年<完全版>」 (10.1.20)

  > 「この邦楽シングルを聴け!2008年<通常版>」 (08.12.14)

  > 「この邦楽シングルを聴け!2007年<通常版>」 (08.1.12)

  > 「この邦楽シングルを聴け!1993年<通常版>」 (10.8.27)

  > 「この邦楽シングルを聴け!1992年<通常版>」 (08.10.13)
  > 「この邦楽シングルを聴け!1992年<完全版>」 (08.10.14)

  > 「この邦楽シングルを聴け!1991年<通常版>」 (08.3.21)
  > 「この邦楽シングルを聴け!1991年<完全版>」 (08.5.21)

2008年3月20日 (木)

『中庭の出来事』 恩田陸 > 「このミス」完全読破 No.65

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.65

 『中庭の出来事』 恩田陸

   「このミス」2008年版 : 19位

   受賞(候補) : 「山本周五郎賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 13位

   読始:2008.1.25 ~ 読終:2008.1.29

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2009年8月>

中庭の出来事 (新潮文庫)中庭の出来事 (新潮文庫)
恩田 陸

新潮社 2009-07-28
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 “「このミス」完全読破”のナンバリングからすると、恩田陸作品を2冊続けて読んだように見えますが、実際にはその間に別の2冊の本が挟まっています。

 ただ、その2冊とも読み終わる前に図書館の返却期限が来てしまい(もっと詳しく説明すると、最初に読んでいた本がなかなか読み進められなくて“こりゃ返却期限までに読み終われないな”と思い、比較的読み進めやすそうなもう1冊の本を読み始めたのですが、結局こちらも読み終える前に返却期限が来てしまたのです)、それでその未完読の2冊を新たに借り直す前に、この「中庭の出来事」を読み終えてしまったのです。

 なので、自分の中では恩田陸作品を続けて読んだ感じは全くないのですが、“「このミス」完全読破”的には続けて読んだようになるのです。ってこれは、ややこしいうえに不必要な説明か。でもなんとなく書いてみました。

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 それで中身の方ですが、なんとも不思議な話ですねェ。

 主な登場人物は舞台演劇に関係した人たちなのですが、話が進むにつれて、今展開されている話が舞台上の創作話なのか現実に起きた話なのかがわからなくなるのです。

 さらに、同じようなシーンが少しアレンジを加えながら何度も何度も出てくるので、濃い霧に囲まれて周りが見えない状態で歩いているような(この場面は作中に出てきます)、不安定な感覚で読み進めることになるのです。


 そういったものが最後にすっきりと霧が晴れたかのように解明するのを期待したいところですが、そこはこの作者のNo.64「Q&A」を読んでいたこともあり、“そういった本格推理小説的なものを期待するよりも、作品全体の雰囲気を楽しむものなんだ”ということがわかっていたので、霧が晴れることは期待しないで読んでました。それでも充分に面白かったし。

 ところが最後に来て、それまで出てきた謎の答えが全てすっきりとわかるんですねェ。これは期待していなかっただけに驚きました。さらにそこに“オマケ”まで付いてくるサービスぶりですから。

 元々の“不思議に絡み合った芸術的ともいうべき作品全体の雰囲気”だけでもかなり楽しめたのに、最後に見事に霧を晴らしてくれたのですから、これはホントに面白かったです。

 それにこの作品は、この作者にしか書けない世界観でしょうね。こういう世界観は大好きです。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


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  > No.508 「夢違」
  > No.317 「私の家では何も起こらない」

  > No.209 「訪問者」
  > No.161 「ブラザー・サン シスター・ムーン」
  > No.131 「きのうの世界」
  > No.065 「中庭の出来事」
  > No.064 「Q&A」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2008年3月18日 (火)

『Q&A』 恩田陸 > 「このミス」完全読破 No.64

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.64

 『Q&A』 恩田陸

   「このミス」2005年版 : 15位

   受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2008.1.3 ~ 読終:2008.1.9

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2004年6月>

Q&A (幻冬舎文庫 (お-7-8))Q&A (幻冬舎文庫 (お-7-8))
恩田 陸

幻冬舎 2007-04
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 タイトルからも想像できる通り、“質問”と“答え”だけで成り立っている変わった小説です。

 まあこのアイデア自体は驚くほど画期的というわけではないですが、でもこれを実際に書いてしまうのはやっぱり大変だし凄いことだと思うのですよね。別にこの形式にしなければ書けないことではないのに、あえてこの面倒な書き方に挑んだわけですから。

 
 ある大型商業施設で起こった多数の死傷者が出た事故について、その関係者に質問していく形で進んでいくのですが、しばらく読んでいたら、“この話を考えたキッカケは「アンダーグラウンド」だったんじゃないかな~”って思いました。

 「アンダーグラウンド」とは、地下鉄サリン事件の被害者に村上春樹がインタビューしていくノンフィクション小説なのですが、一つの出来事に対して多数の目線が重なっていくことで次第に全貌が明らかになっていく、ってとこが大変興味深く面白かったのですが、この「Q&A」でも、様々な状況に身を置いていた関係者達に質問していくことで徐々に真相に近づいていく過程がかなり楽しめました。

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 ところが、話も中盤に入ってくると、どうも雲行きが怪しくなってくるのですねェ。なんか当初の終着点としての期待とは全然違う方向に進み始めているような感じで。

 まあこういう作風の作者なんだ、と事前に知っていたらよかったのですが、なにぶん恩田陸作品を読むのは今作が初めてだったこともあり、この話も“最後に驚きと共に謎がスッキリと解明!”という「本格ミステリ」的なものを期待してしまいましたから。

 それに、そういった方向性で書かれるならば、これはとんでもなく面白くなるぞ!と思って読んでいましたし......。だから最後の方はモヤモヤ感が出っぱなしで、ちょっと残念でしたかね。

 ただ、こういった不思議な感じのマトモでない破綻的な作品はかなり好きな方なので、“こういう作者なんだ”って知った上で読んでいたならば、かえってこういう“期待を裏切る展開”に喜びながら読んでいたかも?


  > 個人的評価 : ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆


  【 “恩田陸” 関連記事 】

  > No.953 「七月に流れる花」

  > No.814 「EPITAPH東京」
  > No.719 「雪月花黙示録」
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  > No.209 「訪問者」
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  > No.065 「中庭の出来事」
  > No.064 「Q&A」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「中庭の出来事」 恩田陸

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2008年3月17日 (月)

週刊少年ジャンプ新連載! 「バリハケン」 鈴木信也

バリハケン 1 (ジャンプコミックス)バリハケン 1 (ジャンプコミックス)

集英社 2008-08-04
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 やはり同じ年生まれの有名人というのは無条件で応援したくなるもので(中にはあんまり応援したくない人もいますが....神田うのとか....)、もちろん漫画家にしても同じ年生まれだとより好意的な目で読んでしまうわけです。

 まあ、我らが1975年生まれの漫画家には、あの「ONE PIECE」の尾田栄一郎というとんでもない化け物がいますからね。なので“1975年生まれの漫画家”は尾田栄一郎ひとりの存在だけでも“大豊作”と呼んでしまえるほどなのです。

 とはいえやっぱり2人3人と続いてこその“大豊作”だとも思うわけですが、その候補として期待が大きい漫画家の一人である「Mr.FULLSWING」の作者・鈴木信也の待望の新連載が、今日発売の週刊少年ジャンプからスタートとなった「バリハケン」です。

 オタで番長な主人公が暴れまくるギャグ漫画なのですが、偶然にも昨日書いた「デトロイト・メタル・シティ」にて絶賛した“取り巻き連中の何でも自分たちの都合の良い方に考える盲目的なまでに妄想力爆発させちゃってる表現力”が、この漫画でも発揮されてるのです!(所々程度ですが)

 まだ連載第1回なんで、今後どのような方向性に進むのかわかりませんが、この“取り巻き連中のバカバカしい表現力”だけは今後も残していってもらいたいもんですねェ。

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 【「鈴木信也」関連記事】

  > 週刊少年ジャンプ新連載! 「バリハケン」 鈴木信也 (08.3.17)
  > <JC1巻買い> 「バリハケン」 鈴木信也 (08.8.6)


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  > 「アスクレピオス」 内水融 (08.9.23)
  > 「チャゲチャ」 澤井啓夫 (08.9.13)

  > 「いぬまるだしっ」 大石浩二 (08.8.26)
  > 「バクマン。」 大場つぐみ 小畑健 (08.8.12)

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  > 「トリコ」 島袋光年 (08.5.20)

  > 「ダブルアーツ」 古味直志 (08.3.24)
  > 「バリハケン」 鈴木信也 (08.3.17)

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  >>> 「週刊少年ジャンプ」関連記事リスト <<<

2008年3月16日 (日)

「デトロイト・メタル・シティ」(2) 若杉公徳

デトロイト・メタル・シティ 2 (2) (ジェッツコミックス)デトロイト・メタル・シティ 2 (2) (ジェッツコミックス)
若杉 公徳

白泉社 2006-10-27
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 ずいぶん前に1巻を買って読んで、結構面白かったのですが、なんかその後に“2巻→3巻→”と読み続けることはありませんでした。まあその時の自分の中ではそのくらいの評価だったってことでしょうか。

 そして最近になって、実写映画化だ~アニメ化だ~と盛り上がっているのを見て、再び惹かれるものがあったので、ちょっくら2巻を買って読んでみました。


 そしたらこれがもう大笑いするほどに面白すぎだったんですね~。

 もうホントにバカバカしさ&くだらなさが桁外れで、ここまで笑いながら読めた本には久々に出会いました。

 その面白さというのは、やっぱりDMCやクラウザーさんの取り巻き連中の表現力が一番ですね。あの“何でも自分たちの都合の良い方に考える盲目的なまでに妄想力爆発させちゃってる表現力”がもうバカバカしくて最高です。

 あと、ギャグやネタが不謹慎なものばかりなのですが、そういう毒の部分があるからこその面白さなのかも。よって人に薦め辛くもあるのですが。

 ただ、何度も繰り返して楽しむようなタイプじゃなくて、初読一発目のインパクトを思いっきり楽しむタイプですかねェ。だから3巻以降も、初読時には片手間に読むことにならないよう、“DMCの全てをガッチリ味わうぞ!!”っていう準備を万端にして読まねばなりませんね。 

2008年3月15日 (土)

『孤島パズル』 有栖川有栖 > 「このミス」完全読破 No.67

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.67

 『孤島パズル』 有栖川有栖

   「このミス」1989年 : 16位

   受賞(候補) :

   総合ランキング : 「本格ミステリ・オールタイムベストアンケート」 27位
              「本格ミステリ・ベスト100」 70位
              「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 95位

   年度ランキング :

   読始:2008.1.20 ~ 読終:2008.2.5

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 文庫本 <1996年8月>

孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
有栖川 有栖

東京創元社 1996-08
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 “学生アリス”シリーズを読むのはこれでNo.61「月光ゲーム」に続いて2作目。昨年出た4作目のNo.93「女王国の城」の予約順番が来る前に、前3作とも読み終えることが出来そうな感じです。

 今回の舞台は、建物が2つしかない小さな孤島で、その島の持ち主が島内に隠した五億円もの価値のある宝物探しをするという、いかにもな設定です。

 ただ“いかにもな設定”はこのシリーズの売りでもあるし、これがまた面白いですからね。こういう古典的ともいうべきミステリーはほとんど読んだことがないため、新鮮な感じで楽しめました。

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 そして物語も佳境に入ったところで入る「読者への挑戦」も相変わらず。

 今回も、やっぱりその段階で真相を解き明かすことは出来ませんでしたね。所々“怪しいな.....”という部分はあったのですが。“これは遠まわしのヒントなのかな?”と思うところもその通りだったりしたのですが、それで真実を突きとめられるほどの能力はまだありませんでした。

 まあ、その真相を解き明かすトリックや犯人などそんなに驚くものではないのですが(犯人に関しては、容疑者が少ないので仕方ないですが)、その分キャラクターやエピソードなどが魅力的で。特にこのシリーズの主役たる2人と今作から加わるヒロインが良い味出していますからね。今回は“青春小説”的な側面もあるし。

 そんなキャラ達がまたまた登場する3作目が、このシリーズ、というかこの作者自身の最高傑作と称されているNo.081「双頭の悪魔」。一体どんだけ素晴らしい作品なのか、今から楽しみです。でも読むのがちょっともったいないような気がしないでもない.....。
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  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


  【 “有栖川有栖” 関連記事 】

  > No.959 「狩人の悪夢」
  > No.853 「鍵の掛かった男」

  > No.727 「江神二郎の洞察」
  > No.677 「論理爆弾」
  > No.503 「真夜中の探偵」
  > No.422 「長い廊下がある家」
  > No.355 「闇の喇叭」

  > No.216 「赤い月、廃駅の上に」
  > No.093 「女王国の城」
  > No.081 「双頭の悪魔」
  > No.067 「孤島パズル」
  > No.061 「月光ゲーム」


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2008年3月11日 (火)

『痙攣的 モンド氏の逆説』 鳥飼否宇 > 「このミス」完全読破 No.62

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.62

 『痙攣的 モンド氏の逆説』 鳥飼否宇

   「このミス」2006年版 : 12位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 20位

   読始:2007.12.23 ~ 読終:2007.12.25

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2005年4月>

痙攣的 モンド氏の逆説 (光文社文庫 と 16-2)痙攣的 モンド氏の逆説 (光文社文庫 と 16-2)
鳥飼 否宇

光文社 2007-05-10
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 “バカミス作家”といえば、霞流一・鯨統一郎・山口雅也・戸梶圭太など、そうそうたる名前が挙がりますが、そんな中にあっても異質な存在なのが、鳥飼否宇です。

 どれだけ異質かというのは、バカミス作家が大集結したアンソロジー本「バカミスじゃない!?―史上空前のバカミス・アンソロジー(Amazon.co.jp)」を読めば簡単に理解できるでしょう。とにかく他を圧倒する破壊力がありますから。

 そんな鳥飼否宇作品の中で、今(2008年3月)のところ唯一の「このミス」ベスト20ランクイン作品が、今回紹介する「痙攣的」です。


 この作品は連作短編集なのですが、1~3章では、それぞれ“ロック”“舞踏”“イリュージョン・パフォーマンス”という前衛的芸術をテーマに、薀蓄を交えながら話が進んでいきます。

 それぞれがなんとも不思議で掴み所のない雰囲気を醸し出しているのですが、ただここまではまだまだ“普通のミステリ”といってよいでしょう。“バカミス作家”の本領を発揮するのがその後に連なる章です。

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 まあとにかくぶっ飛んでますねェ。ぶっ飛んでるんだけど、自分的には“呆れる”よりも“感銘を受ける”感じの方が強かったです。

 とにかくこのアイデアを発想しただけでもかなり凄い!普通の頭の使い方をしていたら、こんなこと思い付かないんじゃないですかね。

 ただそれ以上に凄いのが、このアイデアを実際に作品として書ききったこと!こんな複雑でややこしい話なんて、普通なら頭で考えただけで混乱してパンクしてしまいますよね。とてもこれを文章化しようなどとは考えたくもありません。

 それをやり遂げたのですから、もうそれだけで賞賛しないわけにはいかないでしょう。よくぞ書いてくれた!!って感じです。

 まあやっぱり好き嫌いがはっきりと別れるタイプの作品だと思うのですが、どちらにしても一度はこのぶっ飛んだ世界を味わってみるべきだと思いますね。その結果、感動するのも怒り出すのも呆れるのも、読んだその人次第、ってことで。
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  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


  【 “鳥飼否宇” 関連記事 】

  > No.863 「死と砂時計」
  > No.861 「絶望的 寄生クラブ」

  > No.439 「杉下右京の事件簿」("碇卯人"名義)
  > No.296 「このどしゃぶりに日向小町は」
  > No.122 「爆発的 七つの箱の死」
  > No.118 「官能的 四つの狂気」
  > No.062 「痙攣的 モンド氏の逆説」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「離れた家」 山沢晴雄

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2008年3月10日 (月)

>>MDB的コンピCD-04<< 「卒業・別れ→旅立ち」

>> MDB的コンピCD <<


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 「卒業・別れ→旅立ち」


 01 : 「贈る言葉」 / FLOW  (2003年).

 02 : 「YELL~エール~」 / コブクロ  (2001年)

 03 : 「『果てのない道』」 / 19  (2000年)

 04 : 「3月9日」 / レミオロメン  (2004年)

 05 : 「ONE」 / B'z  (1999年)

 06 : 「ツバサ」 / アンダーグラフ  (2004年)

 07 : 「またあえる日まで」 / ゆず  (2002年)

 08 : 「旅立ちの唄」 / Mr.Children  (2007年)

 09 : 「旅人のうた」 / 中島みゆき  (1995年)

 10 : 「旅 人」 / ケツメイシ  (2006年)

 11 : 「旅人よ~The Longest Journey」 / 爆風スランプ  (1996年)

 12 : 「君だけのTomorrow」 / 前田亘輝  (1997年)

 13 : 「AHHHHH!」 / 久保田利伸  (1998年)

 14 : 「1/6の夢旅人2002」 / 樋口了一  (2002年)


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 卒業シーズンが近づいて来たわけですが、学生の卒業だけでなくても、身近な人との別れや、今まで過ごしてきた土地から離れるなど、別れの多い季節です。

 というわけで、“前向きな別れ”、そして“新たなる世界への旅立ち”をテーマにコンピCDを作ってみました。


 一応全体的な構成としては、前半が“別れ”、後半が“旅立ち”って感じですね。まあ明確に別れているわけではないですが。

 終盤は少し説明が必要だと思うのですが、旅といえば忘れてならないのが、「電波少年」の“ヒッチハイク”シリーズ。猿岩石にドロンズにパンヤオが世界各地をヒッチハイクで旅したのですが、それぞれのテーマソングを11~13に並べてみました。

 そしてラストは、北海道ローカルから全国へと“番組”自体も旅することとなった「水曜どうでしょう」のエンディングテーマ曲です。個人的には欠かせません。


 こんな感じで作ってみたのですが、前半では仲間との別れにしんみりとしつつも、後半には新たな世界へ進むための力を貰うことができるので、アルバムとしてはなかなかいい感じになんたんじゃないですかね。


 ちなみに、ORICON STYLEの「卒業ソング特集」ではこんな選曲になっていました。別にこれを見た上で作ったわけではないのですが、1曲もカブってないのが驚きです。

 この特集で2年連続1位になったレミオロメンの「3月9日」は、候補には挙がっていたものの、“結婚を祝うために作った歌”という説明を読んだので外したのです。でも卒業式で歌われるほどに定番となっているんだったら、ってことで新たに追加してみました。

2008年3月 8日 (土)

『赤朽葉家の伝説』 桜庭一樹 > 「このミス」完全読破 No.73

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.73

 『赤朽葉家の伝説』 桜庭一樹

   「このミス」2008年版 : 2位

   受賞(候補) : 「日本推理作家協会賞」受賞
            (「直木三十五賞」候補)
            (「吉川英治文学新人賞」候補)

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 2位
               「週刊文春ミステリーベスト10」 4位
               「本屋大賞」 7位
               「ベストSF2007」 10位
               「本格ミステリ・ベスト10」19位

   読始:2008.2.19 ~ 読終:2008.2.23

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2006年12月>

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)
桜庭 一樹

東京創元社 2010-09-18
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 「このミス2008年版」で僅か1点及ばずに2位となった作品です。

 その直後に「私の男」で直木賞を受賞したり、「このミス2008年版」の1位になったNo.200「警官の血」(佐々木譲)はただでさえ手が出にくいハードカバーなのに上下巻の作品であることを考えると、この「赤朽葉家の伝説」が1位になっていた方が、セールス的な影響ははるかに大きかったでしょうね。

 出版社の人はもちろん、書店員さんもかなり悔しくガッカリしているのではないでしょうか。やっぱり1位なるのと2位になるのとでは影響はかなり違うようですから。


 内容の方は、赤朽葉家の三代に渡る女性の人生を描いた作品なのですが、元々年代記作品を読むのが好きな自分にとっては、これは凄い楽しんで読めましたね。

 しかも単に年代記作品というだけではなく、そこに戦後の昭和史、しかも自分が実体験してきたつい最近のものも含めた史実がストーリーと密接に絡み合っているので、なんか妙にリアルさを感じてしまいました。

 だけど語られる話というのは、結構不思議だったり突拍子もなかったりするので、その“リアル”と“フィクション”のバランス感覚が絶妙で、まさに“伝説”といったオーラが全体から漂っていました。

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 それで、女性三代の人生というのが、特に前二代がとても奇妙で破天荒なものなのですが、それが故に魅力的だしグイグイと惹きつけられますね。

 そして作品全体の語り手でもある三代目は、現代人であるためかその人生は普通なのですが、ここでこれまで語られてきた50年にも及ぶ話が伏線となったミステリーへと変貌するのです。この構成にはかなり驚かされました。ただでさえかなり楽しめたそれまでの話を材料に、さらに美味しく手を加えて調理してしまうのですから。まさに贅沢な仕上がりとなっています。

 それから、数々の魅力的な挿話の内容からしても、かなりドロドロギクシャクとしたものになりそうな感じなのですが、これを結構あっさりと書いているのが印象的ですね。そのために作品全体が重厚感がありながらもさわやかな印象となっているので、自分的にはかなり好きな雰囲気でした。

 だから読み終わった後は、この作品が「このミス」で1位にならなかったことが残念でならなかったですね。でもやっぱり「警官の血」を読んだらそっちも当然のように面白いんでしょうねェ。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★★
   ビックリ驚愕度 : ★★         おどろおどろ度 : ★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★         人間味ドラマ度 : ★★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★      感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      読み終り爽快度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “桜庭一樹”関連記事 】

  > No.473 「ばらばら死体の夜」
  > No.412 「伏 贋作・里見八犬伝」
  > No.265 「製鉄天使」
  > No.150 「ファミリーポートレイト」
  > No.073 「赤朽葉家の伝説」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2008年3月 6日 (木)

『果断 隠蔽捜査2』 今野敏 > 「このミス」完全読破 No.72

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.72

 『果断 隠蔽捜査2』 今野敏

   「このミス」2008年版 : 4位

   受賞(候補) : 「日本推理作家協会賞」受賞
            「山本周五郎賞」受賞

   総合ランキング : 「この警察小説がすごい! ALL THE BEST」 7位

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 6位
              「週刊文春ミステリーベスト10」 9位

   読始:2008.2.15 ~ 読終:2008.2.18

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2007年4月>

果断―隠蔽捜査〈2〉 (新潮文庫)果断―隠蔽捜査〈2〉 (新潮文庫)
今野 敏

新潮社 2010-01-28
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 シリーズ1作目となるNo.57「隠蔽捜査」が「このミス2006年版」の20位で、シリーズ2作目となる今作が「2008年版」の4位。

 となるとやっぱり今作の方が手に取りやすいとは思うし、いきなり今作を読んだとしても充分楽しめるとは思うのですが、やっぱり「隠蔽捜査」を読んだ上で今作を読んだ方が段違いで面白いのは間違いないです。

 逆に今作を読んでから「隠蔽捜査」を読んだとしたら確実に面白さは半減以下になるだろうことからも、まずはシリーズ1作目の「隠蔽捜査」を読んでから今作を楽しむことをお薦めします。

 というわけで、「隠蔽捜査」の方を読んでいない人にとっては以下“ちょっとネタバレあり”となっていますので、ご注意を。

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 いわゆる“警察小説”というのは、どうしても主人公が窮地に追い込まれたり、反りの合わない相手とのいざこざが起こったり、といった展開になりがちなので、読む前は結構思い切りが必要になるのですが、この作品に限ってはそんなもの必要ありませんでした。

 それはやっぱり前作「隠蔽捜査」を読んで、どんな自体に陥っても自分の信念を決して曲げずに突き進んでいく主人公であることを知っているからなのです。

 だから逆に、この主人公が苦境になればなるほど“どのようにしてこれを乗り越えてゆくのか?”と楽しみになっちゃうくらいですからね。

 そんな風にとても個性的で魅力的な主人公を見てるだけで面白いのですが、その周りにいる同僚達も、前作のエリート官僚から最前線で駆け回る現場の警察官に変わったので、そのクセの強い面々と主人公との絡みというのがまたなんとも面白いのですよねェ。

 “全く別世界の住民”のようだった関係が次第に分かり合っていく様は、なんか読んでてジーンときてしまいました。


 それから変わったのは周りの面々だけではありません。前作の感想で主人公のことを“漫画「天才柳沢教授の生活」の柳沢教授に似ているけれど、決定的に違う部分がある”といった感じで書きましたが、今作ではその部分でも柳沢教授に近づくような場面があるのですよね。

 そういった性格面での成長なんかを感じられることからも、やっぱり前作を読んでいることは必須です。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 それでこういったジャンルの作品だと、特別驚くような出来事が起こったり、ビックリするような結末が待っているような種類のものじゃないので、どうしても★4つや5つは付けにくいのです。だから読む前にすでに“最高で★3つ”と決まっちゃっている感じ(横山秀夫作品は例外ですが)。

 ただ今作は、そういった意味での★3つの最高点はもちろんですが、“シリーズ通しての評価点”も加えて★4つ評価にしたいですね。それだけこのシリーズ(というかこの主人公)は気に入っているし、次回作も凄い楽しみなのです。

 ちなみに前作に比べてミステリ的要素が増大していたので、“20位 → 4位”というジャンプアップは充分納得できました。

(後日追記)
 この記事を書いていた時は★5段階評価でしたが、その後に★10段階評価に変更しました。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★        おどろおどろ度 : ★
   熱アクション度 : ★★★★    主キャラ魅力度 : ★★★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★          人間味ドラマ度 : ★★★★★
   下ネタエッチ度 : ★        感涙ウルウル度 : ★★★★
   衝撃バカミス度 : ★        読み終り爽快度 : ★★★★★


  【 “今野敏” 関連記事 】

  > No.1003 「棲月 隠蔽捜査7」
  > No.0914 「去就 隠蔽捜査6」
  > No.0796 「自覚 隠蔽捜査5.5」

  > No.0661 「宰領 隠蔽捜査5」
  > No.0626 「欠落」
  > No.0587 「確証」
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  > No.0346 「初陣 隠蔽捜査3.5」

  > No.0302 「天網 TOKAGE2 特殊遊撃捜査隊」
  > No.0232 「同期」
  > No.0188 「疑心 隠蔽捜査3」
  > No.0072 「果断 隠蔽捜査2」
  > No.0057 「隠蔽捜査」


  NEXT MYSTERY ⇒⇒⇒⇒ 「赤朽葉家の伝説」 桜庭一樹

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2008年3月 5日 (水)

ぶっ生き返す / マキシマム ザ ホルモン (CD)

ぶっ生き返すぶっ生き返す
マキシマム ザ ホルモン マキシマムザ亮君

バップ 2007-03-14
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 このアルバムは、発売した当初から買いたかったのですが、買う機会を一度逃したらなんかそのままズルズルといってしまい、結局そのまま買わずじまいとなってしまいました.....。

 それならばレンタルして聴こう!と思うも、こちらも借りるタイミングを一度逃してしまったらそのままズルズルといってしまい、結局そのまま借りずじまいとなってしまいました.....。


 それでつい最近、「ビキニ・スポーツ・ポンチン」という歌のPVを観たらこれがもう恐ろしいほどに格好良くて、今度の新曲は楽しみだな~と思っていたら、これは新曲ではなく、昨年出たこのアルバムの収録曲だったんですねェ。

 こんな凄い歌が入っているんだったら、ということでようやく重い腰を上げてレンタルして聴いてみたのですが、これがもう「ビキニ・スポーツ・ポンチン」だけじゃなくて全曲が恐ろしいほどに格好良くてブットビました。

 陰と陽のコントラストがやっぱり最高だし(でも陽は陰にほとんど侵されてますが)、聴いてると洋楽っぽいのに、歌詞カード見ると間違いなく邦楽ってところも相変わらずで。

 ただ前作「ロッキンポ殺し」は、1曲1曲は良いのだけれど、アルバム通して聴くとどうも引っかかりがほとんどない感じで、なんかサラッと聴けちゃったんですよね。だからアルバム全体としても良いもの作れそうなのに“もったいないな~”と思ったものです。

 ところが今作は、もう引っかかりっぱなしで。あっさりとなど聴くことができずに、とにかく刺激を受けまくりです。どこが変わったのかは具体的にはわかりませんが、アルバムとしての厚みや濃密さは段違いにレベルアップしてますよね。

 聴いてて“この後こういう音(または展開)にならないかな~”と思う要求にも確実に応えてくれるだけじゃなく、期待以上のものを聴かせてくれるのでホントに嬉しくなっちゃいます。今のところそういう音(や展開)を聴かせてくれるのは、自分の中ではB'zとこのバンドだけですからね。


 というわけでかなり気に入ったのですが、それだけに、1年間も聴かずにいたことはかなり悔いが残りますねェ。その空白の期間を埋めるためにも、これから何度も何度も聴いていきたいと思います。


 ちなみに、これを書くまで“マキシム ザ ホルモン”だと思ってたんですよね。まさか“マキシマム”だったとは......。この事実も自分にとってはかなり衝撃的でした。

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 【「マキシマム ザ ホルモン」 関連記事】

  > 「love the world / Perfume」 & 「爪爪爪 / マキシマム ザ ホルモン」 (08.8.2)
  > ぶっ生き返す / マキシマム ザ ホルモン (CD) (08.3.5)

2008年3月 4日 (火)

「もやしもん」(6) 石川雅之

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 前巻が発売された時はまだ「もやしもん」を読み始めたばかりだったので、新刊を心待ちにし発売日に買ったのは今回が初めて。

 それで「もやしもん」といえば過去の巻の限定版がプレミア付いていることで有名ですが、今巻の限定版は書店に並んでいる所を見ることが出来たので、なんとも嬉しかったです。

 今回の限定版は、オリゼーのぬいぐるみ付き。なので大きめの箱に入れられているのですが、この箱が書店に積み重ねられて置いてある様はなんか異様でしたね。もしやこれか?と近づいてみたら、それがまさしく「もやしもん」でした。

 こういったものは無条件で買いたくなっちゃうのですが、冷静に考えてみると、別にぬいぐるみはそんなに欲しくもないし、大きくて持って帰るのが面倒だな~、と思ったので、結局別の店で通常版を買いました(何故別の店で買ったかというと、そっちだとポイントが付くから)。

 んでもって限定版の表紙も見てみましたが(↓)、なんかこっちの表紙の方がいいですねェ。ちょっとネタバレっぽい気もしますが。でもなんとも微笑ましい.....。


 それで内容の方ですが、全編に渡ってパリ編です。

 なのでレギュラーメンバーの出演頻度の差が思いっきり出ちゃっているのですが、出ずっぱりなのは主に男3人組で、それに絡む女性2人がどちらも男勝りな性格で、しかも脂っこいおっさんが色んなところでギトギトしていて、さらには外見は可愛い菌共が今回は蔑ろにされてるので、今までに比べて絵的にかなり濃かったような。だからラスト付近のバーの場面が来たら妙にホッとしましたねェ。


 ちなみに、通常版初版限定で“おまけのおまけ”という4ページの小冊子が挟まっていたので(内容は、菌共が語る乳酸菌の話)、早めに買っておこう!!


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 【「もやしもん」関連記事】

  > 「もやしもん」(7) / 石川雅之 (09.1.21)
  > 「もやしもん」(6) 石川雅之 (08.3.4)
  > アニメ「もやしもん」 (07.10.27)

2008年3月 3日 (月)

『イニシエーション・ラブ』 乾くるみ > 「このミス」完全読破 No.68

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.68

 『イニシエーション・ラブ』 乾くるみ

   「このミス」2005年版 : 12位

   受賞(候補) : (「日本推理作家協会賞」候補)

   総合ランキング : 「本格ミステリ・ベスト・オブ・ベスト10(1997-2016)」 13位
              「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 74位

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 6位

   読始:2008.2.6 ~ 読終:2008.2.6

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2004年3月>

イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)イニシエーション・ラブ (文春文庫 い 66-1)
乾 くるみ

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 この作品は、なるべく事前に情報を仕入れることなく読むべき本です。文庫版の帯や、裏表紙の作品説明でさえも読まない方がよいでしょう。

 なので、この作品を未読な方は、ネットで情報を仕入れようとするくらいに興味があるならば、まずは実際に読んでみることをお薦めしますね。

 ただ一応ここでは、“未読の方向け”と“すでに読んだ方向け”の両方の感想を書いてみたいと思います。


 【未読の方向けの感想】


 タイトルから推察できるように、ラブストーリーです。

 しかも、女性とあまり縁のなかった大学生が、代理出席となった合コンである女性に恋に落ちるという、なんとも微笑ましい内容です。結局付き合うことになるその彼女の方もウブな人なので、その恋愛はとっても初々しくて、読んでるこっちも照れくさいやら懐かしさを感じるやらで、なんかいいですね。

 そんな2人が愛を深めていく中、主人公の就職を期に状況が変わっていき、心も体もすれ違いが生じてきて.....、といった感じで、展開はとってもありがちなもの。驚くべき出来事も起きないし、特別な状況にも陥らないし、2人のキャラもいたって普通。

 ただそこがいいんですよね。何気ない出来事の連続ながら、初々しい2人にいつしか同調してしまい、この2人を暖かく見守っているようになって、次々とページをめくってしまうのです。

 だから後半になってすれ違いの描写が出てくると、ホントに切なくなってしまいますからね.....。


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 【すでに読んだ方向けの感想】


 自分はまあ“最後に驚く”という情報を知ったからこそ読んだのであって、文庫版の帯とか見て“最後の2行で世界が変わる”ということはわかった上で読みました。

 それでやっぱり“最後にこの作品の世界感がどう変容するのか”ってことに常に注意を向けたまま読み進めることになったのですが、でも最後に至るまでの過程も、上に書いたようにかなり楽しめました。


 そして迎えた最後の2行。

 この2行を見た時には、一瞬時間が止まってしまったような感覚になりました。

 ただ、今まで頭に描いてきた情景が全くの見当違いだったことはわかったのですが、だとして実際の情景は一体どんなだったのか?というのが全然わからなくて。読んでたのがハードカバー本だったので、この最後の2行が終わればその後に何も書かれていなくて、真相がわからないままの気持ちの悪い状態になってしまいました。

 なので急いで本屋に行き、文庫版の解説を読みました(立ち読みですみません.....)。

 その解説でも、真相に関してあからさまに説明はしていなかったのですが、作中の時代背景である80年代の用語説明と共にヒントが書いてあったので、それを読んでいって段々と真相がわかってくるにつれ、“うわぁ~こういうことだったのか!?”と本気で驚いてしまいました(一応「読んだ人向け」といえども真相の詳細は書かないでおきます)。

 だたそれでも、No.2「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午No.16「ハサミ男」殊能将之みたいに“世界観の一変を単純に驚ける”作品と比べると一枚落ちるかな、と★4つ評価にするつもりでした。

 だけど、真相を知った上で気になる部分を読み返してみたら、その両者の繋がりがボロボロと出てくるのでさらに驚いてしまいました。何気ないエピソードだと思っていたものが重要な掛け橋となっていたり、かなり意外な形で繋がっていたり.....。

 普通の“世界観が一変”小説というのは、その“世界観が一変”するシーンを頂点に置いて、それまでに伏線を所々に配置するものなのですが、この作品に至っては、全編全てが“伏線”で出来上がっている感じですから。


 それにしても、読んでいる時以上に読み終わった後に次々と衝撃を受けることになるとは、なんとも変わった作品ですね。自分の★評価も、読後の★3つから、真相がわかって★4つ、そしてその伏線の素晴らしさを知って★5つとレベルアップしてゆきましたから。

(後日追記)
 この記事を書いていた時は★5段階評価でしたが、その後に★10段階評価に変更しました。


 そしてこの作品は「必ず二度読みたくなる!」と称されているのですが、正確には「二度読まないと面白さがわからない!」ですよね。二度読むことは前提でしかありません。そして二度読む価値は間違いなくありますし、一度読めば二度目は読まずにいられないでしょう。


 ところで、真相がよくわからなかった人はもちろん、わかったという人でも、その真相について詳し過ぎるほどに詳しく考察されているこちらのブログ(謎解き『イニシエーション・ラブ』)を読んでみてください。“これほどまでに伏線があったとは!!”とかなり驚くことができるはずです。

 なので一番良い読み方は、まず1回目にあまり情報を仕入れずに読んで最後の2行に驚き、なんとなく真相がわかった状態で2回目を読んで伏線探しをし、(謎解き『イニシエーション・ラブ』)を読んで答え合わせをした上で3回目を読む、といった感じですかね。
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  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★★★☆


   本格ミステリ度 : ★★       鬼畜グログロ度 : ★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★★    おどろおどろ度 : ★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★
   恋愛ラブラブ度 : ★★★★★    人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★★★★★   感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★★      読み終り爽快度 : ★★


  【 “ 乾くるみ” 関連記事 】

  > No.726 「北乃杜高校探偵部」
  > No.560 「カラット探偵事務所の事件簿2」
  > No.501 「嫉妬事件」
  > No.374 「セカンド・ラブ」

  > No.360 「スリープ」
  > No.185 「六つの手掛り」
  > No.168 「カラット探偵事務所の事件簿(1)」
  > No.105 「クラリネット症候群」
  > No.068 「イニシエーション・ラブ」


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