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カテゴリー「01.「このミス」完全読破(ミステリ小説)」の記事

2019年12月12日 (木)

(再掲載)“「このミス」完全読破”の更新情報についての紹介


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* この記事は以前更新したものと同じ内容です


 当ブログ(朴念仁と居候)のカテゴリーの一つである“「このミス」完全読破”のみの更新情報を、まとめページ“「このミス」完全読破 説明&読破本リスト”にて表示しています


 まあ最新記事は、ブログのサイドメニューにある“最近の記事”を見てもらえばよいのですが、例えばこのミステリーがすごい!ランキング(順位)予想“月別ランクイン候補作品”に対象作品を追加したり、“「このミス」ベスト10作品をみんなで予想しよう!”に新たな投票者の予想を追記したような場合、サイドメニューではそれらをお知らせすることは出来ません


 そういった追記・追加情報も、この“更新情報”欄を見てもらえればわかることから、いくらか便利なのではないかと思うので、もしよかったら“「このミス」完全読破 説明&読破本リスト”“更新情報”欄で“「このミス」完全読破”の更新情報をチェックしてみてください


 そしてこのまとめページ“「このミス」完全読破 説明&読破本リスト”では、読んだ順番に並べた記事リストの他、年版別(ランキング別)・作家別のリストも作っていて、ランキング予想や各企画などもまとめていますし、「このミス」に関する資料的なランキング&リストを載せた“このミス資料集”というページもあります


 なので、まだ“「このミス」完全読破 説明&読破本リスト”を見たことがないという方や、普段カテゴリー記事一覧などから目的の記事を探している方などは、この機会に一度見てみてください

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2019年12月11日 (水)

『罪の轍』 奥田英朗 > 「このミス」完全読破 No.1088

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1088

 『罪の轍』 奥田英朗

   「このミス」2020年版 : 4位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 2位
              「ミステリが読みたい!」 4位

   読了日 : 2019年10月9日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2019年8月>


罪の轍

奥田 英朗

新潮社 2019.08.20

Amazonで詳しく見る

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 東京五輪を翌年に控えた昭和38年、南千住の元時計商宅で強盗殺人事件が発生。

 警視庁捜査一課の落合昌夫は、所轄の捜査員である大場茂吉とコンビを組み捜査に当たるも、かつては捜査一課に長く所属していた古株で昔気質で叩き上げの刑事である大場は、落合の若さや大学出の学歴などからつれない態度をとり、単独での捜査も行うなど、ギクシャクした関係に。

 そんな中、最近事件現場近くの荷船に住み着き始めたという、その言動により子供たちから莫迦と呼ばれる北国訛りの怪しい青年の浮浪者が容疑者として浮上してきて...。

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 というわけで本作は、2020年の東京五輪の前年に発売された、1964年の東京五輪の前年を舞台にした作品なのですが、モデルになった実在の事件(吉展ちゃん誘拐殺人事件)がその年に起きているが故の年設定なので、オリンピックと直接的な関わりのある物語というわけではありません。

 ちなみに、史実(モデルになった実在の事件)を正確になぞっているわけではなく、史実通りの部分もあればフィクション部分もあるといった感じだとはいえ、事件の重要部分が史実通りだったりもするので、本作を読む前にモデルになった事件の詳細をウィキペディア等で調べるとネタバレになってしまうのでご注意を。

 本作の魅力の一つが警察小説的展開でして、刑事が事件の真相に向かい迫っていく捜査ミステリはもちろん、チームとしての熱い人間ドラマや、初めは反目し合っていたのが次第に名コンビになっていくバディものなどの要素も注ぎ込まれ、そんな刑事たちのキャラクターがとても魅力的であるうえに活き活きと描かれるので、警察小説の面白さが贅沢なほどに溢れ出ているのです。

 しかも、日本の警察が初めて体験する大々的な誘拐事件であるため、今では素人でも知っているような誘拐捜査の基本的なノウハウなども全く知らない状況で、試行錯誤し悪戦苦闘しながらの手探り状態とでもいうべき誘拐捜査となるため、それ以降の時代の誘拐捜査では味わえない、この時代だからこその緊迫感が生み出された誘拐捜査劇が繰り広げられていくのですね。

 そんな捜査ミステリパートと並行して、宇野寛治という人物を中心とした物語も描かれていくのですが、お金に困る度に空き巣に入るという根っからの犯罪者であるものの、(とある不幸な理由によって)罪悪感など全く覚えず他者への攻撃性もなく生きていくために犯罪と認識せず空き巣を繰り返しているという人物なため、読者としては(犯罪者に向けた嫌悪感だけではない)複雑な感情に強く揺さぶられることになりますし、そんな憎めない宇野寛治が極悪な犯罪にどこまで関わっているのかが物語を通しての謎の一つとなっていることで犯罪サスペンスとしての迫力や求心力が格段に増していくのです。

 警察小説と犯罪小説とが絶妙に絡み合った物語は圧倒的な読み応えがありますし、昭和の時代を映し出すだけでなく現代に向けた風刺も感じられるなど社会派な刺激も強烈で、それらを(刑事や犯罪者以外の人物の目線でも書かれた)著者お得意の群像劇形式にて描かれていくのですから、警察小説好きな人も犯罪小説好きな人も(もしかしたらそれ以外の人も)心を震わされてしまうほどの面白さを満足なほどに堪能できるのではないでしょうか。


 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “奥田英朗” 関連記事 】

  > No.0798 「ナオミとカナコ」
  > No.0450 「純平、考え直せ」
  > No.0249 「無理」
  > No.0154 「オリンピックの身代金」
  > No.0018 「邪魔」


 「虚構推理 鋼人七瀬」城平京 << PREV/NEXT >> 「盲剣楼奇譚」島田荘司

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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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2019年12月10日 (火)

「このミス2020年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>


 「このミステリーがすごい!2020年版」が発売され、ランキングも発表されたということで、ランキング(順位)予想の一人反省会を行って、来年以降の予想に役立てようと思います。

 ただ、今回も反省することが多くなりそうなので、全体的な予想の反省を行う<反省会・総論編>(本記事)と、作品ごとに反省を行う<反省会・各論編>、そして“ランクイン作品を予測し読むこと”自体の反省を行う「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」と、やはり昨年までと同様に、3回に分けて反省してみましょう。

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 それでまず今回は、「ランキング(順位)予想」の全体的な反省会です。

 ちなみに「このミス」では、20位以内がランクイン、21位以下がランク外となっています。

 そして、今年も昨年までと同様に30位まで予想を行い、そのうち何作がランクインするか、といった感じでやっていました。

  ☆ > 予想:ベスト10、結果:ベスト10
  ◎ > 予想:ベスト10、結果:ベスト20
  ○ > 予想:11~20位、結果:ベスト20
  △ > 予想:21~30位、結果:ベスト20

  ▲ > 予想:ベスト30、結果:21~30位
  ● > 予想:ベスト30、結果:31位以下


< 「このミス2020年版」ランキング(順位)予想 >

 * タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページ

 ☆ 01位予想 : ノースライト / 横山秀夫  > 結果:2位
 ☆ 02位予想 : 刀と傘 明治京洛推理帖 / 伊吹亜門  > 結果:5位
 ☆ 03位予想 : 欺す衆生 / 月村了衛  > 結果:7位
 ☆ 04位予想 : 魔眼の匣の殺人 / 今村昌弘  > 結果:3位
 ☆ 05位予想 : 罪の轍 / 奥田英朗  > 結果:4位 

 ▲ 06位予想 : いけない / 道尾秀介  > 結果:29位
 ☆ 07位予想 : medium 霊媒探偵城塚翡翠 / 相沢沙呼  > 結果:1位
 ☆ 08位予想 : 本と鍵の季節 / 米澤穂信  > 結果:9位
 ◎ 09位予想 : W県警の悲劇 / 葉真中顕  > 結果:18位
 ☆ 10位予想 : 昨日がなければ明日もない / 宮部みゆき  > 結果:8位


 ● 11位予想 : カエルの小指 a murder of crows / 道尾秀介  > 結果:投票数0
 ● 12位予想 : むかしむかしあるところに、死体がありました。
                  / 青柳碧人  > 結果:33位
 ● 13位予想 : 泥の銃弾 / 吉上亮  > 結果:59位
 ▲ 14位予想 : 法月綸太郎の消息 / 法月綸太郎  > 結果:27位
 ○ 15位予想 : Iの悲劇 / 米澤穂信  > 結果:11位

 ○ 16位予想 : マーダーズ / 長浦京  > 結果:14位
 ● 17位予想 : お前の彼女は二階で茹で死に / 白井智之  > 結果:42位
 ○ 18位予想 : 我らが少女A / 髙村薫  > 結果:15位
 ● 19位予想 : 夜のアポロン / 皆川博子  > 結果:53位
 ● 20位予想 : ワルキューレ 巡査長 真行寺弘道 / 榎本憲男  > 結果:37位


 △ 21位予想 : 殺人鬼がもう一人 / 若竹七海  > 結果:12位
 ● 22位予想 : Blue / 葉真中顕  > 39位
 ● 23位予想 : ベーシックインカム / 井上真偽  > 結果:結果:46位
 ● 24位予想 : 定価のない本 / 門井慶喜  > 結果:67位
 ▲ 25位予想 : そして誰も死ななかった / 白井智之  > 結果:29位

 ● 26位予想 : 開化鐵道探偵 第一〇二列車の謎 / 山本巧次  > 投票数0
 ● 27位予想 : 千年図書館 / 北山猛邦  > 結果:97位
 ● 28位予想 : 跳ぶ男 / 青山文平  > 結果:投票数0
 ● 29位予想 : カインは言わなかった / 芦沢央  > 結果:49位
 △ 30位予想 : 蟻の棲み家 / 望月諒子  > 結果:19位

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<< 予想:ベスト30 → 結果:ベスト20 の作品数 (☆◎○△) >>

   20年版:14作 19年版:14作

   18年版:10作 17年版:12作 16年版:16作

   15年版:13作 14年版:16作 13年版:14作

   12年版:14作 11年版:15作 10年版:15作

 2・3年前と比べればまあ悪くない成績ですが、せめて過半数は当てたいところですね...。

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<< 予想:ベスト20 → 結果:ベスト20 の作品数 (☆◎○) >>

    20年版:12作 19年版:10作

    18年版:10作 17年版:10作 16年版:14作

    15年版:10作 14年版:10作 13年版:11作

    12年版:10作 11年版:12作 10年版:12作

 3年連続で10作だったことを考えれば、それより2作増えたのは良かったですが、『殺人鬼がもう一人』を21位予想にしてしまったのが悔やまれますね。

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<< 予想:ベスト10 → 結果:ベスト20 の作品数 (☆◎) >>

   20年版:9作 19年版:6作

   18年版:8作 17年版:8作 16年版:9作

   15年版:9作 14年版:6作 13年版:8作

   12年版:7作 11年版:7作 10年版:8作

 過去最多タイ記録となったので素直に嬉しいです。

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<< 予想:ベスト10 → 結果:ベスト10 の作品数 (☆) >>

   20年版:8作 19年版:6作

   18年版:5作 17年版:6作 16年版:4作

   15年版:6作 14年版:5作 13年版:6作

   12年版:7作 11年版:5作 10年版:6作

 なんと過去最高記録を更新してしまいました。

 ベスト10入りした残りの2作が未読作品だったため、読了作品だけならばパーフェクト的中なので、残りの2作を読み逃していたという予想以前のことが反省点ですね。

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<< 予想:ベスト5 → 結果:ベスト5 の作品数 >>

   20年版:4作 19年版:2作

   18年版:2作 17年版:1作 16年版:3作

   15年版:4作 14年版:3作 13年版:3作

   12年版:4作 11年版:4作 10年版:2作

 ここでも過去最多タイ記録となりましたが、ただ1位作品をベスト5予想に入れていなかったので喜びも半減です....。

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 続いて肝心要の1位予想ですが、3年連続的中とはなりませんでした....。

 ただ1位に予想した『ノースライト』は、「文春」では1位でしたし、「このミス」でもわずか7点差(あと1人が4位以上に投票していれば同点または逆転していた差)での2位だったので、かなり惜しかったのですよね。


 そして"予想&結果ピタリ賞"は、今年はニアミスはいくつかありましたが全く同じ順位の作品はありませんでした....。

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 というわけで、まずは「このミス2020年版」のランキング(順位)予想」の全体的な反省をしてみました。

 本当はこのくらいの反省でやめておきたいところなのですが、思ったよりも票が入らなかった作品があったり、意外なほどに票が入った作品があったりなど、反省することは尽きないのです。

 なので、そういったことも含めて、作品ごとに反省する<反省会・各論編>を続けて書いてみたいと思います。

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 【「このミステリーがすごい!2020年版」関連記事】

  > 「このミステリーがすごい!2020年版」ランキング(順位)予想 (18.12.11)

  > 「このミス2020年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (19.10.23)

  > 「ミステリが読みたい!2020年版」 (19.11.25)
  > 「週刊文春ミステリーベスト10(2019年)」 (19.12.5)
  > 「2020 本格ミステリ・ベスト10」 (19.12.6)
  > 「このミステリーがすごい!2020年版」 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」投票者なりきりベスト6 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (19.12.10)

  > ミステリー・推理小説総合ランキング(2019年) (19.11.26)


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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2019年12月 9日 (月)

「このミステリーがすごい!2020年版」


 「このミステリーがすごい!2020年版」が、いよいよ発売されました。

 今年も、これで12年目となるランキング予想を行い(「このミステリーがすごい!2020年版」ランキング(順位)予想)、自分が投票者になったつもりでベスト6を決める「このミス2020年版」投票者なりきりベスト6を書いてみたりもしました。

 さらには、月ごとに「このミス」の候補になるのではないかと思われる作品をピックアップしてみる“月別ランクイン候補作品”という企画を毎月行ったり、投票を受け付けてベスト10予想を企画してみたり(ベスト10作品をみんなで予想しよう!)と、このブログを使って“読むだけで終わらないミステリ小説の面白さ”を1年間楽しむことができました。

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 そして「このミス」は、ここ数年は正発売日よりも2日前に店頭に並ぶ書店が多かったのですが、今年も発売日の11日(水)の2日前である9日(月)が早売り日となりました。

 まあ今年もネット等で先に結果を知ることなく、実際に「このミス」をめくって見て初めてランキングを知ることができたので、この一瞬で感じられるワクワク感というか喜び・楽しみ・ドキドキ感などは、(1年間「このミス」のランキングを予測して読む本を選んだり予想したりしていた自分にとっては)テストの答案を受け取る時のようでもあり、中に何が入っているのか分からないプレゼントを受け取る時のようでもあるのですよね。

 ちなみにですが、最寄りの書店では、今年の「このミス」はビニールに包まれた状態で売られていたので(昨年まではビニールなどなかったので立ち読み出来てしまう状態)、家に帰って「このミス」を手に取って初めて(すでに「このミス」1位の帯を付けて置かれていた1位作品以外の)ランクイン作品を確認することになりました。

 それで肝心のランキングは、納得の順位の作品も、意外な順位の作品もあって、自分の予想のことを考えると一喜一憂といった感じなのですが、ランキングに関しては“予想の反省会”としてこれから3回に渡って記事を書いていく予定です。

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 中身の方ですが、2年前は29周年で30冊目、昨年は30周年ということで2年連続で特別企画が実施されていましたが、今年は大々的な企画はなかったものの、昨年の特別企画「キング・オブ・キングス」で国内・海外のそれぞれで1位となった山口雅也(国内1位No.51「生ける屍の死」の作者)と東京創元社の井垣真理(海外1位『薔薇の名前』の担当編集者)のコメントが掲載されています。

 そんな今年の注目企画といえば、皆川博子と辻真先による対談で、“[89歳×87歳 レジェンド対談] 作家生活50年 現役ミステリー作家”と題された二人の対談(掛け合い)にはミステリ小説と共に年齢を重ねて来た二人だからこその深みが感じられて、一つの短篇を読んだのと同じくらいの読み応えがありましたね。

 あとは、昨年の高山一実に続いて今年は白石麻衣と、2年連続で乃木坂46のメンバーが表紙&巻頭インタビューを飾っていまして、こちらも巻頭の特集である「『このミス』的・おすすめ映画化ミステリー」では、映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』原作者の志駕晃、映画『屍人荘の殺人』出演者の神木隆之介・浜辺美波・中村倫也、映画『仮面病棟』出演者の坂口健太郎・永野芽郁のコメントを掲載。

 その他では、昨年のミステリー系新人賞総まくり座談会が今年はなくなっていて、「テーマ別注目作品レビュー&コラム」は昨年の執筆者から杉江松恋・松川良宏が外れて村上貴史・福井健太・大森望が加わるなどの変化があり、それと30年間常に巻末に掲載されてきたのに昨年は姿を消していた作品リストが今年は復活していました。


 最後に“私の隠し玉”コーナーですが、まず昨年は寄稿したのに今年はなかった作家は佐々木譲(2006年版からの14年連続でストップ)のみで、今年復帰となったのは北村薫(2年ぶり22回目)、湊かなえ(2年ぶり10回目)の2人。

 そして今年から初参加となったのは市川憂人のみと、大きな入れ替わりがあった昨年からの反動か今年はあまり動きがありませんでしたね(“「このミス」完全読破 説明&読破本リスト/「このミス」資料集”の作家別“私の隠し玉”執筆年版リスト参照)。

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 【「このミステリーがすごい!2020年版」関連記事】

  > 「このミステリーがすごい!2020年版」ランキング(順位)予想 (18.12.11)

  > 「このミス2020年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (19.10.23)

  > 「ミステリが読みたい!2020年版」 (19.11.25)
  > 「週刊文春ミステリーベスト10(2019年)」 (19.12.5)
  > 「2020 本格ミステリ・ベスト10」 (19.12.6)
  > 「このミステリーがすごい!2020年版」 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」投票者なりきりベスト6 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (19.12.10)

  > ミステリー・推理小説総合ランキング(2019年) (19.11.26)


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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「このミス2020年版」投票者なりきりベスト6


 「このミステリーがすごい!2020年版」ランキング(順位)予想に引き続き、これまた12年目の企画となりますが、“投票者なりきりベスト6”を書いてみたいと思います


 「このミス」では、70人を超える読書家(評論家など)の投票を集計し、その結果をもとにその年のランキングが作られます

 もう少し詳しく説明すると、投票者は1人につき6作品に投票することができ、その6作品を1位から6位まで順位付けすることで、1位に10点、2位に9点.....、といった具合にそれぞれ点数が付けられます。全投票者が投じた得点を合計し、その結果がランキングとして発表されるというわけですね

 そんな「このミス」投票者になったつもりで自分も6作品選んでみようという企画なのですが、ただ他にも面白かった作品がいくつもあったため、6作品だけを紹介するのも寂しいので、30位からカウントダウン形式で発表していこうと思います

 ちなみに、上位6位までは(面白かった順ではなく)あくまで“「このミス」に投票するのであれば”ということで選んだ6作で、7位以下は単純に面白かった順となっています

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 * 作品名部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです


 30位 : 千年図書館 / 北山猛邦  <感想記事はこちら>
 29位 : マーダーズ / 長浦京  <感想記事はこちら>
 28位 : 或るエジプト十字架の謎 / 柄刀一  <感想記事はこちら>
 27位 : Iの悲劇 / 米澤穂信
 26位 : カインは言わなかった / 芦沢央

 25位 : フーガはユーガ / 伊坂幸太郎
 24位 : いけない / 道尾秀介  <感想記事はこちら>
 23位 : 友達未遂 / 宮西真冬
 22位 : ゆるキャラの恐怖 / 奥泉光
 21位 : 開化鐵道探偵 第一〇二列車の謎 / 山本巧次

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 20位 : 跳ぶ男 / 青山文平
 19位 : カエルの小指 a murder of crows / 道尾秀介
 18位 : 君待秋ラは透きとおる / 詠坂雄二  <感想記事はこちら>
 17位 : medium 霊媒探偵城塚翡翠 / 相沢沙呼  <感想記事はこちら>
 16位 : ノースライト / 横山秀夫  <感想記事はこちら>

 15位 : 本と鍵の季節 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>
 14位 : 昨日がなければ明日もない / 宮部みゆき  <感想記事はこちら>
 13位 : ワルキューレ 巡査長 真行寺弘道 / 榎本憲男
 12位 : ベーシックインカム / 井上真偽
 11位 : 魔眼の匣の殺人 / 今村昌弘  <感想記事はこちら>

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 10位 : 殺人鬼がもう一人 / 若竹七海
 09位 : 泥の銃弾 / 吉上亮
 08位 : 希望の糸 / 東野圭吾  <感想記事はこちら>
 07位 : 我らが少女A / 髙村薫

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 【 6位 : お前の彼女は二階で茹で死に / 白井智之 】


お前の彼女は二階で茹で死に

白井智之

実業之日本社 2018-12-25

Amazonで詳しく見る

 白井作品ならではのエログロ要素や気色悪い特殊設定が全開で、それでいて多重解決ミステリとしての完成度も素晴らしいという唯一無二の魅力を持つ本格ミステリ作品なので、年末ランキングでは同期間に発売された『そして誰も死ななかった』の方が評価が高そうな感じですが(これを書いているのは「このミス」のみ発表前)、自分的には断然にこちらの方が好きですね


  この作品の感想記事はこちら!!
   >> No.1055 『お前の彼女は二階で茹で死に』 白井智之


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 【 5位 : 罪の轍 / 奥田英朗 】


罪の轍

奥田 英朗

新潮社 2019.08.20

Amazonで詳しく見る

 昭和38年を舞台とした作品で、犯罪ミステリや社会派ミステリとして面白いのはもちろんですが、特に誘拐事件に慣れていないこの時代だからこそ悪戦苦闘する誘拐捜査により、現代が舞台では作り得ない緊迫感溢れる読み応えを生み出していたので、やはり警察小説としての魅力が一番が印象的でした


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 【 4位 : むかしむかしあるところに、死体がありました。 / 青柳碧人 】

 本格ミステリと日本の昔ばなしとの融合具合が絶妙で、しかもパロディセンスも素晴らしいので、こういったワクワクするような遊び心が詰め込まれた特殊設定ミステリはかなり自分好みでしたね


  この作品の感想記事はこちら!!
   >> No.1076 『むかしむかしあるところに、死体がありました。』 青柳碧人


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 【 3位 : 刀と傘 明治京洛推理帖 / 伊吹亜門 】

 本格ミステリとしての魅せ方やテクニックが素晴らしいのはもちろんのこと、ミステリの効果によって衝撃の人間ドラマまでもがゾクゾクするほどに浮かび上がってくるのがもう圧倒されてしまいましたね


  この作品の感想記事はこちら!!
   >> No.1057 『刀と傘 明治京洛推理帖』 伊吹亜門


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 【 2位 : 欺す衆生 / 月村了衛 】


欺す衆生

月村 了衛

新潮社 2019.08.27<0br />
Amazonで詳しく見る

 一人の詐欺師の半生を描くだけでこれだけ犯罪サスペンスとしてもエンタメとしても面白くなってしまうというのは嬉しい驚きでしたし、ただラスト次第で印象(評価)も変わりそうかな~と読み進めていたら、そのラストが予想していなかったパターンだったうえに本作のラストに相応しいような静かなゾクゾク感を覚えるものだったので、これはもう大満足の一言でした


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 【 1位 : W県警の悲劇 / 葉真中顕 】


W県警の悲劇 (文芸書)

葉真中 顕

徳間書店 2019.01.19

Amazonで詳しく見る

 これを書いている時点(「このミス」発表直前)ではミステリランキングで全く評価されていなかったのが自分としては意外なのですが、警察小説としても本格ミステリとしても読み応えあり、どんでん返しも遊び心も刺激的に組み込まれていて、思わずニヤリとさせられてしまうほどのブラックな捻りも加えられてと、自分の(ミステリ小説に対する)理想に近いほどに面白い作品だったので、自分の中では文句なしの2019年1位でした


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 【「このミステリーがすごい!2020年版」関連記事】

  > 「このミステリーがすごい!2020年版」ランキング(順位)予想 (18.12.11)

  > 「このミス2020年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (19.10.23)

  > 「ミステリが読みたい!2020年版」 (19.11.25)
  > 「週刊文春ミステリーベスト10(2019年)」 (19.12.5)
  > 「2020 本格ミステリ・ベスト10」 (19.12.6)
  > 「このミステリーがすごい!2020年版」 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」投票者なりきりベスト6 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (19.12.10)

  > ミステリー・推理小説総合ランキング(2019年) (19.11.26)


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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2019年12月 6日 (金)

「2020 本格ミステリ・ベスト10」


 「このミス」(このミステリーがすごい!)「本ミス」(本格ミステリ・ベスト10)にランクインしそうな作品を予想・検討しながらミステリ小説を読んでいる自分にとって、「このミス」「本ミス」が発売されるこの時期は、年末を前にして早くも“一年の総決算”といった心持ちになるのですが、まずは「本ミス」の方が発売となりました。

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 と、ここで「このミス」と「本ミス」の違いを簡単に説明してみますと、「このミス」の対象となるのはミステリー&エンターテイメント小説で、すなわちこんなタイトルに関わらず(狭義な意味での)ミステリ作品だけが対象となっているわけではないのに対し、「本ミス」の方はそのタイトル通り、ミステリの中でも“本格ミステリ小説”に限定されたランキングなのです。

 なので、同じミステリ本のランキングでもその対象作品は異なるため、それぞれ独自のランキングが作られるので面白いのですが、それ故に「このミス」を予想するのと「本ミス」を予想するのとでは、読むべき作品も微妙に変わってくるのです(それぞれの投票者の好みなんかも違っていますし)。

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 よって、これまで「このミス」の予想はしても「本ミス」の予想はしてこなかったのですが、今年こそは(余裕があれば)「本ミス」予想をするのに読み逃せない作品も読み、「本ミス」の予想も出来れば.....と思っていたものの、結局それは叶いませんでした.....。

 それでも来年は予想するかもしれないので、反省の意味も込めまして、一体「本ミス」にランクインした作品のうちどのくらい読んでいたのか、そしてもし「本ミス」予想するのであればどの本を読んでいたのだろうか、といったところを、ランキングと共にちょっと見てみたいと思います。

 とはいえ、ランクインした作品以上に売れてしまうという超ベストセラーな「このミス」と比べると、「本ミス」の方は知名度も売れ行きもかなりの差があるだろうことから、発売直後にランキングを丸ごと書いてしまうのはやはり躊躇してしまいます

 そのため、作品名等記入したランキングには1ヶ月後くらいに書き替えることにし、とりあえずは事前に読んでいた作品のみ“「このミス」完全読破”の通しNoと当ブログ記事へのリンクを付けるだけにしたいと思います。

 なので、書き替えるまでの間は面倒だと思いますが、「このミス」完全読破 読了順リストにて通しNoを照らし合わせたり、感想記事へのリンク先にてご確認ください。


 ○:事前に読んでいた作品
 ●:読みたかったけど(期間内に)読めなかった作品
 ▲:「本ミス」を予想するのであれば必ず読んでいたであろう作品
 ×:特に読むつもりはなかった作品
 *:「このミス」対象外(版元が宝島社)の作品


 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ


  01位 : ○  No.1098 感想記事はこちら
  02位 : ○  No.1067 感想記事はこちら
  03位 : ●
  04位 : ○  No.1057 感想記事はこちら
  05位 : ○  No.1101 感想記事は後日更新予定

  06位 : ○  No.1082 感想記事はこちら
  07位 : ▲
  08位 : ×
  09位 : ○  No.1076 感想記事はこちら
  10位 : ●

  11位 : ▲
  12位 : ○  No.1099 感想記事は後日更新予定 
  13位 : ▲
  14位 : ▲
  14位 : ○  No.1050 感想記事はこちら

  16位 : ▲
  17位 : ○  No.1100 感想記事は後日更新予定
  18位 : ○  No.1094 感想記事は後日更新予定
  19位 : ○  No.1080 感想記事は後日更新予定
  20位 : ▲

  21位 : ○  No.1089 感想記事は後日更新予定
  21位 : ○  No.1055 感想記事はこちら
  23位 : ▲
  24位 : ○  No.1103 感想記事は後日更新予定
  25位 : ○  No.1070 感想記事は後日更新予定
  25位 : ●

  27位 : ●
  27位 : ×
  27位 : ▲
  30位 : ▲
  30位 : ×

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 事前読んでいた作品数を、過去7年と比較してみますと、

  > 2010年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→14作品、ベスト30→22作品

  > 2011年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→14作品、ベスト30→21作品

  > 2012年版 : ベスト10→6作品、ベスト20→13作品、ベスト30→17作品
      *2012年版はベスト20が21作品(20位が2作品のため)

  > 2013年版 : ベスト10→5作品、ベスト20→13作品、ベスト30→21作品

  > 2014年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→13作品、ベスト30→15作品
      *2014年版はベスト20が21作品(20位が2作品のため)

  > 2015年版 : ベスト10→7作品、ベスト20→12作品、ベスト30→16作品
      *2015年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)

  > 2016年版 : ベスト10→7作品、ベスト20→14作品、ベスト30→17作品
      *2016年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)

  > 2017年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→13作品、ベスト30→17作品
      *2017年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)

  > 2018年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→11作品、ベスト30→13作品
      *2018年版はベスト30が31作品(29位が3作品のため)

  > 2019年版 : ベスト10→4作品、ベスト20→10作品、ベスト30→13作品

  > 2020年版 : ベスト10→6作品、ベスト20→11作品、ベスト30→15作品
      *2020年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)


 というわけで、ベスト10は昨年より2作増、ベスト20は昨年から1作増、ベスト30は2作増といった結果でした。

 昨年より多くの作品を事前に読むことが出来ましたが、ただその昨年は(読了済みの作品のみを対象としていた)「このミス」予想を例外的に未読作品も予想の対象に入れたくらいに読了本が少なかったので、その昨年とほぼ変わらない結果だったのは反省しないといけませんね。

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 誌面の内容に関して(昨年との比較等)は、後ほど追記する予定です。

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 【「このミステリーがすごい!2020年版」関連記事】

  > 「このミステリーがすごい!2020年版」ランキング(順位)予想 (18.12.11)

  > 「このミス2020年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (19.10.23)

  > 「ミステリが読みたい!2020年版」 (19.11.25)
  > 「週刊文春ミステリーベスト10(2019年)」 (19.12.5)
  > 「2020 本格ミステリ・ベスト10」 (19.12.6)
  > 「このミステリーがすごい!2020年版」 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」投票者なりきりベスト6 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (19.12.10)

  > ミステリー・推理小説総合ランキング(2019年) (19.11.26)


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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2019年12月 5日 (木)

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』 相沢沙呼 > 「このミス」完全読破 No.1098

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1098

 『medium 霊媒探偵城塚翡翠』 相沢沙呼

   「このミス」2020年版 : 1位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 1位
              「週刊文春ミステリーベスト10」 5位

   読了日 : 2019年11月16日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2019年9月>

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 推理作家の香月史郎は、とある事件に(間接的に)関わった際に、何気ない一言が偶然にも事件解決に繋がるアドバイスとなったことがきっかけで、その後も推理力を期待されて謎めいた事件に対する助言を警察から求められることに。

 最近になってそんな香月と共に行動しているのが、霊媒師である城塚翡翠で、死者の言葉を伝えることができる城塚の霊視能力と、香月の推理作家ならではの論理力を掛け合わせることにより、いくつもの難事件を見事に解決。

 しかし、若い女性のみを狙う猟奇的な連続殺人犯の魔の手が、城塚へと迫っていて...。

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 推理などしなくても犯人や事件の真相などが解ってしまうというのは、過去にも神様や魔法使いが登場するミステリ作品などに前例があるのですが、こういったタイプの作品は、真犯人等が解ってもその答えへたどり着くまでの証拠や論理を見つけ出さなければならないため、捻りが加えられた倒叙ミステリのような面白さが生み出されます。

 ただ本作の霊媒探偵は、その霊視能力を使うにはいくつかの条件(制約)があることから、(何でも解ってしまう全知全能ではなく)真相の一部を視ることしか出来ないため、それにより解っている真相と解っていない謎が絶妙なバランスとなりつつ、本作ならではの刺激的な霊媒ミステリが繰り広げられていくことに。

 ところが本作の真骨頂はそんなミステリ劇を経た終盤に訪れまして、まず驚くべきどんでん返しが炸裂するものの、これはミステリ小説を読み慣れている人であれば早い段階で気づいてしまう、というか著者的にはあえて気づかせるように書いているのではないかと察してしまうほどに開けっ広げなどんでん返しとなっています。

 そんなどんでん返しを前菜とするかのようなその後の衝撃的な展開こそが本作最大の魅力であり面白さでして、ここを説明してしまうとどうしてもネタバレ的になってしまうので、少しでも気になっている人は前情報など入れずに早いとこ読んでしまうことをお薦めしますが、まあ物語的にひっくり返るだけでなく、ミステリ的にも見事なまでにひっくり返されてしまいますし、単行本の帯に書かれた“すべてが、伏線。”という大袈裟な煽り文句にも読み終えてしまえば抵抗なく納得出来てしまうほどなのです。

 なので、タイトルや単行本の表紙の印象からするとキャラクターや物語を重視した作品のように見えるとはいえ、中身の方はミステリ脳が沸き立つほどに全編に渡って読み応え抜群の本格ミステリ作品となっているので、読む際にはぜひとも最初の章から(流し読みなどせずに)じっくりと推理劇を味わってほしいですね。


 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “相沢沙呼” 関連記事 】

  > No.0999 「マツリカ・マトリョシカ」(後日更新予定)
  > No.0519 「ロートケプシェン、こっちにおいで」
  > No.0515 「午前零時のサンドリヨン」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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「週刊文春ミステリーベスト10(2019年)」


 年末恒例の四大ミステリランキングの一つ、「週刊文春ミステリーベスト10」(以下「文春」)の“ミステリーベスト10 2019年 国内部門”が発表されました。


 なお、四大ミステリランキングとは、「文春」、「このミステリーがすごい!」(以下「このミス」)、「本格ミステリ・ベスト10」(以下「本ミス」)、「ミステリが読みたい!」(以下「早ミス」)の4つなのですが、それぞれ発売時期がいい具合にズレています。

 具体的に言うと、まずトップバッターの「早ミス」は毎年11月25日に発売される「ミステリマガジン」で発表されるので11月の3~5週目、「文春」は12月最初の木曜に発売される「週刊文春」で発表されるので12月の1・2週目、「本ミス」は12月の2~6日の間に発売されるので12月の1・2週目、「このミス」は基本的に12月10日前後に発売なので12月の2・3週目に発売、といった感じです。

 ただ、今年も12月最初の木曜が遅めの6日だったこともあって「本ミス」と発売日が3年連続で被ったのですが、まあ「本ミス」は早い店だと前日に並ぶので、実質1日違いということに。

 そして今年の「このミス」は11日(水)が発売日で、例年2日前にフライング販売する店が多めなので早いところでも来週の9日(月)に店頭に並ぶということで、久々に「このミス」「文春」「本ミス」のランキングが一気に発表される事態は避けられそうです(ここ2年は3つのランキングがほとんど日を置かず一気に発表されました)。

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 それでこの「文春」は、1977年スタートということで他のランキングよりも歴史が長く(次に長いのが「このミス」で1988年~)、そもそも「このミス」が作られたきっかけの一つが「文春」ランキングに対するアンチテーゼ的役割を担うためだったことからもわかるように、ミステリランキングの絶対的な権威として君臨していた時代がありました。

 しかし、「このミス」の知名度が上がるにつれて、いつの間にか権威は「このミス」へと継承され、かといって今度は「文春」「このミス」のアンチテーゼ的存在になるわけでもなく、結構似通ったランキングになることが多いので、近年の「文春」は中途半端な立ち位置となっている印象があります。

 とはいえ、「このミス」と対象期間も対象作品も同じでありながらも、売れっ子作家(東野圭吾等)やヒット作、江戸川乱歩賞受賞作(や受賞作家の作品)に票が集まりやすく、「このミス」と比べるとマニア向け(異色)な作品に票が入りにくいという、「このミス」とは異なる特徴が見られます。

 なので、一般向けのミステリ系ランキングとしては、「このミス」よりも「文春」の方が参考になりそうですね。

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 というわけで、今年の「文春」のランキングを見ていきたいのですが、ランクインしたうちのどのくらいの作品を事前に読んでいたのか、といったところもチェックしてみたいと思います。

 ただ、3年前までは「週刊文春」発売日の朝にはすでに公式サイトでランキングを公開していたのに、2年前は発売日の数日後にようやく公開され、昨年は結局公式サイトでのランキング公開はありませんでした。

 今年も昨年と同様に公式サイトでランキングが公開されないとなると、(文春誌面だけでなくミステリランキング部分のみを抜粋して電子書籍版で販売もしていることを考えれば)ランキングを丸ごと書いてしまうのはさすがに問題だと思うので、後日に公式サイトでランキングが公開されない限りは、事前に読んでいた作品のみ“「このミス」完全読破”の通しNoと当ブログ記事へのリンクを付けるだけにしたいと思います。

 なので今年は、「このミス」完全読破 読了順リストにて通しNoを照らし合わせたり、感想記事へのリンク先にてご確認ください。


 ○:事前に読んでいた作品
 ●:読みたかったけど時間がなくて読めなかった作品
 ▲:出来れば読みたかったけれど優先順位が低くて読めなかった作品
 ×:特に読むつもりはなかった作品

 タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです

  01位 : ○  No.1058 感想記事はこちら
  02位 : ○  No.1088 感想記事はこちら
  03位 : ○  No.1067 感想記事はこちら
  04位 : ○  No.1099 感想記事は後日更新予定
  05位 : ○  No.1098 感想記事はこちら

  06位 : ○  No.1081 感想記事はこちら
  07位 : ○  No.1076 感想記事はこちら
  08位 : ○  No.1092 感想記事は後日更新予定
  09位 : ○  No.1079 感想記事はこちら
  10位 : ○  No.1057 感想記事はこちら

  11位 : ▲
  12位 : ○  No.1049 感想記事はこちら
  13位 : ●
  14位 : ○  No.1078 感想記事はこちら
  15位 : ▲

  16位 : ○  No.1095 感想記事は後日更新予定
  17位 : ○  No.1103 感想記事は後日更新予定
  18位 : ○  No.1050 感想記事はこちら
  19位 : ▲
  20位 : ▲

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 【「このミステリーがすごい!2020年版」関連記事】

  > 「このミステリーがすごい!2020年版」ランキング(順位)予想 (18.12.11)

  > 「このミス2020年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (19.10.23)

  > 「ミステリが読みたい!2020年版」 (19.11.25)
  > 「週刊文春ミステリーベスト10(2019年)」 (19.12.5)
  > 「2020 本格ミステリ・ベスト10」 (19.12.6)
  > 「このミステリーがすごい!2020年版」 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」投票者なりきりベスト6 (19.12.9)

  > 「このミス2020年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (19.12.10)

  > ミステリー・推理小説総合ランキング(2019年) (19.11.26)


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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2019年12月 3日 (火)

「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2020年1月)


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 「このミステリーがすごい!」にランクインする作品というのは、ほとんどが単行本やノベルスで刊行された作品なので、“文庫化されてから読んでみよう”と考えている方も多くいるのではないでしょうか

 なので、「このミス」の1~20位にランクインした作品、およびあと一歩でランクインを逃した作品(21~40位)の文庫化リストを、文庫版発売月別にまとめてみたいと思います


 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ

 * シリーズ作品紹介文中の作品名部分のリンク先は、当ブログ感想記事

 * シリーズ作品のランクイン実績は、2019年版までの記録


 << この記事は現時点で未完の状態なので、情報を仕入れ次第、新たに対象作品を追加していく予定です(追加情報は「このミス」完全読破 説明&読破本リストの“更新情報”欄に書いていきます) >>

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 【 2020年 1月 発売 】


 奇術探偵 曾我佳城全集(上・下) / 泡坂妻夫  <<感想記事はこちら!>>

 << 2001年版 1位 >>

   ・「本格ミステリ大賞」 候補
   ・「本格ミステリ・ベスト10」 1位
   ・「週刊文春ミステリーベスト10」 6位

 ★ 若くして引退した、美貌の奇術師・曾我佳城。
   普段は物静かな彼女だが、
   不可思議な事件に遭遇する度に、
   奇術の種明かしをするかのごとく、
   鮮やかに謎を解く名探偵でもあった。
   殺人事件の被害者が死の間際、
   天井に貼りつけたトランプの意味を解き明かす
   「天井のとらんぷ」。
   少女歌劇団に附属する音楽学校の寮で起きた、
   集団食中毒事件の真相を暴く「白いハンカチーフ」。
   弾丸を受け止める奇術中、
   本物の銃が使用された事件の謎を追う「消える銃弾」など、
   珠玉の11編を収録する。(上巻)

 ★ 版元を変えて再文庫化

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 ペニス / 津原泰水

 << 2002年版 38位 >>

   ・「週刊文春ミステリーベスト10」 24位

 ★ 井ノ頭恩賜公園の管理人として、
   チャイコフスキーとともに日常を送る男は、
   ある日、
   少年の死体と遭遇する。
   初期長篇、復刊第2弾

 ★ 版元を変えて再文庫化

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 << 「このミス」で41位以下または0票だった
       当ブログ読了済みの12月文庫化作品 >>

 ダークナンバー / 長沢樹  <<感想記事はこちら!>>

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 NEXT >>> 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2020年2月)

 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2019年12月) <<< PREV


 “「このミス」ランクイン作品文庫化リスト”の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

2019年12月 2日 (月)

「このミス2021年版」月別ランクイン候補作品(2020年1月)


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 これで12年目となる“月別ランクイン候補作品”ですが、「このミステリーがすごい!2021年版」対象作品についても引き続き実施していこうと思います

 この“月別ランクイン候補作品”とは、自分は日頃から“どんな作品が「このミス」にランクインしそうかな?”と色々とチェックしているので、どうせならそれを刊行された月(奥付記載の月)別にまとめてしまおう!ということで始めた企画です

 ここでは、とりあえず「このミス」の対象になりそうな作品をピックアップして、作者やシリーズの「このミス」実績ごとに分けて並べています

 なお、読んだうえでのランクインするかどうかの予想に関しては、「このミステリーがすごい!2021年版」ランキング(順位)予想の方をご覧ください


 << この記事は現時点で未完の状態なので、情報を仕入れ次第、新たに対象作品を追加していく予定です(追加情報は「このミス」完全読破 説明&読破本リストの“更新情報”欄に書いていきます) >>

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>> 2020年1月発売の「このミス」ランクイン実績のあるシリーズ作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
 * 作者名横のカッコ内は、作者の「このミス」20位以内ランクイン作品数
 * シリーズ過去作品の作品名部分のリンク先は、当ブログ感想記事

 巴里マカロンの謎 / 米澤穂信 (14作) * シリーズ番外編
        〈2作目「夏期限定トロピカルパフェ事件」が07年版10位にランクイン〉
        〈3作目「秋期限定栗きんとん事件」が10年版10位にランクイン〉


 狐火の辻 / 竹本健治 (3作) * シリーズ4作目
        〈3作目「涙香迷宮」が17年版1位にランクイン〉

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>> 2020年1月発売の「このミス」ランクイン実績作家の作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
 * 作者名横のカッコ内は、「このミス」20位以内ランクイン作品数

 平蔵の母 / 逢坂剛 (10作) * シリーズ4作目
 七丁目まで空が象色 / 似鳥鶏 (1作) * シリーズ5作目
 山岳捜査 / 笹本稜平 (1作)

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>> 2020年1月発売の「このミス」ランクイン実績なしも
          21~40位に入ったことのある作家の作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
 * 作者名横のカッコ内は、過去の「このミス」21~40位作品数


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>> 2020年1月発売の
    日本推理作家協会賞(推協賞)短編部門の受賞作・候補作
    および年間傑作選アンソロジー選出作を収録した作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
 * 作者名横のカッコ()内は、「このミス」20位以内ランクイン作品数
 * 作者名横のカッコ<>内は、過去の「このミス」21~40位作品数
   (「このミス」ランクイン作家の場合は省略)
 * 他の項目と重複している作品もあります

[ ]


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>> 2020年1月発売のミステリ(エンタメ)系新人賞受賞(候補)作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ

[ “”受賞作 ]


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>> 2020年1月発売の
     「このミス」で40位以内に入ったことはないものの
     「本格ミステリ・ベスト10(本)」
     「週刊文春ミステリーベスト10(春)」
     「ミステリが読みたい!(早)」
     にはランクイン経験のある作家の作品 <<

 * 「週刊文春ミステリーベスト10」は
   (「このミス」が始まった)1988年以降のランクイン作家のみ対象
 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ

 1964年のクリスマス / 森谷明子 (本)
 OJOGIWA / 藤崎翔 (早)

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>> 2020年1月発売の「このミス」の候補かもしれない作品 <<

 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ

 よろず屋お市 深川事件帖2 親子の情 / 誉田龍一 * シリーズ2作目
 ママ / 神津凛子

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>> 2020年1月発売の宝島社作品 <<

 * 「このミス」では集計対象外(「本ミス」「文春」「早ミス」は対象)
 * 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ


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 NEXT >>> 「このミス2021年版」月別ランクイン候補作品(2020年2月)

 「このミス2021年版」月別ランクイン候補作品(2019年12月) <<< PREV


 「月別ランクイン候補作品」の一覧は、「このミス」完全読破 読破本リストにてご覧ください。


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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