サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

ブログ情報

にほんブログ村2

カテゴリー「01.「このミス」完全読破(ミステリ小説)」の記事

2020年1月28日 (火)

『ノッキンオン・ロックドドア』 青崎有吾 > 「このミス」完全読破 No.1111

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1111

 『ノッキンオン・ロックドドア』 青崎有吾

   「このミス」2017年版 : 65位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 17位

   読了日 : 2020年1月16日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2016年4月>

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 青崎有吾は、鮎川哲也賞を受賞したNo.729「体育館の殺人」で2012年にデビューすると、同作はいきなり「本格ミステリ・ベスト10(本ミス)」で5位にランクインし、翌年発売のNo.761「水族館の殺人」は2位(&本格ミステリ大賞候補)、さらに翌年発売の『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』は短篇集ながら8位にランクイン。

 デビューから3年連続&3作連続で「本ミス」ベスト10入りというのは本格ミステリ系新人作家としてはかなり凄い結果だと思うのですが、しかし青崎有吾の(本格ミステリ作家としての)本当の凄さが証明されたのは、そこから1年半以上新作の発表がない中で迎えた2016年(2017年版)のことでした。

 この年は、前3作から続く“裏染シリーズ”の新作No.934「図書館の殺人」が2位に入っただけでなく、『ノッキンオン・ロックドドア』が17位、『アンデッドガール・マーダーファルス1』が20位と、3作同時に20位以内にランクインを果たし、(ランクインこそ逃したものの)『アンデッドガール・マーダーファルス2』も次点の32位(30位が2作品のため)となるほどの票が入り、作家別得票では文句なしの1位となるなど、まさに2016年の本格ミステリ界を代表するほどの八面六臂の活躍を見せました。

 そんな2017年版対象期間内に発売された作品の中の一つである『ノッキンオン・ロックドドア』は、単行本の巻末にシリーズ続編が2017年に発売予定と書かれていたものの、結局その翌年の2018年になっても刊行されなかったのですが、2019年末になってようやく発売されたこともあって、遅ればせながらまずは未読だったシリーズ1作目から読んでみることに。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 というわけで本作は、「ノッキンオン・ロックドドア」「髪の短くなった死体」「ダイヤルWを廻せ!」「チープ・トリック」「いわゆる一つの雪密室」「十円玉が少なすぎる」「限りなく確実な毒殺」から成る連作に近いシリーズ短篇集です。

 “ノッキンオン・ロックドドア”という変わった名前の探偵事務所を立ち上げた御殿場倒理と片無氷雨の二人が主人公なのですが、この二人は“探偵事務所の二人組”といえば思い浮かぶ(であろう)ホームズ&ワトソンの関係性ではなく、二人共にれっきとした探偵なのです。

 とはいえ、悪魔的巻き毛の“倒理”は密室やアリバイなどの“不可能な謎(ハウダニット)”、地味メガネの“氷雨”は現場に残された不自然さや犯人の動機などの“不可解な謎(ホワイダニット)”の推理を得意にしていて、どちらもそれ以外のことは苦手なので、お互いを補うような形で協力して探偵活動を行っているという、少々変わった探偵コンビなのですね。

 そんなダブル探偵が依頼を受けたり首を突っ込んだりする事件の謎というのが、密室や暗号など定番的なものから、すれ違った人が発した一言を基に推理合戦を繰り広げるという異色なものまで種類が豊富で飽きさせませんし、一つの事件に対してHOWとWHYの二方向から推理をぶつけていくことにより真相へとたどり着くという推理劇が本作ならではの読み応えを生み出していたように思います。

 ただ、相棒でありライバルである探偵二人を始めとした登場人物たちのキャラクターやセリフややり取りはキャラクター小説的なノリがあるのでそこで好き嫌いが分かれそうではあるものの、そんな軽快な掛け合いこそが青崎作品の魅力の一つでもありますし、本格ミステリ的な面白さはランクイン実績を改めて確認するまでもなく実感できるはずなので、読めば(シリーズを通しての謎を匂わせていることもあって)すぐにでもシリーズ続編を手に取りたくなってしまうのではないでしょうか。


 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “青崎有吾” 関連記事 】

  > No.1111 「ノッキンオン・ロックドドア」
  > No.1080 「早朝始発の殺風景」(後日更新予定)
  > No.0934 「図書館の殺人」
  > No.0761 「水族館の殺人」
  > No.0729 「体育館の殺人」


 「大天使はミモザの香り」高野史緒 << PREV/NEXT >> 「間宵の母」歌野晶午

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

Gapaku3298_tp_v

2020年1月27日 (月)

『大天使はミモザの香り』 高野史緒 > 「このミス」完全読破 No.1110

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1110

 『大天使はミモザの香り』 高野史緒

   「このミス」2021年版 : ?位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2020年1月12日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2019年11月>


大天使はミモザの香り

高野 史緒

講談社 2019.11.20

Amazonで詳しく見る

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 所属していた三つのアマチュア・オーケストラ(アマオケ)が全て消滅してしまった音羽光子は、プロのソプラノ歌手(自称)である社長夫人が新たに作ったアマオケ“東京アークエンジェル・オーケストラ”のオーディションになんとか合格。

 このアークエンジェルは、有名なプロ独奏者との共演、そのプロ奏者が弾くのはヨーロッパから海を越えてやって来る時価二億円以上ともいわれるヴァイオリンの名器“ミモザ”、さらに開催されるのは最高傑作のコンサートホールであるアルペジオ・ホールという、まだ実態のないアマオケとしては異例の初演コンサートが(オーディションの時点で)決定済み。

 そんな公演の数日前に、ミモザの所有者でもあるラ・ルーシェ公国(フランスとイタリアの国境に位置する小さな国)の大公・アルベールを歓迎するレセプションを開いたものの、大公がミモザを使っての演奏を披露しようとしたその時、厳重な警備の元で楽屋内に置かれたうえに、特殊なロックシステムの鍵がかけられたヴァイオリン・ケースの中から、ミモザがいつの間にか消えていることが分かって....。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 というわけで本作は、アマチュア・オーケストラを舞台とした音楽ミステリです。

 まあ音楽ミステリとはいえ、密室空間の中から時価数億の名器が消失するという本格ミステリっぽい事件が起きるのですが、その事件の謎を解くべくオーケストラの団員である探偵役が推理して....、といったようにはなりません。

 本作の主人公である光子は、事件の謎を気にしつつもそれを発端にして起きていく騒動に巻き込まれることになりまして、なぜか大役に抜擢されたり、大公と極秘デートのようなことをする羽目になったり、迎えた公演でも一悶着があったりと、ハチャメチャな展開が繰り広げられる中、次第に事件の真相も明らかになっていくことに。

 そういった話の中で一番力を入れて書かれているのが、四十二歳独身彼氏なしで、ヴァイオリン奏者としても華がなく才能を感じさせないけれど下手なわけではないので使い勝手が良く、そんな自分を自虐している光子自身の物語で、とはいえ暗くじめじめと悩んでいるわけではなくて逆に吹っ切れているような明るさが感じられますし、事件や騒動を通して次第に自分らしい生き方に気付いていく姿が、ドタバタコメディ的な物語の中で描かれていくのですね。

 なので、謎解きミステリ的な要素や演奏シーンで盛り上がるような音楽ミステリを期待してしまうと手応えを感じられないかもしれないものの、個性的な登場人物たちが大騒動を巻き起こす漫画的な(『動物のお医者さん』の佐々木倫子が本作を原作にして描いたらかなり面白くなりそうな)魅力に満ちているので、ミステリ作品としては肩肘張らずに軽い気持ちで読んでみれば充分なほどに楽しめるのではないでしょうか。


 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “高野史緒”関連記事 】

  > No.1039 「翼竜館の宝石商人」(後日更新予定)
  > No.0566 「カラマーゾフの妹」


 「風神雷神 Juppiter, Aeolus」原田マハ << PREV
              NEXT >> 「ノッキンオン・ロックドドア」青崎有吾

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

Gapaku3298_tp_v

2020年1月24日 (金)

『風神雷神 Juppiter, Aeolus』 原田マハ > 「このミス」完全読破 No.1109

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1109

 『風神雷神 Juppiter, Aeolus』 原田マハ

   「このミス」2021年版 : ?位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2020年1月5日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本(上・下) <2019年11月>


風神雷神 Juppiter,Aeolus(上)

原田 マハ

PHP研究所 2019.10.29

Amazonで詳しく見る

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 俵屋宗達の研究をしている京都国立博物館研究員の望月彩は、訪れて来たマカオ博物館の学芸員であるレイモンド・ウォンに“見てもらいたい物がある”と言われ、それが何かは分からないままマカオ博物館へ向かうことに。

 そこで見せられたのは、90年代に行われた聖ポール天主堂跡での大掛かりな発掘調査で出てきたものの、とある人物によってその存在すら知られずに隠されていたという、“風神雷神(ユピテル、アイオロス)”が描かれた西洋絵画。

 そして一緒に出て来たという古文書は、16世紀末に天正遣欧使節の一員としてローマに派遣された原マルティノが書いたものらしく、しかもその中には「俵…屋…宗…達」の四文字が書かれていて....。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 俵屋宗達は、単行本表紙にも使われている“風神雷神図”が国宝に選ばれるなど、主に江戸時代初期に名作を生み出した日本が誇る大画家なのですが、出生や晩年も含めてその生涯は明らかになっていない部分がとても多い謎の人物でもあります。

 一方で原マルティノの生涯は(宗達に比べれば詳しく)後世にも伝えられていて、1582年に天正遣欧少年使節(九州のキリシタン大名の名代)の一員として(伊東マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリアンと共に)ローマに派遣されています(8年後に帰国)。

 史実ではこの2人に接点はなかったそうなのですが、もしも別の使命を受けた宗達がマルティノたちの使節団と共にヨーロッパへと渡っていたら...、そしてたどり着いたヨーロッパ(ミラノ)の地で後に世界的な絵画の巨匠となるカラヴァッジョと出会っていたら...、といった空想の世界を史実の空白部分に埋め込んで作られたのが本作なのです。

 単行本上巻の多くの部分では、(天下人となった)織田信長、(狩野派の頭領である画人の)狩野永徳という当時の日本を代表するほどの大物二人との出会いにより絵描きとしての才能を開花させていく少年時代の宗達が描かれまして、大人でも怯んでしまうほどの試練に対し、明るくひょうきん者ながら絵に懸ける情熱は人一倍という性格、それに加えて溢れ出んばかりの才能によって、試練も楽しみながら乗り越えていくように見える宗達の姿に、読んでいるこちらまでドキドキワクワクしてしまうほどの読み応えが半端ない成長物語となっています。

 そして上巻の終盤から下巻にかけては、宗達がマルティノらと合流してローマへと向かう旅路が描かれ、数年掛けて海陸を越えなくてはならない命賭けの大航海&大移動が繰り広げられるのですが、その中で見聞きするもの全てが(宗達たちにとって)新たなる発見となるので心踊る冒険が一日中続いているかのようですし、そこに芸術(絵画)と宗教(キリスト教)が絡んでくることで神秘的な高揚感にも包まれるなど、少年たちが全身で受け取るいくつもの刺激に魅了されてしまう圧巻の大冒険物語となるのですね。

 ただ、大冒険とはいえミステリやサスペンス要素はあまりなく、現代編もプロローグ&エピローグくらいしかないので、「このミス」を参考に読む本を選んでいるような人だと物足りなく感じてしまうかもしれないものの、史実の隙間を素晴らしき想像力で魅力的に埋めたからこそ生まれ得たこの歴史アート冒険物語は単純にエンタメ作品としての面白さが飛び抜けていると思うので、読めば宗達やマルティノたちの冒険や成長を自分も一緒に同行しているかのように楽しめるかもしれませんし、何か新しいことにチャレンジしたくなる気持ちが膨らんでいくのではないでしょうか。

 ちなみに、例えば無宗派を貫く宗達とマルティノたちキリシタンとの確執とか、大航海時の困難さや過酷さなどにはあまり力を入れて書かれていなくて、明るく前向きなキラキラした冒険物語が中心となっているのですが、これは、“再び長い年月をかけて帰国した後のマルティノたちキリシタン四人には(キリシタン弾圧などにより)壮絶で哀しい人生が待ち受けている”という史実は変えられないから、せめてこの作品の中だけは....、という著者の気持ちもあったのではないかな~なんて想像すると、なんとも切なくなってしまいますね....。


 個人的評価 : ★★★★★ ★★★☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “原田マハ”関連記事 】

  > No.1109 「風神雷神 Juppiter, Aeolus」
  > No.0907 「暗幕のゲルニカ」(後日更新予定)
  > No.0551 「楽園のカンヴァス」


 「潮首岬に郭公の鳴く」平石貴樹 << PREV
              NEXT >> 「大天使はミモザの香り」高野史緒

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

Gapaku3298_tp_v

2020年1月13日 (月)

『潮首岬に郭公の鳴く』 平石貴樹 > 「このミス」完全読破 No.1108

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1108

 『潮首岬に郭公の鳴く』 平石貴樹

   「このミス」2020年版 : 10位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 10位

   読了日 : 2019年12月24日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"

   読んだ版 : 単行本 <2019年10月>

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 平石貴樹は、アメリカ文学者として東京大学大学院の教授を長年務めていて、2013年からは東京大学名誉教授となり、これまで多くの研究書や翻訳書を発表しているという凄い経歴の持ち主です。

 そんな教授としての活動の一方で、寡作ながら80年代から小説も(しかも研究者としては専門外であるミステリ小説を中心に)発表していて、大学院教授を退任した2013年から“松谷警部シリーズ”を年に1冊のペースで刊行すると、シリーズ1・2・4作目が「本格ミステリ・ベスト10(本ミス)」で11位以上にランクインし、「このミス」でも(ランクインこそ逃したとはいえ)4作目が次点(22位)となり、3作目が本格ミステリ大賞の候補に選ばれるなど、シリーズを通して高い評価を受けることに(4作目でシリーズ完結)。

 そして3年ぶりの新作である本作にて「このミス」初ランクイン、それも10位という高順位にランクインとなりました。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 函館有数の資産家であるだけでなく、美しい三人の孫娘たちがテレビにも出演するなど評判となっている、岩倉商事会長の岩倉松雄。

 その三女である16歳の咲良が行方不明となり、遺留品が発見された潮首岬で血の付いた鷹の置物が見つかったことで、岩倉家で所持している4本の短冊額に収められた芭蕉の俳句に見立てた事件の可能性が浮上して....。

 この事件の謎に船見刑事を始めとした警察が挑んでいくと、過去から現在に到るいくつもの人間関係が浮かび上がってくるのですが、いずれもが因縁深くドロドロとした関係性でありながらむしろドライな印象となっているので、猟奇的な事件とも相まって何とも言えない不気味な雰囲気が漂っています。

 しかも有力な容疑者が見つかってはすぐにその容疑が薄くなるというもどかしくて手応えの感じられない捜査が続く中、突如として探偵役が鋭い推理を披露し、衝撃のトリックが明らかになり、驚愕の真相(動機)が姿を現すのですね。

 作中の多くが地道な捜査場面ですし、インパクトある演出や展開で盛り上げるタイプでもないので、“「このミス」「本ミス」共に10位にランクイン”という結果から大作感のある読み応えやド派手なミステリトリックを期待してしまうと物足りなく感じてしまうかもしれません。

 とはいえ、昭和のミステリを思わすような捜査劇は渋みの効いた通好みの読み味を生み出していますし、そんなじっくりと描かれた捜査劇を経ているからこそ、その対比として推理の衝撃、トリックの衝撃、真相(動機)の衝撃が何倍にも増して感じられるので、(期待の掛け方さえ間違えなければ)特殊設定や捻られた演出などを用いたミステリ作品が全盛の今の時代だからこそ逆に楽しめる(端正な本格ミステリとしての)面白さを心から堪能できるのではないでしょうか。


 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


 「暗約領域 新宿鮫XI」大沢在昌 << PREV
              NEXT >> 「風神雷神 Juppiter, Aeolus」原田マハ

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

Gapaku3298_tp_v

2020年1月 9日 (木)

「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2020年2月)


Gapaku3298_tp_v


 「このミステリーがすごい!」にランクインする作品というのは、ほとんどが単行本やノベルスで刊行された作品なので、“文庫化されてから読んでみよう”と考えている方も多くいるのではないでしょうか

 なので、「このミス」の1~20位にランクインした作品、およびあと一歩でランクインを逃した作品(21~40位)の文庫化リストを、文庫版発売月別にまとめてみたいと思います


 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ

 * シリーズ作品紹介文中の作品名部分のリンク先は、当ブログ感想記事

 * シリーズ作品のランクイン実績は、2020年版までの記録


 << この記事は現時点で未完の状態なので、情報を仕入れ次第、新たに対象作品を追加していく予定です(追加情報は「このミス」完全読破 説明&読破本リストの“更新情報”欄に書いていきます) >>

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【 2020年 2月 発売 】


 クララ殺し / 小林泰三

 << 2017年版 27位 >>

   ・「本格ミステリ・ベスト10」 23位

 ★ 「アリス殺し」に続く
   “『アリス殺し』シリーズ”の2作目
   .(1作目が2014年版4位にランクイン)

 ★ 大学院生・井森建は、
   ここ最近妙な夢をよく見ていた。
   自分がビルという名前の蜥蜴で、
   アリスという少女や異様な生き物が存在する
   不思議の国に棲んでいるというものだ。
   だがある夜、ビルは緑豊かな山中で、
   車椅子の美少女クララと“お爺さん”なる男と出会った。
   夢の中で「向うでも会おう」と告げられた通り、
   翌朝井森は大学の校門前で“くらら”と出会う。
   彼女は、何者かに命を狙われていると
   助けを求めてきた……。
   夢の“クララ”と現実の“くらら”を巡る
   冷酷な殺人ゲーム!

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 彼女の色に届くまで / 似鳥鶏  <<感想記事はこちら!>>

 << 2018年版 40位 >>

   ・「本格ミステリ大賞」 候補
   ・「日本推理作家協会賞(短編部門)」候補作収録
   ・「本格ミステリ・ベスト10」 18位

 ★ 画廊の息子で幼い頃から画家を目指している緑川礼(僕)は、
   期待外れな高校生活を送っていた。
   友人は筋肉マニアの変わり者一人。
   美術展の公募にも落選続きで、
   画家としての一歩も踏み出せず、
   冴えない毎日だった。
   だが高校生活も半ばを過ぎた頃、
   僕は学校の絵画損壊事件の犯人にされそうになる。
   その窮地を救ってくれたのは、
   無口で謎めいた同学年の美少女、千坂桜だった。
   千坂は有名絵画をヒントに事件の真相を解き明かし、
   それから僕の日々は一変する。
   僕は高校・芸大・社会人と、
   天才的な美術センスを持つ千坂と共に、
   絵画にまつわる事件に巻き込まれていくことになり……。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 << 「このミス」で41位以下または0票だった
       当ブログ読了済みの2月文庫化作品 >>

 夜明けまで眠らない / 大沢在昌  <<感想記事はこちら!>>

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 NEXT >>> 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2020年3月)

 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2020年1月) <<< PREV


 “「このミス」ランクイン作品文庫化リスト”の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2020年1月 6日 (月)

「このミス2021年版」月別ランクイン候補作品(2020年2月)


Gapaku3298_tp_v


 これで12年目となる“月別ランクイン候補作品”ですが、「このミステリーがすごい!2021年版」対象作品についても引き続き実施していこうと思います

 この“月別ランクイン候補作品”とは、自分は日頃から“どんな作品が「このミス」にランクインしそうかな?”と色々とチェックしているので、どうせならそれを刊行された月(奥付記載の月)別にまとめてしまおう!ということで始めた企画です

 ここでは、とりあえず「このミス」の対象になりそうな作品をピックアップして、作者やシリーズの「このミス」実績ごとに分けて並べています

 なお、読んだうえでのランクインするかどうかの予想に関しては、「このミステリーがすごい!2021年版」ランキング(順位)予想の方をご覧ください


 << この記事は現時点で未完の状態なので、情報を仕入れ次第、新たに対象作品を追加していく予定です(追加情報は「このミス」完全読破 説明&読破本リストの“更新情報”欄に書いていきます) >>

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>> 2020年2月発売の「このミス」ランクイン実績のあるシリーズ作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
 * 作者名横のカッコ内は、作者の「このミス」20位以内ランクイン作品数
 * シリーズ過去作品の作品名部分のリンク先は、当ブログ感想記事

 ドミノin上海 / 恩田陸 (8作) * シリーズ2作目
      〈1作目「ドミノ」が02年版12位にランクイン〉

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>> 2020年2月発売の「このミス」ランクイン実績作家の作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
 * 作者名横のカッコ内は、「このミス」20位以内ランクイン作品数

 礼儀正しい空き巣の死 / 樋口有介 (2作)
 戦時大捜査網 / 岡田秀文 (1作)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>> 2020年2月発売の「このミス」ランクイン実績なしも
          21~40位に入ったことのある作家の作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」21~40位作品数

 ワン・モア・ヌーク / 藤井太洋 <2作>

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>> 2020年2月発売の
    日本推理作家協会賞(推協賞)短編部門の受賞作・候補作
    および年間傑作選アンソロジー選出作を収録した作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
 * 作者名横のカッコ()内は、「このミス」20位以内ランクイン作品数
 * 作者名横のカッコ<>内は、過去の「このミス」21~40位作品数
   (「このミス」ランクイン作家の場合は省略)
 * 他の項目と重複している作品もあります

[ ]


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>> 2020年2月発売のミステリ(エンタメ)系新人賞受賞(候補)作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ

[ “メフィスト賞”受賞作 ]
 #柚莉愛とかくれんぼ / 真下みこと

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>> 2020年2月発売の
     「このミス」で40位以内に入ったことはないものの
     「本格ミステリ・ベスト10(本)」
     「週刊文春ミステリーベスト10(春)」
     「ミステリが読みたい!(早)」
     にはランクイン経験のある作家の作品 <<

 * 「週刊文春ミステリーベスト10」は
   (「このミス」が始まった)1988年以降のランクイン作家のみ対象
 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>> 2020年2月発売の「このミス」の候補かもしれない作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ

 錬金術師の密室 / 紺野天龍
 眠りの神 / 犬塚理人
 丸の内魔法少女ミラクリーナ / 村田沙耶香

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

>> 2020年2月発売の宝島社作品 <<

 * 「このミス」では集計対象外(「本ミス」「文春」「早ミス」は対象)
 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 NEXT >>> 「このミス2021年版」月別ランクイン候補作品(2020年3月)

 「このミス2021年版」月別ランクイン候補作品(2020年1月) <<< PREV


 「月別ランクイン候補作品」の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2020年1月 2日 (木)

「このミステリーが惜しい!(2011-2020年版)」 > 「このミス」完全読破・1100作突破記念企画

Gapaku3298_tp_v


「このミス」完全読破 1100作突破記念企画


  >> 「 このミステリーが惜しい!(2011-2020年版) 」 <<


 ”「このミス」完全読破”がついに1100作を突破したということで、100作突破ごとの記念企画を今回も実施していきたいと思います

 “「このミス」完全読破・100作突破ごとの記念企画”のリストは、「このミス」完全読破 更新情報&説明&読破本リストをご覧ください。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 1100作突破記念企画として行うのは、名付けて「このミステリーが惜しい!(2011-2020年版)」

 「このミス」では20位以内に入るとランクイン、21位以下だとランク外となるのですが、惜しくも1~4点差(あと一人分の投票が加われば逆転していたくらいの差)で次点となりランクインを逃した作品を見てみると、驚くほどに個性豊かな名作&怪作揃いとなっていますし、後の作品で著者が「このミス」初ランクインを果たしたり、シリーズ作品が「このミス」上位常連となるなど、先見の明的な作品も多いのです

 なので、「このミス」の2011年版から2020年版の10年間(2010年代)において、惜しくも次点(通常だと21位、20位以内が21作や22作あった年は22位や23位)でランクインを逃した作品を紹介してみたいと思います


 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 光媒の花 / 道尾秀介  <<感想記事はこちら!>>

  ( 2011年版:22位、 20位<2作同点>との得点差:1点 )

 前年までの道尾作品の特長でもあった“読者を驚かせる大掛かりなトリック”はなく、あくまで物語を引き立たせるためにミステリ的な仕掛けが使われているのですが、かなり切なく哀しく痛々しい話の中に優しさに包まれた希望が静かに満ち溢れている、とても心に響く作品となっています


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 キング&クイーン / 柳広司  <<感想記事はこちら!>>

  ( 2011年版:22位、 20位<2作同点>との得点差:1点 )

 著者の代名詞である“ジョーカーゲーム・シリーズ”と比べると(重厚な頭脳戦や謀略ミステリよりも)軽快なアクションやサスペンス劇に力を入れたエンタメ作品で、最後には驚きの仕掛けも浮かび上がってきます


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 狩場最悪の航海記 / 山口雅也  <<感想記事はこちら!>>

  ( 2012年版:21位、 20位との得点差:4点 )

 かの有名な「ガリヴァー旅行記」の幻の続編という奇抜な設定なのですが、ミステリ要素はそれほどでもないものの、この設定に負けないどころか超越してしまうほどにぶっ飛んだ奇想冒険ファンタジーが繰り広げられます


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 アルカトラズ幻想 / 島田荘司  <<感想記事はこちら!>>

  ( 2013年版:21位、 20位との得点差:1点 )

 本格ミステリ的な始まりを見せるも、その後はジャンルさえ飛び越えてしまうような場面展開が行われ、最終的には予想外の終着点に到着するという、島田荘司ならではの強引な力技が炸裂したとんでもない作品です


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官 / 川瀬七緒  <<感想記事はこちら!>>

  ( 2014年版:21位、 20位との得点差:2点 )

 昆虫の専門知識を活用して捜査を進める“法医昆虫学捜査官シリーズ”の2作目ですが、(後の作品も「このミス」にランクインはしていないとはいえ)2019年現在で7作目まで続いているほどの人気シリーズとなっています


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 暗い越流 / 若竹七海  <<感想記事はこちら!>>

  ( 2015年版:21位、 20位との得点差:1点 )

 日本推理作家協会賞・短編部門受賞作を表題としたノンシリーズ短篇集(ただしシリーズ短篇も含む)である本作は、受賞作のレベルが高いのはもちろん、その他もインパクトある刺激やブラックな遊び心などが込められた名作揃いです

 ちなみに、本作にも短篇が収録されている“葉村晶シリーズ”は、その後に発売されたシリーズ単独作品が4位(No.813「さよならの手口」)、2位(No.920「静かな炎天」)、3位(No.1029「錆びた滑車」)にランクインするなど、今では出れば必ず「このミス」上位に入る超人気&超高評価シリーズと化しています


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 黒龍荘の惨劇 / 岡田秀文  <<感想記事はこちら!>>

  ( 2015年版:21位、 20位との得点差:1点 )

 “名探偵月輪シリーズ”の2作目である本作は、明治時代が舞台の連続殺人事件と圧巻の推理劇と現代的ともいえる真相とが見事に絡み合っているので、「このミス」以外は全てランクインした結果からも2014年を代表するミステリ作品の一つであることは間違いないでしょう

 そして著者的には、3年後の「2018年版」でNo.1014「帝都大捜査網」が16位に入り「このミス」初ランクインを果たしています


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 槐(エンジュ) / 月村了衛  <<感想記事はこちら!>>

  ( 2016年版:23位、 19位<4作同点>との得点差:1点 )

 部活の野外活動としてキャンプ場にいた中学生たちが半グレ集団に襲撃され、命の危機にさらされながらも反撃を試みていくという、怒涛の迫力が物語を突き抜けていくノンストップ・エンタメ・アクション作品です

 ちなみにこの年の月村作品は、No.844「影の中の影」が12位にランクイン、本作が次点(23位)、No.1001「機龍警察 火宅」が32位と、3作品全てが35位以上に入っていました


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ビッグデータ・コネクト / 藤井太洋  <<当ブログ感想記事>>

  ( 2016年版:23位、 19位<4作同点>との得点差:1点 )

 前年発売のNo.744「オービタル・クラウド」は国内SFの主要三冠を制しましたが、その翌年の2015年にはIT要素満載の捜査エンタメと強烈なキャラクターが魅力的なサイバー警察小説である本作で、『オービタル・クラウド』とはまたジャンルが異なる方面で高評価を受けました


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 松谷警部と向島の血 / 平石貴樹

  ( 2017年版:22位、 20位<2作同点>との得点差:1点 )

 「本ミス」では1作目が11位、2作目が10位と高評価を受けた一方、「このミス」では40位にも入らなかった“松谷警部シリーズ”ですが、この4作目にして最終刊となる本作では「このミス」でも次点となるほどの票を集めることに

 そして著者的には、後に「2020年版」で『潮首岬に郭公の鳴く』が10位に入り「このミス」初ランクインを果たしています


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 AX アックス / 伊坂幸太郎  <感想記事はこちら>

  ( 2018年版:21位、 18位<3作同点>との得点差:1点 )

 No.381「グラスホッパー」No.384「マリアビートル」に続く“殺し屋シリーズ”の3作目で、今回は“殺し屋としては超一流も家に帰れば家族思いの恐妻家”という魅力的な主人公により前2作とはまた違った面白さが生み出されています


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 パズラクション / 霞流一

  ( 2019年版:21位、 20位との得点差:2点 )

 多重解決、倒叙、密室、見立てなど本格ミステリの様々な要素を詰め込めるだけ詰め込んだうえに、著者の本領であるバカミス的トリックを遺憾なく発揮できる舞台を生み出しているので、(好き嫌いははっきりと分かれそうではありますが)「本ミス」上位ランクインも納得のぶっ飛びまくり本格ミステリです


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 生き残り / 古処誠二

  ( 2019年版:21位、 20位との得点差:2点 )

 前年には『いくさの底』で年間ベスト級の高評価を受けた古処誠二の2018年新作は、戦場ならではの犯行動機が静かながら心に染み入る衝撃をもたらす戦争ミステリとなっています


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 時空旅行者の砂時計 / 方丈貴恵

  ( 2020年版:22位、 19位<3作同点>との得点差:2点 )

 No.933「ジェリーフィッシュは凍らない」(市川憂人)、No.990「屍人荘の殺人」(今村昌弘)と、近年はデビュー作ながらミステリランキングの上位に入る作品を多く輩出している鮎川哲也賞の2019年受賞作は、本格ミステリの定番的な展開の中にSF(タイムトラベル)設定が盛り込まれた意欲作です


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2019年12月30日 (月)

「この“ランク外作品”がすごい!2020年版」


 「このミステリーがすごい!2020年版」が発売され、ランキングが発表されたということで、これからランクイン作品を読んでみようと思っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか

 2019年に発売された大量のミステリ&エンタメ作品の中から、読書のプロたちが選んだ作品がズラリと並んでいるわけで、まあ好みの問題はあるとはいえ面白い作品揃いなのは間違いないでしょう

 しかし、だからといって“ランクインした作品は面白く、ランクインしなかった作品はつまらない”というわけでは決してなく、ランクインを逃した21位以下(今年は19位が3作品あったので22位以下)の作品の中にも傑作が数多く秘められているのですね

 なのでここは、そんなランク外だった作品の中から読んでおくべきお薦めの作品を何点か紹介してみたいと思います

 なお選んだ基準は、自分が面白いと思った作品ではありませんでして、「このミス」でランクインまであと一歩だった作品(具体的には“21位以下の作品<20点以上>”の欄に掲載された作品)の中から、他のミステリランキング誌ではランクインした作品(「本ミス」は30位以内、「文春」「早ミス」は20位以内)をピックアップしました


 「このミス」 ・・・・ このミステリーがすごい!
 「本ミス」 ・・・・ 本格ミステリ・ベスト10
 「文春」 ・・・・ 週刊文春ミステリーベスト10
 「早ミス」 ・・・・ ミステリが読みたい!


 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 時空旅行者の砂時計 / 方丈貴恵

  ( このミス:22位、 本ミス:7位、 文春:15位 )

 No.933「ジェリーフィッシュは凍らない」(市川憂人)、No.990「屍人荘の殺人」(今村昌弘)と、近年はデビュー作ながらミステリランキングの上位に入る作品を多く輩出している鮎川哲也賞の今年の受賞作は、本格ミステリの定番的な展開の中にSF(タイムトラベル)設定が盛り込まれた意欲作です(ちなみに「早ミス」は来年度版の対象)

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 或るエジプト十字架の謎 / 柄刀一  <感想記事はこちら>

  ( このミス:23位、 本ミス:6位、 早ミス:10位 )

 エラリー・クイーンの“国名シリーズ”をオマージュしたシリーズ短篇を収録した本作は、インパクトあるトリックとテクニカルなロジックとが見事に融合しているので、正に王道の本格ミステリ的魅力を味わえると思います

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 焼跡の二十面相 / 辻真先

  ( このミス:26位、 本ミス:27位 )

 「このミス」本誌では皆川博子と“89歳×87歳 レジェンド対談”で楽しませてくれた辻真先ですが、新作では“少年探偵団シリーズ”(江戸川乱歩)のパティーシュ作品という、レジェンド作家ならではの懐かしい題材でありつつまだまだ現役作家であることを見せつけるほどの面白さに溢れた冒険ミステリとなっています

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 法月綸太郎の消息 / 法月綸太郎

  ( このミス:27位、 本ミス:17位、 早ミス:15位 )

 収録作4篇のうち2篇は、コナン・ドイルと探偵ホームズ、アガサ・クリスティと探偵ポアロを題材に、作家論・作品(探偵)論をミステリ小説に仕立て上げるという、近年の法月作品と同じように実験的な試みがなされています

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そして誰も死ななかった / 白井智之

  ( このミス:29位、 本ミス:5位 )

 本格ミステリの王道的な舞台設定や展開で推理合戦が繰り広げられるものの、著者の特長である鬼畜エログロ要素はもちろん健在なので、白井作品でしか味わうことのできない唯一無二の本格ミステリ的魅力を味わえること間違いなしです

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 希望の糸 / 東野圭吾  <感想記事はこちら>

  ( このミス:29位、 文春:9位 )

 “加賀恭一郎シリーズ ”のスピンオフ的な内容で、シリーズ本編と比べるとドラマ性重視の感じもあるのですが、そのドラマ性はやはり東野作品だけあって切なさや感動が押し寄せてくるほどの読み応えがありますし、それに今回はいつもより控えめとはいえ(捜査)ミステリ部分も相変わらずの巧みさに唸らされてしまうのではないでしょうか

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いけない / 道尾秀介  <感想記事はこちら>

  ( このミス:29位、 文春:6位、 早ミス:7位 )

 最後のページにある絵や写真を見ると衝撃の真相が浮かび上がってくる(けれどある程度は読者自身で推理しなければならない)という遊び心に満ちた作品で、大ヒットもしたしミステリランキングの上位にも入ったので、(「このミス」では振るわなかったとはいえ)今年のミステリ小説を代表する一冊といっても過言ではないでしょう

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 むかしむかしあるところに、死体がありました。 / 青柳碧人  <感想記事はこちら>

  ( このミス:33位、 本ミス:9位、 文春:7位、 早ミス:8位 )

 日本の昔ばなしと本格ミステリとを魅惑的に融合した本作も今年のミステリ小説を代表する一冊といえそうですが、他のランキングは全てベスト10入りしているのに「このミス」だけ何故か30位台というのは、かなり不思議ではあるものの、そんなバラツキのある結果も同系ジャンルのランキングが複数あるからこその面白さだと思いますね

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 教室が、ひとりになるまで / 浅倉秋成

  ( このミス:38位、 本ミス:13位 )

 今年の特徴の一つとして“異能&頭脳バトルミステリ作品”の良作が多く発表されたことが挙げられるのですが、その代表といえば、学園モノながら特殊能力を用いたバトルとミステリとが組み合わされた本作で間違いないでしょう

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 Blue / 葉真中顕  <感想記事はこちら>

  ( このミス:39位、 文春:14位、 早ミス:20位 )

 平成という時代の30年間に起きた社会問題などを俯瞰して描かれた社会派サスペンス&ミステリ作品なので、平成の記憶がまだ強く残っているうちに読んでおくべき作品といえるのではないでしょうか

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【「このミステリーがすごい!2020年版」関連記事】

  > 「このミステリーがすごい!2020年版」ランキング(順位)予想 (18.12.11)

  > 「このミス2020年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (19.10.23)

  > 「ミステリが読みたい!2020年版」 (19.11.25)
  > 「週刊文春ミステリーベスト10(2019年)」 (19.12.5)
  > 「2020 本格ミステリ・ベスト10」 (19.12.6)
  > 「このミステリーがすごい!2020年版」 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」投票者なりきりベスト6 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (19.12.10)
  > 「このミス2020年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (19.12.18)
  > 「このミス2020年版」ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会> (19.12.19)

  > 「この“ランク外作品”がすごい!2020年版」 (19.12.30)

  > ミステリー・推理小説総合ランキング(2019年) (19.11.26)


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

Gapaku3298_tp_v

2019年12月27日 (金)

『暗約領域 新宿鮫XI』 大沢在昌 > 「このミス」完全読破 No.1107

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1107

 『暗約領域 新宿鮫XI(11)』 大沢在昌

   「このミス」2021年版 : ?位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2019年12月16日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2019年11月>


暗約領域 新宿鮫XI

大沢 在昌

光文社 2019.11.19

Amazonで詳しく見る

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 No.27「新宿鮫」No.43「毒猿」No.75「屍蘭」No.171「無間人形」No.262「炎蛹」No.348「氷舞」No.400「灰夜」No.419「風化水脈」No.426「狼花」No.456「絆回廊」に続く、”新宿鮫シリーズ”の11作目です(『絆回廊』の後に発売された短篇集No.553「鮫島の貌 新宿鮫短編集」も含めると12作目)。

 数多くの傑作を生み出して来た大沢在昌の代表的(代名詞的)なシリーズであるだけでなく、日本の警察小説を代表するシリーズでもありますが、前作長篇から8年ぶりとなる待望の新作がついに発売されました。

 1作目の発表が約30年前の1990年、長篇だけで11作目となる歴史の長いシリーズということもあり、本作から読んでも問題なく楽しめるように書かれているものの、本作は前作長篇『絆回廊』と深い繋がりのある物語となっていて、前作に引き続いて登場する重要人物がいたり、前作のエピソードに触れる場面も多くなっています。

 なので、本作をスムーズに読みたいのであれば、あらかじめ『絆回廊』を読んでおくことをお薦めします(まあ一番のお薦めは1作目から順に読んでいくことではありますが)。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 しゃぶ取引の密告を受けたため、現場であるヤミ民泊の張りこみの準備をしていた鮫島は、そこでアジア人男性の射殺死体を発見したため、捜査一課を中心とした捜査が始まったのも束の間、公安部が捜査権を持っていってしまって....。

 というわけで今回も、(日本を含む)東アジアの犯罪組織が絡んだ事件を鮫島が捜査していくのですが、前作長篇では鮫島にとって二つの大きな別れがあったのに対し、本作では二つの新たな出会いがあります。

 まず一人目は、鮫島の唯一の後ろ盾であった上司・桃井課長の後任としてやって来た阿坂景子で、“基本を守る、ルールを曲げない”が警察官としての信念という、捜査のためなら多少のルール違反など構わずに行動する鮫島とは相反するようなきっちりとした人物なので、そんな阿坂課長が果たして鮫島にとって敵となるのか味方になるのかというかなり気になる展開となりますし、それにより今までの新宿鮫シリーズにはなかった(近年の警察小説のような)新鮮な読み味が生み出されています。

 そしてもう一人というのが、阿坂課長から命じられコンビを組むことになった矢崎隆男で、これまで一匹狼としてやってきた鮫島に相棒が、しかも新人刑事の相棒が出来たことにより、高い能力の片鱗を見せる矢崎の将来に期待を寄せたり、その一方で危険を伴う捜査が多かったり上層部や公安等に敵視されている自分の相棒となることから矢崎の現状や将来を心配するなど、これまた今までの新宿鮫シリーズでは見られなかった先輩刑事(相棒刑事)としての鮫島が描かれるのですね。

 その他にも、同期ながら犬猿の仲である香田とも意外な関わりを持つなど、(前作長篇を踏まえてみると)新章に突入したかのような新たな要素で盛り上がるのですが、鮫島がヤクザにも怯むことなく謎深き事件の渦中に猛然と入っていき時には危険に身を挺しつつ真相に迫っていく、という新宿鮫シリーズならではのハードボイルド系警察小説としての魅力は健在です。

 ただ、そんな新宿鮫シリーズらしくない部分に違和感を覚えたりとか、その逆に過去のシリーズ作品(または近年の大沢作品)で定番的な展開から大きくははみ出さなかったり、鮫島にとって壮絶な出来事が多かった集大成的な前作長篇との比較によって、物足りなさを感じてしまう人もいるかもしれません。

 とはいえ、これだけ長く続いているシリーズだからこそ生まれる定番的な面白さであり、変化の面白さだと思いますし、一度読み始めれば単行本で700ページを超えるボリュームもあっという間に感じてしまうほどの読み応えを味わえると思うので、多くの人が新宿鮫シリーズの新たな一歩を(懐かしさと次作以降への期待を織り交ぜながら)堪能できるのではないでしょうか。


 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “大沢在昌” 関連記事 】

  > No.1012 「俺はエージェント」

  > No.0945 「夜明けまで眠らない」
  > No.0851 「極悪専用」(後日更新予定)
  > No.0781 「雨の狩人」
  > No.0628 「冬芽の人」
  > No.0553 「鮫島の貌 新宿鮫短編集」

  > No.0456 「絆回廊 新宿鮫X」
  > No.0435 「氷の森」
  > No.0426 「狼花 新宿鮫IX」
  > No.0419 「新宿鮫 風化水脈(新宿鮫VIII)」
  > No.0417 「やぶへび」

  > No.0404 「女王陛下のアルバイト探偵(アイ)」
  > No.0400 「灰夜 新宿鮫VII」
  > No.0348 「氷舞 新宿鮫VI」
  > No.0335 「ブラックチェンバー」
  > No.0292 「欧亜純白 ユーラシアホワイト」

  > No.0262 「炎蛹 新宿鮫V」
  > No.0171 「無間人形 新宿鮫IV」
  > No.0075 「屍蘭 新宿鮫III」
  > No.0043 「毒猿 新宿鮫II」
  > No.0027 「新宿鮫」


 「泥の銃弾」吉上亮 << PREV/NEXT >> 「潮首岬に郭公の鳴く」平石貴樹

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

Gapaku3298_tp_v

2019年12月19日 (木)

「このミス2020年版」ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>


 前回は「このミス2020年版」ランキング(順位)予想の反省を<総論編><各論編>の2回に分けて書いてみましたが、今回は、“「このミス2020年版」にランクインしそうな対象作品を予測し事前に読むこと”自体の反省を行う“「このミス2020年版」ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>”を書いてみたいと思います

 と、その前に説明を加えますと、「このミス」の予想をするにあたって、自分が読んだ作品のみをその対象としました

 つまり、“ランクインしそうだな~”と思っていても読んでいなければ予想に入れていないので、“事前に読んだか読んでいないか”というのは、予想するのにとても重要になってくるわけなのですね

 なので、それに対する反省も、来年の予想の的中率を高めるためには、非常に重要となるのです

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 それではまず、「2020年版」で20位以内にランクインした21作品のうち、どのくらいの作品を事前に読んでいたのか、見てみましょう。

 ○:事前に読んでいた作品
 ●:チェックしていたけれど(時間がなくて)読めなかった作品
 ▲:チェックしていたけれど、入らないだろうと思って読まなかった作品
 ×:全くノーマークだった作品

 * タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページ

  01位 : ○ medium 霊媒探偵城塚翡翠 / 相沢沙呼  <感想記事はこちら> 
  02位 : ○ ノースライト / 横山秀夫  <感想記事はこちら>
  03位 : ○ 魔眼の匣の殺人 / 今村昌弘  <感想記事はこちら>
  04位 : ○ 罪の轍 / 奥田英朗  <感想記事はこちら>
  05位 : ○ 刀と傘 明治京洛推理帖 / 伊吹亜門  <感想記事はこちら>

  06位 : ▲ 紅蓮館の殺人 / 阿津川辰海
  07位 : ○ 欺す衆生 / 月村了衛
  08位 : ○ 昨日がなければ明日もない / 宮部みゆき  <感想記事はこちら>
  09位 : ○ 本と鍵の季節 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>
  10位 : ● 潮首岬に郭公の鳴く / 平石貴樹

  11位 : ○ Iの悲劇 / 米澤穂信
  12位 : ○ 早朝始発の殺風景 / 青崎有吾
  12位 : ○ 殺人鬼がもう一人 / 若竹七海
  14位 : ○ マーダーズ / 長浦京  <感想記事はこちら>
  15位 : ● スワン / 呉勝浩
  15位 : ○ 我らが少女A / 髙村薫

  17位 : ▲ 殺人犯 対 殺人鬼 / 早坂吝
  18位 : ○ W県警の悲劇 / 葉真中顕  <感想記事はこちら>
  19位 : ○ 蟻の棲み家 / 望月諒子
  19位 : ▲ 予言の島 / 澤村伊智
  19位 : ▲ まほり / 高田大介

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 というわけで今年の読み逃しは6作品でした。

 2009年版が8作、2010年版が4作、2011年版が6作、2012年版が4作、2013年版が2作、2014年版が3作、2015年版が5作、2016年版が4作、2017年版が6作、2018年版が8作、そして昨年の2019年版が10作の読み逃しだったので、近2年よりは減ったけれど少ない数字というわけでもない、といったところでしょうか

 まあ読み逃しが2~4作くらいだった頃に比べると読了済みの作品数自体が激減しているので、ランクイン作品のうち半分以上は読み終えていたというのはこれでも及第点かなとも思うのですよね

 それでも読む本選びさえ的確であればもっと読み逃し作品数を減らすことはできましたし、来年以降もパーフェクトを目標とすることには変わりないので、6作品を何故に読み逃してしまったのかをきちんと検証して、来年の「このミステリーがすごい!2021年版」で“ランキング発表前にランクイン全作品読破済み”の達成に少しでも役立たせてみましょう

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 まず「●:チェックしていたけれど(時間がなくて)読めなかった作品」ですが、今年は「潮首岬に郭公の鳴く」(平石貴樹)、「スワン」(呉勝浩)の2作

 この2作に関しては“時間があれば読んでいた”という理由で共通しているものの、ただ優先順位を下げてしまった理由はそれぞれあるため、それを書いてみたいと思います


 「潮首岬に郭公の鳴く」は、「このミス」未ランクイン作家とはいえ、“松谷警部シリーズ”は「本ミス」で4作中3作が11位以上に入り、4作目は「このミス」でも次点(22位)になっていましたし、本作の単行本の帯には“驚愕の傑作誕生!”というインパクトある煽り文が書いてあったりもしたので、ランキングに関係なく読みたいと思っていて、現に「本ミス」で10位ランクインが発表された時にはすでに手元にありいつでも読める状態でした

 なのに何故最終予想を決定する前に読まなかったかといいますと、(「このミス」対象作品の刊行締切ギリギリの)10月末発売だったからで、やはりランキング常連作家やランクイン実績あるシリーズの新作などでなければ10月末発売の作品を発売直後すぐに読むのは難しいのですよね


 「スワン」は、昨年の反省会<各論編>で“呉勝浩作品は近いうちに「このミス」ランクインを果たすのではないかとなんとなく思っていて...”と書いていて、それが早くも1年後に実現したわけですが、そんな風に書いていたので当然ではありますが前評判の高かった本作も出来ることなら予想を終える前に読みたいと思っていました

 ただやはりこの作品も10月発売で、しかもこれまで「このミス」で40位にも入ったことがなく、他のミステリランキングにランクインしたこともないという実績だったこともあり、(注目していた作家だったとはいえ)発売後すぐに読むのはちょっと自分的にはハードルが高かったのですよね....

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 次に「▲:チェックしていたけれど、入らないだろうと思って読まなかった作品」ですが、今年は「紅蓮館の殺人」(阿津川辰海)、「殺人犯 対 殺人鬼」(早坂吝)、「予言の島」(澤村伊智)、「まほり」(高田大介)の4作。


 「紅蓮館の殺人」は、「このミス」「本ミス」「早ミス」全て6位以上で、「文春」でも11位にランクインということで、今年のミステリー小説を代表する作品の一つなのですが、もちろんチェックはしていたし読んでみたいとは思っていたものの、優先順位は上がらなかったのです

その理由としては、今年は「このミス」予想系のネット情報を全く見ずに予想したこともあってかここまで評価の高い作品だとは気付かなかったりとか、文庫で発売されたことで無意識に軽視してしまったのかもしれなかったりとかいくつかありますが、やはり昨年の『星詠師の記憶』を未読ながら19位に予想したら(「本ミス」はベスト10入りしたのに)「このミス」では1票も入らなかった、というのが一番の理由でしょうね


 「殺人犯 対 殺人鬼」は、まあ早坂作品なら何でも読むべきだとは考えているものの、“ノンシリーズのソフトカバー作品”という部分が同じである『ドローン探偵と世界の終わりの館』が40位にも入らなかったこともあって本作も似たようなタイプなのではないかな?と根拠なく思ってしまいました

 あとは後半になったら昨年にランクインした『探偵AIのリアル・ディープラーニング』の続編『犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー -探偵AI 2-』の方に意識が行ってしまい本作のことは頭から消えてしまったのも(今から考えると)優先順位が低いままだった大きな理由かもしれませんね


 「予言の島」は、これまでに(ランクインはしないまでも)ある程度の票が入っていても良さそうな作品がありながら「このミス」で40位以内すらなかったため、評判の良さが目に入りながらなかなか優先順位を上げる気になりませんでしたし、それに“予言ミステリ”としては今年は『魔眼の匣の殺人』という大本命作品が存在しているため本作は厳しいかな、と(半ば無意識に)考えてしまっていたのかもしれません....


 「まほり」は、『図書館の魔女』がファンタジー系の大長編デビュー作でありながら「このミス」でもランクインまであと一歩の27位となるなど評価の高かった高田大介による、“図書館の魔女シリーズ”以外では初となる作品ということで、これはもう発売前から大注目でしたが、ただ10月発売だったことや、ボリュームたっぷりの長篇であったこと、それに「このミス」ランクイン実績があるわけでもないことなどから、発売直後に読もうという気にはなれなかったのですよね....

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そして「×:全くノーマークだった作品」ですが、今年はありませんでした

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 以上の反省を踏まえたうえでの来年に向けた対策・秘策としては、いつも書いているように“7月までに発売された有力候補作品はなるべく7月までに読み終え、8~10月は発売直後の候補作品をなるべく多く読み漁るべき”なのと、あとは他のランキングや書評などで評価が高めだけれど「このミス」では結果が出ていない作家を(“また今度も同じような結果になるのだろう”などと)軽視するのではなくしつこいくらいに追っていくべきだ、といったところでしょうか

 それと“「このミス」完全読破”全体の反省としては、ここ数年、感想記事の更新がかなり滞ってしまっているので、それをなるべく早く消化しつつ、2021年版対象作品は“読んだらすぐに更新”を心がけていきたいと思います


 というわけで今年も3回に渡って反省してみましたが、この反省を活かして読む本を選ぶ精度を上げ、予想の方も的中率を上げたいですね

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【「このミステリーがすごい!2020年版」関連記事】

  > 「このミステリーがすごい!2020年版」ランキング(順位)予想 (18.12.11)

  > 「このミス2020年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (19.10.23)

  > 「ミステリが読みたい!2020年版」 (19.11.25)
  > 「週刊文春ミステリーベスト10(2019年)」 (19.12.5)
  > 「2020 本格ミステリ・ベスト10」 (19.12.6)
  > 「このミステリーがすごい!2020年版」 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」投票者なりきりベスト6 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (19.12.10)
  > 「このミス2020年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (19.12.18)
  > 「このミス2020年版」ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会> (19.12.19)

  > 「この“ランク外作品”がすごい!2020年版」 (19.12.30)

  > ミステリー・推理小説総合ランキング(2019年) (19.11.26)


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

Gapaku3298_tp_v

より以前の記事一覧

Google AdSense

楽天市場

「このミス」完全読破:次に感想を書く予定の本

「このミス」完全読破:現在読書中の本

無料ブログはココログ