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2006年3月 7日 (火)

『半落ち』 横山秀夫 > 「このミス」完全読破 No.03

このミステリーがすごい!」完全読破 No.03

 『半落ち』 横山秀夫

   「このミス」2003年版 : 1位

   受賞(候補) : (「直木三十五賞」候補)

   総合ランキング : 「東西ミステリーベスト100(2012年版)」 54位

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 1位

   読始:2006.2.23 ~ 読終:2006.2.23

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2002年9月>

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横山 秀夫

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 かなり売れた作品であることと、映画化もされた、ということぐらいの知識で読み始めました。そしたらなんか警察官僚の堅苦しい話なのかな~、と少々不安になりましたが、読み進めていくうちに、そんなのはいらない危惧だったのだとすぐにわかりましたね。

 この作者は元々は短編小説家だったそうですが、今作も、長編でありながら短編の連作のような形をとっています。詳しく言うと、章ごとに主人公が変わっていくのですが、時間軸はそのままに、“空白の二日間”という共通のキーワードを中心に話が進んでいく、というものです。

 これがまた読み応えある構成になってるんですよねェ。同じ事件を扱っているのに、章ごとに視点が変わっていくのですが、その視点というのが、それぞれ独自のバックグラウンドを持っているのです。

 なので、章が変わるごとに全く別の短編を読んでいるようでもあるのですが、それでもしっかり共通の謎である“空白の二日間”の真相に徐々に近づいていく、っていう書き方が、ホントにもう上手いですよねェ。

 それに、この“前の章で主人公だった人物が、次の章では脇役に......”を繰り返してく感じが、映画『パルプ・フィクション』のようでとても楽しめましたね。

 あと、本来であれば“ネタばれ”ではないと思うのですが、自分としてはこれは立派な“ネタばれ”だと思う話があるので、以下ご注意を.......。
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 いや~泣けましたねェ。最初に言ったとおり、ほとんど前情報なく読み始めたので、最後に感動があるなんて知りませんでしたからね。ラスト2ページまで普通に来てたんで、このまま終わるもんだとばかり思ってたので、この“不意の感動”にはホント驚きました。

 そこで思ったのです。“ラストに感動して泣ける話”というのは普通に宣伝文句として使われていると思うのですが、これを知ってから読むのと、知らずに読むのとでは、反応が大きく違うだろうと。

 自分もこのことを事前に知っていれば、“最後にどう感動するのか”というのを常に頭に置きながら読み進めて、それで最後に来て“なんだこんなもんか~”と思ったかもしれません。

 でも実際には、全く知らずに読み進めて、そして最後に“不意の感動”を受けたことで、それが衝撃となったわけです。そして、その“ラストの衝撃”というのが、ミステリーにとって一番大事なんじゃないかな、と初心者ながら思うのです。

 なので、これから読み人には、この“最後に感動の涙”というのは知らずに読んでほしいし、そこでこの作品に対する感想も大きく違って来てしまうと思うので、やっぱりこの話は“ネタばれ”であると思うのです。“空白の二日間”自体の“ラストの落ち”がそれほどでもないだけにね。
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 というわけで、一日で一気に読ませてしまうこの上手い構成と、上に書いたラストの衝撃、読破後に“あ~この作品を読んで良かったな~”と素直に思うことが出来たので、これはもう満点評価を与えてしまっても問題ないでしょう!!またしばらくしたら読み返してみたいですね。

(後日追記)
 この時は★5段階評価での満点評価でしたが、その後に★10段階評価に変更したので、それに伴い満点評価ではなくなりました。


  > 個人的評価 : ★★★★★ ★★★☆☆☆


  【 “横山秀夫”関連記事 】

  > No.594 「64(ロクヨン)」
  > No.134 「第三の時効」
  > No.025 「動 機」
  > No.003 「半落ち」


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