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カテゴリー「01.「このミス」完全読破(ミステリ小説)」の記事

2018年10月19日 (金)

(再掲載)“「このミス」完全読破”の更新情報についての紹介


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* この記事は以前更新したものと同じ内容です


 当ブログ(朴念仁と居候)のカテゴリーの一つである“「このミス」完全読破”のみの更新情報を、まとめページ“「このミス」完全読破 説明&読破本リスト”にて表示しています

 まあ最新記事は、ブログのサイドメニューにある“最近の記事”を見てもらえばよいのですが、例えばこのミステリーがすごい!ランキング(順位)予想“月別ランクイン候補作品”に対象作品を追加したり、“「このミス」ベスト10作品をみんなで予想しよう!”に新たな投票者の予想を追記したような場合、サイドメニューではそれらをお知らせすることは出来ません

 そういった追記・追加情報も、この“更新情報”欄を見てもらえればわかることから、いくらか便利なのではないかと思うので、もしよかったら“「このミス」完全読破 説明&読破本リスト”“更新情報”欄で“「このミス」完全読破”の更新情報をチェックしてみてください


 そしてこのまとめページ“「このミス」完全読破 説明&読破本リスト”では、読んだ順番に並べた記事リストの他、年版別(ランキング別)・作家別のリストも作っていて、ランキング予想(候補作品)・各企画などもまとめていますし、「このミス」に関する資料的なランキング&リストを載せた“このミス資料集”というページもあります

 なので、まだ“「このミス」完全読破 説明&読破本リスト”を見たことがないという方や、普段カテゴリー記事一覧などから目的の記事を探している方などは、この機会に一度見てみてください

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2018年10月12日 (金)

「このミス2020年版」月別ランクイン候補作品(2018年11月)


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 これで11年目となる“月別ランクイン候補作品”ですが、「このミステリーがすごい!2020年版」対象作品についても引き続き実施していこうと思います。

 この“月別ランクイン候補作品”とは、自分は日頃から“どんな作品が「このミス」にランクインしそうかな?”と色々とチェックしているので、どうせならそれを刊行された月(奥付記載の月)別にまとめてしまおう!ということで始めた企画です。

 ここでは、とりあえず「このミス」の対象になりそうな作品をピックアップして、作者やシリーズの「このミス」実績ごとに分けて並べています。

 なお、読んだうえでのランクインするかどうかの予想に関しては、「このミステリーがすごい!2020年版」ランキング(順位)予想(後日更新予定)の方をご覧ください。


 << この記事は現時点で未完の状態なので、情報を仕入れ次第(&Amazonに作品のページが作られ次第)、新たに対象作品を追加していく予定です(追加情報は「このミス」完全読破 説明&読破本リストの“更新情報”欄に書いていきます) >>

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>> 2018年11月発売の「このミス」ランクイン実績のあるシリーズ作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
 * シリーズ過去作品の作品名部分のリンク先は、当ブログ感想記事


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>> 2018年11月発売の「このミス」ランクイン実績作家の作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
 * 作者名横のカッコ内は、「このミス」20位以内ランクイン作品数

 フーガはユーガ / 伊坂幸太郎 (12作)
 こちら横浜市港湾局みなと振興課です / 真保裕一 (8作)
 花折 / 花村萬月 (5作)
 夜汐 / 東山彰良 (3作)

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>> 2018年11月発売の「このミス」ランクイン実績なしも
          21~40位に入ったことのある作家の作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」21~40位作品数

 見ていないことにして / 似鳥鶏 <2作>
 不意撃ち / 辻原登 <2作>
 静おばあちゃんと要介護探偵 / 中山七里 <1作> * シリーズ2作目
 ゆえに、警官は見護る / 日明恩 <1作> * シリーズ2作目

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>> 2018年11月発売の
    日本推理作家協会賞(推協賞)短編部門の受賞作・候補作
    および年間傑作選アンソロジー選出作を収録した作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
 * 作者名横のカッコ()内は、「このミス」20位以内ランクイン作品数
 * 作者名横のカッコ<>内は、過去の「このミス」21~40位作品数
   (「このミス」ランクイン作家の場合は省略)
 * 他の項目と重複している作品もあります

[ “” ]


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>> 2018年11月発売のミステリ(エンタメ)系新人賞受賞(候補)作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ

[ “ミステリーズ!新人賞”受賞作収録 ]
 刀と傘 明治京洛推理帖 / 伊吹亜門

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>> 2018年11月発売の
     「このミス」で40位以内に入ったことはないものの
     「本格ミステリ・ベスト10(本)」
     「週刊文春ミステリーベスト10(春)」
     「ミステリが読みたい!(早)」
     にはランクイン経験のある作家の作品 <<

 * 「週刊文春ミステリーベスト10」は
   (「このミス」が始まった)1988年以降のランクイン作家のみ対象
 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ


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>> 2018年11月発売の「このミス」の候補かもしれない作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ

 らんちう / 赤松利市
 戒名探偵 卒塔婆くん / 高殿円
 レベル95少女の試練と挫折 / 汀こるもの * シリーズ5作目
 介護士K / 久坂部羊

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>> 2018年11月発売の宝島社作品 <<

 * 「このミス」では集計対象外(「本ミス」「文春」「早ミス」は対象)
 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ


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>> Amazonに販売ページが作られる前の主な11月発売予定作品 <<

 * 作者名横の()内は、「このミス」20位以内ランクイン作品数
 * 作者名横の<>内は、過去の「このミス」21~40位作品数
   (ランクイン実績作家の場合は省略)


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 NEXT >>> 「このミス2020年版」月別ランクイン候補作品(2018年12月)

 「このミス2019年版」月別ランクイン候補作品(2018年10月) <<< PREV


 「月別ランクイン候補作品」の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2018年10月 5日 (金)

「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2018年11月)


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 「このミステリーがすごい!」にランクインする作品というのは、ほとんどが単行本やノベルスで刊行された作品なので、“文庫化されてから読んでみよう”と考えている方も多くいるのではないでしょうか。

 なので、「このミス」の1~20位にランクインした作品、およびあと一歩でランクインを逃した作品(21~40位)の文庫化リストを、文庫版発売月別にまとめてみたいと思います。


 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ

 * シリーズ作品紹介文中の作品名部分のリンク先は、当ブログ感想記事

 * シリーズ作品のランクイン実績は、2018年版までの記録

 << この記事は現時点で未完の状態なので、情報を仕入れ次第、新たに対象作品を追加していく予定です(追加情報は「このミス」完全読破 説明&読破本リストの“更新情報”欄に書いていきます) >>

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 【 2018年 11月 発売 】


  希望荘 / 宮部みゆき

 << 2017年版 9位 >>

   ・「週刊文春ミステリーベスト10」 4位
   ・「ミステリが読みたい!」 15位
   ・「本格ミステリ・ベスト10」 28位

 ★ 「誰か」「名もなき毒」「ペテロの葬列」に続く
   “杉村三郎シリーズ”の4作目
   .(2作目も2007年版6位
    3作目も2015年版7位にランクイン)

 ★ 今多コンツェルン会長の娘である妻と
   離婚した杉村三郎は、
   愛娘とも別れ、仕事も失い、
   東京都北区に私立探偵事務所を開設する。
   ある日、亡き父が生前に残した
   「昔、人を殺した」という告白の真偽を
   調べてほしいという依頼が舞い込む。
   依頼人によれば、父親は妻の不倫による離婚後、
   息子との再会までに30年の空白があったという。
   はたして本当に人殺しはあったのか――。
   表題作の「希望荘」をはじめ計4篇を収録。
   新たなスタートを切った2011年の3.11前後の
   杉村三郎を描くシリーズ最新作。
   『誰か』『名もなき毒』『ペテロの葬列』に続く
   人気シリーズ第4弾。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  熱き血の誇り(上・下) / 逢坂剛

 << 2000年版 26位 >>

 ★ 製薬会社の秘書・麻矢は、
   「人殺しの会社」と受付に押しかけてきた男から、
   ある写真を預かる。
   それは病院で死亡した男の父親の解剖写真で、
   白濁した内臓が写っていた。
   麻矢の会社が開発した白い人工血液、
   フロロゾルが使われたことで父親は死んだというのだ。
   フロロゾルの存在を全く知らなかった麻矢は、
   写真を男に渡した元婦長鳥飼キヨ子を訪ねて
   静岡に向かう――。
   戦国時代の母子哀話、
   遠くスペインはカディスから逃れてきた
   フラメンコ歌手とギタリスト、
   輸血を禁じる謎の新興宗教、
   海岸の失踪事件。
   壮大な仕掛けが徐々に一つの線で繋がっていく、
   超エンタテインメント!

 ★ 版元を変えて再文庫化

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 << 「このミス」で41位以下または0票だった
       当ブログ読了済みの11月文庫化作品 >>

  砂の街路図 / 佐々木譲  <<感想記事はこちら!>>

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 NEXT >>> 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2018年12月)

 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2018年10月) <<< PREV


 “「このミス」ランクイン作品文庫化リスト”の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2018年10月 3日 (水)

「このミス2019年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう!


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 「このミステリーがすごい!2019年版」対象作品の発売も10月31日をもって終了するということで、今年もこの企画を実施してみましょう


 その名も、“「このミス2019年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう!”


 これは、当ブログで用意しました投票専用ページに、「このミス2019年版」において10位以内にランクインするであろう、と予想する10作品を記入していただくだけという、非常に簡単なものです

 そして、その結果(どの作品に何票入ったのか)や途中経過、さらには各投票者の予想や最優秀的中者なども、この記事内で発表していく予定です

 まあ、「このミス」の予想をしてみよう!と思うような人はそう多くはなくて、大体年に6~16名といったところでした

 なるべく多くの方に参加してもらった方が面白い企画ですので、予想しようかするまいか迷っているような方は、この企画を盛り上げるためにも、ぜひとも気軽に参加してみてください

 なお、3年前までの投票期間は11月1日から30日までとしていましたが、(対象作品の刊行締め切りが「このミス」より1ヶ月早い)「ミステリが読みたい!」のランキングが発表される前に予想するのと後に予想するのとでは難易度にかなりの差が出てしまいます(「ミステリが読みたい!」のランキングがかなり大きなヒントとなってしまうため)

 なので、投票期間は11月1日(木)から(「ミステリが読みたい!」のランキングが発表される「ミステリマガジン2019年1月号」の発売日より前である)21日(水)までとする予定です

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【 投票する上での注意点 】

 ・「このミス2019年版」の対象となるのは、奥付表記で2017年11月~2018年10月に発刊された広義のミステリー作品です(宝島社から発売された作品は対象外)

 ・この投票では、国内編のみが対象となっています(海外編の予想は実施しません)

 ・出来れば10作品ピッタリご記入いただきたいですが、別に10作品に満たなくても構いません

 ・“面白かった作品を選ぶ”のではなく、あくまで“予想”なので、読んでいない作品でも評判などから予想できるため、今年の対象作品をあまり読んでいないという方でも気軽にご参加ください

 ・順位予想ではないので、ベスト10に入るだろうと予想する10作品を順不同でご記入ください(ここに記載する際には名前順に並び変えます)

 ・この企画の過去の結果などは、下記の記事を参考にしてください
  > 「このミス2018年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (17.10.13)
  > 「このミス2017年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (16.10.7)
  > 「このミス2016年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (15.10.2)

  > 「このミス2015年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (14.11.2)
  > 「このミス2014年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (13.10.17)
  > 「このミス2013年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (12.10.9)

  > 「このミス2012年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (11.10.30)
  > 「このミス2011年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (10.11.1)
  > 「このミス2010年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (09.11.16)

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  なお、投票専用ページの他に、“対象作品の中から100作を厳選したリスト”のページも作りましたので、予想の参考にしたり投票の際のコピペなどにご利用ください(もちろんこのリストに載っていない作品を予想しても全く問題ありません)

 → 「このミス2019年版」対象作品の中から100作厳選リスト(別ウインドウで開きます)


       こちらのページにて投票をお願いします(別ウインドウで開きます)
                        ↓↓↓↓↓

>>> 「このミス2019年版」ベスト10作品をみんなで予想しよう!投票専用ページ <<<

 * 投票の受付開始は11月1日(木)からとなりますので、現在は投票できません
   それまでは「対象作品の中から100作厳選リスト」等を参考にして
   予想の下準備などをしていただけたら嬉しいです

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 【「このミステリーがすごい!2019年版」関連記事】

  > 「このミステリーがすごい!2019年版」ランキング(順位)予想 (18.2.1)

  > 「このミス2019年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (18.10.3)


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2018年9月30日 (日)

『宝島』 真藤順丈 > 「このミス」完全読破 No.1037

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1037

 『宝島』 真藤順丈

   「このミス」2019年版 : ?位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2018年9月16日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2018年6月>


宝島

真藤順丈

講談社 2018-06-21

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 米軍の倉庫や基地に侵入しては様々な物資を奪い、食料や衣類、医薬品など日常生活に欠かせない戦果を身内だけでなく地元じゅうに配ってまわることから、コザで一番の“戦果アギヤー”として英雄視されている青年・オンちゃん。

 そんなオンちゃんを慕い共に行動しているのが、親友で弟分のグスク、実の弟のレイ、そして恋人のヤマコの三人。

 ある日、他の地域の戦果アギヤーを助っ人にして極東最大の米軍基地、キャンプ・カデナでの強奪計画という大勝負に出るも、なぜかすぐに米兵に見つかって追い回される羽目になり、グスクはなんとか逃げ切り金網の外にいたヤマコに助けられ、逃げ遅れたレイは警察に捕まったものの、オンちゃんだけが行方不明になっていて....。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 といった通称・嘉手納戦果アギヤー強奪未遂事件から始まる本作は、戦後間もない1952年から本土復帰(アメリカから日本に返還)となった1972年までの沖縄を舞台としています。

 この時代の沖縄というのは、日本で唯一戦場となった戦争の傷跡がまだまだ深く残り、戦後もアメリカの支配が続いていたために、先祖が眠る地を強制的に追い出されたり、アメリカ軍人による犯罪に泣き寝入りしなければならなかったり、本土復帰に希望と絶望を抱いたりと、まさに激動の時代だったわけですが、一般島民の目線から史実や実在の人物を交えて描かれていくので、沖縄の基地問題などについて身を持って知ることが出来ると思います。

 そんな激動の沖縄において繰り広げられていくグスク、レイ、ヤマコの三人を中心とした物語は、激流ともいえる時代の波にも負けないほどの力強さや衝動が常に作中から感じられ、警官・教師・ごろつきと三者三様に道を切り開いて進んでいくそれぞれのストーリーも熱が冷めぬほどに生き生きとしていますし、“英雄の失踪”に端を発する胸に秘めた想いを三人が共有していることからくる青春物語としての読み応えも圧巻です。

 そして全体的には非エンタメ系文芸小説的な雰囲気があるのですが、サスペンス・バイオレンス・警察・探偵・スパイ・テロ・クライムノベル・ノワールなど様々なエンタメ要素で演出され、“英雄の失踪”の謎を追うミステリ的な展開が一貫して軸となっているなど、エンタメ要素が物語の中で血や骨となってたぎりながら息づいてもいました。

 というわけで本作は、No.632「墓頭」や『夜の淵をひと廻り』などが(自分も含めた)一部の人に高く評価されながら一般的にみるとそこまで弾けきらなかった(ように見える)著者による、ようやく限界突破をぶちかまして生み出された誰もが認める傑作だと思いますし、沖縄の社会問題を扱いつつも物語としての面白さやエンタメとしての面白さが贅沢なほどに詰め込まれているので、なるべく多くの人に読み味わってほしいですね。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “真藤順丈”関連記事 】

  > No.1037 「宝島」
  > No.0815 「しるしなきもの」
  > No.0738 「七日じゃ映画は撮れません」
  > No.0632 「墓頭」


 「コンビニなしでは生きられない」秋保水菓 <<< PREV
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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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2018年9月28日 (金)

『コンビニなしでは生きられない』 秋保水菓 > 「このミス」完全読破 No.1036

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1036

 『コンビニなしでは生きられない』 秋保水菓

   「このミス」2019年版 : ?位

   受賞(候補) : 「メフィスト賞」 受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2018年9月16日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : ノベルス <2018年4月>


コンビニなしでは生きられない
(講談社ノベルス)

秋保水菓

講談社 2018-04-06

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 第56回メフィスト賞の受賞作であり、秋保水菓のデビュー作です。

 主人公は、大学生活に馴染めず早々に中退し、その後はコンビニでバイトしているフリーターの白秋。

 まだ19歳ながら高一の時から3年ほど同じコンビニでバイトしていることもあり、新たに入ってくる研修生の教育係を担当することになったものの、その研修生というのが高校生の黒葉深咲で、しかもその黒葉は店内でミステリ的な謎が起きると生き生きし始めるという少々変わり者で....。

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 というわけで本作は、「コンビニ強盗から始めましょう」「傘は返さないといけないんです」「このコンビニから消えた女の子を覚えてる」「モノクロコンビニズム」「黒幕の向こうの会計」「黒白(こくはく)の時間」「コンビニなしでは生きられない」から成る連作集です。

 強盗事件や、何度もレジに並んで小額の買い物をしていく客、店内で姿を消した女の子など、日常の謎よりは事件性のあるような騒動がコンビニ店内で起き、その謎を主人公を始めとした店員たちが推理し解決していくのですが、個性的な店員がワイワイしながら謎解きをしていくコミカルな雰囲気で進んでいきます。

 ただそこはやはりメフィスト賞受賞作なので、そんなお店系ライトミステリの定番ような感じだけでは終わりません。

 中盤に入ると、主人公の屈折した心情や、店内での盗難を疑われ自殺した元バイト店員に関する過去話など、連作として描かれる部分に焦点が当てられていきまして、それによりそこからは結構シリアスな展開へと様変わりし、ミステリ要素も本格的な展開になっていくのですね。

 とはいえ新人のデビュー作ということもあって、ミステリ的な部分で粗さを感じたり、恋愛部分にくどさを覚えるなど、マイナス部分を探そうとすれば見つけやすいように思うのですが、前半でライトミステリかと見せかけといて後半で雰囲気を変えてしまう狙いや、作品全体に散りばめられたミステリ的な仕掛けなど、新人だからこその意気込みや熱さがとても伝わってくるような作品でもあるので、そういったプラスの部分に注目しつつこのミステリ作家としての第一歩となった本作を楽しんでみてはいかがでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


 「宇宙探偵ノーグレイ」田中啓文 <<< PREV/NEXT >>> 「宝島」真藤順丈

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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2018年9月25日 (火)

『宇宙探偵ノーグレイ』 田中啓文 > 「このミス」完全読破 No.1035

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1035

 『宇宙探偵ノーグレイ』 田中啓文

   「このミス」2019年版 : ?位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2018年9月12日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 文庫本 <2017年11月>

宇宙探偵ノーグレイ (河出文庫)宇宙探偵ノーグレイ (河出文庫)
田中 啓文

河出書房新社 2017-11-07
売り上げランキング : 461391

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 「怪獣惑星キンゴジ」「天国惑星パライゾ」「輪廻惑星テンショウ」「芝居惑星エンゲッキ」「猿の惑星チキュウ」から成るシリーズ短篇集です。

 主人公は、宇宙を飛び回って仕事をしている(けれどいつもお金に困っている)探偵のキーコ・ノーグレイ。

 そんな探偵ノーグレイが様々な惑星から依頼を受けて奮闘する姿が描かれていきます。

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 ただノーグレイに依頼して来たのは、怪獣に似た巨大生物を管理する“怪獣ランド”が観光名所となっている星だったり、住人が精神プロテクトにより罪を起こすことが出来なくなっている星だったり、住民全員が法律により脚本通りに生活している星など、とんでもなく奇抜な特徴のある訳ありの惑星ばかり。

 しかも、密室殺人や連続殺人や劇中殺人など、それぞれの惑星の設定において絶対にあり得ないような事件が起きて、それをノーグレイが(住民には事件の存在すら知られないように)密かに事件の真相を解明するべく動いていくのですね。

 本作の一番の読み所といえば、やはりバカバカしいほどに個性的すぎる惑星たちの設定でして、それぞれの地(星)を初めて訪れるノーグレイと共に、ぶっ飛びまくったアイデアが(著者らしい遊び心と共に)詰め込まれた惑星を観光するかのように(読みながら)体感していくのは、かなり刺激的な面白さです。

 そして、そういったタイプの作品だと設定重視でミステリ部分はおざなりになりがちなものの、本作の場合はミステリ部分も奇蹟的に破綻していなくて、異常な設定だからこその不可能殺人ミステリを存分に味わえますし、自らも異常な状況に追い込まれながら謎解きをしていくノーグレイの探偵ぶりを見ているだけでも充分なほどに楽しめるはず。

 ただ、多くの人に好まれるというよりは一部のマニアに絶賛されるようなタイプだと思うこともあって、声を大にしてお薦めはできないのですが、好きな人ならば終始ニヤつきっぱなしで堪能できる特殊設定SFミステリなので、少しでも気になるならまずは最初の「怪獣惑星キンゴジ」の冒頭だけでも読んでみてはいかがでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “田中啓文”関連記事 】

  > No.1035 「宇宙探偵ノーグレイ」

  > No.0678 「シャーロック・ホームズたちの冒険」
  > No.0453 「獅子真鍮の虫 永見緋太郎の事件簿」
  > No.0413 「郭公の盤」
  > No.0129 「辛い飴 永見緋太郎の事件簿」
  > No.0082 「落下する緑 永見緋太郎の事件簿」


 「雪割草」横溝正史 <<< PREV
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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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2018年9月22日 (土)

『雪割草』 横溝正史 > 「このミス」完全読破 No.1034

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1034

 『雪割草』 横溝正史

   「このミス」2019年版 : ?位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2018年9月7日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2018年3月>

雪割草雪割草
横溝正史

戎光祥出版 2018-03-08
売り上げランキング : 254346

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 横溝正史といえば、説明するまでもないとは思いますが、『八つ墓村』『犬神家の一族』などの“金田一耕助シリーズ”を始めとした数々の名作を世に送り出した、日本を代表する探偵小説・推理小説作家です。

 そんな横溝正史による、何に掲載されたのか分からず、これまでに単行本化された様子もない小説の草稿(下書き原稿)11枚が2010年に二松學舍大学所蔵の資料の中から見つかったため、この作品について調査したところ、戦時中である1941年に新潟の地方新聞で連載されていたことが判明。

 しかも、国会図書館と新潟県立図書館でマイクロフィルムにて保存されていた誌面は、最終回の一部に欠損箇所があったものの全掲載回の閲覧が可能な状態だったため、今ではその存在すら知られていなかった本作が新聞連載から実に77年ぶりに日の目を見て、もうあり得ないと思われていた“横溝正史の新刊”として発売となったのですね。

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 主人公は信州に住む緒方有爲子で、地元の実力者の息子に見初められて婚約することになったものの、式の直前になって有爲子の出生の秘密が明らかになり、それを理由に婚約は破棄されてしまうことに。

 一方的な縁談取り消しに怒った有爲子の(実は血の繋がっていなかった)育ての父親は直後に倒れたまま亡くなり、この騒動により地元に居辛くなったこともあって、本当の父親について知っているらしい人物を訪ねて東京へと向かった有爲子は、そこから激動の日々を送ることになって....。

 この作品が連載されていたのは、探偵小説の発行が禁止され、捕物帳でさえ規制されていた戦時中ということもあり、本作は探偵小説家としての印象が強い横溝正史にしては珍しい、というか生涯唯一となる通俗小説(家庭小説)となっています。

 そのため、探偵は出てこないし連続殺人も猟奇殺人も起こらないので、“横溝正史の幻の作品”だからといってそういった横溝作品の代名詞的な要素を期待しながら読むとガッカリしてしまうかもしれません。

 とはいえ、主人公が幸せの絶頂から一瞬にして哀しみの底へと落ちてしまう導入部分から始まり、主人公の味方であったり敵であったりする様々な人物たちとの運命的な出逢いやすれ違い、主人公を襲う試練の数々、過去から続く忌まわしき因縁、次々に巻き起こる劇的な展開などなど、ストーリーが強く惹き込まれてしまうほどに面白く、今の時代に“NHK連続テレビ小説”でドラマ化しても結構いけるのではないかと思ってしまうほどでした。

 さらには、“くちゃくちゃになったお釜帽、もじゃもじゃとした蓬髪、よれよれの袴”という風貌の、後に発表する作品群で活躍する名探偵・金田一耕介のモデル(原型)であろう人物が登場したり、戦時下において戦場へ行かず家に籠り療養生活を送りながら創作活動を行うという当時の作者自身の苦悩や葛藤をその人物のセリフとして吐き出すなど、横溝作品の歴史として見ても注目すべきポイントがいくつもあります。

 それに、発見時には一般のニュースでも紹介され話題になったほどに、平成も終わろうかという時期に発見・刊行されたこと自体が事件であり快挙である“幻の作品”なので、そんな歴史的背景も味わいつつ、そういった前情報などなくとも文句なしに楽しむことの出来るこの壮大なるメロドラマを堪能してみてはいかがでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


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2018年9月18日 (火)

『火のないところに煙は』 芦沢央 > 「このミス」完全読破 No.1033

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1033

 『火のないところに煙は』 芦沢央

   「このミス」2019年版 : ?位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2018年9月6日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2018年6月>

火のないところに煙は火のないところに煙は
芦沢 央

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 「染み」「お祓いを頼む女」「妄言」「助けてって言ったのに」「誰かの怪異」「禁忌」から成る連作集です。

 主人公は本作の作者(芦沢央)と思しき作家で、「小説新潮」から“神楽坂を舞台にした怪談”をテーマにした短篇小説の依頼を受けることに。

 ちょうど主人公は、かつて友人に関係する奇妙で凄惨な事件を、まさに神楽坂で体験していて、今まで心のどこかで引きずり続けていながらきちんと向き合わずにいたこともあり、その事件について書くことにしまして、それが第一話の内容となります。

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 そして第二話からは、とある理由もあって怪談短篇集として一冊の本にするべく、周囲の人たちから聞くなどした怪談話を「小説新潮」に載せていくという、“怪談の短篇”と“それを執筆し発表する主人公の心情や行動”とが同時進行する形で描かれていきます。

 怪談といっても収録されている話はいずれも(怪奇現象に翻弄されるだけでなく)怪異の謎を解くべく動く人物が登場することもあってミステリ的な展開が中心となりますし、怪異が関わってくることでサスペンス的なドキドキ感も増し、さらに終盤で一捻りをみせる予測のつかない展開があったりと、「このミス」でもベスト5入りするなど評価の高かった(怪談ではない)ノンシリーズ短篇集No.912「許されようとは思いません」を思わすような鋭く刺激的な読み味をそれぞれの短篇作品で楽しむことが出来ると思います。

 しかも本作の場合は、怪談話を雑誌で発表していく主人公自身の物語が次第に色濃く浮かび上がってくることにより、ページが進むごとに恐ろしさやおぞましさが侵食していくように感じられ、それに伴い面白さの方も増幅していくので、連作ならではの味わいも堪能出来るのですね。

 とはいえ、これは怪談ミステリとして同系であるNo.576「残穢」(小野不由美)もそうでしたが、エンタメ的に派手だったり暴力的だったりなど直接的な恐怖を演出するタイプではなく、得体のしれない恐怖に背すじを凍らせるようなタイプのホラーなので、単行本帯の強気な煽り文(『本年度ミステリ・ランキングの大本命!』)などから力強い読み応えのあるエンタメホラーだと期待してしまうと手応えを感じられないかもしれません。

 なので、ハリウッドの大作ホラー映画を観るというよりは、評判の良い怪談イベントに行って怪談噺を聴くような気持ちで読み始めた方が、この裏表紙にまでゾッとする仕掛けのある怪談連作集の魅力に浸るのには最良なのではないでしょうか(裏表紙の仕掛けは第一話を読んでから確認してください)。


> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
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  【 “芦沢央” 関連記事 】

  > No.1033 「火のないところに煙は」
  > No.0912 「許されようとは思いません」


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2018年9月13日 (木)

『ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~』 三上延 > 「このミス」完全読破 No.1032

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1032

 『ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~』 三上延

   「このミス」2018年版 : 126位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
                 (小説ランキング) 6位

   読了日 : 2018年9月1日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 電子書籍 <2017年2月>

ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~ (メディアワークス文庫)
三上 延

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No.493「ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~」
No.554「ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~」
No.559「ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~」
No.631「ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~」
No.718「ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~」
No.835「ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~」
に続く、“ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ”の7作目です。

 2011年に1巻が発売されると瞬く間に大ヒットを記録し、続刊が発売される度にさらなるヒットをし続けている人気シリーズですが、それをきっかけに他作家のショップ系ライトミステリ作品が次々と刊行されてこれまたヒットするなど、その影響力は一つのジャンルにおいてブームを巻き起こすほどでした。

 ただそんな話題性だけでなく、1作目が「週刊文春ミステリーベスト10」と「本格ミステリ・ベスト10(本ミス)」、3作目が「本ミス」、4作目が「このミス」にランクインし、2作目収録短篇と4作目は「日本推理作家協会賞」の候補に選ばれるなど、ミステリ作品としても高い評価を受けていますし、1作目は「本屋大賞」で現時点(2018年)で唯一となる文庫作品でのベスト10入りを果たしているなどの実績も持っているのです。

 そんな一時代を築いたともいえるシリーズですが、本作にてついにエンディングを迎えることになりました。

 とはいえ、1巻から続く本編としての流れは本作で終了となるものの、まだ番外編やスピンオフ作品などが発表されていくので、シリーズとしての完結はまだ先となるようですね。

 なおこのシリーズは、シリーズ全体を通しての物語展開が重要となっていますし、今回は特に最終巻だけあってこれまでの総まとめといった感じもあるため、1作目から順に読んでいくことをお薦めします。

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 今回主に取り扱われるのは、1623年に出版されたシェイクスピアの戯曲作品集であるファースト・フォリオで、赤・青・白に装丁された三冊のファースト・フィリオのファクシミリ(複製本)のうちから本物を当てるという、栞子さんと大輔にとって一世一代となるほどの賭けを行なうことに。

 シェイクスピアやファースト・フィリオなどに関する蘊蓄を含めた会話劇は知的好奇心をくすぐられながらの面白さですし、それが心震わす人間ドラマと絶妙に絡み合っていて、さらにクライマックスにおける振り市(古書店を対象としたオークションのようなもの)では迫力満点のやり取りが繰り広げられるなど、相変わらずライトミステリとは呼べないくらいに読み応えある古書ミステリとなっています。

 ただやはり今巻は、これまで語られてきた栞子さんと大輔を中心としたストーリーがどのような終着点へと向かうのかが一番の読み所だと思うのですが、そこはもう(今更変に掻き乱したり特別感を出したりすることなく)ここまで続いてきた流れのままに物語は進んでいきますし、それでいて懐かしの人物も顔を見せるなど最終回らしさもあったりするので、1巻からずっと読んで来た人であればとても満足なエンディングを迎えることが出来るのではないでしょうか。

 そして、番外編やスピンオフも待ち遠しくなってしまうのですが、それとはまた別に、激動の人間ドラマはなくてもいいのでまた(本格的な)古書ミステリを新シリーズとして読みたくなってしまいますねェ。


> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
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  【 “三上延” 関連記事 】

  > No.1032 「ビブリア古書堂の事件手帖7 ~栞子さんと果てない舞台~」
  > No.0875 「江ノ島西浦写真館」
  > No.0835 「ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~」

  > No.0718 「ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~」
  > No.0631 「ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~」
  > No.0559 「ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~」
  > No.0554 「ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~」
  > No.0493 「ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~」


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